2019/05/05
個人的におすすめしたいネオソウル系の名盤15選‼
おすすめのネオソウルの名盤を15作品選んでみました。
今の時代に聴いてもかっこいいネオソウルのアルバムたち。
今回はネオソウル系のおすすめアルバムを15作品ご紹介したいと思います。
15枚とまた少し多い枚数ではありますが、出来れば10作品に抑えて選ぼうと思っていました。
しかしどうしても自分の思い入れのある作品を選んでいると15作品という数になってしまいました。
でもどの作品も共通したオシャレな雰囲気を持つアルバムばかりですので統一感はあるんじゃないだろうかと思います。
なので、今回このブログ記事を読んで初めてネオソウルというジャンルを聴いてみたくなったという方がどの作品から聴き始めても問題ないと思います。
ネオソウルとは?
そもそもネオソウルというジャンル自体も、どこまでの範囲を「ネオソウルに含むのか?」がかなりあいまいなジャンルでもあります。
個人的な見解では、コンテンポラリーなR&Bミュージックの一つであると思います。
年代としては1990年代の前半から徐々に生まれてきた音楽性です。
1980年代中頃から勃興したニュー・ジャック・スウィングとはまた違った音楽性で、より「生演奏」に重点を置いているのが『ネオソウル』だと思います。
そういったわけで日本では『オーガニック・ソウル』と呼ばれることもあります。
簡単に言えば、1970年代にカーティス・メイフィールドやダニー・ハサウェイにマーヴィン・ゲイやアル・グリーンなどが中心となって発展していったニュー・ソウルという音楽性に、更にヒップホップやジャズの要素が混ざっているのが『ネオソウル』でしょう。
なので、ボーカルのスタイルもカーティスやアル・グリーンのようなファルセットを用いて歌うシンガーが多いのも『ネオソウル』の一つの特徴だと言えます。
またバックで演奏しているギターの演奏スタイルも、マーヴィン・ゲイのバックで弾いていたデイヴィッド・T.・ウォーカーから影響を受けたようなギタリストが多いのも特徴です。
例えばディアンジェロのバックでギターを弾いていたスパンキー・アルフォードやアイザイア・シャーキーなんかの演奏スタイルがそうです。
まるでデイヴィッド・T.・ウォーカーのようにコード弾きをする際に「ピロピロポロリン♪」とハープの音色のように弾く「ハープ奏法」を使うことがよくあります。
コードの音数も極限までに数を減らして2音のみで弾くダブルストップを多用するのも特徴です。
しかし彼らはギター・ソロを弾きだすと、ジャズの要素が垣間見えたりします。
そういった古き良き時代のメロディーラインに、ヒップホップを経過した新しい時代のグルーヴが合わさっているので、今の時代に聴いても古臭さはあまり感じられないと思います。
最近でもジョルジャ・スミスのように『ネオソウル二世』の世代が活躍していることを思うと『ネオソウル』という音楽が誕生から20年以上経った今でもまだまだ古びていないジャンルだと感じます。
逆に言うとR&Bという音楽性がそれ以降進化していないとも取れますが…。
もしかしたらこの『ネオソウル』という形がR&Bの最終形態なのかもしれませんね⁉
それでは今回は、ジャズやヒップホップなど様々な要素が混じり合った『ネオソウル』のおすすめ盤を15作品ご紹介したいと思います。
どれも僕の好きな作品を選んでみました。
ご紹介する順番はミュージシャン名のABC順です。
01.Alicia Keys – 『Songs in A Minor』
まずはNY出身のアリシア・キーズです。
ご紹介するのは、2001年にリリースされたデビュー作の『Songs in A Minor』です。
オーソドックスなピアノのイントロから始まる1曲目”Piano & I”から既にヒップホップ調のブレイクビーツを聴くことが出来ます。
ネオソウル系のシンガーとしては年代的には少し遅いデビューではありますが、その分最初から自身のやりたい音楽性が明確に表現された作品だと言えます。
ネオソウルという音楽ジャンルも2000年を超えてから成熟期を迎えているので、アリシアがデビューしたタイミング的にもピッタリだったと思います。
もちろんそういった時代性のマッチングのみならず、クォリティーの高い作曲能力や圧倒的な歌唱力やピアノの演奏力なんかがあってこその大ヒットだったと言えますね。
デビュー曲となった1stシングルの”Fallin'”を始め2ndシングルとなった”A Woman’s Worth”など、ストリートに生きる黒人達の生活を生々しいサウンドと歌詞で表現したような曲が印象に残ります。
他にも4thシングルの”Girlfriend”や、3rdシングルの”How Come You Don’t Call Me”など聴きどころも多数です。
ちなみに”How Come You Don’t Call Me”はプリンスのレア曲のカヴァーで、先にサックス奏者のジョシュア・レッドマンが1998年の作品『Timeless Tales (for Changing Times)』で取り上げていたこともあります。
90年代のジョシュア・レッドマンのおすすめアルバム3選‼
プリンスの楽曲もネオソウルの発展に大きな影響を与えていると言えますね。
デビュー作ながらアリシア自身が弾くピアノの音色にヒップホップ調のビートを混ぜ合わせた楽曲の統一感は見事だと思います。
本作以降もアリシアの制作する作品は、常に高いクォリティーを維持していますが、しかしこの1stアルバムこそが最もネオソウルという音楽ジャンルを表現してくれているアルバムだと感じます。
02.Angie Stone – 『Black Diamond』
ディアンジェロの元カノとしても有名な(?)女性シンガーのアンジー・ストーンです。
本作『Black Diamond』は、1999年にリリースされたデビューアルバムになります。
何と言っても1stシングルに選ばれた”No More Rain (In This Cloud)”が一番の聴きどころです。
アンジーの「やりたいこと」を具現化したような楽曲ですね♪
ちなみに元ネタは、グラディス・ナイト&ピップスの1973年の曲”Neither One of Us (Wants to Be the First to Say Goodbye)”です。
また先ほども出てきた元彼のディアンジェロとの共作”Everyday”もネオソウルという音楽ジャンルをそのまま表したかのような楽曲です。
ディアンジェロの弾くウーリッツァーの音色がまるでアルバム『Brown Sugar』に収録されていてもおかしくない様なサウンドです。
こういった派手に盛り上がるのではないクールな楽曲を聴くとスライ&ザ・ファミリー・ストーンからの影響も感じられますね。
また本作には、マーヴィン・ゲイのカヴァー曲”Trouble Man”やレニー・クラヴィッツの”Heaven Help”なんかも取り上げています。
11曲目の”Man Loves His Money”や12曲目の”Love Junkie”なんかもネオソウルらしいクールなR&B曲です。
03.Angie Stone – 『Mahogany Soul』
もうひとつアンジーのアルバムです。
こちらは2001年にリリースされた2ndアルバムの『Mahogany Soul』です。
一番の聴きどころは1stシングルになった”Brotha”です。
これは元トニー・トニー・トニーのラファエル・サディークとアンジー・ストーンの共作曲です。
「ペタペタ」とした印象的なサウンドのギターもラファエル・サディークが弾いています。
この曲の別バージョン”Brotha, Pt. 2″がアルバムからの2ndシングルに選ばれたのですが、その曲にはゲストでアリシア・キーズとラッパーのイヴが参加しています。
他にも、どこかカーティス・メイフィールドを彷彿させる3rdシングルの”Wish I Didn’t Miss You”や4thシングルの”More Than a Woman”や、シングルカットはされていないものの3曲目の”Pissed Off”なんかもクールな楽曲です。
9曲目の “The Ingredients of Love” は、ミュージック・ソウルチャイルドとのデュエット曲で、トランペット奏者のフレディ・ハバードの楽曲”Povo”のリズムを元に作られています。
個人的には1stの『Black Diamond』よりも更に洗練された楽曲が収録されたアンジーの代表作がこのアルバムだと思います。
04.Bilal – 『1st Born Second』
ディアンジェロのツアーのバック・バンドでコーラスを歌っていたビラルが2001年に満を持して制作したデビューアルバムがこの『1st Born Second』です。
やはりディアンジェロの影響をそのまま受けて作ったようなクールなデビュー曲”Soul Sista”が一番の出来だと思います。
僕も当時はこの曲のMVを始めて観てビラルを知りました。
サビで盛り上がって楽器陣の音量が上がったりボーカルが激しくシャウトしたりしないで、終始クールなトーンで貫いた極上のR&Bです♪
しかしそれだけでなく、アルバム冒頭には”For You”や”Fast Lane”なんかの少しハードな楽曲が並んでいます。
ヒップホップが苦手な方もここで諦めないで、4曲目の”Reminisce”や美しいコーラスパートを持つ5曲目の”All That I Am (Somethin for the People)”まで我慢しましょう。
2ndシングルとなったキャッチーな”Love It”もお勧めです。
05.D’Angelo – 『Brown Sugar』
ネオソウルを代表するミュージシャンと言えば、やはりこの人ディアンジェロですね!
1995年にリリースされたデビュー作となった『Brown Sugar』からズバ抜けたセンスの楽曲ばかりが並んでいます。
なんといってもデビューシングルにもなったライヴでも定番の代表曲”Brown Sugar”が一番の出来です!
もはやこの”Brown Sugar”こそがネオソウルというジャンルを最も表現した楽曲だと言えますよね。
ちなみにこの楽曲の曲作りにはア・トライブ・コールド・クエストのDJアリ・シャヒード・モハマッドが参加しています。
他にも3曲目の “Jonz in My Bonz”の曲作りにはアンジー・ストーンが参加しています。
本作からの3rdシングルとなった”Lady”の曲作りには、アンジーの”Brotha”でギターを弾いていたラファエル・サディークが参加しています。
この辺のミュージシャン繋がりは、ディアンジェロとザ・ルーツのドラマーのクエストラヴを中心に1990年代後半に形成されたソウルクエリアンズ繋がりでもありますね。
ソウルクエリアンズには、ラッパーのコモンやエリカ・バドゥに先にもご紹介していたビラルやジェイムズ・ポイザーにア・トライブ・コールド・クエストのQティップ なんかも参加しています。
他にも重要な人物が参加していて、特にこのジャンルのリズム面での発展に貢献したのが、元スラム・ヴィレッジのJ・ディラ です。
少し変わったところでは…ジャズ・トランぺッターのロイ・ハーグローヴの参加や、ジョン・メイヤーのバンドやナイン・インチ・ネイルズにも参加したことがあるフレットレス・ベースの達人ピノ・パラディーノの貢献も大きかったと思います。
ディアンエロはどうしても自身の音楽を表現するのにピノ・パラディーノのベースが不可欠なようで、ツアー・バンドには必ずと言って良いほどピノを起用しているようです。
なんにしてもネオ・ソウルの発展には、ディアンジェロのこの『Brown Sugar』の登場が欠かせなかったと言えますね。
06.D’Angelo – 『Voodoo』
そのディアンジェロの最高傑作にして未だにこの作品を超えるネオソウルの作品は生まれていないと言っても過言ではない名盤『Voodoo』です。
前作から5年経過して制作された2ndアルバム『Voodoo』には、1曲目”Playa Playa”から最後の13曲目”Africa”まで全く隙のない名曲ばかりが並んでいます。
ソウルクエリアンズ関連の作品としてもこの作品が最高傑作だと思います。
実は僕が初めて聴いたディアンジェロの作品はこのアルバムでした。
当時はネオ・ソウルという音楽自体は無意識の内にローリン・ヒルなんかを聴いていたのですが、このディアンジェロの『Voodoo』を聴くまではそういったジャンルがあることを知りませんでした。
たまたま知り合いの音楽好きに僕がプリンスを好きだってことを話したら「じゃ~ディアンジェロとか気に入るんじゃない?」と言われてこのアルバムを貸してもらいました。
言うまでもなく、1曲目”Playa Playa”を聴いた瞬間からすぐにハマりました!
むしろダメなところを見つけるのが不可能なぐらいに完璧な作品です。
唯一のカヴァー曲”Feel Like Makin’ Love”ですら、歴代最高峰のアレンジで取り上げています。
セッションなんかでもよく演奏されるこの曲は、マリーナ・ショウのアレンジが特に人気だと思います。
しかし僕にとっての最も素晴らしい”Feel Like Makin’ Love”のアレンジは、本作のこのクールなバージョンです。
決して音量を大きくしたりシャウトしたりせずに、終始クールで静かな音量がキープされています。
このアレンジは「最後まで盛り上がらないからこそ」そこに魅力があるんです。
ちなみにこのアレンジを考えたのは本作にも参加しているトランペット奏者のロイ・ハーグローヴだとか⁉
僕が参加するセッションなんかではこのアレンジで”Feel Like Makin’ Love”を演奏することはないのですが、ソウライヴの2007年頃のライヴ音源を聴いてみると、このアレンジで”Feel Like Makin’ Love”をカヴァーしていました。
もしかしたらNY周辺のセッションなんかではこのディアンジェロのバージョンの”Feel Like Makin’ Love”が定番アレンジなのかも知れませんね⁉
本作には多くのゲスト・ミュージシャンが参加しているのですが……得に印象的なのが9曲目の”Spanish Joint”で8弦ギターを弾くチャーリー・ハンターです。
チャーリー・ハンターは、このブログでも何度かご紹介していますが、ギターとベースを同時に演奏する達人ギタリストです。
ロックな気分のチャーリー・ハンターの2作品『Copperopolis』と『Mistico』を聴こう♪
チャーリー・ハンターは演奏だけでなく、8曲目の”The Root”や11曲目の”Greatdayndamornin’/Booty”の曲作りにも参加しています。
やはりネオソウルというジャンルを語る上で『Voodoo』は絶対に外せないアルバムですね。
もし今回僕のこのブログ記事を読んでネオソウルというジャンルを気になって聴いてみようかな?という方にも、まずはこの『Voodoo』から聴き始めることをおすすめします♪
今でも「ディアンジェロの『Voodoo』っぽいアルバムって他にないですか?」と聞かれたりすることがたまにあります。
その昔はmixiのグループとかでも上記のような質問が飛び交っていました。
そこで僕がロイ・ハーグローヴのRHファクターを紹介すると…「う~~ん、すごくかっこいいんですけど、なんか違うんですよね~。」と返信が来ることがありました。
いや、仕方ないことだと思うのですが…しかし『Voodoo』のような歴史的名盤と全く同じような作品を他のアルバムに求めるのは酷ですよね。
唯一無二の存在、それがこのディアンジェロの『Voodoo』です!
07.Dwele – 『Subject』
実は過去にそのmixiのグループで「ディアンジェロの『Voodoo』っぽいアルバムって他にないですか?」との問いに、このドゥウェレのデビューアルバム『Subject』を推薦したことがありました。
その時も「教えてくれてありがとうございます。しかしなんか違うんですよね~…。」と言われました。
さすがにディアンジェロの『Voodoo』と比べるのは、あまりにも酷なのですが、しかし単体でこの作品を聴いた場合にはネオソウルの名作だと言えると思います。
名前の発音が少し難しいドゥウェレは、元スラム・ヴィレッジのJ.ディラのバック・アップでデビューを果たしています。
そのため本作もソウルクエリアンズ系のクールなネオ・ソウル作品に仕上がっています。
またその繋がりからか、コモンのライヴに飛び入りしたりなんかもしていました。
おすすめ曲は2曲目の”Truth”と10曲目の”Hold On”や12曲目の”Without You”なんかです。
08.Eric Benet – 『True to Myself』
ハリウッド女優のハル・ベリーと結婚していたこともあるイケメンシンガーのエリック・ベネイのデビュー作『True to Myself』です。
1996年と、ネオソウルというジャンルにしては黎明期のまだ早い時期にリリースされた作品ですが、既にクールなサウンドはネオ・ソウルそのものです。
エリック・ベネイ自体にソウルクエリアンズとの関係性はありませんが、しかしディアンジェロやエリカ・バドゥとは違ったベクトルのスウィートなネオソウルを得意としています。
整った顔にアル・グリーンのようなとろけるスウィート・ボイスは、女性ファンへの訴求力が高いでしょう。
その代わり他のネオソウル系のミュージシャンと比べるとバラード曲が多い気がします。
おすすめ曲は、スライ&ザ・ファミリー・ストーンのカヴァー曲”If You Want Me to Stay”やアルバムからの2ndシングルとなった”Spiritual Thang”に4thシングルの”True to Myself”等です。
09.Eric Benet – 『A Day in the Life』
同じくエリック・ベネイの作品で、1999年にリリースされた2作目『A Day in the Life』です。
アルバムからの1stシングルに選ばれて話題を呼んだTOTOのカヴァー曲”Georgy Porgy”も収録されていますが、聴きどころはそれだけではないです。
1曲目”That’s My Way”から、前作以上にクォリティーの上がったネオ・ソウルの楽曲が並んでいます。
エリック・ベネイはどうしてもファルセット系の甘い歌い方を得意としているので、3曲目のバラード曲”Spend My Life With You”の出来が飛びぬけていたりもします。
ちなみに本作にはロイ・エアーズがヴィブラフォンで参加していたり、ディアンジェロやRHファクターのアルバムでもギターを弾いていたスパンキー・アルフォードなんかの名手が参加しています。
10.Erykah Badu – 『Baduizm』
ディアンジェロと並んでネオソウルというジャンルを代表するミュージシャンなのがこのエリカ・バドゥです。
本作『Baduizm』は1997年にリリースされたデビュー作になります。
1曲目のイントロ曲 “Rimshot (Intro)”からまるでネオソウルというジャンルの特長を表しているかのようです。
この曲で聴けるようなシンコペートするドラムのリムショットは、ネオソウルのグルーヴの要だと言えますね。
デビュー作にしてネオソウルという音楽ジャンルに必要なもの全てが揃っているかのような名作です!
おすすめ曲は2曲目”On & On”、3曲目”Appletree”、4曲目”Otherside of the Game”、6曲目”Next Lifetime”などアルバム序盤に収録されている楽曲です。
11.Erykah Badu – 『Mama’s Gun』
先ほどのエリカ・バドゥが、NYにあるジミヘンの作ったエレクトリック・レディ・スタジオで制作した2ndアルバム『Mama’s Gun』です。
2000年にリリースされた本作は、ディアンジェロの『Voodoo』と並ぶネオ・ソウルの名盤です。
ネオソウルを代表するその2作品が同時期に同じスタジオの別の部屋で制作されたというのは今考えると凄いことなのですが……どちらも全盛期のソウルクエリアンズ関連なので必然だったのかもしれません。
1曲目の”Penitentiary Philosophy”こそロックな要素が散りばめられていますが、他の楽曲はディアンジェロの『Voodoo』に負けず劣らずクールなR&B曲ばかりです。
おすすめ曲は2曲目 “Didn’t Cha Know?”、4曲目”… & On”、5曲目”Cleva”、12曲目”Bag Lady”等です。
12.Jaheim – 『Still Ghetto』
ニュージャージー州出身のシンガーであるジャヒームは、ネオソウル界でも随一の歌唱力の高さを誇っています。
本作『Still Ghetto』は、2002年にリリースされた2ndアルバムです。
アルバムはヒップホップなイントロから始まり、カーティス・メイフィールド風の渋いR&B曲”Diamond in da Ruff”から本格的にジャヒームの歌が始まります。
キーの高いエリック・ベネイとは真逆に位置するようなオーティス・レディング風のハスキーボイスが特徴的です。
黒人スラングの定番である”fabulous”という単語がそのままタイトルになった2曲目の”Fabulous”が本作からのリードトラックに選ばれています。
ジャヒームもどちらかというとエリック・ベネイのようにこういったバラード曲が多いミュージシャンのような気がします。
ネオソウルと言っても、同じジャンル内でミュージシャンごとに様々な特徴がありますね。
13.Lauryn Hill – 『The Miseducation of Lauryn Hill』
今のところローリン・ヒルの唯一のソロ・アルバム『The Miseducation of Lauryn Hill』もネオソウルの名盤です。
ヒップホップ・グループのフージーズが活動していなかった頃に制作された本作は、その後登場した数多くの女性R&Bシンガーに影響を与えました。
その影響力は未だに衰えることはありません。
ヒップホップとR&Bが上手く融合した、まさにネオ・ソウルな楽曲が全編に収録されています。
特にシングルとなった”Doo Wop (That Thing)”、”Ex-Factor”、”Everything Is Everything”の3曲の出来はずば抜けています。
今にして思えば、僕が初めて聴いたネオソウル作品もこのアルバムだったと思います。
当時はディアンジェロも知らなかったので、本作がネオソウルというジャンルに分けられることも知りませんでした。
しかし『Voodoo』を体験した後で本作を聴き返してみると、どことなく共通点が見い出せた気がします。
僕が本作を好きになったきっかけは、1998年当時にオシャレな”Ex-Factor”のMVを観てからです。
今でもネオソウル系のバラード曲では、この曲が一番好きです♪
14.Maxwell – 『Maxwell’s Urban Hang Suite』
ブルックリン出身のマックスウェルが1996年にリリースしたデビュー作『Maxwell’s Urban Hang Suite』です。
冒頭から70年代ジャズファンクなインストから始まる一風変わったネオソウル作品です。
この辺のミュージシャンなら1曲目にヒップホップ系のラップやスクラッチ・ノイズなんかのイントロを持ってくるのが定番なのですが。
しかしそういった他と違った感触もマックスウェルの特長だと言えます。
伸びやかなボーカル・スタイルも、他のネオソウル系のシンガーよりもR&B的です。
またバックのリズムも、ヒップホップというよりもダンス・ミュージックに近いグルーヴです。
そういった面で少し「古さ」を感じたりもします。
またマックスウェルの初期の数作にはジャズファンク期のハービー・ハンコックのバンドで活躍したワーワー・ワトソンがギターで参加しています。
僕自身はワーワー・ワトソンの弾くワウギターが好きなのですが、どうしても70年代風の「古さ」を感じる音だということは否めません。
同じ時代にリリースされたディアンジェロの『Brown Sugar』と比べると「古さ」は感じますが、しかし本作もネオソウルを代表するアルバムの一つだと思います。
15.Musiq Soulchild – 『Aijuswanaseing』
長くなりましたが、ついに最後の15作品目です!
フィラデルフィア出身のシンガー、ミュージック・ソウルチャイルドが2000年にリリースしたデビュー作『Aijuswanaseing』です。
今の時代に見ると、なんとも時代を感じさせる90年代風のアルバム・ジャケットですが……中身の楽曲は1曲目のイントロを除いてそこまで古びてはいません。
1曲目のみヒップホップ風のスクラッチ音で始まります。
当時としてはクールだったのでしょうが、今の時代に聴くとこういったスクラッチ・ノイズもダサく感じますね……。
しかしそれ以外は、ヒップホップのグルーヴに甘いボーカル、そしてちょっとしたジャジーな要素も含まれたネオ・ソウル作品に仕上がっています。
同じネオソウルのジャンルと言ってもミュージック・ソウルチャイルドは、ディアンジェロやビラルとは違ったエリック・ベネイやジャヒーム系のスウィートなネオソウルです。
なので、バラード曲の出来が良かったりするのも特徴の一つであります。
本作の一番のおすすめ曲は、なんと言っても4曲目に収録されている名曲”Just Friends (Sunny)”です。
“Just Friends”とか副題の”Sunny”なんかの曲名を見ると、ジャズ好きの方ならどうしてもスタンダード曲を思い浮かべてしまいますが、全く別のオシャレなR&B曲になります。
この曲は、最近のネクスト・ネオソウル世代の若いミュージシャンにもよく取り上げられたりしているようです。
YouTubeなんかでこの曲をサラッと演奏しているのを見かけたりもします。
今の時代にも通じる『ネオソウルクラシック』と言ったところですかね。
全ソウルミュージックファンに聴いてもらいたい名曲であることには間違いありません。
必聴です!
以上、【個人的におすすめしたいネオソウル系の名盤15選‼】でした。
さすがに15作品もご紹介となると、かなり長くなりましたね。
どうしてもこの15作品をブログでご紹介したかったんです。
どれもおすすめのネオソウルの名盤ばかりです。
しかし全てを聴くのはなかなか大変だと思いますので、ネオソウル初心者の方は、まずはディアンジェロの『Voodoo』とエリカ・バドゥの『Mama’s Gun』から聴き始めることをおすすめします。
それからアンジー・ストーンやビラルなんかに進んでみてはいかがでしょうか。
追記
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