
2024/07/15
にわかでもいいじゃん!初心者大歓迎!ミクスチャー・ロック入門におすすめのアルバム20選
【にわかでもいいじゃん!シリーズ】ミクスチャー・ロック編
今回は【にわかでもいいじゃん!シリーズ】の第2回目です。
前回は70年代パンク・ロックをご紹介しましたが、今回はミクスチャー・ロックです。
にわかでもいいじゃん!初心者なら絶対に聴いておきたい70年代パンク・ロックおすすめアルバム10選
このブログ記事の趣旨として、「これからミクスチャー・ロックを聴いてみたいな~」と考えている初心者さんに向けて、僕がおすすめしたいミクスチャー・ロックのアルバムを20枚選んでご紹介したいと思います。
その前に…簡単なジャンル名の説明をします。
ミクスチャー・ロックとは?
ここ日本ではお馴染みの音楽ジャンル『ミクスチャー・ロック(Mixture Rock)』ですが、実はこのジャンル名は和製英語なんです。
ご存じでしたか?
英語圏の人には通じません。(最近では日本の音楽に詳しい人も多くいるので、通じる人も以前よりは増えたかも?)
では、ミクスチャー・ロックとはどういった音楽ジャンルなのか?
主に1980年代後期から1990年代に登場したロックにヘヴィ・メタルやファンク、レゲェやスカにヒップホップ等の様々なジャンルを混ぜ合わせたバンドをまとめてこう呼ぶようになりました。
こういった様々な音楽ジャンルを「ごちゃ混ぜ」にしたバンドだから「ミクスチャー(mixture)=混合」と呼んでいます。
例えば、80年代に登場したレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(以降:レッチリ)やリヴィング・カラーと言ったバンドがこのジャンルに当てはまります。
こういったバンドの特徴は、基本はロック・バンドなのだけれども…ボーカルはラップも交えて歌っていたり、ギターはメタリックに激しく歪ませていたり、従来のロックにはなかったようなファンクやヒップホップのグルーヴを混ぜこぜにしたりしています。
そういったバンドをミクスチャー・ロックと日本ではまとめて呼んでいるのですが、それではアメリカやイギリスだとどう呼ばれているのか?
日本ではミクスチャー・ロックとひとまとめにしていますが、海外だとあいまいにジャンル分けされているようです。
オルタナティヴ・ロックやオルタナティヴ・メタルと呼ばれることもあれば、ファンク・ロックにファンク・メタル、ラップ・ロックにラップ・メタル、更にはニュー・メタル(Nu Metal)と様々な音楽ジャンルをそのバンドに当てはめています。
例えばレッチリなら、オルタナティヴ・ロックにファンク・ロック、ラップ・ロックにファンク・メタル…と1つのバンドに様々な音楽ジャンルが付けられています。
これでは「レッチリってどんなジャンルなの?」と聞かれた時に、1つのジャンルだけに括って答えにくいので日本ではミクスチャー・ロックという言葉にまとめられたんだと思います。
それに「オルタナティヴ(反主流)」という言葉は、どちらかというと我々日本人には馴染みのない単語ではありますからね。
それこそロック系の音楽を聴かない人からしたら「オルタナティヴ」という言葉を目にする機会はほとんどないのかもしれません⁉
そこでミクスチャーという、なんとなく「色んなものが混ざってるのかな?」とイメージしやすい名前が用いられたのでしょう。
ミクスチャー・ロックというカテゴライズは、日本でのみ通じる分け方なのですが…
レッチリやリンプ・ビズキットといった音楽性が異なるバンドでも、ミクスチャー・ロックという同じジャンルのバンドとして扱われていたりします。
しかし海外だと、「レッチリはラップ・ロック(もしくはファンク・ロック)でリンプ・ビズキットはラップ・メタル(もしくはニュー・メタル)!」と分ける人の方が多いでしょう。
どうやらこういった海外の「色んなジャンルが混ざったバンド」を日本の音楽雑誌で掲載する際に、ひとまとめにして紹介するためにミクスチャー・ロックという呼び方が出来たようです。
だからあくまでも日本でのジャンル分けとしてミクスチャー・ロックという呼び方があるんだと考えて下さい。
今回ご紹介する20作品の中には、ロックにファンクにメタル、ヒップホップにレゲェにスカ等…様々な音楽ジャンルが混ぜこぜになったアルバムばかりになります。
これらのバンドを1つ1つ細かくジャンル分けしてしまうと、大変なことになってしまうのですが…ミクスチャー・ロックという便利な呼び方でまとめると、今回のブログ記事のようにひとまとめにしてご紹介することが出来ます。
なんだかんだで今回ご紹介する20作品は何かしらの共通点があります。
ラップだとか、メタルだとか、ファンクだとか、ロックに何かしらが混ざっているんです。
それに日本でしか使われていないジャンル分けですが、僕自身は「便利なジャンル分け」だと考えているので、日本にいる限りミクスチャー・ロックとしてジャンル分けするのは良いことだと思います。
それでは今回は僕が「ミクスチャー・ロック入門」としておすすめしたい20作品をご紹介します。
なるべく多くのバンドをご紹介したいので、1バンド1作品に限定しています。
大まかなご紹介順は、ファンク系→異色系→レゲェ+スカ系→メタル系→少しマニアック系→ポップ系みたいな流れで分けてます。
とは言ったものの、どの作品も様々な音楽的要素が混じりまくっているので…この辺はなんとなく僕がおすすめしたい順番といった感じです。
まずは最初にご紹介しているバンドから聴いてもらいたいな~と思います。
それではここから20作品をご紹介します。
ミクスチャー・ロックおすすめの20選
01.Infectious Grooves – 『The Plague That Makes Your Booty Move… It’s the Infectious Grooves』
まず最初にご紹介したいのは、僕がミクスチャー・ロック系で一番好きなバンドのインフェクシャス・グルーヴスです。
インフェクシャス・グルーヴスは、スイサイダル・テンデンシーズのボーカリストのマイク・ミュアーが、英国パンク・ロックを代表するセックス・ピストルズと、ジョージ・クリントン率いるファンク軍団パーラメントに共通点を見出し、それを表現するために始めたサイド・プロジェクトです。
結成当初のメンバーは、同じスイサイダル・テンデンシーズのメンバーであったベーシストのロバート・トゥルージロ(現メタリカ)と、ジェーンズ・アディクションのドラムのステファン・パーキンスがリズム隊で参加しています。
その他に、リードギターにスイサイダル・テンデンシーズのディーン・プレザンツ、リズムギターに元エクセルのアダム・シーゲルが参加しています。
この時期のライヴ映像を観ていて面白いのは、ド派手なフライングVを持ったディーン・プレザンツがメタリックなギターソロをゴリゴリ弾ている逆サイドでストラト系のギターを抱えたアダム・シーゲルがファンキーなカッティングをひたすら弾いているシーンです。
僕自身はファンクが大好きなので、このインフェクシャス・グルーヴスが好きな理由の1つにアダム・シーゲルが弾くファンク・カッティングのかっこよさがあります。
この5名(+ゲスト)でレコーディングされた『The Plague That Makes Your Booty Move… It’s the Infectious Grooves』は、1991年にリリースされた1stアルバムです。
スラッシュ・メタルにハードコア・パンクを混ぜ合わせてファンクの衣でグルーヴィーに焼き上げた…そんな感じのアルバムです。
わかりやすく言うと、初期のレッチリの3作品に似ています。
そういったわけで、最近のレッチリのメロウ路線に物足りなさを感じている人にこのインフェクシャス・グルーヴスは、特におすすめです!
このメンバーが揃っているので演奏面での心配事は一切ありませんからね!
ていうか、ミクスチャー・ロックにカテゴライズされるバンドはどれもバカテクばかりなのですが…。
まずはこのインフェクシャス・グルーヴスの1stアルバムからミクスチャー・ロックを体験して欲しいと僕は考えています。
これこそがミクスチャー・ロックの聖典だと言いたいです!
ちなみに”Therapy”にはゲスト・ボーカルでブラック・サバスのボーカリスト、オジー・オズボーンが参加しています。
02.Red Hot Chili Peppers – 『Mother’s Milk』
2番目にご紹介したいのは、やはりレッチリです!
ミクスチャー・ロックを語る上でレッチリは外せません!
なので、なるべく早めにこの『Mother’s Milk』は聴いておいて欲しいアルバムです。
本作『Mother’s Milk』(邦題は『母乳』)は、1989年にリリースされた4作目のアルバムです。
オリジナル・メンバーだったギタリストのヒレル・スロヴァクが亡くなり、そのショックからジャック・アイアンズも脱退した後のバンドの変革期にあったアルバムです。
代わりのメンバーとしてジョン・フルシアンテとチャド・スミスが加入して、今のレッチリのラインナップがここで揃います。
ジミヘンのカバー”Fire”のみがヒレル・スロヴァクを含むオリジナル・メンバーで録音された音源です。
本作ではプロデューサーのマイケル・バインホーンの意向により、この時期に流行っていたメタル系のザクザクした攻撃的なギター音に無理矢理されています。
このことに不満を抱いたフルシアンテとボーカルのアンソニー・キーディスがプロデューサーと揉めたことで、バンド側にとっては不本意なアルバムだったのかもしれません。
しかしバンド側の考えはどうあれ、アルバムのクオリティーの高さは「さすがはレッチリ!」と言える名作に仕上がっています。
むしろミクスチャー・ロックというジャンルにおいては、レッチリの全作品の中で本作こそが最も相応しい作品だと言えます。
本作以降はメロウ路線がじょじょに進んでいきますからね…。
この後もレッチリは名盤を連発して作り、今もバンドのクオリティーの高さを維持したモンスター・バンドへと成長しました。
しかしファンク好きの僕としては、「メロウ路線もいいけど、また初期の頃の様なラップ・ボーカルにファンクギターでゴリゴリやって欲しいなぁ…。」と思うことがあります。
フルシアンテ自身は不満だったでしょうが、良くも悪くも本作のメタリックなギターこそがミクスチャー・ロックっぽくって良い味を出しています。
ちなみにこの当時のミクスチャー・ロックを知る上で、西海岸系ストリート・ファッションも重要な要素と言えます。
そういったファッションを視覚的に知る上で、本作『Mother’s Milk』からシングル・カットされた”Taste the Pain”のアートワークは最適です。
リズム隊2名が上半身裸なのは…「L.A.って開放的なんですよ!」ってことで…。
03.Rage Against the Machine – 『The Battle of Los Angeles』
レッチリと来たら…次はレイジですよね!
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(以降:レイジ)は、ここ日本でもレッチリと並ぶ大人気バンドで、大体のレッチリ好きはレイジも好きです。
もちろん僕もその通りです。
僕が大学生の頃は、ちょうどこの2バンドが流行りまくっていた時期だったので、洋楽好きのバンドマンは大体レッチリかレイジのカバーをやっていました。(僕はレッチリ派でした。)
特に本作『The Battle of Los Angeles』に収録されている”Testify”と大ヒット曲の”Guerrilla Radio”は、対バン相手の演奏で何度聴いたことか…。
それぐらい大人気のバンドです!
本作『The Battle of Los Angeles』は、1999年にリリースされた3作目で、先行シングルに選ばれた”Guerrilla Radio”が大ヒットしました!
当時は街中に買い物にいけば、古着系のお店でよくこの曲が流れていました。
この曲こそミクスチャー・ロックの代名詞と言っても過言がない名曲なので、絶対に聴いておきましょう!
ちなみにレイジのギタリスト、トム・モレロの弾くギターの独特な音の切り方やヒップホップ的なノリは、ヒップホップ・グループのパブリック・エネミーから大きな影響を受けています。
パブリック・エネミーは、ソニック・ユースやマイ・ブラッディ・バレンタインに影響を与えていたり…アンスラックスと共演したり…と、実はロック界に色んな影響を与えているんですね。
04.Living Colour – 『Vivid』
リヴィング・カラーは、メンバー全員が黒人で構成されたミクスチャー・ロック・バンドです。
コリー・グローヴァーのソウルフルな歌声に、ヴァーノン・リードの弾くメタリックなギターが特徴的なバンドです。
ギターの音はかなりヘヴィですが、どの曲もキャッチーなフックを持った聴きやすいバンドです。
もちろんヘヴィ・メタル一辺倒ではなく、ファンキーな曲であったり、レゲェやパンク・ロックっぽい曲まで様々なジャンルが混ぜ合わさっています。
ヴァーノン・リードのギターも、ある時はトニー・マカパインばりにゴリゴリ弾きまくていたり、またある時はキャットフィッシュ・コリンズのようにキレのあるファンク・カッティングを弾いたり…と色んな顔を持っています。
本作『Vivid』は、1988年にリリースされたデビュー作で、シングル・カットされた”Middle Man”や”Cult of Personality”に”Glamour Boys”、”Funny Vibe”といった曲がヒットしました。
ヴァーノン・リードは、”Middle Man”や”Cult of Personality”ではヘヴィー・メタル風のギターを弾ているのに、”Glamour Boys”や”Funny Vibe”ではクリーントーンでファンキーなカッティングを弾いています。
こういった雑多で混ぜこぜな音楽性こそミクスチャー・ロックと呼ぶに相応しいですね!
05.Jane’s Addiction – 『Ritual de lo Habitual』
今となってはミクスチャー・ロックというよりも、オルタナティヴ・ロックを代表するバンドのようなイメージの強いジェーンズ・アディクションも日本で知られ始めた初期の頃は「レッチリと並ぶ西海岸ミクスチャー勢のひとつ」という扱いでした。
ヒップホップの要素が感じられないのでラップ・ロックやラップ・メタルにカテゴライズされることはまずありませんが、デイヴ・ナヴァロのメタリックなファンク・ギターは、レッチリのヒレル・スロヴァクやリヴィング・カラーのヴァーノン・リードを彷彿させます。
『Ritual de lo Habitual』は、1990年にリリースされた2作目のアルバムです。
今やライヴの定番曲でもあり、ジェーンズ・アディクションの代表曲となった”Stop”からデイヴ・ナヴァロのハイテンションなギターサウンドが印象に残ります。
当時エクストリームの登場で流行っていたファンク・メタル風でもありますが、実はデイヴ・ナヴァロ自身はそこまでファンクというジャンルに興味がなく、むしろディレイを使った幻想的な曲作りに興味があったのだとか。
後にジェーンズ・アディクションが一時解散状態にあった時にデイヴ・ナヴァロはレッチリに加入しますが、ファンクにそこまで興味がなかったためすぐに脱退してしまいます。
デイヴ・ナヴァロがジェーンズ・アディクションのボーカリスト、ペリー・ファレルと出会った際に意気投合したのは、ディレイを使った幻想的な曲にお互い興味があるためでした。
前半の勢いある曲の連続からファンク・メタルのイメージが強い本作ですが、実はアルバムからの2ndシングルに選ばれた大曲”Three Days”にこそ、ジェーンズ・アディクションの真の姿なのかも知れません!?
そういった点から見ても、1つの音楽ジャンルに捕らわれない姿勢は、ミクスチャー・ロックと呼ぶに相応しいアルバムだと思います。
06.Primus – 『Antipop』
プライマスを初めて聴いた時は、本当に驚きました!
もちろん「良い意味で」ですが、「なんだこの音楽は!?」と混乱したことを思い出します。
プライマスの一番の魅力は、狂気の天才と称されるベースシスト兼ボーカリストのレス・クレイプールが作り出す摩訶不思議な曲調にあります。
唯一無二というか、他に並ぶ者がいないというか…誰も真似出来ないようなフランク・ザッパもビックリ!な世界観です。
そんな摩訶不思議なプライマスの数あるアルバムの中でも、1999年にリリースされた6作目の本作『Antipop』は、一番キャッチーで聴きやすいアルバムに仕上がっています。(あくまでプライマスの中では…ですが。)
レス・クレイプールの異星人のようなコミカルな歌声に(しかもスラップまみれのベースを弾きながら!!!!)、ラリー・ラロンデのメタリックなギターが絡み、ライアン・マンティアのグルーヴィーなドラムが土台を支えます。
シングル・カットされた”Lacquer Head”が、どう考えても「ヒットなんて狙ってねーよ!」といった曲調なのもプライマスらしいです。(どう考えてもタイトル・トラックの”The Antipop”の方がシングル向けです!)
こんなラジオ向けじゃない曲を普通にシングルに選んじゃうのに、アルバムは売れて、ライヴは超満員で、世界的な人気を獲得していて…全てが不思議なバンドです。
これは僕もそうなのですが、初めて聴いた時こそ驚きましたが、じっくりとプライマスを聴いていると「なぜかクセになる!」ことがあります。
一緒にサビを歌いたくなるようなキャッチーな曲はないんだけれども、レス・クレイプールの個性的すぎる歌声はクセになります。
ファンクにメタルにエクスペリメンタル・ミュージック(実験音楽)までも…何でもごちゃ混ぜにしたミクスチャー感覚がこのバンドの魅力です。
ちなみに後にオイスター・ヘッドを組むことになる元ザ・ポリスのドラマー、スチュワート・コープランドが書いた曲”Dirty Drowning Man”も本作に収録されています。
07.Fishbone – 『Truth And Soul』
フィッシュボーンは、ロックにファンクにヘヴィメタル、更にはレゲェやスカまで幅広く取り入れたミクスチャー・バンドです。
とは言っても、ヒップホップからの影響はほとんど感じられず、先にご紹介していたリヴィング・カラーと似た音楽性です。
本作『Truth And Soul』は、1988年にリリースされた2作目のアルバムです。
いきなりカーティス・メイフィールドの”Freddie’s Dead”のカバーから始まります。
もちろんそのままカバーしたのではなく、メタリックなギターサウンドというスパイス入りでファンク・メタル風味に味付けしています。
次の2曲目”Ma and Pa”では、さっそくお得意のスカ風の曲が続き、その次の3曲目”Question of Life”ではハード・ロック風のキャッチーな曲が始まったり…と、様々なジャンルが混じり合ったアルバムです。
シングルも4曲がカットされており、カーティスのカバー”Freddie’s Dead”から始まり、スカな”Ma and Pa”、アコギをバックにしっとり歌ったバラード”Change”、ヴァン・ヘイレン風のギターソロも登場するハードなギターを中心にしたジャムっぽい曲”One Day”と、これまた一筋縄ではいかない様々なジャンルからの影響が見て取れます。
メンバーの6人全員がボーカルを取り、サックスやトランペットといったホーン隊もにぎやかなサウンドは、他のミクスチャー・バンドと大きく異なっています。
音楽ジャンルの混ざり具合の多さという点ではこのフィッシュボーンが随一かもしれません。
08.Sublime – 『Sublime』
先ほどご紹介したフィッシュボーンと同じく、こちらのサブライムもスカやレゲェが混じったバンドです。
フィッシュボーンとの違いは、サブライムにはヒップホップの要素も混じっている点です。
本作『Sublime』は、1996年にリリースされた通算3作目となるメジャー・デビュー作にして最終作品となりました。
残念ながらリードシンガーでバンドの中心人物だったブラッド・ノウェルが本作の発売直前に亡くなったため、その後バンドは解散してしまいます。
参考シングルとなった”What I Got”は、ビートルズのポール・マッカートニー作”Lady Madonna”のメロディーから曲が始まり、その後ビッグ・マウンテンっぽいポップなレゲェ風に転換する面白い楽曲です。
他にもレッチリの”Under The Bridge”のイントロから影響を受けたようなギターのアルペジオで始まる”Santeria”や、ジョージ・ガーシュウィンの”Rhapsody in Blue”のテーマを用いたトロンボーン・ソロが印象的な”Wrong Way”に、同じくガーシュウィンの”Summertime”をサンプリングした”Doin’ Time”といったシングル曲も含まれたアルバムです。
レッチリからの影響が濃く、”Same In The End”のボーカルはどことなく”Give It Away”を彷彿させたりします。
レッチリにスカやレゲェを混ぜ合わせて、よりラフにしたような名バンドでしたが、早すぎるバンドの終焉が悔やまれるバンドです。
09.311 – 『Music』
311は1988年に結成された米国のバンドで、パンク・ロックをベースに、レゲェのリズムやヘヴィ・メタル風の歪んだギターにラップ・ボーカルを合わせた、まさにミクスチャーなバンドです。
本作『Music』は、1993年にリリースされたデビュー作です。
もうすでにこの時点で、ラップ+メタルギター+レゲェのリズムといったミクスチャー・ロックに必要な要素が揃っています。
先行シングルとしてリリースされていた”Freak Out”のラップ・ボーカルのかっこよさは今の時代に聴いても全く色褪せていません!
それでいてサビ部分はキャッチーな歌メロだとか…なぜ大ヒットしなかった?と不思議に感じる時代を先取りしすぎた名曲です。
かと思ったら2ndシングルに選ばれた”Do You Right”は、なんとなくミートパペッツぽかったり、3rdシングルの”Visit”はラップ・メタルぽかったり、4thシングルの”My Stoney Baby”はジャジーなギターソロも含んだファンキーな曲だったり…と、このバンドの音楽性はかなりの幅広さです。
311は、今も活動を続けているバンドでアルバムもコンスタンスに制作しています。
今のところ2019年にリリースした通算123作目のアルバム『Voyager』が最新作となりますが、今後の活動も期待できるバンドです。
10.Faith No More – 『Angel Dust』
ファンク系やレゲェ系が続きましたが、ここからはメタル色濃いめが続きます。
まずは1979年から活動を開始しているオルタナティヴ系の古参バンド、フェイス・ノー・モアのアルバム『Angel Dust』です。
『Angel Dust』は、1992年にリリースされた4作目のアルバムです。
1~3曲目までストリングスも交えたシンフォニック寄りのメタル曲が続いたかと思うと、4曲目で突然美しいピアノの音色にトム・ウェイツっぽい演劇風ボーカルの曲が始まったり…と、突拍子のなさがこのバンドの魅力です。
リードシンガーのマイク・パットンも、キャッチーなハードロック風の歌メロを歌っていたかと思ったら、次の瞬間にはデスボイスでヘヴィ・メタル風になったり、ラップ・スタイルで歌ってみたり…と、色んな顔を持っています。
メタリックなギターのトーンを聴くと、初見では「ヘヴィ・メタル系のバンドかな?」と勘違いするものの、良い意味で期待を裏切る様々な音楽的要素を兼ね備えたミクスチャー・バンドです。
ちなみに2年間と短い期間でしたが1982年から1984年までの間、ホールのコートニー・ラブ がボーカルで加入していたこともあります。
11.Biohazard – 『State of the World Address』
バイオハザードといえば、カプコンから発売されたサバイバルホラーの金字塔ゲーム「バイオハザードシリーズ」の方が有名ですが、こちらのハードコア・バンドの方もミクスチャー・ロック好きなら知っておきたいバンドです。
1987年にベーシス/ボーカルのエヴァン・サインフェルドとギター/ボーカルのビリー・グラツィアデイを中心にブルックリンで結成された東海岸のバンドです。
激しく歪むギターのヘヴィネスの中にも各曲毎にシンガロング・パートがしっかり用意されています。
ラップというよりも吐き捨てるような怒号と野太いコーラスで、聴く者を圧倒します!
とにかく重く激しい音楽性は、ライヴでモッシュするための音楽のようにも聞こえます。
本作『State of the World Address』は、1994年にリリースされた3作目のアルバムです。
日本では同じミクスチャー・ロックのくくりで語られることがありますが、レッチリやレイジのような一般受けはしないようなヘヴィなアルバムです。
後に登場するリンキン・パークがお好きな方ならきっと本作も気に入ることでしょう。
1stシングルに選ばれた”Tales from the Hard Side”の中間部分にはパトカーのサイレンの音が挿入されていたりと、犯罪都市ブルックリンのバンドらしさも感じられます。
とにかく攻撃的な音楽がお好きな方におすすめです!
12.Korn – 『Follow the Leader』
コーンは、米国カリフォルニアにて1993年に結成されたニュー・メタル及びラップ・メタル系のバンドです。
日本での人気も高く、ミクスチャー・バンドの1つとして扱われることもあります。
とはいっても、アルバムのリリース毎に作風を変えており、一筋縄ではいかないバンドです。
そういった部分もミクスチャー感覚に溢れていますね。
1993年の結成以来、現在に至るまでに14枚ものオリジナル・アルバムをリリースしており、活動のペースが早いのも特徴です。
そういった点でもファンを逃さないバンドですね。
本作『Follow the Leader』は、1998年にリリースされた3作目のアルバムです。
先行シングルの”All in the Family”に、当時1stアルバムの大ヒットで期待の新人バンドだったリンプ・ビズキットのボーカル、フレッド・ダーストがゲストで参加していたことで話題となりました。
他にも”Children of the Korn”には、ラッパーのアイスキューブが、”Cameltosis”にはファーサイドのスリムキッドトレが参加していたり…と界隈の先輩後輩を上手くフィーチャリングしたアルバムです。
ベスト・トラックは、アルバムからの2ndシングルに選ばれた”Got the Life”です。
ジョナサン・デイヴィスの吐き捨てるようなシャウトとエロティックに呟く変幻自在のボーカルが最もよく表現された名曲です。
本作のヒットによって世界中でニュー・メタルが「売れる音楽」だと扱われるようになり、ここ日本でもミクスチャー・ロックが大盛り上がりし始めた頃でした。
約1年後にリリースされることになるリンプ・ビズキットの歴史的名作が世界的に大ヒットする土台をこの『Follow the Leader』が作ったと言えなくもないです。
13.Limp Bizkit – 『Significant Other』
全米初登場1位を記録して、700万枚を超えるセールスを叩き出したリンプ・ビズキットの歴史的名作『Significant Other』は、ミクスチャー・ロックの教科書のようなアルバムです。
『Significant Other』は、1999年にリリースされた2作目のアルバムです。
当時はこのアルバムのアートワークを各種音楽雑誌で何度も目にしました。
しかし僕自身はこの時期はグランジ系にハマっていたのでリンプ・ビズキットを聞かずにスルーしていました。
それどころか音楽雑誌ではフレッド・ダーストの嫌われっぷりばかり目立つように掲載しており、悪い印象すら抱いていました。
実際にフレッド・ダーストは、その言動から嫌われ者扱いされることも多いようですが、そういったこととバンドの音楽性の素晴らしさは別物として評価すべきですよね。
おそらく音楽雑誌的には、「嫌われ者フレッド・ダーストが歌う過激なバンド」として「ロック=反骨心」をイメージする若者向けにこのバンドを売り出したかったのかもしれません。
でも僕は、そういった噂だけを読んで「このバンドは聞かないでおこう。」ともったいない勘違いをしてしまいました。
その後、映画『ミッションインポッシブル2』のテーマソング”Take A Look Around”が大ヒットして、「あれ?リンプってもしかしてかっこいいバンドなのかな?」と気付きました。
それから少し経って後追いで『Significant Other』を聴いてみたのですが…「これはかっこいい!」と気付きました。
特に人気ギタリストのウェス・ボーランドを含むバンド全体の演奏力の高さにも驚かされました。
いくら音楽雑誌にフレッド・ダースとの良からぬ噂が書かれていたとしても、そんなことは気にせずにリンプの音楽は最初から聴いておくべきだったと後悔しました。
どんなことも他人の噂話や譫言に流されて、他人任せな評価をするべきではないですね。
なんにしても偏見抜きで自分で見て、聞いて、考えて、そこで初めて評価すべきです。
リンプのこのアルバムは、僕にそういった考え方を教えてくれたアルバムでもあります。
先行シングル”Nookie”は、リンプを代表する曲で、まさにミクスチャー・ロックと言えばこの曲をイメージしても良いぐらいの名曲です。
他にも、後にシングル・カットもされたウェス・ボーランドのヘヴィなギターリフが人気の曲”Break Stuff”や、DJ リーサルによるスクラッチノイズも大きくフィーチャーした2ndシングルの”Re-Arranged”に、今度は逆にコーンのジョナサン・デイヴィスが客演した”Nobody Like You”、メソッドマンを大々的にフィーチャーした、もはや単なるヒップホップ曲”N 2 Gether Now”といった収録曲にも注目です。
ミクスチャー・ロックを語る上で必ず聴いておきたい聖典のようなアルバムです。
14.Linkin Park – 『Hybrid Theory』
レッチリと来たらレイジだったように、リンプと来たらリンキンですね!
本作『Hybrid Theory』は、リンキン・パークのデビュー作にして、いきなり1,000万枚も売り上げたモンスター・アルバムです。
2000年という新たな時代に彗星の如く現れたリンキンは、チェスター・ベニントンのメタル系でメロウなボーカル・スタイルと、マイク・シノダのヒップホップ・スタイルのラップ・ボーカルという異なる個性を持った2人のフロントマンを要するバンドです。
そこにヘヴィーに歪んだギターやブレイクビーツを合わせた、まさに当時のミクスチャー・ロックの流行りを全て詰め込んだような完璧なバンドでした。
デビュー曲の”One Step Closer”は、当時の音楽シーンを揺るがすのに十分な力を備えていました。
更にチェスターのシャウトがオープニングから全開の”Crawling”に、ヘヴィ・メタルとラップを見事に融合させた”Papercut”と、バンドの個性を1stアルバムでしっかりとイメージ付けるのには十分なほど強力なトラックが揃っています。
コーンから始まり、リンプ・ビズキットに受け継がれたものをリンキン・パークが前に進めた…ラップ・メタル/ニュー・メタル系にカテゴライズされるミクスチャー・バンドの最高峰がこの3バンドです。
15.Downset. – 『downset.』
コーンにリンプにリンキンと…有名どころが続いたので、ここからは少しマニアックなバンドを4つほどご紹介します。
ダウンセットは、1992年にカリフォルニアで結成されたラップ・メタル/ファンク・メタル系のミクスチャー・バンドです。
元はハードコア・パンクを演奏するソーシャル・ジャスティスというバンドでしたが、1992年からダウンセットとバンド名を変えラップ・メタルのスタイルに音楽性も変っています。
本作『downset.』は、ダウンセットとバンド名が変ってから1994年にリリースされたデビュー作です。
1stシングルに選ばれた”Anger”を聴くと、ヘヴィーなギターリフをバックにラップを乗せるレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンっぽさが感じられますが、次の”Ritual”ではラップとシャウトが混じり合ったリンキン・パーク風の曲もあります。
こちらの方がリンキンの先輩バンドに当たりますが、リンキン好きにこそ先祖返りで遡って聴いて欲しいアルバムです。
16.Dub War – 『Pain』
ダブ・ウォーは、英国出身のヘヴィ・メタルにハードコア・パンク、レゲエやヒップホップを融合させたミクスチャー・バンドです。
リードシンガーのベンジー・ウェッブのラガマフィン風ラップ・ボーカルを軸に、ジェフ・ローズのヘヴィーでメタリックなギター、リッチー・グローヴァーのグルーヴィーなベース、そしてマーティン・フォードのヒップホップから影響を受けたドラムがこのバンドの特徴です。
本作『Pain』は、1995年にリリースされたデビュー作で、激しいラップが暴れ回るデビュー曲の”Gorrit”や、シンガロンギングなサビを持つ”Strike It”等、ミクスチャー・ロック好きなら押さえておきたい名曲が含まれています。
レゲェとハードコア・パンクということで、バッド・ブレインズ好きにもおすすめしたいアルバムです。
17.Dog Eat Dog – 『All Boro Kings』
ドッグ・イート・ドッグは、ニューヨーク・ハードコア・パンクとヒップホップを融合させたファンク・メタル/ラップ・メタル系のミクスチャー・バンドです。
1990年に米国ニュージャージーで結成されており、現在に至るまでボーカルのジョン・コナー以外のメンバーをあれこれ変えつつ活動を続けています。
活動歴は長いものの、現在までに5枚しかオリジナル・アルバムをリリースしていません。
ようやく昨年2023年に実に17年振りとなる新作『Free Radicals』をリリースしています。
本作『All Boro Kings』は、1994年にリリースされたデビュー作です。
サビ部分にホーンも交えたシンガロンギング系ラップ・メタル曲”No Fronts”でデビューしており、本作にも収録されています。
ラップ・ボーカルを軸としたバンドですが、バックの演奏はミドル・テンポのものが多く、重たいグルーヴにブラック・サバス風のギターリフが絡み合うサウンドが特徴的です。
ボーカル・スタイルこそ違いますが、90年代のグルーヴ重視になったメタリカがお好きな方にもおすすめのアルバムです。
18.Clawfinger – 『Deaf Dumb Blind』
クロウフィンガーは、スウェーデンのストックホルム出身の北欧メタル系のバンドです。
1989年から活動を開始しており、本作『Deaf Dumb Blind』は1993年にリリースされたデビュー作になります。
なんとも過激な曲名の”Nigger”で始まるアルバムですが、タイトルはいかがなものかと思いますが、ザクザクと切り刻むボード・トルステンセンのヘヴィーなリズムギターがクセになります。
またこの時期にリードギターを担当していたアーランド・オッテム(2003年に脱退)のデジタルなトーンに加工されたインダストリアル・ロック風のリードギターも良い味を出しています。
ザック・テルのマッチョなラップ・ボーカルにスクラッチ・ノイズまで交えた「早すぎたラップ・メタル」は、時代を先取りしていました。
ミクスチャー・バンドとしての知名度こそ低いものの、楽曲の良さや演奏力の高さはぜひ一度聴いてもらいたいバンドの1つです。
19.Sugar Ray – 『14:59』
マニアックなバンドが4つほど続きましたが、最後の2バンドは有名な人気バンドで、そしてポップで聴きやすいアルバム2枚をご紹介して締めくくりたいと思います。
シュガー・レイは、米国カリフォルニアの富裕層が集まる地オレンジ・カウンティで結成されたバンドです。
そういった土地柄もあってか、この地では明るいポップ・パンクが盛んで、シュガー・レイもポップすぎるパンク曲が多いバンドです。
どことなくグリーンデイを彷彿させますが、元はシュリンキー・ディンクスというラップ・メタル・バンドであったためギターサウンドは所々でかなりメタリックになります。
本作『14:59』は、1999年にリリースされた3作目のアルバムで、日本でも大ヒットした作品です。
特にサーフ・ロック風のアコギの音色にキャッチーな歌メロを乗せた1stシングルの”Every Morning”は大ヒットしました。
当時はラジオやTVでもよくこの曲が流れていた印象が残っています。
この曲のヒット後、こういったゆったり系のサーフ・ロックやレゲェ風の曲が増えていきます。
ヘヴィーでやたらとパワフルなバンドが多いミクスチャー・ロック系ですが、疲れた時にシュガー・レイを聴くと癒やされます。
20.Zebrahead – 『Playmate of the Year』
最後の20作品目はゼブラヘッドの『Playmate of the Year』です。
ゼブラヘッドもシュガー・レイと同じくオレンジ・カウンティのバンドで、かなりポップな パンク・ロック・バンドです。
グリーンデイと同じくポップ・パンク系のバンドですが、ゼブラヘッドや先ほどのシュガー・レイがミクスチャー・ロック系に分類されるのは、ラップ・ロックの要素が含まれているからです。
本作『Playmate of the Year』は、2000年にリリースされた3作目のアルバムです。
シングル・カットされた”Playmate of the Year”は、日本でも大人気の曲で、当時はこの曲もラジオやTVでよく耳にしました。
この曲はまさにグリーンデイ風のポップ・パンク曲なのですが、2ndシングルに選ばれた”Now or Never”はラップ・ボーカルにハード・ロック風の展開を持った曲でした。
他にも、グリーンデイ風ポップ・パンクな曲調なのに中間部分にラップが挿入された”Wasted”や、ファンキーなレゲェ・グルーヴにラップ・ボーカル、そしてサビはキャッチーな “I’m Money”や、ラップがなければグリーンデイが歌ってても違和感のないキャッチーなサビを持つ”What’s Goin’ On?”等、とにかく明るくって聴きやすい楽曲が収録されたアルバムです。
炎天下の晴れた日以外には合いそうにないポップすぎるアルバムです。
しかし今回ご紹介した20作品の中では、ミクスチャー・ロック初心者さんでも最も聴きやすいアルバムでもあります。
以上、【にわかでもいいじゃん!初心者大歓迎!ミクスチャー・ロック入門におすすめのアルバム20選】でした。
日本でミクスチャー・ロックというジャンル分けが始まってから30年近くの年月が流れましたが、まだまだ根強い人気を持ったバンドが多くこの中にカテゴライズされています。
そのためこれからミクスチャー・ロックを聴いてみたいといった初心者さんもいらっしゃるであろうと思い、そんな方のための「最適なガイドブック」を目指して今回のブログ記事を書きました。
今回ご紹介した20作品の中でも、今も現役で活動しているバンドが多く存在しています。
ぜひこのブログ記事を参考に気になる順で聴いてみて下さい。
この20選に更に追加としては、インキュバスやパパ・ローチに初期のビースティー・ボーイズなんかもおすすめです。
この20選を聴いた後にでも、その辺も聴いてみて下さい。
オマケ:ミクスチャー・ロックの始祖も聴こう♪
ここからはオマケ・パートになります。
【ミクスチャー・ロックの始祖も聴こう♪】ということで、いくつかおすすめ情報を書きます。
まずはファンク・メタルの始祖とも言えるバンドのマザーズ・フィネスト(Mother’s Finest)です。
1972年のデビュー当初からスライ&ザ・ファミリー・ストーンを彷彿させるファンク・ロックを演奏するバンドでした。
それが時代と共に、ファンク・ロックからヘヴィ・メタル風に変化していき、ファンク・メタルのスタイルが生まれていきました。
ファンク・メタル化してからのおすすめのアルバムは、1992年にリリースされた名作『Black Radio Won’t Play This Record』です。
アルバム・ジャケットの黒のレザーに身を包んだメンバーのファッションからしてヘヴィ・メタルを演奏していないとおかしいと思える作品ですね。
女性ヴォーカルのジョイス・ケネディーに至ってはL.A.メタル風の髪型ですからね。気合い入ってます!
『Mother’s Milk』時代のレッチリやリヴィング・カラーがお好きな人にも、エクストリームがお好きな人にもおすすめできるアルバムです。
もう1つ、ファンク・メタルの始祖と言えば、ジョージ・クリントン率いるファンカデリックですね。
特にギタリストのキッド・ファンカデリックことマイケル・ハンプトンが加入してからのファンカデリックは、メタリックで硬質なギターサウンドが特徴的になっていきます。
一番のおすすめアルバムは、1976年にリリースされた『Hardcore Jollies』です。
このアルバムはレッチリのアンソニー・キーディスのお気に入りの作品としても知られています。
フェイザーを効かせたファンキーなギターカッティングに、深いディレイを効かせたメタル風ギターソロが聴ける”Comin’ Round the Mountain”が一番のおすすめ曲です♪
レッチリ好きの方は聴いておいて損はない名盤です!
そして本記事内に何度か名前が出ていたヒップホップ・グループのパブリック・エネミーもおすすめです。
ヒップホップのグループですが、シューゲイザーを代表するマイ・ブラッディ・バレンタインのケヴィン・シールズがフェイバリットに挙げているミュージシャンです。
名曲”Soon”のヒップなグルーヴは、パブリック・エネミーからの影響です。
またアンスラックスのギタリストのスコット・イアンもパブリック・エネミーが好きで、”Bring The Noise”の共演はアンスラックス側からのアプローチで始まっています。
そんなパブリック・エネミーのおすすめアルバムは、1988年にリリースされた2ndアルバム『It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back』(邦題:『パブリック・エナミーII』)です。
アンスラックスとの共演前の名曲”Bring The Noise”のオリジナル音源が収録されています。
数多くのロック・バンドにも影響を与えたパブリック・エネミーは、これまでヒップホップに興味がなかったロック・ファンにこそ聴いて欲しいグループです。
先にご紹介していた20作品をある程度聴いた後に、ぜひ上記のようなミクスチャー・ロックの始祖達も聴いてみて下さい♪
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