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カテゴリー:Music

2021/12/07

【初心者必聴!】ネオ・ソウル入門におすすめの名曲35選

これからネオ・ソウルというジャンルの音楽を聴いてみたいという初心者さんのためにネオ・ソウル入門におすすめの名曲を35曲選んでご紹介したブログ記事のタイトル画像です。

これからネオ・ソウルを聴いてみたいという初心者さんへのおすすめガイド

定番曲から少しマニアックな曲まで…まずはこの35曲から!

以前にもこのブログでネオ・ソウルについて何度かご紹介しておりました。

 

本ブログのネオ・ソウルの記事をまとめて検索できるように専用のタグも作っております。

 

 

 

Neo Soul

 

 

 

過去の記事に関しましてはぜひそちらのタグから検索して頂きたいのですが、今回は「これからネオ・ソウルというジャンルの音楽を聴いてみたいという初心者さんのために」ネオ・ソウルを20年以上聴いてきた僕が独自の目線でおすすめ曲をご紹介したいと思います。

 

ネオ・ソウルとは?

そもそも「ネオ・ソウルってどんな音楽性なの?」ということなのですが…

 

ヒップホップ・グループのザ・ルーツでドラムを担当しているクエストラヴ曰く

 

「オフビート・リズム、型破りなコード、そして多重ハーモニー」

 

と雑誌のインタビューで語っていたことがあります。

 

リズムに関してはオフビート(裏拍)を強調した楽曲が多いとは思いますが、しかし必ずしも型破りなコードや多重ハーモニーがあるわけではありません。

 

コード進行に関しても、1曲のうちにたったの4つしかコード(和音)が登場しないネオ・ソウルの名曲もあります。(今回その曲も取り上げています。)

 

それに上記の説明では漠然としていていまいちイメージがつかめないような気もします。

 

そこで僕が今回このブログ記事でおすすめ曲をご紹介するに辺りこのように定義してみました。

 

既存のR&B音楽にジャズの要素とヒップホップの要素が混じったオシャレな音楽

 

ネオ・ソウルという呼び方こそしていますが、実ボーカリストの歌い方そのものは60年代~70年代のソウル・シンガー達とそこまで変わりはありません。

 

そこにジャズで使われるような複雑なコード進行を交えたり、ヒップホップのリズムを取り入れたものがネオ・ソウルの特徴だと言えます。

 

そういったジャズのハーモニーとヒップホップのビートが交わることでそれまでの「聴く人の魂が燃え上がるかのような熱いソウル・ミュージック」から「どこまでもクールでオシャレなソウル・ミュージック」に変化しています。

 

とは言ったものの、昔ながらの熱いソウルを感じさせるネオ・ソウル曲もありますが…しかしこのジャンルの一番の特徴はやはり「独特のクールネス」にあると多います。

 

過去の影響でいうと、アル・グリーンや『暴動』以降のスライ&ザ・ファミリー・ストーンのような「クールネス」です。

 

盛り上がりそうで盛り上がらない…どこまでもクールなあの感じです。

 

サビの部分で思いっきりシャウトして盛り上がるのではなく、あえてそのままのトーンでしっとり歌うことでオシャレな雰囲気が保たれていると感じられます。

 

「わかりやすいキャッチーさよりもクールさ」を優先した楽曲が多いようにも感じられます。

 

そのためヒット・チャートを賑わせるような目立ったヒット曲がないせいか、誕生から四半世紀以上経った今でも「どれがネオ・ソウルなの?」といった捉えられ方のままなんだと思います。

 

しかし何も「ヒット曲だけが名曲!」なわけはありません。

 

キャッチーなサビがなくっても「一度聞くとクセになる」名曲は数多くあります。

 

もちろんその逆で、キャッチーなサビを持ったわかりやすいネオ・ソウルの名曲もあります。

 

そこで今回は僕が「これこそまさにネオ・ソウルだな!」と思う楽曲を選んでみました。

 

既にネオ・ソウル好きの方からしたらお馴染みの定番曲もありますが、少しマニアックな曲も選んでいます。

 

最初にこの記事を思いついた時には手軽に「10曲選ぼう!」と思ってはいたのですが…「いや、10曲じゃ足りないな!20曲に増やそう!」となって…「20曲でも足りない…30、いや35曲は必要かな?」とついつい増えちゃいました。

 

初心者さんにおすすめとか言いつついきなり35曲も選んではいますが、どれも外せない名曲ばかりだったのでぜひとも聴いてもらいたいと思います。

 

ご紹介する順番は、アーティスト名のアルファベット順です。

 

今回は1アーティストにつき1曲という絞り方ができなかったので、同一アーティストの曲はアルバムの収録曲順にしました。

 

そしてその曲が収録されているアルバムのご紹介と、もしアーティスト側の公式YouTube動画があればそちらも貼るようにします。

 

前置きが長くはなりましたが、それでは僕が「これぞネオ・ソウル!」と感じた名曲を35曲順番にご紹介します。

 

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01.Alicia Keys – “If I Ain’t Got You”

まずはこの名曲から…。

 

ネオ・ソウルというジャンルを意識するしないに関わらず大ヒットしたこの曲をご存じの洋楽ファンの方は多いと思います。

 

2003年12月1日にリリースされたアリシア・キーズの2ndアルバム『The Diary of Alicia Keys』の6曲目に収録されたバラード曲です。

 

この2ndアルバムは、世界中で800万枚を売り上げ、更には2005年にグラミー賞4部門を受賞した歴史的名盤です。

 

“If I Ain’t Got You”以外にも、直前の5曲目に収録されていた”You Don’t Know My Name”も一度聴いたらそのメロディーが頭から離れないような名曲も収録されています。

 

しかしネオ・ソウルというジャンルで考えた場合は、こちらの”If I Ain’t Got You”が適していると思い選びました。

 

というのもこの曲のイントロのピアノの旋律は、今流行のネオ・ソウル・ギター(と呼ばれるギターの弾き方の新しいスタイル)においてもよくコピーされているからです。

 

もちろんそのイントロ部分の演奏だけでなく、アリシアの歌も素晴らしい名曲です♪

 

特にサビの歌い始め部分の「Some people want it all~♪」におけるアリシアの少しかすれたあの声は、聴く者を夢中にさせる魅力があります。

 

キャッチーなヒット曲ではありますが、ネオ・ソウルを代表する名曲の一つで」あることは間違いありません。

 

必ず聴いておきたい名曲ですね♪

 

02.Alicia Keys – “No One”

引き続きこちらもアリシア・キーズの楽曲になります。

 

2007年にリリースされた3rdアルバム『As I Am』の4曲目に収録されたバラード曲で、現在のところアリシア最大のヒット曲になります。

 

なのでポップス・ファンの方でもこの曲をご存じの人も多いかと思われます。

 

もちろん知名度だけでなくヒットするのも当然だと言える名曲中の名曲ですね♪

 

サビで盛り上がる部分なんかは往年のR&Bのような曲展開ではありますが、しかしバックを支えるリズムはヒップホップのフィルターを通したものです。

 

幼い頃から当たり前の様にヒップホップを聴いてきた世代だからこそ自然と作ることができるビートなのでしょう。

 

もしこの曲のドラムが60年代風のリズムだったら今の時代にここまでヒットしなかったのでは?と思います。

 

僕は楽曲の時代性を決めるのはリズムだと考えています。

 

この曲の歌メロはどの時代でも受けるであろうキャッチーなものではありますが、しかし古臭いリズムの曲は2000年代以降の今の若者には受けないと思います。

 

この曲が古い楽曲のようで今風の新しい曲に聞こえる理由は、そのリズムにあります。

 

この曲が単なるソウル・ミュージックではなくネオ(新しい)・ソウルに分類されるのは、ヒップホップを通過した世代のリズム面での新しさがあるからでしょう。

 

今回ご紹介する楽曲の中でもNo.1のキャッチーさを持つヒット曲なので最も聴きやすいと思います。

 

ネオ・ソウルを初めて聴く際にも打ってつけの楽曲です。

 

まずはこの曲を聴いてネオ・ソウルのビートを感じてみてください♪

 

03.Amel Larrieux – “Get Up”

ヒップホップ・ソウル系のユニット「グルーヴ・セオリー」解散後にソロ活動を始めたアメル・ラリューの2000年のデビュー作『Infinite Possibilities』の1曲目に収録されていた”Get Up”もネオ・ソウルな楽曲です。

 

この曲は、アメール・ラリューの旦那であるルーラ・ラリューの手によって書かれています。

 

ビルボードのチャートでは97位と順位こそ振るいませんでしたが、こういったネオ・ソウルの楽曲はヒットとは縁が遠いものが多いですからね。

 

そもそもキャッチーなサビがなく、淡々と曲が進んで行くので万人に受けるようなジャンルではないのも事実です。

 

しかしこの淡々としたクールさこそネオ・ソウルの一つの特徴でもあり魅力でもあります。

 

「オシャレな大人のR&B」といったところでしょうか。

 

この”Get Up”もゆったりと聴ける大人のR&Bですね。

 

04.Angie Stone – “Everyday”

ネオ・ソウルを代表する女性シンガーのアンジー・ストーンには、当然の如く「これぞネオ・ソウル!」といった楽曲が数多く存在しています。

 

なので今回のこの35選にも数曲選んでおります。

 

アンジー・ストーンといえば、1999年のデビュー・アルバム『Black Diamond』に収録されている”No More Rain (In This Cloud)”というバラード曲が一番の有名な楽曲だと思います。

 

“No More Rain (In This Cloud)”は、グラディス・ナイト&ザ・ピップスの1973年の名曲”Neither One of Us (Wants to Be the First to Say Goodbye)”をサンプリングした楽曲なのですが、そのためなのか少し古さを感じさせます。

 

ありきたりなR&Bソングだと言えなくもないです。

 

そういったわけもあって今回の35選にはこちらの”Everyday”の方を選びました。

 

この曲は『Black Diamond』の4曲目に収録されています。

 

この当時、公私共に付き合いのあった13歳年下のディアンジェロと共作した楽曲です。

 

そのディアンジェロが演奏でも参加しており、ウーリッツァー(電子ピアノ)を弾いています。

 

この音量を抑えて小気味良くスタッカートして弾くウーリッツァーの音色はまさにネオ・ソウルを感じさせます。

 

それこそディアンジェロの代表曲”Brown Sugar”のピアノ・ソロや”Jonz in My Bonz”なんかでも聴ける音色です。

 

ネオ・ソウルの一つの特徴としてこういった控えめなエレピの音も印象的な楽曲が多いです。

 

この曲は”No More Rain (In This Cloud)”と”Life Story”に続く3枚目のシングルとして発売もされていますが、残念ながらヒットはしておりません。

 

しかしこれほどまでにネオ・ソウルというジャンルがどういった音楽性なのか?を表してくれている楽曲も他にありません。

 

それはやはりネオ・ソウルを代表する男女の天才が共作したからなのでしょう。

 

これからネオ・ソウルを聴いてみたいという人に「ネオ・ソウルってこういう音楽性ですよ!」と真っ先におすすめしたい名曲です♪

 

05.Angie Stone – “Brotha”

元トニー・トニー・トニーのラファエル・サディークが弾くペタペタとした音色のギターが印象的な曲”Brotha”です。

 

2001年の2ndアルバム『Mahogany Soul』の2曲目に収録されていた楽曲で、先ほどご紹介した”Everyday”の次のシングルとして約1年ぶりにリリースされました。

 

このブログの最初の方で書いていた4つしかコードが登場しない曲がこの曲のことです。

 

Cm7→A#7→Dm7→Fm7という単純なコード進行だけでできた楽曲です。

 

しかもサビの部分もコードの変換はなくそのまま進みます。

 

アンジー・ストーンの歌メロのみがサビで変化します。

 

通常のR&Bとは違った変化のないコード進行は、まるで同じ曲進行をひたすらループするヒップホップのようでもあります。

 

リズム面だけでなくこういった曲構成もヒップホップからの影響を感じさせますね。

 

一度耳にしたら永久に忘れることができないような印象的なギターリフともどもネオ・ソウルを代表する1曲だといえます。

 

 

ちなみにジル・スコットの2000年のデビュー作『Who Is Jill Scott?: Words and Sounds Vol. 1』にも”Brotha”という楽曲が収録されていますが、全く別の曲です。

 

06.Angie Stone – “Pissed Off”

同じく『Mahogany Soul』の3曲目に収録されていた”Pissed Off”もネオ・ソウルらしい楽曲です。

 

ソングライターのエラン・タビブとの共作曲で、そのエランが ギターも弾いています。

 

この曲も先の”Brotha”と同じくシンプルなコード進行の上をボーカルだけが変化をつけて進んで行きます。

 

こういった曲を聴くと、ネオ・ソウルは必ずしも「型破りなコード」で作られているわけではありません。

 

シンプルなコード進行に派手さを控えたクールな音楽性もネオ・ソウルの特長だと言えます。

 

シングル・カットはされていませんが、アンジー・ストーン本人が弾くオシャレなフェンダー・ローズ(フェンダー社エレクトリック・ピアノ)の音色がまさにネオ・ソウルですね♪

07.Angie Stone – “Do What U Gotta Do”

2012年の6作目『Rich Girl』の2曲目に収録されていた”Do What U Gotta Do”です。

 

 

同アルバムからの1stシングルに選ばれており、このスタッカート気味のギターが今流行のネオ・ソウル・ギターに受け継がれています。

 

 

興味深いことに、2012年のちょうどこの時期辺りからケリー・2スムース等のギタリストがこぞってネオ・ソウル・ギターをYouTubeに上げだしていたりします。

 

そういった意味でも黎明期のネオ・ソウル・ギターを聴ける楽曲ですね。

 

08.Bilal – “Soul Sista”

ザ・ルーツのクエストラヴがア・トライブ・コールド・クエスト(以降:ATCQ)のQティップを通じて手に入れたデモテープを聴き、そのソウルフルな歌声を気に入りディアンジェロのツアーのバック・ヴォーカリストとして起用されるという幸運に見舞われたビラルもネオ・ソウルを代表するシンガーの1人です。

 

ビラル自身はバック・ボーカルの地位に満足せず2001年に『1st Born Second』でソロ・デビューを飾っています。

 

 

そのアルバムの10曲目に収録されていたこの”Soul Sista”もネオ・ソウルを代表する名曲です。

 

まるでディアンジェロが書いた曲のようですが、この曲はビラル本人とジェームズ・エムトゥーメの共作になります。

 

そう、なんとあのマイルス・バンドで活躍していたエムトゥーメです!

 

プロデュースはラファエル・サディークが担当しています。

 

どことなくプリンスを彷彿させるファルセットが印象的です。

 

抑揚を抑えたクールな曲調がまさにネオ・ソウルといった感じですね。

 

09.Conya Doss – “Missing You”

女性シンガーのコーニャ・ドスの2004年リリースの2ndアルバム『Just Because 』の6曲目に収録されている”Missing You”もネオ・ソウルらしさを感じさせる楽曲です。

 

アルバムからの1stシングルとしてもリリースされています。

 

美しいエレピのイントロから始まり、クセになる様なベース・ラインが印象的な楽曲です。

 

10.Conya Doss – “Tell Me Why”

“Tell Me Why”は、コーニャ・ドスが2006年にリリースしたrdアルバム『Love Rain Down』の1曲目に収録されていた曲です。

 

 

イントロから流れるアコースティック・ギターの音色がなんともオーガニックで、これまた今年2021年に話題になりつつあるアコギで弾くネオ・ソウル・ギターにも適した楽曲だと言えます。

 

ネオ・ソウル・ギターというスタイルこそ近年になり流行ってはいますが、ネオ・ソウルという音楽ジャンルは90年代初頭から台頭し始めたので、2006年のこの時期からそういったスタイルのギターの元はできていましたからね。

 

この後ご紹介するインディア・アリーと併せてアコースティックなネオ・ソウルのおすすめ曲です♪

 

11.D’Angelo – “Brown Sugar”

アーティスト名のアルファベット順でのご紹介のため11番目にご紹介となりましたが、この曲こそネオ・ソウルというジャンルを一番わかりやすく示している楽曲だと言えますね。

 

本来であれば初めてのネオ・ソウルの最初の1曲目に聴くべき名曲です。

 

ネオ・ソウルの権化と言えるディアンジェロが1995年にリリースしたデビューアルバム『Brown Sugar』の1曲目に収録していたデビュー曲です。

 

1994年にレコーディングされ、翌年の1995年6月13日にこの曲でディアンジェロはデビューを飾っています。

 

ディアンジェロ本人が弾くウーリッツァーの音色があまりにも印象的で、イントロからピアノ・ソロまで全てがネオ・ソウルというジャンルを体現しています。

 

ドラムのループ・パターンこそATCQのDJアリ・シャヒード・ムハマドが制作していますが、その他の楽器演奏は全てディアンジェロ本人が弾いています。

 

スティーヴィー・ワンダーやプリンスの様にディアンジェロもマルチ奏者の天才ミュージシャンなのです。

 

2021年現在でリリースから既に26年も経ったこの曲ですが、四半世紀という長い年月にも耐えうる時代を超越した楽曲だと言えます。

 

こういった抑揚を抑えたクールな楽曲は、時代の流れにも耐えることができるんですね。

 

今聴いてもそこまで古さを感じさせません。

 

マライア・キャリーの『Daydream』やスパイス・ガールズの”Wannabe”が同時代にリリースされた曲だと考えると、この”Brown Sugar”の革新性が感じられると思います。

 

そもそもネオ・ソウルというジャンルそのものが時代を超越した音楽性であるからこそ、25年たった今になってネオ・ソウル・ギターというスタイルが見直されたのでしょうね。

 

その元を作ったという意味でも、ディアンジェロこの”Brown Sugar”はネオ・ソウルの最重要曲だと断言できます。

 

ネオ・ソウルをこれから聴いていきたいのなら必ず聴いておきましょう!

 

12.D’Angelo – “Lady”

“Lady”は、ディアンジェロのデビューアルバム『Brown Sugar』の9曲目に収録されていた曲です。

 

ラファエル・サディークとの共作曲で、ギターもこの2人が弾いています。

 

アルバムからの3枚目のシングルとしても1996年3月5日にリリースされています。

 

怪しい雰囲気の”Brown Sugar”とはまた違った大人な雰囲気の楽曲です。

 

オブビートを極端に強調したドラムのイントロから始まるまさにネオ・ソウルというジャンルを表した様な楽曲です。

 

13.D’Angelo – “Send It On”

2000年にリリースされたディアンジェロの最高傑作にしてネオ・ソウルの歴史上に燦然と輝き続けている名盤『Voodoo』からまずは”Send It On”をおすすめします。

 

この曲はアルバムからの4枚目のシングルとしてもリリースされています。

 

 

クール&ザ・ギャングの1969年の曲”Sea of Tranquility”を元に作られており、ソング・ライティングにはアンジー・ストーンも参加しています。

 

この曲でフリューゲルホン及びトランペットを吹くのはロイ・ハーグローヴで、ベースを弾いているのがピノ・パラディーノです。

 

そしてドラムを叩いているのがクエストラヴで、ギターを弾いているのがスパンキー・アルフォードです。

 

彼らは皆ディアンジェロのお気に入りのミュージシャンです。

 

クエストラヴやピノ・パラディーノのリズム隊も素晴らしいのですが、この曲で最も注目すべきはスパンキー・アルフォードでしょう。

 

本名は「チャルマース・エドワード・アルフォード」と言い、1955年にペンシルベニア州のフィラデルフィアに生まれています。

 

残念ながら2008年に亡くなっているのですが、その意思はアイザイア・シャーキーを始め、ケリー・2スムースや後続のネオ・ソウル・ギタリスト達に脈々と受け継がれています。

 

そう、彼こそが近年流行りのネオ・ソウル・ギターというジャンルの元となった始祖のような存在です。

 

そもそもはデイヴィッド・T・ウォーカー(以降:デビT)や、アル・グリーンのバックでギターを弾いていたハイ・リズムのメンバーの一人ティーニー・ホッジス等が弾いていた、テンション・コードを「ピロリ~ン♪」とハンマリングしたり、ダブル・ストップ(複音)の音色を上手く使ったR&B風のギター演奏が始まりでした。

 

それがさらに発展して、ちょっとしたジャズのエッセンスを付け加えてヒップホップのリズムでR&B風のギターを弾くスパンキー・アルフォードの登場で「ネオ・ソウル・ギター」というスタイルが確立されていきました。

 

残念ながらスパンキーが亡くなってから数年後の2010年代に突入して急にこの演奏スタイルが流行りだしたのですが、その元を作ったのは間違いなくこのスパンキー・アルフォードになります。

 

この曲のイントロからスパンキーのメロウな演奏を聴くことができます。

 

『Voodoo』のアルバム内でスパンキーの演奏を聴くことができるのはこの曲だけなのですが、しかしそれだけでも存在感抜群のギター・プレイを披露しています。

 

目だった派手さはないけれども、オシャレに鳴り響くギターの音色とディアンジェロの優しいファルセットを存分に堪能してください。

 

14.D’Angelo – “Feel Like Makin’ Love”

名盤『Voodoo』から5枚目にして最後のシングルに選ばれたのは、ロバータ・フラックやマリーナ・ショウの歌唱で有名な定番曲”Feel Like Makin’ Love”でした。

 

他にもジョージ・ベンソンやインストだとボブ・ジェームスにリー・リトナーなど数多くのミュージシャンに取り上げられている名曲です。

 

しかしディアンジェロは過去のどのカヴァー・バージョンとも違うクワイエット・ストーム風のソフト&メロウな曲調にアレンジで静かに歌い上げています。

 

今年の5月の邦訳版が発売された『Voodoo』の研究本『ディアンジェロ《ヴードゥー》がかけたグルーヴの呪文』では、いまいち盛り上がりに欠けるアレンジ…のように評されていました。

 

 

その意見に関しては賛成しかねます。

 

むしろ僕はこのアレンジこそ「ネオ・ソウルで有名曲をカバーする際のお手本」のように感じています。

 

そして僕にとっては『Voodoo』に収録されているこの静かな”Feel Like Makin’ Love”が、この曲の世界一かっこいいバージョンだと考えています。

 

先にも書きましたが、「盛り上がりそうで盛り上がらない」この抑揚を抑えた大人なアレンジが良いんです!

 

何も毎回「ジャッ!ジャッ!ジャ~~ン!」と派手に盛り上がるアレンジじゃなくっても良いと思います。

 

このクールネスこそが「ネオ・ソウル最大の特長」だと思います。

 

ネオ・ソウルとは、ド派手な若者音楽ではなくって洗練された大人のクールな音楽だと思います。

 

その特長を良い形で表現したのがこの”Feel Like Makin’ Love”でしょう。

 

まさにディアンジェロがネオ・ソウルのお手本をここで示してくれたと思います。

 

ネオ・ソウルとは?の問いに最も的確に答えられる楽曲ではないでしょうか?

 

ちなみにこの曲は当初ローリン・ヒルとのデュエットでシングル化される予定でしたが、その企画はなくなりディアンジェロ単体での発売となりました。

 

この雰囲気を壊さずにローリン・ヒルのボーカルが乗っかったバージョンも聴きたかったものです…。

 

15.D’Angelo – “Untitled (How Does It Feel)”

名盤『Voodoo』から3枚目のシングルとして選ばれた”Untitled (How Does It Feel)”も必聴の名曲です。

 

『Voodoo』の研究本『ディアンジェロ《ヴードゥー》がかけたグルーヴの呪文』では、この曲のPVのディアンジェロのセクシーさばかり書かれていましたが…注目すべきはそこではないです。

 

この本の著者が女性のため、ディアンジェロの鍛え抜かれた腹筋のことばかり書いていたのですが、これが逆に男性の著者がビヨンセのPVを見てセクシーさばかり書いていたら大問題になると思うのですがね…。

 

ほんと、この曲の注目すべきはそこじゃない!って感じます。

 

この曲はディアンジェロがラファエル・サディークと共にプリンスを意識して書いています。

 

そのため曲調がプリンスそのものだったりもします。

 

もしも知らずに聴くと、「プリンスがこのディアンジェロという歌手をプロデュースしたのかな?」と勘違いしてしまいそうです。

 

それぐらい似ていますが、しかしディアンジェロ自らが叩くオフビートを強調したドラムからネオ・ソウルの息吹を感じられます。

 

まるでプリンスそっくりなギターの音色はラファエル・サディークが弾いています。

 

スパンキーと並んでラファエル・サディークの弾くギターもネオ・ソウル黎明期に重要な役割を果たしていますね。

 

先にご紹介していたアンジー・ストーンのBrotha”もそうですが、ラファエル・サディークの弾くギターはとても印象に残ります。

 

ちなみにケリー・2スムースがこの曲の弾き方を教えている教則動画もYouTubeにあります。

ご興味のある方はぜひ練習してみてください。

 

歴史的名盤『Voodoo』は、収録曲のどれもがネオ・ソウルの名曲ではありますが、今回は”Send It On”と”Feel Like Makin’ Love”と”Untitled (How Does It Feel)”の3曲を選んでみました。

 

どれもバラード曲でしたね。

 

16.Dwele – “I’m Cheatin'”

2000年にデビューしたミシガン州デトロイト出身のドゥウェレも注目すべきネオ・ソウル・シンガーです。

 

今回は2008年発売の4作目『Sketches of a Man』から1曲選びました。

 

10曲目に収録されていた”I’m Cheatin'”とい曲です。

 

イントロからネオ・ソウル風のギターが登場する楽曲です。

 

幻想的なシンセサイザーと共に、曲の合間に何度もこのギターリフが出てきます。

 

近年のネオ・ソウル・ギターがお好きな方にもぜひ練習用の課題曲としておすすめした曲です。

 

ドゥウェレの甘い歌声も最高です♪

 

17.Eric Benet – “Spiritual Thang”

ネオ・ソウル界一の伊達男エリック・ベネットも良い曲がたくさんあります。

 

その中でも1996年のデビュー作『True to Myself』の8曲目に収録されていた”Spiritual Thang”は、軽快なネオ・ソウル曲としておすすめです。

 

イントロの軽快なギターのカッティングを弾ているのは、プロデューサー兼エンジニアでR&Bギタリストでもあるジョージ・ナッシュ・ジュニアの手によるものです。

 

このギターのカッティングこそがこの曲の最大の魅力だと言えます。

 

サビの部分はキャッチーでノリも良くとても聴きやすい曲ですね。

 

ネオ・ソウルといえども全てが大人しい楽曲ばかりではありません。

 

これもまたネオ・ソウルを代表する1曲です。

 

ちなみにアルバムからのシングル第二弾としてもリリースされています。

 

18.Eric Benet – “Chocolate Legs”

2008年にリリースされた4作目『Love & Life』の6曲目に収録されていた”Chocolate Legs”は、魅力的なネオ・ソウル・ギターを聴くことができる楽曲です。

 

イントロではストラトキャスターのクリーントーンっぽい音色のネオ・ソウル風のギターを聴くことができます。

 

その後もバッキングでネオ・ソウル風のギターは続きます。

 

ロングトーンを活かしたゴスペル調のオルガンも加わり、シンプルなビートをバックにしっとりと歌い上げるエリック・ベネットのボーカルも最高です。

 

だたこの『Love & Life』というアルバム自体はネオ・ソウルというよりもアダルト・コンテンポラリーなR&Bといった曲調が多い作品です。

 

6曲目の”Chocolate Legs”で急に過去を思い出したかのようにネオ・ソウルな楽曲が登場したという感じでもあります。

 

いちおうベスト盤にも収録されていますので、先の”Spiritual Thang”と一緒に1枚のアルバムで聴きたいという方にはこちらの『The Best of Eric Benét』がおすすめです。

 

 

19.Erykah Badu – “Next Lifetime”

ディアンジェロと並んでネオ・ソウルを象徴する存在であるエリカ・バドゥの曲も今回の35選でいくつか選んでみました。

 

まずはこの曲、1997年のデビュー作『Baduizm』の6曲目に収録されていた “Next Lifetime”です。

 

この曲はアルバムからの2枚目のシングルにも選ばれています。

 

 

さざ波の音が鳴る中、何やら会話をしている声が聞こえるイントロから曲が始まります。

 

スロウ・テンポのバラード曲ですが、歌詞の内容は今のパートナーとの関係性を続けようとしながらも他の男性への思慕の念が消えることがないことを表しています。

 

「もしあの時、あの人と一緒になっていたとしたら?」という別の人生を歌っています。

 

エリカ・バドゥの気だるいような歌い方がなんともアンニュイな雰囲気を漂わせます。

 

終始静かな雰囲気が保たれたまさにネオ・ソウルな1曲です!

 

20.Erykah Badu – “Tyrone”

エリカ・バドゥの最高傑作はこの曲だと僕は考えています。

 

エリカ・バドゥの5枚目のシングル曲として1997年にリリースされていた”Tyrone”なのですが、同年リリースされている1stアルバムの『Baduizm』には未収録の曲でした。

 

その代わり同年の1997年にリリースされたライブ・アルバム『Live』にライブ・バージョンが収録されました。

YouTubeの公式動画でもライブ・バージョンが投稿されているためスタジオ録音された音源よりもそちらの音源の方が有名だと思います。

 

一応日本盤の『Live』にエクステンデッド・バージョン(長尺版)のスタジオ音源も収録されてはいるので、日本でもアルバムで聴くことはできます。

 

しかし独特な緊張感のあるライブ音源の雰囲気の方が僕はかっこいいと思います。

 

2拍4拍を強調したドラムのオフビートに辺りを浮遊するかのような幻想的なフェンダー・ローズの音、そして呪術的な繰り返しのラインが印象的なベース…まさにネオ・ソウルしてます!

 

そこにエリカ・バドゥの気だるそうなボーカルが乗っかると、たちまちその雰囲気にのまれてしまうことでしょう。

 

僕の好きなギターの音こそ入ってはいませんが、しかしあえてこの曲をバックに流しながらネオ・ソウルのギターを練習してみたくなる楽曲です。

 

決して派手に盛り上がらず終始抑揚を抑えた演奏が続く…この静けさこそがネオ・ソウルでしょう!

 

21.Erykah Badu – “Didn’t Cha Know”

アルバム単位でいうとエリカ・バドゥの最高傑作は2000年発売の『Mama’s Gun』が今のところ一番素晴らしい作品です。

 

ディアンジェロの『Voodoo』やコモンの『Like Water for Chocolate』といった名盤と同じ時期にソウルクエリアンズの作品として制作されたアルバムです。

 

ソウルクエリアンズとは、ディアンジェロとザ・ルーツのドラム、クエストラヴが中心となった音楽的クリエイティブ集団のことで、この2人が水瓶座だったことから「ソウル・ミュージック」と「水瓶座=アクエリアス」を掛け合わせてソウルクエリアンズという名前が付けられています。

 

コモンやエリカ・バドゥもその一員で、この2人は当時プライベートでも付き合っていました。

 

まぁその辺の話は音楽を聴く上では関係がないことなので…。

 

アルバムからの2枚目のシングルに選ばれたこの”Didn’t Cha Know”も繰り返しのベース・ラインが印象的です。

 

また冒頭からエレキ・ギターのボリューム奏法が「ブーーーン」という音を鳴らしているのも幻想的です。

 

そしてこの曲をプロデュースしたのはJ・ディラです。(クレジットには別名のジェイ・ディーと記載されています。)

 

ネオ・ソウルのビートはJ・ディラの≪ビート革命≫があってこそ生まれたものだと言っても過言ではないです。

 

といったわけで、この曲のビートこそ「ネオ・ソウルのビート」だと言えるお手本のような楽曲です。

 

ネオ・ソウルを知る上で必ず聴いておくべき曲の1つです。

 

ちなみにシングル盤には”Tyrone”のライブ・バージョンもオマケで収録されています。

 

この2曲を聴くために『Mama’s Gun』と『Live』のアルバム2枚買うよりも手っ取り早かったりもしますよ。

 

22.Erykah Badu – “Bag Lady”

“Bag Lady”は、先ほどの”Didn’t Cha Know”と同じく『Mama’s Gun』に収録されています。

 

アルバムからの1stシングルとしてもリリースされています。

 

後にドクター・ドレが”Xxplosive” でサンプリングした元ネタです。

 

ギターのリフがとても印象に残ります。

 

曲のテーマは”pack light”で「荷物を軽くする」の意味です。

 

これは女性が肌身離さず持っているバッグと彼女たちの心情を掛けたものです。

 

“baggage(バゲッジ)“という単語には「手荷物」の他に「古くさい考え」の意味もあります。(お転婆娘の意味もあります。)

この曲は、女性が新しい出会いを見つけそのパートナーとの関係性を深めるにあたって、過去のパートナーとの「想い出」があまりにも「心のバッグ」に詰め込まれていることを歌っています。

 

そしてその「心のバッグ」の中身から「古くなった想い出」を捨て去り「荷物を軽く」して新しいパートナーとの未来へと向かうことを意味しています。

 

よく「女性よりも男性の方が過去のパートナーとの想い出をいつまでも引きずっている」と言われることがありますが、この曲を聴くと男である僕もなんとも言えない気持ちにさせられます…。

 

確かに女性の方がそういったことへの「覚悟」や「決意」は強いのかもしれませんね。

 

良い意味での「強い女性」を歌った素晴らしい歌詞に、抑揚を抑えたネオ・ソウルな演奏がとてもあった名曲です♪

 

23.Hil St. Soul – “Wash Away”

女性シンガーのヒラリー・ムウェルワとプロデューサーのヴィクター・レッドウッド-ソーヤーの&RBプロジェクトのヒル・ストリート・ソウルは以前このブログでもご紹介していました。

 

そんな彼女の2008年の名作『Black Rose‎』から2曲を選びました。

 

デビュー作の『Soul Organic』が一番有名なアルバムではあるのですが、こちらのアルバムはネオ・ソウルというよりもアーバンなR&Bといった感じが僕にはしたのでよりネオ・ソウルなアルバム『Black Rose‎』から選んでます。

 

まずは1曲目に収録されている”Wash Away”です。

 

水が流れるSE音から始まりシンプルなビートが流れます。

 

歌メロもシンプルなので、もしかしたら聴く人によっては全く印象に残らない曲なのかもしれません…。

 

しかしずっと聴いているうちにいつの間にかハマっているのがこういったネオ・ソウルの曲の良いところです。

 

それは次の曲にも言えることです。

 

24.Hil St. Soul – “Black Rose”

同じく2008年の作品『Black Rose‎』に収録されていた曲で8曲目に収録されていました。

 

この曲も”Wash Away”と同じようにシンプルなコード進行とビートに乗せて淡々と進む曲です。

 

イントロにデビT風の1弦2弦を中心としたダブルストップを用いた急降下フレーズが登場しますが音量は小さめです。

 

あくまでもヒル・ストリート・ソウルのボーカルが主役なので、バックのメロディー楽器陣は静かな音で楽器を奏でます。

 

その代わりにドラムのビートは裏拍が強調されているのもネオ・ソウルの特長ですね。

 

ネオ・ソウルを聴き始めるうえで1番最初に聴くべき曲ではありませんが、しかしなるべく早めに聴いてもらいたい楽曲でもあります。

 

25.India Arie – “Video”

米国コロラド州デンバー出身の女性シンガーのインディア・アリーは、1stアルバムの『Acoustic Soul』が最もおすすめのアルバムです。

 

特に1曲目の”Video”は、アコースティック・ギターを用いたネオ・ソウル曲の最高傑作と言っても良い素晴らしい出来です。

 

こういったアコースティックな生演奏主体のソウル・ミュージックもネオ・ソウルとして含まれているためか、日本ではオーガニック・ソウルと一時期ジャンル名が付いていたこともあります。

 

しかしこれは日本でだけの呼び名で、海外では普通にR&Bと表記されることがほとんどです。

 

この曲はアルバムからの1stシングルにも選ばれています。

 

キャッチーでわかりやすい曲調が聴きやすい楽曲ですね♪

 

ちなみに2ndシングルの”Brown Skin”と3rdシングルの”Strength, Courage & Wisdom”もオフビートを強調したアコースティックなネオ・ソウルの名曲です。

 

『Acoustic Soul』はネオ・ソウル好き必聴の名作です!

 

ちなみにこのアルバムで聴くことが出来るドラムは、「これぞまさにネオ・ソウル!」といったレイドバックした演奏ですが…実は本作でドラムを叩いているアベ・フォグルは1996年にリリースされたディアンジェロの公式ライヴ盤『Live At The Jazz Cafe, London』でもドラムを叩いていた人物です。

 

「ネオ・ソウルのビートとは何か!?」を教えてくれているかのようなお手本みたいなドラム・プレイですね♪

 

26.Jill Scott – “The Way”

近年ではロバート・グラスパーの『Black Radio 2』収録の”Calls”に参加したことが有名ですが、ジル・スコットもインディア・アリーと同じく2000年にアルバム・デビューしています。

 

今回はそんな彼女の1stアルバム『Who Is Jill Scott?: Words and Sounds Vol. 1』の9曲目に収録された”The Way”は、ネオ・ソウルを代表する1曲だと言えます。

 

ストリングス入りの印象的なエレピのイントロに強めのオフビート、まさにネオ・ソウルな楽曲です。

 

この曲はアルバムからの4枚目のシングルに選ばれています。

 

ジル・スコット自身もこの曲を気に入っているのか、現在発売されている2作のライブ盤『Experience: Jill Scott 826+』と『Live in Paris+』のどちらでも取り上げられています。

 

27.Jill Scott – “One Time”

先ほどご紹介していたライブ盤の『Experience: Jill Scott 826+』には、スタジオ未発表音源もプラスされた変則的なアルバムでした。

 

そのアルバムのディスク2の3曲目に収録された”One Time”もクールなネオ・ソウル曲です。

 

ネオ・ソウル・シンガーのエリック・ロバーソンとの共演作になります。

 

コンピレーション・アルバムの『Collaborations』にも収録されています。

 

 

ジル・スコットのキャリアの中ではあまり目立たない曲ではありますが、このクールさは埋もれさすにはもったいないと思いここで取り上げることにしました。

 

28.Lauryn Hill – “Ex-Factor”

ネオ・ソウルを語る上で絶対に外せない曲です!

 

今のところローリン・ヒル唯一のアルバム『The Miseducation of Lauryn Hill』に収録されていたとろけるようなバラード曲の”Ex-Factor”です。

 

アルバムからの2ndシングルにも選ばれています。

 

 

かつて同じフージーズのメンバーだったワイクリフ・ジョンに向けて歌われた曲だという噂もありますが真偽のほどが定かではありません。

 

パートナーへ依存して懇願するような歌詞はエリカ・バドゥの”Bag Lady”とはまた違った恋の歌ですね。

 

ソウルクエリアンズの一員ジェームス・ポイザーが弾くピアノの美しい音色に導かれローリン・ヒルがしっとりと歌い始めます

 

終盤には「私のことを想ってよ!私のために泣いてよ!私のためだけに生きてよ!」と少々重たい歌詞が歌われています。

 

最後のギター・ソロを弾いているのは、ジョハリ・ニュートンです。

 

少しややこしいのですが、この曲の大元はバーブラ・ストライサンドが1973年に歌った同名映画の主題歌”The Way We Were”です。

 

後にアンディ・ウィリアムが1974年にこの曲をカバーして、更にグラディス・ナイト&ザ・ピップスが同じ年にカバーしました。

 

このグラディス・ナイトのカバー・バージョンを20年後にサンプリングしたのがウータン・クランの1994年の”Can It Be All So Simple”という曲です。

 

そしてその”Can It Be All So Simple”を更にサンプリングしたのがこの”Ex-Factor”という曲です。

 

その名残からなのか⁉︎だから歌の出だしの歌詞に”It could all be so simple”と似たフレーズが出てきます。

 

よくよく聴いてみるとなんとなく歌メロもバーブラ・ストライサンドのオリジナルに似てなくもないですからね。

 

歌詞の内容だけでなく、曲ができた経緯までなんともまどろっこしいですね…。

 

しかしネオ・ソウルだけに留まらず、全音楽好きに聴いてもらいたい名曲です♪

 

29.Lauryn Hill – “Nothing Even Matters”

ディアンジェロのアルバム『Voodoo』の”Feel Like Makin’ Love”では実現しませんでしたが、先にこちらの”Nothing Even Matters”の方でこの2人はデュエットをしています。

 

同じく『The Miseducation of Lauryn Hill』に収録された楽曲です。

 

オシャレなエレピのイントロに太いベース・ライン、強調されたオフビート…ネオ・ソウルの父と母による珠玉のデュエット曲は必聴です!

 

ちなみにディアンジェロ自身がフェンダー・ローズも弾いています。

 

30.Ledisi – “Joy”

以前このブログでもご紹介していた女性ンシンガーのレデシーは今年ニーナ・シモンのカヴァー作品をリリースしたばかりです。

 

年々ネオ・ソウルらしさから離れて行っている気がしなくもないのですが…2007年にリリースされたアルバム『Lost & Found』が最もネオソウルらしさを感じさせるアルバムです。

 

特に2曲目の”Joy”は独特なハネたリズムが印象的です。

 

このリズムこそがネオ・ソウルらしさですね!

 

31.Musiq Soulchild – “Just Friends (Sunny)”

早い話、ナンパの歌です。(笑)

 

ミュージック・ソウルチャイルドの2000年のデビュー作『Aijuswanaseing(アイ・ジャス・ワナ・シング)』の4曲目に収録されていた曲です。

 

アルバムからの1stシングルにも選ばれています。

 

この曲の歌詞は、”just a friend”=「単なる友達関係」でもいいから「電話番号教えてよ」と女の子をナンパしている曲です。

 

見た目がチャラいミュージック・ソウルチャイルドが歌っているためなんとも軽い歌詞に感じられますが…でもよくよく考えると初期のビートルズの歌詞もこういった軽いノリのナンパ曲が多かったりしますからね。

 

どうしても音楽好きの中には「歌詞はロマンチック(もしくは高尚)でなければいけない」とお考えの方も一定数いらっしゃるとは思いますが、しかしデルタ・ブルースの伝説サンハウスが50年以上も前にあるインタビューでこう語っていました。

 

「ブルースってのはたった1つ…それは男がいて女がいる。それだけさ!」ということです。

 

世の中のほとんどの楽曲は恋愛を中心にした内容です。

 

だから何もこの曲だけがチャラいわけではありません。

 

先にご紹介していたエリカ・バドゥの”Bag Lady”もローリン・ヒルの”Ex-Factor”も結局は恋愛の歌です。

 

そこに「ロマンチック」や「チャラい」の差はあっても、最終的には恋愛の歌に違いはありません。

 

さて、この曲の副題に”sunny”と付けられているのは、原曲がボビー・ヘブの歌った”Sunny”だからです。

 

パット・マルティーノを始めジャズ界でも多く取り上げられたこの曲は、もはやスタンダードと言える曲です。

 

ジャズやソウル系のセッションに行ってみると毎回のようにこの曲が演奏されていたりもします。

 

それだけ演奏するのに奥が深い曲なのです。

 

ジャズでもよく取り上げられているその”Sunny”がネオ・ソウルになるとこんなチャラいナンパの曲になっちゃいました!(笑)

 

でもそれもいいじゃないですか。

 

むしろ軽いノリの歌詞が現代的です。

 

ディアンジェロの”Brown Sugar”やエリカ・バドゥの”Didn’t Cha Know”と同じくネオ・ソウルを語る上で絶対に外せない名曲であることも確かです。

 

32.Musiq Soulchild – “Halfcrazy”

“Halfcrazy”は、ミュージック・ソウルチャイルドの2002年リリースの2ndアルバム『Juslisen』の7曲目に収録されていました。

 

 

アルバムからの1stシングルにも選ばれています。

 

そのシングルはEP盤でのみリリースされました。

 

その理由はもしかしたらこの曲がアコースティックな生音を主体としているからなのでしょうかね!?

 

その辺はよくわかりませんが、この曲はインディア・アリーの”Video”と並ぶオーガニック・ソウル系の名曲です。

 

アコースティック・ギターの生音を主体としながらも、サビの分厚いコーラスにヒップホップなビートが乗っかり、ちゃんとR&Bしています。

 

ひとえにネオ・ソウルといっても、こういったアコースティック・ギターが主体の曲はこの時代からありました。

 

今年話題になったアコギでネオ・ソウル・ギターを弾く際に題材にしたい曲ですね♪

 

33.Musiq Soulchild – “So Beautiful”

2008年にリリースされた5作目のアルバム『OnMyRadio』の11曲目”So Beautiful”は、ネオ・ソウル・ギターを学ぶ上でもおすすめ楽曲です。

 

アルバムからの3枚目のシングルとしてもリリースされています。

 

オシャレなエレピのイントロに重低音によるオフビートの強調、そしてミュージック・ソウルチャイルドのファルセットした歌声に合わせて、ネオ・ソウル・ギターが鳴り響きます。

 

デビTから受け継がれるテンション・ノートを「ピロリ~ン♪」とハンマリングさせるネオ・ソウルの手法が何度も登場します。

 

ケリー・2スムースもこの曲のレッスン動画を上げていたのですが、ネオ・ソウル・ギターを学ぶのに打って付け曲だと言えます。

 

このメロウさこそネオ・ソウルです!

 

34.The RH Factor – “Forget Regret”

トランぺッターのロイ・ハーグローヴの創り出す楽曲はどれもオシャレなものばかりでした。

 

若くして亡くなってしまったのは非常に残念ではありますが、ロイ・ハーグローヴが残した名曲は永遠に輝きを失うことはないでしょう。

 

ディアンジェロの『Voodoo』への参加を経て、2003年にリリースさえたRHファクター名義での『Hard Groove』は、リリースから20年近く経った今でもオシャレなアルバムです。

 

単にネオ・ソウルだけでなくヒップホップやフュージョンの要素も強めな本作には、ラッパーのコモンがフリースタイルのラップを披露する”Common Free Style”や狂乱のジャズ曲”Out Of Town”など多彩な音楽性が詰め込まれています。

 

そんな中でいくつかあるボーカル曲も素晴らしい楽曲ばかりです。

 

特に8曲目に収録されていた”Forget Regret”は、ネオ・ソウルな1曲でもあります。

 

というのは、この曲の右チャンネルから聞こえてくるクリーン・トーンのエレキ・ギターを弾いているのがスパンキー・アルフォードだからというのもあります。

 

アコギを弾いているのは、フルートも担当するジャック・スワルツ・バルトです。

 

ベースにはピノ・パラディーノ、ドラムにはジェイソン・トーマスが参加しています。

 

歌うのは音楽集団ブルックリン・ファンク・エッセンシャルズのオリジナル・メンバーだった女性シンガーのステファニー・マッケイです。

 

彼女のアンニュイな歌声が「あなたの髪、声、、囁き、嘆き方、そして祈り」と「忘れることができない後悔の念」=”Forget Regret”を強く感じされます。

 

その後の歌詞に「あなたの髪、歩き方、レコードの選曲、そして優しさ」と出てくるのが洒落てますね。

 

好きな人の音楽の趣味はいつまでも記憶に残るものです。

 

そして僕はロイ・ハーグローヴを失った落胆=”regret”を忘れることができません。

 

初期のネオ・ソウルのオシャレな曲調のイメージ作りに大きく貢献したミュージシャンです。

 

35.The Roots – “What They Do”

ヒップホップ・バンドのザ・ルーツにもおすすめのネオ・ソウル曲があります。

 

1996年にリリースされた3作目『Illadelph Halflife』の8曲目に収録されていた”What They Do”という曲です。

 

アルバムからの3枚目のシングルとしてもリリースされています。

 

 

レイド・バックしたグルーヴがかっこいいこの曲には、ラファエル・サディークと女性シンガーのアンジェラ・スレートが参加しています。

 

イントロに登場するスムース・ジャズ系のギターを弾いているのは、スパンキー・アルフォードです。

 

クレジットにはGuitar[Wes Mongomerations] と記載されているのが面白いです。

 

確かにウェス・モンゴメリーを彷彿させますね。

 

ブラック・ソートのラップが主体の曲ですが、女性コーラスも印象的で、クエストラヴの叩くタイトなドラムがまさにネオ・ソウルです!

 

J・ディラと共にネオ・ソウルのビートを作り上げたクエストラヴの参加バンド、ザ・ルーツがこの35選の最後のご紹介になったのはなんとも良い流れだと感じます。

 

 

 

以上、【初心者必聴!】ネオ・ソウル入門におすすめの名曲35選】でした。

 

かなり長いブログ記事となりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございます。

 

先にも述べましたが、「これからネオ・ソウルというジャンルの音楽を聴いてみたいという初心者さんのために」このブログ記事がガイドの役割を果たせましたら幸いです。

 

今回ご紹介した35曲は、僕自身が大好きな曲ばかりでもあり、自分がネオ・ソウル・ギターを弾く上で演奏した楽曲ばかりになります。(もちろん実際に演奏したことがある曲もあります。)

 

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