2019/03/04
名ブルース・ハープ奏者キャリー・ベルの1995年の作品『Deep Down』を聴こう♪
名ブルース・ハープ奏者キャリー・ベルの1665年の名作『Deep Down』をご紹介します。
伝説のハーピスト達から「ブルース魂」を受け継いだ「本物」のブルース・ハーピスト!
今回は以前ご紹介していたジェイムズ・コットンと同世代のブルース・ハーピストのキャリー・ベルの作品をご紹介します。
ブルース・ハープ奏者ジェイムズ・コットンのファンキー・ブルース名盤『100% Cotton』を聴こう♪
キャリー・ベルとは?
キャリー・ベルは、1936年にミシシッピ州メイコンに生まれました。
もともとはサックス奏者になりたかったようなのですが、高価なサックスを購入することが出来ず、代わりにハーモニカ(ブルース・ハープ)を始めることになりました。
幼い頃は独学で吹き方を学んだようなのですが、その後シカゴに移住して伝説のブルース・ハープ奏者のリトル・ウォルターやビッグ・ウォルター・ホートンにサニー・ボーイ・ウィリアムスン二世などから直にハープの吹き方を教わった本格派のブルースマンです。
今回は、そんな名ブルース・ハープ奏者キャリー・ベルが1995年に制作したモダン・ブルース作品『Deep Down』をご紹介します。
ちなみにキャリー・ベルの息子のルリー・ベルは、今も第一線で活躍するブルース・ギタリストです。
もちろん腕前も一流です!
どちらかというと、シンプルなブルース・ギターを弾くタイプなので、目立つことはあまりありませんが……その代わりに外れも少ないのがルリー・ベルのギターです。
このルリー・ベルは、今回ご紹介する『Deep Down』にギターで参加しています。
というわけで、親子共演作品になります♪
まぁこの親子は何度も共演しているんですがね。(笑)
また本作には、カール・ウェザースビーとう名ギタリストも参加しています!
アルバート・キング風の豪快なブルース・ギタリストです。
カール・ウェザースビーはブルースだけに留まらず、R&Bやファンク系も演奏できる凄腕ギタリストなんです。
以前こちらのブログでもカール・ウェザースビーの2000年の名作『Come to Papa』もご紹介していたので、ぜひそちらの方も読んでみて下さい。
ブルースだけでなくソウルやR&Bも!カール・ウェザーズビーの2000年の名作『Come to Papa』
それでは、今回はそんな名ブルース・ギタリスト達も参加したキャリー・ベルの1995年の名作『Deep Down』をご紹介したいと思います。
ちなみにピアノには、ギターの腕もピアイチなブルースマンのラッキー・ピーターソンが参加しています。
キャリー・ベルを支える面子の方もバッチリです♪
Carey Bell – 『Deep Down』
01.I Got To Go
02.Let Me Stir In Your Pot
03.When I Get Drunk
04.Low Down Dirty Shame
05.Borrow Your Love
06.Lonesome Stranger
07.After You
08.I Got A Rich Man’s Woman
09.Jawbreaker
10.Must I Holler
11.Tired Of Giving You My Love
12.Easy
Personnel:
Carey Bell – Vocals, Harmonica
Carl Weathersby, Lurrie Bell – Guitar
Lucky Peterson – Piano
Johnny Gayden – Bass
Ray “Killer” Allison – Drums
アルバムの内容
本作はキャリー・ベルの13作目のアルバムになります。
アルバム名の『Deep Down』とは、「本心では」という意味になります。
本作のリリースは、ハウンド・ドッグ・テイラーのアルバムを制作するために設立されたインディのブルース・レーベル『アリゲーター・レコード』からリリースされています。
『アリゲーター・レコード』からリリースされた作品はどれも質の高いブルース作品が多いので安心できるレーベルです。
もちろん本作もクォリティーの高いブルース曲ばかりが収録されています。
1曲目” I Got To Go”は、さっそくキャリー・ベルが尊敬するリトル・ウォルターの曲です。
まぁ「ブルース・ハーピストの最高峰」と言えば、リトル・ウォルターですので、影響を受けない方がおかしいぐらいですからね。
リトル・ウォルターの原曲のように本作のキャリー・ベルも「パ~パ♪パッパッパッ♪」というあの印象的なイントロのリフを吹き始めます。
曲調は、テンポの早いマディ・ウォーターズの”Got My Mojo Workin'”風のファスト・ナンバーです♪
もちろん歌うのはキャリー・ベル自身です。
アンプリファイドされた派手な大きな音で吹くブルース・ハープのソロが最高です♪
ハープソロの次は、ラッキー・ピーターソンのファンキーなピアノソロ、そしてカール・ウェザースビーのギターソロと続きます!
アルバムの始まりにピッタリな勢いのある演奏ですね♪
2曲目”Let Me Stir In Your Pot”は、カール・ウェザースビーの「ピタピタ」したトーンのギターが奏でるイントロから始まるミドル・テンポのブルース曲です。
息子のルーリー・ベルのギターは右チャンネルから聴こえてくるコード弾きをしたギターになります。
中央寄りの左チャンネルから聴こえてくるアルバート・キング風の派手なリードギターの音がカール・ウェザースビーです。
聴きどころは歌い終わった終盤にブルース・ハープのソロに絡みつくギターとのアンサンブル部分です。
3曲目”When I Get Drunk”は、ジミー・バーンズの兄エディ・バーンズの渋めのブルース曲です。
4曲目”Low Down Dirty Shame”は、ファンキーなブルース曲です。
この曲名を見ると、1994年の同名映画『ダーティ・シェイム』を思い出します。(笑)
こちらの映画の方は、マーカス・ミラーが音楽を担当していました。
曲の方は、ファンキーなブルース・ギターもお得意なカール・ウェザースビーのリズムギターが活躍します!
ギターソロでもアルバート・キング風の派手なギターソロが炸裂します!
もちろん主役のキャリー・ベルも負けていません!
どうしても同世代の人気ハーピストのジェイムス・コットンやジュニア・ウェルズの陰に隠れがちですが……キャリー・ベルの腕前はその2人に引けを取らない素晴らしいものです!
その後も質の高いオリジナル曲やカヴァー曲が続きますが、残りのカヴァー曲についてもご紹介しておきます。
まず7曲目”After You”は、伝説のブルース・ハーピストのひとり、サニー・ボーイ・ウィリアムソン一世の曲です。
8曲目の”I Got A Rich Man’s Woman”は、マディ・ウォーターズが歌った曲です。
12曲目の”Easy”は、ビッグ・ウォルター・ホールトン作のゆったりしたブルース曲です。
やはりカヴァー曲の方もブルース・ハープが中心となるような楽曲が中心ですね♪
個人的にもう1曲おすすめしたいのが、ファンキーなギターリフで始まる11曲目の”Tired of Giving You My Love”です。
この曲もグルーヴ感が心地よいファンキー・ブルースです♪
以上、【名ブルース・ハープ奏者キャリー・ベルの1995年の作品『Deep Down』を聴こう♪】でした。
本作は、全体的にファンキーな楽曲が多く収録されています。
「ブルース」と言っても1995年と新しい時代の作品ですので、50年代や60年代の作品と違って耳馴染みの良いモダンなサウンドです。
ロックやポップスの作品のような聴きやすさがありつつも、キャリー・ベルを始め本格派のブルース・ミュージシャンの手によって制作されているので「ブルース」の「えぐ味」は失われていません!
本格的なブルースの聴き始めにもおすすめのアルバムです♪
他に関連するお勧め記事