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カテゴリー:Music

2018/05/21

グラント・グリーンの息子のジャズファンクなリーダー作『Jungle Strut』を聴こう!

グラント・グリーンの息子グラント・グリーンJr.(グレッグ・グリーン)

さて、今回はグラント・グリーンの息子でギタリストのグラント・グリーンJr.(以降:ジュニア)のアルバムをご紹介します。

 

Jr.(ジュニア)と付くだけあり、その通りグラント・グリーンの本当の息子です。

 

本名はグレッグ・グリーンと言い、デビュー当時はこの本名を名乗っていたようですが、今回ご紹介する『Jungle Strut』からグラント・グリーンJr.と名乗るようになったみたいです。

 

ジュニアは、1955年8月4日生まれで、グラント・グリーンが20歳の頃の子供です。

 

おそらく奥さんは、グラントのファースト・リーダー作の1曲目のタイトルにもなっていたアンではないでしょうか?

 

 

 

 

初リーダー作品『Grant’s First Stand』

 

 

 

またグラントの故郷でもあるミズーリ州セントルイスに生まれ、学生の頃はずっとこの地に住んでいたようです。

 

 

グラント・グリーンJr.のギタープレイ

 

グラント・グリーンJr.とジョージ・ベンソン

 

そんなジュニアは父親譲りの甘く太いトーンでギターを弾きます。

 

この頃のプレイスタイルは父親と似ていて、シングルノート(単音)中心のソウルフルでホーンライク(管楽器のようなギター演奏の事)なギターを弾きます。

 

またバッキングをあまりしないことで有名なグラント・グリーンと違って、ジュニアはファンキーなカッティングもかなりの上手さです!

 

しかし最近では歌も歌ったりしていて、ジャズファンクというよりもスムースジャズ系の音楽をやってたりします。

 

よりテクニカルなプレイスタイルに変化していて、まるでジョージ・ベンソンに近くなっています。

 

というのも、若き日のジョージ・ベンソンは、グラント・グリーンに憧れていてよく行動を共にしていたらしいです。

 

まるでグラント・グリーンの弟分的存在がジョージ・ベンソンでした。

 

そんなジョージ・ベンソンは、グラント・グリーンのライヴ演奏の凄さを語っていたこともあります。

 

こんな話もあって……

 

ジョージ・ベンソンは、グラント・グリーンだけでなくウェス・モンゴメリーにも大きく影響を受けています。

 

60年代後半ごろにグラントとベンソンは共にウェスのライヴを観に行ったようです。

 

その際に同じくウェスを観に来ていたパット・マルティーノにもライヴハウスで出くわしたようです。

 

そしてウェスのライヴ後に、グラントにベンソンにウェスにパットという伝説的ジャズギタリスト4人が深夜遅くまでギター談議に花を咲かせたのだとか……。

 

今を生きるジャズギターファンからしたら、夢の様な豪華な飲み会ですね!(笑)

 

さて、そんなグラントと仲の良かったベンソンが、彼の息子のジュニアと仲良くないわけがないと思います。

 

グラントが1979年にまだ47歳という若さで亡くなった後に、確かグラントが生前使っていたダキストのフルアコギターをジュニアが形見としてベンソンに譲ったのだとか……。

 

こんな話もあるぐらいだから、ジュニアがベンソンからギターを教わったりしたこともあるんではないでしょうか?

 

最近のジュニアの演奏は、どことなく父親のグラントというよりも、ベンソン風に聴こえることが多く感じます。

 

これは僕の勝手なイメージなんですが、ジュニアをドラゴンボールZでいう孫悟飯だと感じます。(笑)

 

父親のグラントがもちろん孫悟空で、ベンソンがピッコロ(マジュニア)です。(笑)

 

悟空の息子だけれども、ピッコロに育てられたため「魔閃光」を使える……みたいな。(笑)

 

ただ年齢を重ねていって、ピッコロからの影響が薄れていった孫悟飯の逆で、ジュニアは年を取ってからベンソンスタイルになってきています。

 

それでは前置きが長くなりましたが、ジュニアがまだ父親譲りのプレイスタイルだった頃のジャズファンク作品をご紹介します。

 

 

Grant Green Jr. – 『Jungle Strut』

01.We Can Fly
02.Jungle Strut
03.Walk On By
04.Green Onions
05.When A Man Loves A Woman
06.Lazy Afternoon

Personnel:
Grant Green Jr. – guitar
Eddie Pazant – alt sax
Bill Foster – bass
Ernesto Colon – drums
Michael Torsone, Reuben Wilson – organ

 

Recorded September 16, 1997.

 

 

 

ジュニアにとってのリーダー2作目にあたる1997年リリースの『Jungle Strut』は、少しロック調のノリの聴きやすいジャズファンク曲が多く収録されています。

 

まず#1の”We Can Fly”は、父親のグラント・グリーンとも共演経験のある60年代後半から活動しているベテランのオルガン奏者ルーベン・ウィルソン作のジャズファンク曲です。

 

当時のルーベンのリーダー作にも似たような曲調が多く作られています。

 

例えばルーベンの2006年の傑作『Movin’ On』の2曲目に収録されていた”Slick Willie”という曲も似たようなクールで現代的ななジャズファンク曲です。

 

 

 

 

それもそのはず?ジュニアは上記のルーベンの『Movin’ On』にギタリストで参加しています。

 

実はルーベンとジュニアは、更にバーナード・”プリティ”・パーディを加えたトリオ編成で『The Godfathers Of Groove』なるバンドをやってもいます。

 

このバンドについては、今後こちらのブログでも記事にしたいと思いますのでお楽しみに~♪

 

 

 

 

 

 

 

さて#1の”We Can Fly”は、ジュニアの軽快な16ビートのカッティングからルーベンのオルガンテーマで始まります。

 

先発でルーベンのツボを押さえた巧みなオルガンソロの後にジュニアのギターソロが始まります。

 

この頃は本当に父親そっくりな徹底してシングルトーンでとことんメロディアスなソロを弾いています。

 

さすがに父親を超えてるとは言えないですが……かなりの腕前です!

 

この1曲目のカッティングとギターソロを聴いただけでジュニアのギタープレイは確かなものだと断言できます!

 

続くアルバムタイトルにもなっている#2の”Jungle Strut”は、アーシーで骨太なサックス奏者ジーン・アモンズの1970年のジャズファンク作品『Brother Jug』に収録されていた曲のカヴァーです。

 

 

このアルバムは長らく廃盤なっていますが、下記の編集版でも聴けます。

 

この曲にはサックス奏者のエディ・パサントも参加していて、テーマメロディーをジュニアのギターとユニゾンで奏でています。

 

他にはルーベンの代わりにこの曲でオルガンを弾くのは、ミシェル・トーソンというオルガン奏者です。

 

ジュニアとルーベン以外のミュージシャンは、腕は確かなのですがどうやら地元の無名のミュージシャンの様です。

 

多分、当時ジュニアと一緒にバンドをやっていたメンバーたちなのではないでしょうか⁉

 

この”Jungle Strut”では、先発でサックスがソロを吹き、次にアクロバティックなオルガンソロが始まります。

 

なかなかの腕前です!

 

そして満を持して3番手に本作の主役であるジュニアがギターソロを弾きます。

 

父親譲りのシーケンスフレーズ(繰り返し)も飛び出しますが、残念ながら勢いは本家グラントの方があります。

 

#3は、バート・バカラックの曲”Walk On By”です。

 

この曲は父親のグラントが1971年のモザンビークでのライヴ盤で取り上げていましたね。

 

 

ジュニアもやはり父親に敬意を表してこの曲を取り上げたんでしょう。

 

ゆったりとテーマメロディをギターで弾いています。

 

歌心溢れる弾き方は正にグラント・グリーンです!

 

#4はブッカー・T&ザ・MG’sの超有名曲”Green Onions”のカヴァーです。

 

 

 

 

確かにバンドにオルガン奏者とベース奏者がいたらやってみたくなる曲ですよね。(笑)

 

テーマを弾くのはオルガンで、ソロの1番手はジュニアです。

 

ソウルフルにソロを弾き倒しています。

 

そして次にサックスの短いソロが続き、更にオルガンソロに流れていきます。

 

そして再度ジュニアのギターソロが始まり曲はフェイドアウトしていきます。

 

このアルバム収録曲の中では、誰しもが耳なじみの曲だと思いますので一番聴きやすいんじゃないかな?って気がします。

 

#5は、「男が女を愛する時」という邦題で有名なパーシー・スレッジがオリジナルの名曲”When A Man Loves A Woman”です。

 

 

 

ベッド・ミドラーの『The Rose』のバージョンも有名ですね。

 

 

 

 

ジャズギター好きにはなんと言ってもウェス・モンゴメリーの1967年の名作『A Day In The Life』に収録されているインストバージョンが思い浮かぶでしょう。

 

 

 

この頃のジュニアは、まだ歌を歌っていなくてギター演奏だけしていました。

 

そのためこのアルバムで”When A Man Loves A Woman”を取り上げたのもウェスのバージョンを参考にしたんだと思われます。

 

ジュニアはのウェスのようにテーマをオクターヴ奏法で巧みに弾いたりはしないで、シングルトーンのみでシンプルに弾いています。

 

さすがにウェスは特別上手い人なんで、ウェスのバージョンと比べるのは酷ですよね……。

 

終始シンプルな演奏で名バラードを弾き切っています。

 

最後の#6は、父親のグラント・グリーンが1964年の名盤『Street Of Dreams』で演奏していた曲”Lazy Afternoon”です。

 

 

 

 

グラントのバージョンでは、オルガン奏者に「オルガンのコルトレーン」と呼ばれた名手のラリー・ヤング、そして新主流派のヴィブラフォン奏者のボビー・ハッチャーソンが参加しています。

 

曲名通りにどこか気だるくゆったりとしたミディアム・バウンスの5拍子の曲です。

 

個人的にすごく好きな曲です。

 

しかし、ジュニアの演奏が父親を超えているか?……ということになると答えは「No!」です。

 

残念ながら父親のグラント・グリーンのような、どこまでも深い憂いのあるトーンでギターを弾けてはいないと感じます。

 

父への敬意を表してこの曲をアルバムの最後に取り上げたんじゃないだろうか?と感じるのですが、逆にこういったテンポの遅いバラード曲で技量の違いがはっきりと分かってしまいます……。

 

テンポの速い曲は、かっこよく聴こえてスピードについて行けていたら上手く聴こえます。

 

しかしスローな曲を演奏するのは、一見簡単そうに聞こえて、そうではありません!

 

バラード演奏ほど難しいものはありません!

 

個人的にはバラードを聴かせれて初めて一人前のミュージシャンだと思います。

 

確か似たようなことを、ローリング・ストーンズのギタリストのキース・リチャーズも言っていた気がします。

 

そしてプロミュージシャンであっても、バラード演奏でそれぞれの技量がはっきりと違いとして出てきます。

 

僕が特にバラード演奏の上手い達人だな~と思うのはジョン・コルトレーン、マイルス・デイヴィス、グラント・グリーン、B.B.・キング、デイヴィッド・T・ウォーカーなんかです。

 

残念ながらジュニアの演奏はその域まで達していないと言わざるを得ません……。

 

しかしそれでもこの作品の最後に父親の名演に挑戦したことは素晴らしいことだと思います。

 

ちなみに”Lazy Afternoon”のトランペット演奏で素晴らしいもので、ケニー・ドーハムの1960年『The Arrival Of Kenny Dorham』なんかもあります。

 

 

名盤職人トミー・フラナガンのピアノのイントロが素晴らしいですので、ぜひドーハムのバージョンも聴いてみて下さい。

 

ダンディーなミュートトランペットが、渋くテーマメロディーを奏でています。

 

以上がグラント・グリーンJr.のジャズファンク作品『Jungle Strut』でした。

 

父親のグラント・グリーンやウェス・モンゴメリーのような歴史に残る偉大過ぎるジャズギタリストと比べるのはさすがに酷ですが……ジャズファンク系のギタリストとしてはかなりの腕前ですので、ぜひグラント・グリーンや初期のジョージ・ベンソンなんかが好きな方はジュニアの方も聴いてみましょう!

 

お勧めですよ♪

 

 

 

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