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カテゴリー:Music

2018/12/20

ブルースだけでなくソウルやR&Bも!カール・ウェザーズビーの2000年の名作『Come to Papa』

ブルースだけでなくソウルやR&Bも視野に入れた名作『Come to Papa』

ブルース三大キングのひとりアルバート・キングのバックも務めた実力派ブルース・ギタリスト、カール・ウェザーズビー

今回ご紹介するのは、前回のブログ記事『シカゴ・ブルース・セッションVol.22』にも参加していた実力派ブルース・ギタリストのカール・ウェザーズビーです。

 

ヒューバート・サムリン&ビリー・ブランチ『シカゴ・ブルース・セッションVol.22』

今となっては大御所になりつつあるカール・ウェザーズビーも今回ご紹介する2000年の『Come to Papa』をリリースした頃はまだまだ中堅ブルースマンでした。

 

そんなカール・ウェザーズビーは、ブルースという枠だけに留まらず、ソウルやR&Bも視野に入れた間口の広い音楽性を持っています。

 

ブルース三大キングのひとりアルバート・キングのバックも務めただけでなく、前回ご紹介していたブルース・ハープ奏者のビリー・ブランチやソウル・シンガーのタイロン・デイヴィスのサポートなんかをして頭角を現していきました。

 

もちろんそういった錚々たるミュージシャンのサポートが出来たのも、腕の立つギタリストだからです。

 

そしてパワーこそあまりありませんが、歌もいけます!

 

ギターはパワフルなんですけどね!(笑)

 

さて、今回は2000年にリリースされた名作『Come to Papa』をご紹介します。

 

 

Carl Weathersby – 『Come To Papa』

01.Come to Papa
02.Leap of Good Faith
03.Love, Lead Us Home
04.You Better Think About It
05.(I Feel Like) Breakin’ Up Somebody’s Home
06.Walking the Back Streets and Crying
07.My Baby
08.Floodin’ in California
09.A Good Man Is Hard to Find
10.Help Me Somebody
11.Danger All About
12.Driftin’ Blues

 

Personnel:
Carl Weathersby – Vocals, Guitar
Ann Peebles – Guest Vocals on Track 01
Harold Chandler & John Carlyle – Backing Vocals on Track 07
Andrew Love – Tenor Saxophone
Wayne Jackson – Trumpet, Trombone
Rico McFarland – Rhythm Guitar
Paul Hendricks – Guitar on Track 22
Lucky Peterson – Organ, Piano, Clavinet
Willie Week – Bass
Steve Potts – Drums

Recorded: December 1999.
Released: 2000.

 

アルバム参加メンバー

まず全ての曲でリードボーカル及びリードギターを弾くのは、もちろんリーダーのカール・ウェザーズビーになります。

 

ギターを弾く際は、親指と人差し指を軸にした指弾きで弾いています。

 

それでいて、あの豪快なギターソロです!

 

バックでリズムを支えるのは、この次の年の2001年になってついにリーダー作を吹き込むことになるリコ・マクファーランドです。

 

バッキングに徹していますが、リコのファンキーなカッティングのお陰で本作の安定したグルーヴ感が出ていると言えます!

 

そしてなんとベーシストには、ウィリー・ウィークス参加しています!

 

ブルースというよりも、ソウル好きやロック好きの人の方が「あのウィリー・ウィークスか!」となりそうですね。

 

そうです、ダニー・ハサウェイの名盤『Live!』やドゥービー・ブラザーズに参加していたウィリー・ウィークスです!

 

そういった参加メンバーからもカール・ウェザーズビーがブルースだけでなく、ソウルやR&Bをも吸収した幅広い音楽性を持っていることが伺えますね。

 

他にもオルガンに自身もギターを弾くブルースマンであるラッキー・ピーターソンが参加しています。

 

ドラムで参加しているスティーヴ・ポッツは、現在アル・ジャクソンの代わりに2002年からブッカー・T&ザ・MG’sに参加しているドラム奏者の方です。

 

チコ・ハミルトンのグループに参加していたサックス奏者の方ではないです。

 

そしてスペシャル・ゲストにアン・ピーブルスが参加して1曲歌っています。

 

リーダーのカール・ウェザーズビーのギター以外では、やはりリコ・マクファーランドにウィリー・ウィークスのバックを支えるリズム隊が聴き所ですね♪

 

 

アルバムの内容

1曲目”Come to Papa”は、60~70 年代のHI-サウンドを創り上げた職人プロデューサーでトランペット奏者でもあるウィリー・ミッチェルが書いた曲です。

 

この曲は、女性R&Bシンガーのアン・ピーブルスが1975年にシングルリリースした”Come To Mama”のことです。

 

歌うのが男性シンガーになっているからか?”Mama”が”Papa”になっています。

 

ちなみに原曲はアン・ピーブルスの1975年の作品『Tellin’ It』の1曲目に収録されていました。

 

 

いきなりアルバム冒頭の曲をハイ・レコードのサザン・ソウルで始める辺り、ブルース一辺倒ってだけではないですね!

 

本作収録バージョンの”Come to Papa”は原曲と違ってかなりノリの良いファンキーなアレンジが施されています。

 

僕は原曲のアン・ピーブルスの静かで深い味わいのあるR&Bも好きなのですが、本作の派手なバージョンも悪くないです!

 

派手なホーン隊に、ブルースと言うよりもファンク・カッティングを弾いているリズムギターに、スティーヴィー・ワンダー風のファンキーなクラヴィネットの音色……そしてネバリ腰のチョーキングを軸に粘り着くようなギターソロを弾くカール・ウェザーズビー!

 

普通のシャッフル・ブルースを期待した人には少し残念かも知れませんが、ファンクが好きな人ならすぐ好きになれるようなファンク・ブルースが展開されています。

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
もちろん僕はこういったファンク・ブルースの方が好きです♪

 

歌の1番目はカール・ウェザーズビーがひとりで歌い上げます。

 

そして2番目は、アン・ピーブルスが歌います。

 

派手なオルガンソロを挟んで、3番目はカール・ウェザーズビーとアン・ピーブルスがデュエットしながら歌います。

 

1曲目の掴みとしては最高ですね♪

 

ただ、はっきり言いますと……「これ、アン・ピーブルスひとりに歌ってもらえば良かったんじゃない?」っていう歌唱力の差を感じます。

 

ただそうすると、「アン・ピーブルスのアルバム」になってしまいますよね。(笑)

 

もうこれ、アン・ピーブルスの作品にギターでカール・ウェザーズビーが参加したアルバムで良かったんじゃないか?……と。(笑)

 

やはり本業のR&Bシンガーの前では、カール・ウェザーズビーの歌唱力では満足出来ません……。

 

さてカール・ウェザーズビーの作品だって事を思い出して、次の曲に行きましょう。(笑)

 

2曲目”Leap of Good Faith”は、カントリーやブルースを歌うシンガーソングライターのゲイリー・ニコルソンが書いた明るい曲です。

 

イントロからアルバート・キングを彷彿させるようなパワフルなチョーキングを多用したギターが鳴り響きます!

 

3曲目”Love, Lead Us Home”は、カール・ウェザーズビーの本領発揮!マイナースロー・ブルースです!

 

こういったアルバート・キングの影響を受けたブルース・ギタリストは、やはり渋いマイナー調のブルースが一番上手いですね♪

 

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Ryo
少しボーカルの弱さを感じますが、ギターは最高です!

 

4曲目”You Better Think About It”も必殺のマイナースロー・ブルースです!

 

この曲を書いたのは、本作ではリズムギターを担当しているリコ・マクファーランドになります。

 

しかしこれは、渋すぎる名曲です!

 

ファンキーなアレンジの1曲目で始まったアルバムなのですが……やはりカール・ウェザーズビーはマイナー・ブルースで本領発揮です!

 

本作収録曲の中でも一番の聴き所です!

 

ソウルやR&Bも演奏するカール・ウェザーズビーですが、やはり根幹にはブルース魂が宿っています!

 

5曲目”(I Feel Like) Breakin’ Up Somebody’s Home”は、先ほど名前を出していたブッカー・T&ザ・MG’sの初代ドラマーのアル・ジャクソンが書いた曲です。

 

この曲もアン・ピーブルスが歌っていたから取り上げたんでしょうかね。それともアルバート・キング!?

 

原曲は、1971年の『Straight from the Heart』の6曲目に収録されています。

 

 

これに関してもアン・ピーブルスに歌ってもらって、カール・ウェザーズビーはギターに専念した方が良かったんじゃないか?……と。

 

しかしそうするとアン・ピーブルスの作品になっちゃいますからね……。(笑)

 

ちなみにアルバート・キングも”Breaking Up Somebody’s Home”とタイトルを短くしてモッチャリと歌っていました。

 

1972年の『I’ll Play The Blues For You』の3曲目に収録されています。

 

 

どうしてもアン・ピーブルスやアルバート・キングのバージョンの方が印象に残るのですが……本作収録のバージョンも悪くはないです。

 

6曲目”Walking the Back Streets and Crying”は、ソウルフルなブルースシンガーのリトル・ミルトンが1972年に歌った曲です。

 

歌ではリトル・ミルトンに到底敵いませんが……派手なギターが本作のバージョンの聴き所ですね!

 

ちなみにリトル・ミルトンもギターはめちゃくちゃ上手いんです!

 

7曲目”My Baby”は、カール・ウェザーズビーのオリジナル曲です。

 

思いっきり60年代風ソウル曲です!

 

この人ってブルースギタリストなんですよね?……と疑ってしまうような爽やかなソウル曲です!(笑)

 

普通に良い曲です♪

 

8曲目”Floodin’ in California”は、アルバート・キングの曲です!

 

なので、イントロの頭からアルバート・キング風の派手でネチっこいチョーキングでガンガンギターを弾いています!

 

9曲目”A Good Man Is Hard to Find”は、ラッキー・ピーターソンが書いたファンキーな曲です。

 

いかにもラッキー・ピーターソンが書きそうなファンキーな曲調です!(笑)

 

10曲目”Help Me Somebody”は、英国出身でニューオーリンズを拠点に活動するシンガー兼ピアニストのジョン・クリアリーが書いた曲です。

 

ゆったりしたソウルフルな曲調が心地良いです♪

 

11曲目”Danger All About”は、本作2曲目となるカール・ウェザーズビーのオリジナル曲です。

 

こちらの方はマイナー調のブルースです!

 

曲の終わりの方で、バディ・ガイばりに弦が切れそうな程ギター弾きまくってます!

 

そして最後の12曲目”Driftin’ Blues”は、レイ・チャールズにも影響を与えたピアニスト兼シンガーのチャールズ・ブラウンが歌った曲です。

 

レイ・チャールズを始め、アルバート・キングにポール・バターフィールドにエリック・クラプトンにサム・クックまでも……数多くのミュージシャンが取り上げたもはやスタンダード曲ですね♪

 

この曲の雰囲気はバーで飲んでいる時に流れている感じがするのですが、アルバムの締めにもピッタリだと思います。

 

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Ryo
おすすめ曲は、#1 #3 #4 #5 #8 #9

以上、全12曲収録の【ブルースだけでなくソウルやR&Bも!カール・ウェザーズビーの2000年の名作『Come to Papa』】のご紹介でした。

 

悪くはないのですが、どうしても少しボーカルの弱さを感じるのが残念な部分でもあります。

 

しかしカヴァー曲の選曲の良さや、バックの演奏陣のレベルの高さ!そしてカール・ウェザーズビー自身のギターの腕前など、聴き所の多い作品だと思います。

 

どちらかと言えば、僕のようなファンクもソウルも混じったブルースが好きな方におすすめです!

 

特に4曲目の渋いスロー・ブルース”You Better Think About It”がおすすめです♪

 

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