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カテゴリー:Music

2019/03/03

アンプラグド・ブームの先駆けとなった金字塔アルバム エリック・クラプトンの『Unplugged』を聴こう♪

1990年代前半の「アンプラグド・ブーム」の先駆けとなったエリック・クラプトンの『Unplugged』をご紹介します。

ボン・ジョヴィの2人によって企画されたMTVの名物ライヴ!

1989年に、ボン・ジョヴィのフロントマン、ジョン・ボン・ジョヴィとリッチー・サンボラの提案によって企画されたMTVのアコースティック・ライヴ企画「アンプラグド」シリーズは、1990年代前半に大いに流行りました。

 

エアロスミスやキッスに、ニルヴァーナやパール・ジャムにアリス・イン・チェインズにR.E.M.、ブルース・スプリングスティーンにブライアン・アダムス、マライア・キャリーにシェリル・クロウにアラニス・モリセットにコアーズやアリシア・キーズ、変わったところではまさかのヒップホップ界からジェイ-Zなどがアコースティック演奏によるライヴを行いました。

 

普段はエレキ・ギターの爆音で演奏しているロック・ミュージシャンなどが、あえてアコースティック演奏による静かなライヴをしたらどんな雰囲気になるのか?という聴く楽しみのある名物企画です。

 

でも、この「アンプラグド・ブーム」をひとつの流行りにしたのは、やはりエリック・クラプトンのこの『Unplugged』だったんじゃないだろうか?……と思いますよね。

 

そもそもクラプトン自体、ちょくちょくアコギは弾いているので、ニルヴァーナやアリス・イン・チェインズのような驚きこそありませんが……しかし全編アコギだけのライヴとなるとやはり珍しいことだったと思います。

 

その分、ニルヴァーナの時みたいに「カート・コバーンってちゃんとアコギ弾けるのかな?」と言った心配はありませんけれどもね。(いらぬ心配だっただけで、ちゃんとカートはアコギ上手く弾けてましたよね!笑)

 

さて、本作が「アンプラグド・シリーズ」屈指の名作になったのは想像に難くありませんよね。

 

あの「ギターの神様」エリック・クラプトンが、アコギを弾いて自作曲だけでなく、自身が影響を受けてきたブルースの曲を演奏するのです!

 

悪くなるはずがありません!

 

僕自身は、アコギを弾くことがないので、本作から演奏面での影響を受けることはないのですが……しかし「ひとつの作品」として聴く分には好きなアルバムです♪

 

まだこの頃は、全編ブルースのカヴァーを取り扱った『From The Cradle』をリリースする前だったので、クラプトンが無理に「がなる」ような歌い方になる前です。

 

アコースティック・ギターの演奏だけでなく、歌い方も自然なクラプトンが聴ける作品なのでとても気に入っています♪

 

それでは、いつものように僕の思い入れなども交えてご紹介したいと思います。

 

 

 

Eric Clapton  – 『Unplugged』

01.Signe
02.Before You Accuse Me
03.Hey Hey
04.Tears In Heaven
05.Lonely Stranger
06.Nobody Knows You When You’re Down & Out
07.Layla
08.Running On Faith
09.Walkin’ Blues
10.Alberta
11.San Francisco Bay Blues
12.Malted Milk
13.Old Love
14.Rollin’ & Tumblin’

 

Personnel:
Eric Clapton – Vocals, Guitar
Andy Fairweather-Low – Guitar
Chuck Leavell – Keyboards
Nathan East – Bass
Steve Ferrone – Drums
Ray Cooper – Percussion
Katie Kissoon, Tessa Niles – Additional Vocals

 

 

アルバムの内容

1曲目”Signe”は、クラプトンの自作曲です。

 

後に2001年にリリースされることになる『Reptile』の1曲目”Reptile”と同じようなオシャレな雰囲気のインスト・ナンバーです。

 

サイドギターには、クラプトンのツアーバンドでもお馴染みのアンディー・フェアウェザロウが参加しています。

 

粋なインストで会場を温めた後は、さっそくブルースです!

 

2曲目”Before You Accuse Me”は、ボ・ディドリーの軽快なブルース曲です。

 

クラプトンは、アコギを弾いて古き良き時代のダウンホームなカントリー・ブルース調の雰囲気を演出しています。

 

この曲は、これまでにもちょくちょくライヴでも演奏しています。

 

1999年にブルース系の曲などをまとめた企画盤だった『Blues』というアルバムにも収録されていますので要チェックです!

 

 

3曲目もブルースが続きます!

 

クラプトンだけでなく、ジェフ・ベックやジミー・ペイジなど「3大ギタリスト」や他にも多くのロック・ミュージシャンに影響を与えたカントリー・ブルースマンのビッグ・ビル・ブルーンジーの名曲”Hey, Hey”です。

 

「ブンッ!」と、親指でベース音を弾いてから指板上をグリスしてコード音を弾く印象的なギターリフを持つ曲です。

 

この”Hey, Hey”という曲は、ビッグ・ビル・ブルーンジー自身が演奏した映像もあって、この映像はブルース・ファンには有名なんです。

 

「クラプトンのバージョンは知ってたけど、オリジナルのビッグ・ビルのバージョンは知らなかった!」という方は、YouTubeで観れますのでぜひ下記の動画を観てみてください。

 

ちなみに『Legends of Country Blues Guitar 1』という映像作品に収録されています。

 

 

10代の頃からブルースオタクの僕は逆にビッグ・ビルのこの原曲の方を先に知っていたので、後にクラプトンを聴くようになって「あれ?これってもしかしてビッグ・ビルの”Hey, Hey”じゃない?クラプトンもカヴァーしてたんだ!しかもかなり完コピしてるし!(笑)」といった感じでした。

 

僕は先にブルースを聴いてから、ブルース・ロックを聴きだした逆パターンなんです。

 

さて、ちょっと個人的な思い出を書きたいのですが……実はこの曲のギターの弾き方を20代の頃に教えてもらったことがあります。

 

しかもクラプトンと同じイギリス人にです。(笑)

 

 


 

まだ20代だった当時の僕は、趣味の「ひとり海外旅行」のための英会話を習っていました。

 

その時に英国から来たジョーという先生がいました。

 

その先生は、教師だけでなく副業として大阪にある外人がよく集まるパブでバンド演奏もしていました。

 

当時は僕もちょうどブルース・バンドをやり始めた頃だったのですが、ジョーもやはりブルース系の音楽が大好きですぐに馬が合いました!

 

それで僕も何度かジョーのライヴをそのパブに観に行ったことがありました。

 

ジョーのバンドは基本はドクター・フィールグッド的な「パブ・ロック」を演奏するバンドでしたが、お客さんのリクエストにも答えるバンドでした。

 

僕が来た時には、ジミヘンの”Red House”やフレディ・キングの”Going Down”なんかのブルースよりの曲を演奏してくれました。

 

そのジョーが他の生徒の「生演奏を聴いてみたい!」というリクエストで、英会話のクラスでアコギを持ってきたことがありました。

 

その時の授業終わりに、なぜかジョーが僕にアコギを手渡してくれて「1曲弾き方を教えてあげるよ。」と言ってくれました。

 

その時に弾き方を教えてくれたのが、なぜかこの”Hey, Hey”でした。

 

その時には既にガッツリ、ブルースオタクだった僕は「ビッグ・ビル・ブルーンジーとは!渋いチョイスですね!」と感激していたら……「それ誰?違う違う、エリック・クラプトンの曲だよ!」と言われました。(笑)

 

ジョーは、ビッグ・ビル・ブルーンジーを知らなかったんです。(笑)

 

しかしエリック・クラプトンのこの『Unplugged』は大好きだったみたいで、なぜかこの”Hey, Hey”の弾き方を教えてくれました。

 

もう15年近く前の話なのですが……今でもこの事は、僕にとっての良い思い出のひとつとなりました。

 

 


 

と、今回はちょっと思い出話も加えちゃいました。(笑)

 

さて、本編に戻りますと……4曲目は涙なくしては聴けないような感動の名曲”Tears in Heaven”です。

 

こういう曲、苦手なんですよね……ついつい感動してしまうから。(笑)

 

オリジナルは1992年にリリースされたサントラ盤の『Rush』の10曲目に収録されていました。

 

 

幼くして亡くなってしまった息子のために捧げられた名曲で、オリジナルの演奏時もアコースティック・ギターを弾いています。

 

なので、アンプラグド化しても驚きこそはありませんが……やはり名曲だということにも変わりありません!

 

クラプトンのアコギソロ時に、ネイザン・イーストがアコースティック・ベースで「ビヨォォォ~~~ン♪」と的確なオブリを付け加えてる部分も聴き逃せません!

 

本当に名曲ですね……♪

 

次の5曲目”Lonely Stranger”は、クラプトンの自作曲です。

 

サビ部分でファルセットになるクラプトンの歌声がなんとも堪らないバラード調の曲です♪

 

6曲目”Nobody Knows You When You’re Down and Out”は、デレク&ザ・ドミノス時代からカヴァーしていたお馴染みの曲です。

 

オリジナルは、ソングライターのジミー・コックスによって1923年に書かれた本当に古い曲になります。

 

ベッシー・スミスというブルースの女帝によって歌われたのが最初です。

 

“Nobody Knows You When You’re Down & Out”という長い曲名は、邦題では「嫌われ者」や「誰も知らない」と訳されることがあります。

 

恐らくクラプトンは、スクラッパー・ブラックウェルが弾き語ったバージョンを元に本作の『Unplugged』で取り上げたのではないかな~?と思います。

 

エリック・クラプトンにも影響を与えたブルースマン、スクラッパー・ブラックウェルのレア音源集!

スクラッパー・ブラックウェルも、クラプトンだけでなくジェフ・ベックなんかにも影響を与えたカントリー・ブルースマンです。

 

ちなみにクラプトンが、1994年のブルース・アルバム『From the Cradle』で取り上げることになるブルース曲”Blues Before Sunrise”を書いたブルース・ピアニストのリロイ・カーのサイド・ギタリストとして活躍したのがこのスクラッパー・ブラックウェルです。

 

クラプトンの演奏だと、デレク&ザ・ドミノス時代の大味なアレンジよりも、ダウンホームな本作のアレンジの方が個人的には好きだったりします。

 

まるでどこか錆びれたバレル・ハウスでウィスキー片手に聴いているような雰囲気に陥りますね♪

 

7曲目”Layla”は、そのデレク&ザ・ドミノス時代からの名曲で、今や「エリック・クラプトンと言えばこの曲!」という誰しもが知るような永遠の名曲ですね♪

 

しかしこの曲も先の“Nobody Knows You ~”のように、デレク&ザ・ドミノス時代の大味なアレンジではなく、ダウンホームな渋いアレンジが施されています。

 

そのアレンジがあってか?このバージョンの”Layla”は、グラミー賞の最優秀ロック・ソング賞に輝いています。

 

残念ながら、原曲にあった後半のジム・ゴードン作のピアノ・パートは省略されています。

 

ジム・ゴードン・パート好きとしては……少し残念な気分です。(笑)

 

8曲目”Running on Faith”は、惜しくも昨年75歳で亡くなってしまったスウェーデン生まれのジェリー・ウィリアムズの曲です。

 

1989年のクラプトンのアルバム『Journeyman』の4曲目に収録されていた曲で、後に自身も1996年の作品『The Peacemaker』でセルフカヴァーした名バラードです。

 

 

アコギでしっとりと演奏された本作のバージョンも心に沁みますね……。

 

9曲目”Walkin’ Blues”は、伝説のデルタ・ブルースマンのロバート・ジョンソンの曲です。

 

クラプトンがクリーム時代にブルース・ロック化したロバジョンの”Crossroads”が有名ですが……あの印象的なギターリフは、ロバジョンのオリジナルの”Cross Road Blues”ではなくこの”Walkin’ Blues”を基にしていた⁉なんていう話もありますね。

 

クリーム時代のエリック・クラプトンの名演『クロスロード』のギターを完コピしよう!

どちらにしても渋い選曲です!

 

更に渋い曲が続きます。

 

10曲目”Alberta”は、1888年生まれの古き時代のフォーク・ブルース・シンガーのレッドベリーが歌った曲です。

 

そう言えば、ニルヴァーナのカート・コバーンもレッドベリーの”Where Did you Sleep Last Night”をアンプラグドで取り上げていましたが……アンプラグドの舞台では、レッドベリーの曲を演奏したくなるものなのでしょうか?(笑)

 

ちなみにカート・コバーンがレッドベリーを知るきっかけになったのは、実は先輩グランジ・バンドのスクリーミング・ツリーズのフロントマンのマーク・ラネガンに教わったからなんです。

 

ブルースと直接関係なさそうなグランジマンなのですが、マーク・ラネガンは古い音楽に詳しいのか?ソロライヴでは、まさかのゲイリー・デイヴィスの“Death Don’t Have Mercy”を取り上げたりと……なかなか渋いセンスの持ち主なんです。

 

 

スクリーミング・ツリーズの代表作『Sweet Oblivion』を聴こう♪

まぁさすがにクラプトンは自らレッドベリーを聴いていたとは思います、。(笑)

 

さて、次の軽快なアコギのコード弾きが楽しい”San Francisco Bay Blues”は、一人二役の「ワンマンバンド・ブルースマン」ジェシー・フラーの曲です。

 

ジェシー・フラーは、足でリズムを取りながらアコギを弾いてブルースハープも吹いて歌っちゃう人物です。

 

さすがにクラプトンは、バンドの力を借りて演奏しています。

 

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僕はこのクラプトンの愉快なバージョンが
大好きだったりもします♪

 

12曲目”Malted Milk”は、またまたご登場!のロバジョンの曲です。

 

ゆったりと静かに演奏しています。

 

13曲目”Old Love”は、これまた1989年のアルバム『Journeyman』に収録されていたクラプトンとロバート・クレイが共作したバラード曲です。

 

クラプトンは、この曲もちょくちょくライヴで演奏していますね。

 

最後の14曲目”Rollin’ and Tumblin'”は、エルモア・ジェームスやマディ・ウォーターズなど数多くのブルースマンが取り上げたハンボーン・ウィリー・ニューバーン作のブルースの定番曲です。

 

ロバジョンは、”f I Had Possession Over Judgment Day”として取り上げていましたね。

 

クラプトンは、クリーム時代にも”Rollin’ and Tumblin'”は演奏していました。

 

本作ではクリーム時代の派手な演奏ではなく、よりカントリー・ブルースマンの演奏に近い感じで演奏しています。

 

こうしてクラプトン初の全編アコースティック・ギター弾き語りライヴは、「ブルースの伝承歌」を最後に締めくくられました。

 

 

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おすすめ曲は、#1 #3 #4 #6 #7 #9 #11

 

 

以上、【アンプラグド・ブームの先駆けとなった金字塔アルバム エリック・クラプトンの『Unplugged』を聴こう♪】でした。

 

途中、僕の思い出話なんかも入っちゃいましたが……やはり「アンプラグド・ブーム」の火付け役となったこのアルバムは欠かせない作品だと思います!

 

ぜひともクラプトンの巧みなアコースティック演奏に聴き惚れて下さい♪

 

 

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