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カテゴリー:Music

2019/01/18

【エルモア・ジェームスの遺志を継ぐブルーム系ギタリスト】J・B・ハットの『Hawk Squat』を聴こう♪

エルモア・ジェームスの遺志を継ぐブルーム系ギタリストのJ・B・ハット

今回は、マディ・ウォーターズやエルモア・ジェームスを彷彿させるサウスカロライナ州の都市ブラックヴィル出身のブルースマン、J・B・ハットをご紹介します。

 

 

 

 

J・B・ハットとは?

サウスカロライナ州は、アメリカ南部の大西洋岸に面した場所にあります。

 

南部文化の魅力あふれるチャールストンの町並みが風情な州です。

 

そんな南部の州で1926年にJ・B・ハット(本名:ジョセフ・ベンジャミン・ハット)は7人兄弟の5番目の子として生まれています。

 

3歳になる頃にはJ・B・ハットの家族は、サウスカロライナ州の西側に位置するジョージア州オーガスタに引っ越しています。

 

父のカルビンは教会の牧師でした。

 

そのためJ・B・ハットは子供時代に兄弟たちと一緒にゴスペル・グループの「ゴールデン・クラウンズ」として地元の教会で歌っていました。

 

父のカルビンが1949年に亡くなると、家族は仕事を求めて北部の大都市シカゴへと移住します。

 

そこからJ・B・ハットのブルース人生が始まることになります!

 

1950年代には、J・B・ハットは朝鮮戦争にトラック運転手として従軍しています。

 

退役後には、ジョニー・ファーガソンのバンドでドラムを叩いていたようです。

 

その後、パーカッショニストのエディー・”ポークチョップ”・ハインズと街角で演奏するようになるまでは、ピアノも演奏していたようです。

 

ビッグ・ビル・ブルーンジーを聴いてから、ギターに転身しました。

 

ジョー・カスタムをセカンド・ギターに迎えると、、J・B・ハットと”ポークチョップ”・ハインズは地元のクラブで演奏するようになります。

 

ブルースハープ奏者のジョージ・メイウェザーが参加するとJ・B・ハットは、「ザ・ホウクス」というバンド名でシカゴ中のクラブで演奏するようになります。

 

1954年にはチャンス・レコードで2枚のシングルを吹き込みレコード・デビューを果たします。

 

そうして軌道に乗ったJ・B・ハットが、1968年に自身のバンド「ザ・ホウクス」と共に録音したのが、今回ご紹介するアルバム『Hawk Squat』です。

 

 

J.B. Hutto & the Hawks – 『Hawk Squat』

01.Speak My Mind
02.If You Change Your Mind
03.Too Much Pride
04.What Can You Get Outside That You Can’t Get at Home
05.Same Mistake Twice
06.20% Alcohol
07.Hip Shakin’
08.Feeing Is Gone
09.Notoriety Woman
10.Too Late
11.Send Her Home to Me
12.Hawk Squat

 

Personnel:
J.B. Hutto – Vocals, Guitar
Maurice McIntyre – Tenor Saxophone
Sunnyland Slim – Organ/Piano
Lee Jackson – Guitar on Tracks 01, 04, 06, 08, 10
Dave Myers, Junior Pettis, Herman Hassell – Bass
Frank Kirkland – Drums

 

Recorded:Tracks 02, 03, 05, 09, 11, 12 recorded at Sound Studios, Inc, 12/17/66
Tracks 01, 04, 06, 08, 10 recorded at Ter-Mar Studios, 8/14/66.
Track 07 recorded at Lakco Records, 5/15/68.

 

 

アルバムの内容

全12曲J・B・ハットによるオリジナル曲ですが、マディ・ウォーターズやエルモア・ジェームス風のどこかで聴いたことがあるようなモダン・シカゴ・ブルースの曲調です。

 

1曲目”Speak My Mind”からさっそくエルモア風のブルーム調のブルース曲です。

 

お得意のスライドギターによる3連フレーズがイントロから登場します!

 

「ダダダ・ダダダ・ダダダ・ダダダ・ダ~~ダ♪」と荒々しく弾くフレーズは、エルモアほど洗練はされていません。

 

またハウンドドッグ・テイラーほどのワイルドさも、ジョン・リトルジョンほどの迫力もありません。

 

音程も少し不安定ではありますが、しかし感情が爆発するようなJ・B・ハットのスライドギターにはどこか魅せられるものがあります。

 

先に挙げた3人が特別なだけであって、決してJ・B・ハットも悪いスライドギタリストではありません!

 

2曲目”If You Change Your Mind”は、サニーランド・スリムのピアノのイントロから始まるマディ・ウォーターズ風の曲です。

 

ここでも豪快なスライドギターが鳴り響いています。

 

またエルモアのような張り裂けんばかりのボーカルも強烈です!

 

むしろJ・B・ハットの良さは、ギターの腕よりもこの歌声にあるんじゃないかな?とも思えます。

 

ギターの腕に関しては…正直「不安定」です。

 

まぁそれも生々しさを表現する上ではブルースという音楽性においての良さではあるのですが。

 

3曲目”Too Much Pride”もサニーランド・スリムのピアノのイントロから始まります。

 

サックスを吹くのは、カラパルーシャ・モーリス・マッキンタイアです。

 

彼は、ジャズ・ミュージシャンのリチャード・エイブラムズによって設立されたシカゴの非営利の音楽団体AACMから世界に羽ばたいたサックス奏者です。

 

3曲目のスローブルースが終わると、これまたマディ風の4曲目”What Can You Get Outside That You Can’t Get at Home”が始まります。

 

次の5曲目”The Same Mistake Twice”は、J・Bのスライドギターのイントロから始まるスローブルースです。

 

この曲もサニーランド・スリムのピアノの音色からくる印象か?マディ・ウォーターズ風ですね。

 

酒飲みには興味深い曲名を持つた6曲目”20% Alcohol”は軽快なブギ風の曲です。

 

7曲目”Hip Shakin'”のみ他の曲と録音年が違うため音質に違和感を感じます。

 

7曲目以外は全て1966年に録音されていますが、この”Hip Shakin'”のみ1968年に録音されています。

 

2年近く離れていれば、そりゃ~音質も変わりますよね。

 

そのためこの曲にはサニーランド・スリムは参加していません。

 

曲自体は、曲名通りに(?)ノリのよいダンス・ナンバー風のブルース曲です。

 

8曲目”The Feeling Is Gone”は、エルモアの代表曲”The Sky Is Crying”を真似たスライドギターのイントロで始まります。

 

この曲ではサニーランド・スリムはオルガンを弾いています。

 

このオルガンの音色がなんとも曲調にマッチしています♪

 

9曲目”Notoriety Woman”は、曲名通りに(?)悪名高いマディの”Got My Mojo Workin'”風の曲です。

 

定番の盛り上がる曲調のはずなのですが、勢いがあまり感じられないのが惜しいところです。

 

10曲目”Too Late”も”The Sky Is Crying”っぽいスライドギターのイントロで始まる曲です。

 

この曲でもサニーランド・スリムのオルガンが「バシャバシャ♪」と鳴り響いています。

 

11曲目”Send Her Home to Me”は、そのサニーランド・スリムのオルガンから始まるマディ風の曲です。

 

12曲目”Hawk Squat”は、J・Bの語りと共に各楽器がジャムセッションを繰り広げる曲です。

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#1 #2 #4 #5 #12

 

 

以上、全12曲収録の【J・B・ハットの『Hawk Squat』】のご紹介でした。

 

やはりJ・B・ハットは、特徴でもある荒々しいスライドギターを聴くのが一番です♪

 

ちなみに本作に未発表1 曲、別テイク5 曲を追加収録した[デラックス・エディション]が2015年にリリースされています。

 

こちらの方も要チェックですね!

 

未発表曲の13曲目”I’ll Cry Tomorrow”は必聴です♪

 

 

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