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カテゴリー:Music

2019/04/05

ジョー・ヘンダーソンが自身のクインテットを率いてクラブ・ライトハウスに出演した名ライヴ盤を聴こう♪

テナーの名手ジョー・ヘンダーソンが西海岸のクラブ・ライトハウスに出演した熱いライヴ盤『At The Lighthouse』を聴こう♪

マイルストーン・レコード移籍後第二弾は、自身のクインテットを率いたライヴ盤!

僕が好きなテナー・サックス奏者は、ジョン・コルトレーンとソニー・ロリンズです。

 

10代の頃に人生で初めてジャズを聴いたのがこの2人だったからです。

 

そのためコルトレーンとロリンズは特に思い入れがあるテナー奏者なのですが、もちろんこの2人以外のテナー奏者が嫌いなわけではありません。

 

デクスター・ゴードンやハンク・モブレーにウェイン・ショーターなんかの、誰しもが好きになるような……いわゆるベタなテナー奏者もとても好きです。

 

しかし彼らは僕の中ではコルトレーンとロリンズよりも「下」に位置します。

 

これはあくまで僕個人の嗜好ですので、もちろんデクスター・ゴードンが一番好きだって方を否定しているわけではありません。

 

僕の個人的な意見ってだけです。

 

僕の中では、コルトレーンとロリンズを頂点にして、その山の「下」にデクスター・ゴードンやウェイン・ショーターなんかがいるわけなんですが……その「中間」地点に位置するテナー奏者がひとりいます!

 

それがこのジョー・ヘンダーソンです!

 

以前、このブログでもジョー・ヘンダーソン(以下:ジョーヘン)のブルーノート・レコード時代の名作を一気に5作品ご紹介していました。

 

もしご興味がありましたら、ぜひともそちらのブログ記事にも目を通していただけたらありがたいです。

 

ジョー・ヘンダーソンがブルーノート・レーベルに残した5枚のリーダー作!

さて、今回は僕がコルトレーンとロリンズの次ぎに好きなテナー奏者であるジョーヘンの熱いライヴ盤をご紹介したいと思います。

 

僕自身は基本的に「ライヴ演奏」が一番好きなので、今回ご紹介するライヴ盤もとても好きな作品です。

 

ちなみに僕の好きなジャズ・ギタリストのグラント・グリーンのリーダー作にもジョーヘンは何回か参加していました。

 

『Idle Moments』や『Am I Blue?』などです。

 

また他にもオルガン奏者のビッグ・ジョン・パットンの作品でもグラント・グリーンとジョーヘンが共演することもありました。

 

そんなグラント・グリーンのジャズ・ファンク期の名作アルバムと言えば、アメリカ西海岸にあるクラブ・ライトハウスで行われたライヴ盤『Live At The Lighthouse』があります。

 

この作品も、とても熱い演奏が繰り広げられていたのですが……そのライヴ盤よりも2年も前に同じ場所でジョーヘンも熱い演奏を披露していました。

 

それが今回ご紹介するジョーヘンの1970年のライヴ盤『At The Lighthouse』です。

 

どうやら西海岸の温暖な気候の下でライヴをすると、自ずと「熱い演奏」になるんでしょうね。(笑)

 

それではジョーヘンのマイルストーン・レコードでの4作目となる『At The Lighthouse』をご紹介したいと思います。

 

 

Joe Henderson Quintet – 『At The Lighthouse』

01.Caribbean Fire Dance
02.Recorda-Me
03.A Shade Of Jade
04.Isotope
05.’Round Midnight
06.Mode For Joe
07.Invitation
08.If You’re Not Part Of The Solution, You’re Part Of The Problem
09.Blue Bossa
10.Closing Theme

 

Personnel:
Joe Henderson – Tenor Saxophone
Woody Shaw – Trumpet, Flugelhorn
George Cables – Electric Piano
Ron McClure – Bass
Lenny White – Drums
Tony Waters – Congas on Tracks: 01, 08, 09

 

Recorded : Live in performance at the Lighthouse Cafe, Hermosa Beach, CA, September 24-26, 1970.

Released : 1970.

 

アルバムの内容

デビュー時から長く所属していたブルーノート・レコードを離れ、一時ヴァーヴ・レコードにも作品を吹き込んだジョーヘンでしたが、70年代の前半はマイルストーン・レコードに多くの作品を残しています。

 

そのマイルストーン・レコードからの4作目に当たるのがこのライヴ盤『At The Lighthouse』です。

 

レコードで発売された当時は6曲のみ収録されていたようですが、今回は更に4曲追加されたCDでのリイシュー版についてご紹介しています。

 

ちなみに本当のアルバムのタイトル名は、8曲目のジョーヘンの自作曲”If You’re Not Part Of The Solution, You’re Part Of The Problem”が付けられているのですが……長すぎますよね。(笑)

 

「問題に留まっている限り、解決はない」という、当時の公民権運動の盛り上がりを受けたジョーヘンなりの思想なんでしょうが、日本語に訳しても曲名として長い気がします。(笑)

 

なので、通常は『At The Lighthouse』で呼ぶ方がわかりやすくって良いと思います。

 

日常会話なら「ジョーヘンのライトハウスのライヴ盤でさぁ~……」みたなカジュアルな感じが好ましいと思います。

 

さて、本作には当時のジョーヘンが率いていたバンド・メンバーが参加してライヴが行われているようです。

 

トランペットには名手ウディ・シュオと、ドラムにはレニー・ホワイトと……まずはこの辺が目につきますね。

 

ウディ・ショウは自身も数多くのリーダー作を残していますし、レニー・ホワイトと言えば!「リターン・トゥ・フォーエヴァー」ですね。

 

また、マイルス・デイヴィス好きなら『Bitches Brew』に参加していたことが思いつきます。

 

本作でエレピを弾くのは、ジャズ・メッセンジャーズに参加していたこともあるジョージ・ケイブルスです。

 

そんな名手が集まった豪華なクインテットに、ジョーヘンのこれまでの代表曲を一気に集めたようなベスト・ヒッツのようなセット・リストなんだから名ライヴ盤になるのは約束されたようなもんです!

 

1曲目”Caribbean Fire Dance”は、ブルーノート時代の5作目にして最終作『Mode For Joe』に収録されていたジョーヘンのオリジナル曲です。

 

その曲名通りにカリブの音楽カリプソのリズムです♪

 

テーマをジョーヘンとウディ・ショウの2管がユニゾンで吹いた後は、ジョーヘンがさっそくアドリヴ・ソロを披露します。

 

ダーティーなフラジオ奏法を交えた熱い演奏の後、ウディ・ショウが高音をヴィブラートさせて次のソロに向かいます!

 

この曲のオリジナル録音では、名手リー・モーガンが吹いていました。

 

僕個人としては、ジョーヘンのソロよりもリー・モーガンのトランペット・ソロの方がより素晴らしいと感じたのですが……ここでもウディ・ショウのトランペット・ソロの方が一枚上手に感じられます。

 

もしかしてこういったラテンのリズムには、トランペットのように音を切るスタッカーがしやすい楽器の方が合うのかな?と感じます。

 

どうしてもテナー・サックスだと、サスティーンが邪魔しているように感じられます。

 

トランペットの醸し出す切れの良いスタッカートのリズム感が重要なんだと思いました。

 

ちなみにジョージ・ケイブルスのエレピ・ソロもありますが……ジョーヘンとウディ・ショウの2人の巨人の前には「コンピングに徹して、ソロはなくても良かったんじゃない?」程度です。(笑)

 

2曲目”Recorda-Me”は、1963年のジョーヘンのデビュー作『Page One』の4曲目に収録されていた楽曲です。

 

2管のユニゾンでテーマを吹いた後は、ジョーヘンからソロが始まります。

 

ジョーヘンの特長でもある温かい音色のサウンドが印象的です。

 

この曲でも次にウディ・ショウのトランペット・ソロが続きます。

 

しかし今回はジョーヘンに軍配が上がります!

 

こういったゆったりとした楽曲だとやはりテナーのソロの方があっていますね!

 

3曲目”A Shade Of Jade”は、1曲目と同じく『Mode For Joe』に収録されていたモード・ジャズの曲です。

 

2管のユニゾンによるやたらかっこいいテーマの後は、ジョーヘンのサックス・ソロが始まります。

 

その後トランペット→エレピの順番は先の2曲と同じです。

 

この曲では、ジョーヘンもウディ・ショウも、どちらもテンションが高く甲乙つけ難いアドリヴ合戦が繰り広げられています!

 

4曲目”Isotope”は、僕が特に好きなジョーヘンの作品である1964年の『Inner Urge』の2曲目に収録されていた楽曲です。

 

ジョーヘン一人によるイントロから始まり、テーマ部ではウディ・ショウも参加します。

 

スタジオ・バージョンよりも若干テンポを上げて演奏されています。

 

短く終わったテーマからそのまま流れるようにジョーヘンのアドリヴ・ソロが展開されていきます!

 

1分28秒辺りで聴ける1音ずつスケールを上がったり下がったりするフレージングは、コルトレーンの影響でしょうかね。

 

続くウディ・ショウも負けていません!

 

ジョーヘンよりも7歳年下なのですが、「ヘンダーソンになんか負けるか!」と言わんばかりの熱い演奏です!

 

エレピ・ソロはなく、代わりにドラム・ソロが続いて再びテーマに戻って曲が締めくくられています。

 

5曲目”‘Round Midnight”は、セロニアス・モンクのお馴染みのスタンダード曲です。

 

テーマ部分はジョーヘン一人で吹いています。

 

ウディ・ショウはお休みです。

 

そのまま3分47秒辺りまで、スロー・テンポの中曲のテーマを主軸としたソロが展開されるのですが……ジョーヘンの合図となるフレーズと共にアップ・テンポへと変化します。

 

6曲目”Mode For Joe”は、これまたブルーノート最終作の『Mode For Joe』に収録されていた楽曲です。

 

この曲はピアニストのシダー・ウォルトンが作曲した曲です。

 

テーマからソロまで、少々アヴァンギャルドなジョーヘンの演奏が続きます。

 

ジョーヘンのソロ終わりに、オーディエンスからの拍手があり、4分54秒になってようやくウディ・ショウが登場します。

 

トランペット・ソロが終わると2人でユニゾンでテーマを吹いて曲の終わりを迎えます。

 

7曲目”Invitation”は、1968年にマイルストーン・レコードの第二弾アルバムとしてリリースされた『Tetragon』の1曲目に収録されていたブラニスラウ・ケイパーが書いたジャズ・ナンバーです。

 

ジョーヘンのお得意曲だったのか、よく演奏されている楽曲です。

 

それだけにテーマからソロまで、全編に渡ってジョーヘンの演奏が冴えています!

 

8曲目の長いタイトル曲”If You’re Not Part Of The Solution, You’re Part Of The Problem”は、ジョーヘンのオリジナル曲です。

 

ジャズ・ロック風のタイトな16ビートが70年代を感じさせますね。

 

11分33秒に及ぶ本作収録曲の中でも随一の長尺曲なのですが、この曲がアルバム・タイトルに選ばれたのも頷ける出来です!

 

明らかに本作のベストな演奏です♪

 

70年代のジョーヘンの始まりを告げるような「新しい感覚」のジャズ・ロック曲が終わった後は、逆にジョーヘンのデビュー曲でもある”Blue Bossa”が9曲目に登場します。

 

 

デビュー作『Page One』に収録されていたケニー・ドーハムのペンによるこのボサノバ曲は、もはやジャズ・スタンダード曲としてセッションでも親しまれている定番曲ですね♪

 

新しいジョーヘンの方向性を示した後に、自身のルーツに戻るかのような曲順です。

 

ただ個人的には、このライヴ盤は1970円んお9月24日~26日に間の録音を選んで構成されたアルバムですので、この8曲目と9曲目は逆の方が良かったんじゃないかな~⁉と思います。

 

先にジョーヘンの過去に決着を着けてから、新たな方向性である”If You’re Not Part Of The Solution, You’re Part Of The Problem”を聴いて「新時代の幕開け」を感じられる構成の方が良かったのになぁ~と感じました。

 

最後の10曲目”Closing Theme”は、その曲名通りに47秒程度の短いエンディング曲です。

 

といっても単に”Isotope”のテーマを吹いただけなのですがね……。

 

 

 

 

以上、【ジョー・ヘンダーソンが自身のクインテットを率いてクラブ・ライトハウスに出演した名ライヴ盤を聴こう♪】のご紹介でした。

 

やはり本作の聴きどころは、リーダーのジョーヘンと、ウディ・ショウの2管による熱いアドリヴ合戦だと思います!

 

そしてその2人をバックから煽るようなレニー・ホワイトの叩き出すビートも圧巻です!

 

この3人の名前が有名になるのも頷ける内容ですね!

 

それでは、今後も僕がコルトレーンとロリンズの次に好きなテナー奏者であるジョーヘンの作品をこのブログで引き続き取り上げていきたいと思いますので、ぜひまた読みに来てください。

 

 

 

 

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