※当サイトはアドセンス広告とアフィリエイト広告を利用しています。
記事内容に関しては公平さを心がけて書いております。
カテゴリー:Music

2019/06/11

ジム・ホールが参加したポール・デスモンドのおすすめのリーダー作4選‼

ジム・ホールがポール・デスモンドのリーダー作に参加したおすすめのアルバムを4作品選んでご紹介します。

1959年~1966年に掛けてリリースされた穏やかな名作4選!

以前、こちらのブログでジャズ・ギタリストのジム・ホールが参加したソニー・ロリンズのおすすめアルバムを3作品、ジミー・ジュフリーのおすすめアルバム2作品をご紹介していました。

 

ジム・ホールが参加した60年代のソニー・ロリンズの作品3選‼
ジム・ホールがジミー・ジュフリーのアルバムに参加したおすすめの異色作2選‼

今回はそのシリーズで、サックス奏者のポール・デスモンドのリーダー作に参加したおすすめのアルバムを4作品選んでご紹介したいと思います。

 

どうしてもこのブログを書いている僕自身がギターを弾くので、『ギタリストが参加しているアルバム』のご紹介が多くなってしまいますね。

 

さて、ポール・デスモンドと言えば、ジャズ・ピアニストのデイヴ・ブルーベックの名カルテットで活躍したアルト・サックス奏者です。

 

名曲”Take Five”を作曲したミュージシャンとしても有名ですね。

 

そんなポール・デスモンドの演奏スタイルは、白人ジャズマンらしく『クール・ジャズ』と呼ばれる穏やかな演奏スタイルです。

 

黒人ジャズを代表する熱い演奏スタイルの『ビ・バップ』とは対極にあるかのような「リリカルなタッチを持った静かな」演奏が特徴的です。

 

クラシック音楽を聴いているかのような美しさを持った演奏スタイルですが、悪く言えばスリリングなアドリヴ演奏による緊張感や熱さが感じられないBGM的イージー・リスニング音楽になってしまいそうな危うさも持ち合わせています。

 

しかし何も毎回毎回聴く方にまで気合いを求められるような『暑苦しいジャズ!』と違ってリラックスして聴くことが出来るという良さもあります。

 

僕の勝手なイメージかもしれないのですが、『ビ・バップ』はウィスキーやビールなんかのアルコールを飲んでほろ酔いで聴きまくるのに適していて、『クール・ジャズ』の方は落ち着いてソファーに座りながらコーヒーや紅茶を飲んで楽しむ音楽のような気がします。

 

とにかく今回ご紹介する4作品は、どれも穏やかな雰囲気で美しいメロディーに溢れた作品ばかりですので、「落ち着いてジャズを聴きたいな~♪」といった方におすすめです。

 

それではジム・ホールが参加したポール・デスモンドのおすすめアルバム4作品をご紹介したいと思います。

 

 

Paul Desmond  – 『First Place Again』

01.I Get a Kick Out of You
02.For All We Know
03.Two Degrees East, Three Degrees West
04.Greensleeves
05.You Go to My Head
06.East of the Sun (and West of the Moon)
07.Time After Time

 

Personnel:
Paul Desmond – Alto Saxophone
Jim Hall – Guitar
Percy Heath – Bass
Connie Kay – Drums

 

アルバムの内容

1959年にリリースされた『First Place Again』という作品です。

 

ジム・ホールが全面的に参加したポール・デスモンドの単独名義での最初のリーダー作になります。

 

コール・ポーター作の1曲目”I Get a Kick Out of You” からアルバムは幕を開けます。

 

フランク・シナトラの歌で有名なスタンダード・ナンバーです。

 

本作のバンド編成はピアノレス・ワンホーン・カルテットのため、楽曲全体のハーモニーを奏でるのはジム・ホールのギターのみになります。

 

ベースとドラムのリズム隊と共にバックを支えるジム・ホールの巧みなコンピングがギター好き的には一番の聴きどころだとも言えます。

 

シナトラの派手なバージョンとは異なって、まるで教会の鐘が鳴っているかのようなジム・ホールのギターのリフから静かに曲が始まります。

 

ポール・デスモンドもいつもの如く静かに「つぶやく」かのようなか細いトーンでサックスを奏でます。

 

まさにこの感じこそが『クール・ジャズ』ですね♪

 

デスモンドのソロ演奏が終わると、ジム・ホールのギター・ソロもあります。

 

ピアノがいないため、ギター・ソロ時にはバックはベースとドラムのみのトリオ編成での演奏になります。

 

そのため、サックス奏者がリーダーの作品なのにまるで「ジム・ホール・トリオ」の作品を聴いているかのような感覚を味わうことが出来ます。

 

この1曲目の雰囲気のまま最後のジューリー・スタイン作の7曲目”Time After Time” まで統一感のある『クール・ジャズ』を通して聴くことが出来ます。

 

イギリス民謡曲の4曲目”Greensleeves”のみジム・ホールはガットギター(ナイロン弦を使用したアコースティック・ギター)を弾いています。

 

もちろん全ての楽曲でジム・ホールのギター・ソロを聴くことが出来ますので、ポール・デスモンド目当ての方だけでなく、ジム・ホール好きの方にもおすすめしたいアルバムになります。

 

 

Paul Desmond  – 『Take Ten』

01.Take Ten
02.El Prince
03.Alone Together
04.Embarcadero
05.Theme from “Black Orpheus”
06.Nancy (with the Laughing Face)
07.Samba de Orfeu
08.The One I Love (Belongs to Somebody Else)

 

Personnel:
Paul Desmond – Alto Saxophone
Jim Hall – Guitar
Gene Cherico – Bass on Tracks 02 to 08
Eugene Wright – Bass on Track 01
Connie Kay – Drums

 

アルバムの内容

1963年の作品『Take Ten』は、そのアルバム・タイトルが示す通りに過去の名曲”Take Five”の続編ともいえる”Take Ten”からアルバムが始まります。

 

しかしどうしても過去の焼き増しのような楽曲で、”Take Five”の時のような印象に残るテーマ・メロディーがあるわけではありません。

 

あくまでも「こんな曲も作っていたんだな~。」程度の印象です。

 

ジム・ホールのギター・ソロもなく、アルバムはなんとも地味な曲で幕を開けてしまいます。

 

せっかくの続編もこの程度では過去の名曲を超えることは出来ませんよね。

 

これだったら次の2曲目の”El Prince”の方がよっぽど聴く価値のある楽曲です。

 

この曲もポール・デスモンド作のオリジナル曲なのですが、スペイン語の曲名通りにボサノバのリズムで演奏された良曲です。

 

ボサノバの本場ブラジルで研鑽を積んだジム・ホールのコンピングは聴きどころです♪

 

アーサー・シュワルツ作のスタンダード曲”Alone Together”を挟んで4曲目”Embarcadero”もポール・デスモンド作のボサノバ曲です。

 

どちらかというと・タイトルにも用いられた”Take Ten”よりも、これらの自作ボサノバ曲の方が出来が良い印象です。

 

この曲ではジム・ホールもギター・ソロを披露しています。

 

その後も5曲目の”Theme from Black Orpheus”や7曲目の”Samba De Orfeu”などボサノバの楽曲が続くのも本作の特徴です。

 

この後に本格的にボサノバの楽曲を取り上げたリーダー作を作ることになるのですが、本作でもその片鱗を味わうことが出来ます。

 

やはりジム・ホールは、本場ブラジルで修業を積んだだけあってボサノバのリズムを弾かせると天下一品ですね。

 

無理して作ったかのような”Take Five”の続編よりも、実はボサノバ系の楽曲の方が出来の良い名作『Take Ten』です。

 

 

Paul Desmond  – 『Bossa Antigua』

01.Bossa Antigua
02.The Night Has a Thousand Eyes
03.O Gato
04.Samba Cantina
05.”Curacao Doloroso
06.A Ship Without a Sail
07.Alianca
08.The Girl from East 9th Street

 

Personnel:
Paul Desmond – Alto Saxophone
Jim Hall – Guitar
Gene Cherico – Bass on Track 08
Eugene Wright – Bass on Tracks 01 to 07
Connie Kay – Drums

 

アルバムの内容

1965年の作品『Bossa Antigua』も先の2作と同じくピアノレス・ワンホーン・カルテットで制作された作品です。

 

その2作との違いは、アルバム・タイトル名通りにゆったりとしてボサノバ・ジャズで統一されていることです。

 

しかしこれがなんともポール・デスモンドの優しい音色のサックス演奏にピッタリ合っています♪

 

先ほどの”Take Ten”とは違い、本作の1曲目”Bossa Antigua” はポール・デスモンドの作ったボサノバ・ジャズの良曲です。

 

テーマ・メロディーの方もしっかりと印象に残るような出来です。

 

2分10秒から始まるジム・ホールのギター・ソロも素晴らしい出来です。

 

シングル・ノートでいかにも「これからギター・ソロを弾きますよ~!」といった感じで弾くのではなく、あくまでもポール・デスモンドのバックで弾いていたコード・バッキングのままソロを演奏する辺りがジム・ホールの革新性ですね!

 

この作品の2年程前に天才ジャズ・ピアニストのビル・エヴァンスと共演した『Undercurrent』でも披露した『ハーモナイズド・ベースライン』のようなコードを中心とした革新的なギター演奏には何度聴いても驚かされます。

 

2曲目は、過去にソニー・ロリンズの1962年の作品『What’s New?』でもジム・ホールが演奏していた”The Night Has A Thousand Eyes(夜は千の眼をもつ)”です。

 

ジョン・コルトレーンも取り上げたことで知られるこの楽曲は、ジェリー・ブレイニンが1948年に書いた映画の挿入歌です。

 

本作ではもちろんボサノバ・アレンジで演奏されています。

 

熱いコルトレーンのバージョンや、溌溂としたロリンズのバージョンとはまた違うデスモンドの穏やかな演奏を楽しみましょう♪

 

これ以降も、カヴァー曲や自作のボサノバ・ジャズを含む全体を通して統一感のある楽曲が並べられています。

 

そのどれもでやはりジム・ホールの卓越したコンピングが活躍しています。

 

ピアノレスの編成においてジャズ・ギタリストがどのような役割を果たすべきか?その答えが本作にあるような気がします。

 

これもまたサックス奏者がリーダーの作品ではありますが、ジャズ・ギタリストこそ聴くべきアルバムだと感じます。

 

Paul Desmond  – 『Easy Living』

01.When Joanna Loved Me
02.That Old Feeling
03.Polka Dots and Moonbeams
04.Here’s That Rainy Day”
05.Easy Living
06.I’ve Grown Accustomed to Her Face
07.Bewitched, Bothered and Bewildered
08.Blues for Fun

 

Personnel:
Paul Desmond – Alto Saxophone
Jim Hall – Guitar
Gene Cherico – Bass on Tracks 03 & 08
Percy Heath – Bass on Tracks 04, 06 & 07
Eugene Wright – Bass on Tracks 01, 02, 05
Connie Kay – Drums

 

アルバムの内容

1966年にリリースされた『Easy Living』もジム・ホールを含むピアノレス・ワンホーン・カルテットで制作された作品です。

 

ベーシストは、ジーン・チェリコにパーシー・ヒースとユージン・ライトの3人が曲ごとに交代で弾いています。

 

また先にご紹介していた3作品と違って、本作ではポール・デスモンドのオリジナル曲は8曲目の”Blues for Fun”の1曲のみに留まっています。

 

他は全てカヴァー曲や提供曲になります。

 

そもそもアルバム・タイトルの”Easy Living”がラルフ・レインジャー作のジャズ・スタンダード曲ですからね。

 

しかしせっかく『Bossa Antigua』で良い感じだったボサノバ・ジャズ路線ではなくなったのは少しもったいない気もします。

 

“That Old Feeling”や”Polka Dots and Moonbeams”に”Here’s That Rainy Day” など、古き良き時代の有名なジャズ・スタンダード曲を聴くことが出来るのは多くの人にとって聴きやすい点でもありますが、ポール・デスモンドとジム・ホールのコンビにおける個性を感じられるオリジナル曲が最後の1曲のみなのは残念ですね。

 

ちなみにジム・ホールのギター・ソロが一番過激なのもデスモンド作の”Blues for Fun”だったりします。

 

全編オリジナル曲で固めた作品を聴きたかったところです。

 

 

 

以上、【ジム・ホールが参加したポール・デスモンドのおすすめのリーダー作4選‼】のご紹介でした。

 

『クール・ジャズ』好きの方はもちろん、ポール・デスモンドの優しい音色のサックスに酔いしれたいという方にもおすすめの4作品です。

 

また僕のようにジャズ・ギター及びジム・ホールのギター演奏が大好きな『ギター好き』の人にもおすすめの作品ばかりです。

 

特にこの記事でもべた褒めしてました『Bossa Antigua』が一番のおすすめアルバムです♪

 

<スポンサーリンク>



 

他に関連するお勧め記事

 

ジム・ホールの名作『Live!』の音源をコンプリートしよう!
ジム・ホールとの魔法の会合‼2004年のトリオ・ライヴ盤『Magic Meeting』を聴こう♪
ジム・ホール&ビル・フリゼール珠玉の共演作!デュオとカルテットの2枚組『Hemispheres』を聴こう♪
Musicの一覧に戻る
ディープ・ファンクのブログ記事のまとめはこちらからご覧ください→
ザ・ニュー・マスターサウンズののブログ記事のまとめはこちらからご覧ください→
エレクトロ・ハーモニクスのエフェクターを特集したブログ記事のまとめはこちらからご覧ください→
ネオ・ソウルを特集したブログ記事のまとめはこちらからご覧ください→
ブルースを特集したブログ記事のまとめはこちらからご覧ください→
【オリジナル・アルバムを勝手にベスト5シリーズ】の一覧はこちらからご覧ください→
初心者におすすめしたいミクスチャー・ロックのアルバム20選のブログ記事はこちらからご覧ください→
レゲエ初心者さんにおすすめしたい歌もの曲が詰まったアルバム20選のブログ記事はこちらからご覧ください→
<関連コンテンツ>
オリジナルLINEスタンプ『まめチキ君』『もじもじうさぎ もじたん』『陽気なサボテン・ムーチョ』販売中です。ぜひ買ってください。ガンガン使ってね。詳しくはこちらからご覧ください→

※このブログに掲載しているイラストや写真、テキスト等の無断引用・無断借用・無断転載・無断使用は固くお断りしております。ご利用はご遠慮ください。

Related Articles

Quick Category

  • カテゴリー:Music
  • カテゴリー:Guitar
  • カテゴリー:Live
  • カテゴリー:5Albums