カテゴリー:Music

2019/04/15

ジョー・ヘンダーソンが1973年に制作した壮大なコンセプト・アルバム『The Elements』のおすすめ♪

 
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ジョー・ヘンダーソンが自然界の四元素『火・風・水・大地』をコンセプトに制作した『The Elements』をご紹介します。

ジョン・コルトレーンの未亡人アリス・コルトレーンも参加した壮大なコンセプト・アルバム!

引き続きマイルストーン・レコード時代のジョー・ヘンダーソン(以下:ジョーヘン)の作品をご紹介します。

 

前回は1973年のジャズ・ロック作品『Multiple』をご紹介していました。

 

ジョー・ヘンダーソンのマルチな才能が垣間見えた1973年の名作『Multiple』を聴こう♪

今回はその翌年にリリースされた1974年のアルバム『The Elements』です。

 

1973年の10月15~17日の3日間に渡りロサンジェルスのヴィレッジ・レコーダーズにて録音された本作は、それまでの作品でリズム隊を務めたデイヴ・ホランドやジャック・デジョネットが参加していません。

 

その代わりに、デジョネットと同じくマイルス・バンドに一時在籍していたジャズ・ドラマーのンドゥグ・レオン・チャンクラーや、オーネット・コールマンのカルテットやキース・ジャレットのアメリカン・カルテットでお馴染みのチャーリー・ヘイデンがベースに参加しています。

 

なので、リズム隊の質が落ちるわけでは決してありません。

 

また本作にはジョーヘンも多大なる影響を受けたであろう偉大なるサックス奏者ジョン・コルトレーンの未亡人となったアリス・コルトレーンが参加しています。

 

アリスは、ピアノだけでなくハープやインド音楽で用いる鍵盤楽器のハーモニウムや弦楽器のタンプーラなども演奏しています。

 

多才な彼女の演奏が、本作のコンセプトを具現化したとも言えます。

 

その本作に収録された楽曲のコンセプトは、大自然の四元素『火・風・水・大地』を基に作曲されています。

 

それぞれの要素がそのまま曲目に付けられていて、ちゃんと楽曲もそのイメージに合ったサウンドに仕上がっています。

 

前年の『Multiple』が聴きやすくかっこいいジャズ・ロック作品だったのに対して、本作は少し難解で聴きづらい部分もありますが良質な『スピリチュアル・ジャズ』作品に仕上がっています。

 

「もし70年代にジョン・コルトレーンが生きていたら?こんな音楽を制作していたのかな?」と想像させてくれるような作品です。

 

それでは作品のご紹介をしたいと思います。

 

 

 

Joe Henderson Featuring Alice Coltran – 『The Elements』

01.Fire
02.Air
03.Water
04.Earth

 

Personnel:
Joe Henderson – Tenor Saxophone, Flute, Alto Flute
Alice Coltrane – Piano, Harp, Tambura, Harmonium
Kenneth Nash – Flute on Track: 03, Narrator on Track 04
Michael White – Violin
Charlie Haden – Bass
Leon Ndugu Chancler – Drums on Tracks: 01, 04
Baba Duru Oshun – Tabla, Percussion
Kenneth Nash – Congas, Bells, Gong, Percussion, Drum

 

Recorded : at Village Recorders, Los Angeles, Ca., on October 15, 16, 17, 1973

 

アルバムの内容

マイルストーン・レコードからの9作目となった本作『The Elements』は、自然界の四元素『火・風・水・大地』をコンセプトにした4曲が収録されています。

 

たった4曲なのですが、しかしどの曲も7分以上の長尺曲ばかりです。

 

テナー・サックスやアルト・フルートなどリード楽器を吹くのはジョーヘンなのですが、3曲目のみケネス・ナッシュがフルートを担当しています。

 

またフォース・ウェイというバンドに在籍していたヴァイオリン奏者のマイケル・ホワイトも本作の神秘的なサウンド作りに貢献しています。

 

1曲目の『火』を表現する”Fire”は、さっそくオーヴァーダビングによるジョーヘンのテナー・サックスとフルートが混じり合う楽曲です。

 

マイルストーン時代のジョーヘンは、ブラッド・スウェット&ティアーズに短期間参加していた経験からか、当時のジャズ作品としては珍しいオーヴァーダビングを多用するようになりました。

 

しかしその手法が本作でも効果的に用いられています。

 

メインのテーマは、ジョーヘンの吹くテナー・サックスなのですが、バックにオーヴァーダビングで重ねたフルートが流れることで、より重厚なサウンドに仕上がています。

 

短いテーマが終わると、すぐさま深めにエコーが掛けられたジョーヘンのサックス・ソロが始まります。

 

熱いサックス・ソロの後には、マイケル・ホワイトによる不協和音混じりのヴァイオリン・ソロに移ります。

 

ここが最初の難関です!(笑)

 

なかなかのアヴァンギャルドなソロなので、聴く人を選ぶと思います……。

 

辛いですが耐えて下さい!(笑)

 

「ギコギコ」と長いヴァイオリン・ソロが終わると、アリスの流星のような美しいハープの音色に救われます。

 

この美しい音色のハープ・ソロは聴きどころです。

 

それまでの聴きづらかったヴァイオリン・ソロの後にやっとたどり着いたオアシスのような存在です。(笑)

 

11分にも及ぶ壮大な1曲目は、燃え盛る『炎』のように熱い楽曲でした。

 

続く2曲目”Air”は、イントロからアリスの煌めくようなピアノの音色から始まります。

 

晩年のコルトレーンの作品でも、アリスによるこういった静謐な音色があったからこそ、楽曲が神秘的なサウンドに仕上がっていたと思います。

 

同じように本作でもアリス・コルトレーンの存在感は抜群です!

 

彼女なくしては決して制作できなかったような深いサウンドの作品に仕上がっています。

 

そのためか出だしのジョーヘンのサックスのイントロまでもが、まるでジョン・コルトレーンの『Stellar Regions』を彷彿させるような音色です。

 

後半にマイケル・ホワイトの不気味なヴァイオリンが登場しますが、それさえも感じさせないぐらいアリスのピアノの深淵なサウンドが素晴らしいです。

 

全ての邪念を『風』が吹き飛ばすかのようなアリスのピアノのコンピングこそ、本曲の最大の聴きどころだと感じさせます。

 

3曲目”Water”は、これまたアリスによるタンプーラのエスニックなサウンドから始まる楽曲です。

 

『水』が滴り落ちるようなこのタンプーラの音色に導かれ……アルバート・アイラーやジュゼッピ・ローガンが乗り移ったかのようなフリーキーなサックスをジョーヘンが披露します。

 

フリー・ジャズ的なこの曲は、さすがに聴く人を選ぶ楽曲だと思います。

 

正直言いますと、僕はそこまで好きなタイプの曲ではないです……。

 

芸術的かもしれませんが、普段聴く分には、シンドイです……。(笑)

 

最後の4曲目”Earth”は、『大地』の響きのようなババ・ダルオシュンによるインドの打楽器タブラの連打から始まります。

 

雰囲気抜群ですが、アリスのタンプーラの音色が聞こえてくるまで1分ほど待たなければなりません。

 

1分25秒になってようやくジョーヘンのサックスが始まります。

 

この曲は、まるで砂漠を進むキャラバンを表現したかのようなアラビアンな雰囲気です。

 

チャーリー・ヘイデンによるウッド・ベースのピチカート・ソロが良い味を出しています。

 

その後、アリスの神秘的なハープの音色をバックにケネス・ナッシュによるナレーションが挿入されています。

 

前作では歌も披露したジョーヘンが、本作では懲りたのか?(笑)ナレーションは他に任せてフルートに専念しています。

 

13分と長い曲ですが、本作の一番の聴きどころとでも言うべき『スピリチュアル・ジャズ』の良曲です。

 

 

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#1 #2 #4

 

 

以上、【ジョー・ヘンダーソンが1973年に制作した壮大なコンセプト・アルバム『The Elements』のおすすめ♪】のご紹介でした。

 

多少聴きづらい箇所もありますが、『スピリチュアル・ジャズ』作品としてはなかなかの出来ですので、そういった音楽性が好きな方におすすめしたいアルバムです♪

 

 

 

 

 

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