カテゴリー:Music

2019/04/17

【スピリチュアル・ジャズの名作】ジョー・ヘンダーソンの『Black Narcissus』を聴こう♪

ジョー・ヘンダーソンが1975年にリリースしたスピリチュアル・ジャズの名盤『Black Narcissus』をご紹介します。

マイルストーン時代の最終作にして最高傑作!

ジョン・コルトレーンの遺志を継ぐブラック・フィーリング溢れる名サックス奏者のジョー・ヘンダーソン(以下:ジョーヘン)は、1963年のデビュー以来ブルーノート・レコードで5枚のリーダー作を制作しました。

 

その後、1967年からマイルストーン・レコードに移籍しています。

 

間にヴァーヴ・レコードで2作品を制作していますが、それ以外にマイルストーン時代に12枚ものアルバムを制作しています。

 

今回ご紹介する1975年に制作された『Black Narcissus』は、そのマイルストーン時代の最終作に当たります。

 

ブルーノート時代からジョーヘンの作品は、どれも高クォリティーの名作ばかりでしたが、特に70年代に入ってからのマイルストーン時代は恐ろしいほどの名作ばかりを残しています。

 

このブログでも、これまでにそれらの作品をいくつかご紹介していました。

 

そのどれもが70年代のクロスオーバー系のジャズ・ロックやスピリチュアル・ジャズを語る上で外せない様な名作ばかりでした。

 

しかし今回ご紹介するこの『Black Narcissus』は、それらのアルバムよりも更に重要な名盤となっております。

 

マイルストーン時代の最終作にして、本作が最高傑作であると僕は思っています。

 

特にジョン・コルトレーンから始まった『スピリチュアル・ジャズ』という、聴く者の”精神”が高揚させるかのような熱いパッションを持ったジャズがお好きな方には必聴のアルバムだと言えます。

 

それでは『Black Narcissus』をご紹介したいと思います。

 

 

 

Joe Henderson – 『Black Narcissus』

01.Black Narcissus
02.Hindsight And Forethought
03.Power To The People
04.Amoeba
05.Good Morning Heartache
06.The Other Side Of Right

 

Personnel:
Joe Henderson – Tenor Saxophone
Joachim Kühn – Piano on Tracks: 01 to 03, 05, 06
Patrick Gleeson – Synthesizer on Tracks: 01 to 03, 05
David Friesen – Bass on Tracks: 05
J.-F. Jenny-Clark – Bass on Tracks: 01 to 03, 06
Bill Summers – Congas, Percussion
Daniel Humair – Drums on Tracks: 01 to 03, 06
Jack DeJohnette – Drums on Tracks: 05, 06

 

アルバムの内容

本作は、ジョーヘンがハービー・ハンコックと共演した1969年の名作『Power to the People』から2曲の再演を含んでいます。

 

それは1曲目の”Black Narcissus”と、3曲目の”Power To The People”です。

 

どちらもパトリック・グリーソンによるエレクトリカルなシンセサイザーの音によって、更に深みのある楽曲へと進化しています。

 

1曲目は、本作のタイトル・トラックにもなったその”Black Narcissus”の再演です。

 

コード音を分散して弾いたシンセサイザーの幻想的なイントロから始まります。

 

深い洞窟に水が流れ込むかのような美しい音色は、それだけで聴く者の”精神”を高揚させてくれます。

 

そこにジョーヘンのスモーキーな音色のテナーの音が響き渡ります。

 

まるで瞑想を促すかのような深淵なる世界観が心の中に広がります。

 

この曲では自由奔放にアドリヴを吹くのではなく、テーマとなるメロディーを基調にサックスを語らせています。

 

まるで悟りを開いた仏陀による優しい説教のようでもあります。

 

しかし静謐な世界はすぐに終わりを告げ、アヴァンギャルドな2曲目”Hindsight And Forethought”が始まります。

 

全ての楽器がフリーキーに入り乱れ、無間地獄に落ちる阿鼻叫喚を表現しているかのようです。

 

しかし3曲目”Power To The People”が始まると、鳥の鳴き声のようなシンセサイザーの音が聞こえてきます。

 

ビル・サマーズのパーカッションも交えてアフロ・ジャズ的なポリリズムがバックで展開される中、ジョーヘンがイースタンなスケールを用いてテナーを吹き始めます。

 

この再演バージョンは、以前の演奏よりも更にスケール・アップしています。

 

ジョーヘンのテナー・ソロの後にはヨアヒム・キューンによるモーダルなピアノ・ソロが続きます。

 

そのピアノ・ソロが終わると、ジョーヘンのエレクトリック・サックスとシンセサイザーがユニゾンで音を急ピッチで上げる奇妙なサウンドを鳴らします。

 

10分18秒から始まるスリリングな部分です。

 

そしてダニエル・ユメールのドラム・ソロが始まり曲が終わりを迎えます。

 

12分30秒にも及ぶこの長尺曲が本作一番の聴きどころです。

 

4曲目”Amoeba”は、一転してファンキーなジャズ曲です。

 

フラジオ奏法も交えたジョーヘンのドス黒いサックス・ソロが聴きどころです。

 

5曲目”Good Morning Heartache”は、本作唯一のカヴァー曲でビリー・ホリディの歌で知られる哀しみを歌ったトーチ・ソングです。

 

ジョーヘンはまるで教会で懺悔しているかのような雰囲気でサックスを奏でています。

 

しかしどこか温もりの感じられる音色を聴くと、この哀しい楽曲からも救われる気がします。

 

またヨアヒム・キューンの美しいピアノ・ソロも心を癒してくれます。

 

最後の6曲目”The Other Side Of Right”は、速めのテンポで演奏されるアフロ・ジャズです。

 

ダニエル・ユメールのドラムが叩き出すアップ・テンポのポリリズムを楽しむための曲でもあります。

 

エコーの掛かったジョーヘンのテナー・サックスが低い音から高い音へと全ての音階を使うかの如く縦横無尽に飛び交います。

 

同じように続くピアノ・ソロも全ての音階を使うかのように鍵盤を駆け巡ります。

 

まさに全てを出し尽くしてアルバム最後の収録曲は終わりを迎えます。

 

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#1 #3 #6

 

 

以上、【ジョー・ヘンダーソンの『Black Narcissus』を聴こう♪】でした。

 

アヴァンギャルドな2曲目が少し聴きづらい部分でもありますが……しかし再演された2曲は『スピリチュアル・ジャズ』の外せない名曲だと言えます。

 

ファラオ・サンダースやゲイリー・バーツがお好きな方にもおすすめのアルバムです♪

 

 

 

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