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カテゴリー:Music

2018/11/10

アイヴァン・”ブーガルー”・ジョー・ジョーンズの代表作『Right On Brother』を聴こう♪

アイヴァン・”ブーガルー”・ジョー・ジョーンズの代表作『Right On Brother』

ソウライヴもカヴァーしたジャズファンクを代表する名曲も収録した名盤のご紹介!

今回はアイヴァン・”ブーガルー”・ジョー・ジョーンズ(以下:ブーガルー・ジョー)の代表作をご紹介します。

 

前回ブーガルー・ジョーをご紹介した際に取り扱ったのが1975年にリリースした最終作『Sweetback』でした。

 

アイヴァン・”ブーガルー”・ジョー・ジョーンズの最終作『Sweetback』を聴こう♪

今回は1970年にリリースされたブーガルー・ジョーの代表作『Right On Brother』についてご紹介していきたいと思います。

 

Ivan ‘Boogaloo Joe’ Jones – 『Right On Brother』

01.Right On
02.Things Ain’t What They Used To Be
03.Poppin’
04.Someday We’ll Be Together
05.Brown Bag
06.Let It Be Me
– CD Bonus Tracks –
07.Right On [Single Version]
08.Someday We’ll Be Together [Single Version]

 

Personnel:
Boogaloo Joe Jones – Guitar
Rusty Bryant – Tenor Saxophone, Alto Saxophone
Charlie Earland – Organ
Jimmy Lewis – Bass
Bernard Purdie – Drums

 

Recorded:February 16,  1970

 

参加メンバーも豪華なジャズファンク名盤♪

この作品はブーガルー・ジョーがリーダーなのでほぼ全ての収録曲でテーマメロディーをギターが弾いています。

 

でも数曲はサックスとユニゾンでテーマを弾いています。

 

この作品でサックスを吹くのは、以前こちらのブログでもご紹介していたラスティ・ブライアントです。

 

まだ1971年のジャズファンク名盤『Fire Eater』を発表する前になります。

 

オルガンが荒れ狂う!ラスティ・ブライアントのジャズファンク名盤『Fire Eater』を聴こう♪

出来ればこの作品でせっかくブーガルー・ジョーと共演したのだから、『Fire Eater』の方にブーガルー・ジョーがサイドマンとしてギターで参加して貰いたかったところですね。

 

他にもこの作品には、同じく1970年にジャズファンク名盤『Black Talk』をリリースするオルガン奏者のチャールズ・アーランドが参加しています。

 

ちなみに『Black Talk』でギターを弾くのはブーガルー・ジョーではなく、メルヴィン・スパークスの方です。

 

ブーガルー・ジョーはあまりサイドマンとして起用されていないのが今となっては残念に感じますね。

 

そして本作にはドラムにバーナード・パーディーが参加しています。

 

この時期のジャズファンク名盤には、やはりアイドリス・ムハンマドとバーナード・パーディーが不可欠な気がしますよね!?

 

本作でもイナタ~いファンクドラムを思う存分叩いてくれています。

 

それでは、CD盤のボーナストラック2曲を省く全6曲をみていきましょう。

 

 

 

アルバムの内容

まず1曲目の”Right On”から始まります。

 

D7一発のゴキゲンなジャズファンクナンバーです。

 

短めのテーマメロディーをギターとサックスのユニゾンで弾いた後は、かなり長めのギターソロが始まります。

 

マイナーペンタトニックを基本にして、ブルージーな♭5thの音も交えたブルース・スケールでイナタ~いギターソロを抜群のリズム感で弾ききっています。

 

その次にラスティ・ブライアントのホンキートンクなサックスソロが始まります。

 

ギターソロだけで無く、R&B調のサックスソロも楽曲を盛り上げるのに貢献しています。

 

サックスソロが終わるか否かのタイミングでオルガンがソロを被せるように弾き始めます。

 

さすがのチャールズ・アーランド!と言ったところでしょうか。

 

こういったワンコードの勢いあるファンク曲でアドリヴを弾かせたら随一の上手さです!

 

あまりの熱さに聴いてるこちらも力が入ってしまいそうになります。

 

そして曲の最後のテーマを今度はギターが中心になって弾き終えます。

 

1曲目がいきなりの「ジャズファンク」というジャンルを代表するような名曲です!

 

これ1曲だけでも買う価値のある曲だと言っても過言ではありません!

 

僕がよくこのブログで書いているオルガン系のジャズファンクについてなのですが、「それってどんな感じの音楽なの?」と聴かれたら「この”Right On”を聴いてみて下さい。これです!」と言いたくなるような、まさに僕が理想とするジャズファンクの曲だと思います。

 

なのでぜひこれまでの僕のブログに書いてあるジャズファンク系の音楽を気に入ってくれましたら、この作品も聴いて頂けたら嬉しいです。

 

【Jazz Funkおすすめの名盤探訪!】絶対に聴くべきジャズファンクのライヴ盤3選

ちなみにこの”Right On”は、ソウライヴがデビュー作の『Get Down!』で取り上げています。

 

ライヴでカヴァーした音源が収録されています。

 

 

初期のソウライヴのライヴでは定番の曲でした。

 

また最近では、2014年のソウライヴのライヴにザ・ニュー・マスターサウンズのエディ・ロバーツがゲストで参加して”Right On”を一緒に演奏したり…なんていう面白いお話もありました。

 

まさにジャズファンクを代表する名曲ですね♪

 

それでは次に行きましょう。

 

2曲目は、ジム・ホールも初リーダー作でカヴァーしていたデューク・エリントンの曲”Things Ain’t What They Used To Be(昔はよかったね)“です。

 

1曲目とは打って変わってゆったりテンポで始まります。

 

ギターとサックスのユニゾンでテーマメロディーをオリジナルのまま演奏しています。

 

この曲ではサックスが先にアドリヴソロを吹き始めます。

 

良くも悪くも普通に「おジャズ」しています。

 

ジャズファンクの名盤だって事を忘れてしまいそうになる演奏です。

 

続くブーガルー・ジョーのギターソロも、ファンキーさよりもブルージーさが目立つフレージングです。

 

しかしチョーキングを交えた演奏の中にR&B調のダブルストップのフレーズが出てくるところが普通のブルースギタリストとは一線を画している部分でもあります。

 

ギターソロが終わると短めのオルガンソロが入ってきて、またテーマに戻ります。

 

終始ゆったりとしたテンポで2曲目が終わった後は、1曲目の”Right On”と同じくブーガルー・ジョーの自作曲”Poppin'”で再度勢いを増します!

 

ソウライヴにカヴァーされた”Right On”ほどの知名度はありませんが、この”Poppin'”も同じようにアップテンポでかっこいい曲です♪

 

こちらの曲のキーは、サックスが演奏しやすいB♭7です。

 

曲の骨子となるテーマメロディ-をブーガル・ジョーがスリル満点の速度で弾き始めます。

 

そのままの勢いで長めのギターソロに突入していきます。

 

凄いスピードの速さの中、一定のグルーヴをしっかりと保ちつつシンプルなフレージングでもわかりやすいアドリヴソロを展開していきます。

 

その勢いを引き継いでチャールズ・アーランドのオルガンソロが鍵盤を溶かすかの熱さで燃え上がっていきます!

 

そして止めにラスティ・ブライアントがお得意のホンキートンクなサックスソロで決めてくれます!

 

素晴らしいジャズファンク曲です♪

 

3人のフロントマンのアドリヴソロも熱い曲なのですが、実はそれ以上に凄かったりするのがバーナード・パーディのドラムだったりします。

 

ソロイストたちを煽るかの如く怒濤のグルーヴでドラムを「バカスカン♪バカスカン♪」と叩きまくってます!

 

“Poppin'”は、パーディの凄まじいドラムも聴き所です♪

 

4曲目”Someday We’ll Be Together”は、ダイアナ・ロス&スプリームスの1970年のヒット曲のカヴァーです。

 

原曲よりもコミカルなタッチでブーガルー・ジョーはカヴァーしています。

 

そもそもが名曲ですのでジャズファンク系のインストナンバーにしてみてもやはり名曲ですね♪

 

コミカルタッチのテーマメロディ-が、どこかお茶目なブーガルー・ジョーの見た目に似合っているような気もします!?

 

ギターソロの方も原曲のメロディーラインを基調に終始メロディアスなフレージングで弾いています。

 

勢いだけでなく、ちゃんとコード進行を感じさせてくれるメロディアスなギターソロを弾けるところがブーガルー・ジョーの上手さでもありますね。

 

フレージングはシンプルでも、抜群のリズム感とちゃんとコード進行にそった正しいメロディーラインを選定できる部分が、闇雲にペンタトニックスケールに頼って弾いているだけのギタリストとは違います。

 

5曲目の”Brown Bag”もブーガルー・ジョーの自作曲です。

 

先の”Right On”や”Poppin'”と同路線のジャズファンク曲です。

 

この曲を聴いていると、まるでニュー・マスターサウンズが演奏しそうな曲なんですよね。

 

そしてギターソロがそのままエディー・ロバーツなんです。

 

もちろんエディー・ロバーツがブーガルー・ジョーに影響を受けています。

 

しかし1970年のこの曲が今の時代のニュー・マスターサウンズが演奏していてもおかしくないような曲調なのが凄いですよね。

 

ぜひニュー・マスターサウンズのセッションアルバムなんかで取り上げて欲しい曲です。

 

曲の方は、少しロック・フィーリングも感じさせるアップテンポのジャズファンク曲です。

 

サックスとユニゾンでテーマを弾いた後は、その勢いのままギターソロが始まります。

 

これまた長めにアドリヴソロを弾いた後、サックスソロが続きます。

 

その次にオルガンソロが入ってきてグルーヴィーに弾き倒します。

 

そして再度テーマに戻って曲を終えます。

 

オルガン系ジャズファンク曲の定番の曲構成ですね。

 

最後の6曲目”Let It Be Me”は、元は1955年にジルベール・ベコーの曲”Je t’appartiens(神の思いのままに)“に英語詞を付けてエヴァリー・ブラザーズが1960年に歌った曲のカヴァーです。

 

今の時代としてはマニアックな選曲に感じますが、当時のブーガルー・ジョーが好きな曲だったんでしょうか!?

 

本作でブーガルー・ジョーはこの曲をゆったりとした原曲そのままのバラード調でカヴァーしています。

 

こういったバラード曲のテーマメロディ-を弾かせても抜群に上手いのがブーガルー・ジョーなんです。

 

オクターブ奏法やトレモロピッキングを交えて情感たっぷりにメロディーを弾き上げています。

 

そのバックでオルガンがホーリーな音色を奏でています。

 

テーマが終わると優しいサックスソロが始まります。

 

この曲ではギターソロもオルガンソロもなく、サックスソロが終わるとそのままブーガルー・ジョーがギターで締めのテーマメロディ-を弾き始めます。

 

これでジャズファンク名盤の『Right On Brother』に収録された全6曲が終わります。

 

 

メロディアスなカヴァー曲の3曲以外は全てブーガルー・ジョー節の勢いのあるジャズファンク曲です。

 

やはりブーガルー・ジョーがリーダーのアルバムですので、彼の自作曲の”Right On”、”Poppin'”、”Brown Bag”を聴くためのアルバムだと思います。

 

この3曲は、まさに僕のイメージするオルガン系ジャズファンクの曲そのものなんです!

 

ぜひ僕と同じようにこういった曲調が好きな方には聴いて貰いたい作品です。

 

ニュー・マスターサウンズやソウライヴが好きだけれども、今回ご紹介するこの『Right On Brother』を聴いたことがなかった…という方はぜひ!

 

もちろん単純にファンキーなインスト音楽が好きな方にもおすすめですよ♪

 

以上、今回は僕の大好きな作品のご紹介でした。

 

 

 

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