2018/11/09
【ファンクおすすめの名盤シリーズ②】クール&ザ・ギャングのファンク期の名盤3選
【ファンクおすすめの名盤シリーズ②】
シリーズ第二回はクール&ザ・ギャング(Kool & the Gang)のファンク期!
9月に新たにブログ記事シリーズの【ファンクおすすめの名盤シリーズ】を始めてみました。
ファンクミュージックが大好きな僕が、毎回自分の好きなファンクバンドを1バンドずつチョイスしておすすめのファンクアルバムをご紹介していこうというのがテーマです。
第一回は、オハイオファンクを代表する「オハイオプレイヤーズ」の名盤を3枚ご紹介しました。
【ファンクおすすめの名盤シリーズ①】オハイオプレイヤーズの名盤3選+α
今回はそのシリーズの二回目になります。
第二回目にご紹介するのは……クール&ザ・ギャング(Kool & the Gang)です。
クール&ザ・ギャングについて
クール&ザ・ギャングは、1964年にニュージャージー州にて結成されたバンドです。
リードボーカルのいないバンドで、初期の頃はインスト系のジャズ・ファンク・バンドでした。
しかしヒットチャート向けではない音楽性のためか、ヒットに恵まれず、しばらくの間は鳴かず飛ばずの状態が続いていました。
しかし今回ご紹介する1973年の4作目『Wild and Peaceful』(ベスト盤やライヴ盤を省く)に収録されていた名ファンク曲”Funky Stuff”のスマッシュヒットでついにバンドはブレイクします!
そしてその後は同じようなファンク路線で多くのヒット曲を残すこととなります。
ちなみに今回ブログタイトルに「ファンク期の」と書いたのにも理由があります。
もしかしたら人によってはクール&ザ・ギャングというバンドを”Celebration”のイメージが大きいかもしれないからです。
もちろん大ヒットした有名曲ですのでそれは問題がありませんが、僕としてはこの【ファンクおすすめの名盤シリーズ】では、1960年代後半から1970年代半ばのイナタイファンクをご紹介していきたいな~と考えています。
この時期のファンクバンドの多くは、1976年辺りから「ディスコ・ファンク路線」に変化していきます。
クール&ザ・ギャングだけでなくアース、ウィンド&ファイヤーなんかもそうです。
“Celebration”もキャッチーで素晴らしい曲ではありますが、僕のイメージするイナタイファンクではないんですよね……。
どちらかっていうと、僕はディスコ・ファンクよりも1975年以前の泥臭いファンクが好きなんです。
それこそワウギターがワカチョコワカチョコ♪鳴っているような感じです。
そういったわけで、今回のブログ記事のタイトルに「ファンク期の」と付け加えました。
今回ご紹介するクール&ザ・ギャングの3枚の名盤はどれも1975年までのイナタイファンク作品ばかりです!
僕はこの時期のファンク・ミュージックが大好きなので、ぜひともこのブログでご紹介していきたいな~と思います。
なので、申し訳ないですがディスコ・ファンクをこのシリーズで取り扱うことはあまりないかもしれません⁉(絶対に!……とは言い切れませんが……。)
それでは今回は、クール&ザ・ギャングのファンク期の名盤3枚をご紹介したいと思います!
バラード曲に関しては感想を省います。
1枚目のおすすめファンクアルバム – 『Wild and Peaceful』
1枚目にご紹介するのは、先ほども触れました1973年の4作目『Wild and Peaceful』です。このアルバムの1曲目”Funky Stuff”がバンドにとって初のビルボードTOP50ヒットソングとなりました。”Funky Stuff”は、ヒットしたのも当然!と言いたくなるような名曲だと思います。ピーッ!というホイッスルの音の後、「Party~♪Party~♪」というコーラスが聴こえてきます。そのバックをギターのカッティングとベースのリフとファットバックなドラムが支えています。そしてキャッチーなオブリガートフレーズを管楽器隊が吹いて曲全体を盛り上げます。まさに「教科書のようなファンク曲」なのですが、こういった正統派のイナタイファンク曲がクール&ザ・ギャングの初のヒットソングだと考えると素晴らしいバンドだな~と感じますね。2曲目の”More Funky Stuff”は、1曲目の続編です。ホーン隊の音が目立つ1曲目のアレンジよりも、更にギターの音が目立つミックスが施されています。そして3曲目の”Jungle Boogie”は、更なる大ヒット曲になります!彼らにとっての初のビルボードTOP10ヒットソングで最高4位まで上がった大ヒット曲です!キレのあるギターのカッティングに導かれ「Get Down~♪Get Down~♪」というコーラスと共にホーン隊が曲を盛り上げていきます。ここまでの3曲は、クール&ザ・ギャングの「ファンク期」最高の瞬間と言えそうです。冒頭3曲が素晴らしいファンク曲が続いた後、4曲目のバラード”Heaven at Once”で一旦クールダウンした後、5曲目の歌ものファンク曲”Hollywood Swinging”で再度盛り上がります!この曲もビルボードチャートの6位を記録した大ヒット曲です!次の6曲目”This Is You, This Is Me”もイナタイファンク曲です。これも歌ものなのですが、ギターのカッティングがとてもかっこいい曲なんです。今日のファンク系ギタリストが意識する、しないに関わらず「ファンクギターの見本」のようなカッティングフレーズが満載の良曲です!7曲目の”Life Is What You Make It”も同じようにギターのカッティングがかっこいい歌ものファンク曲です。こちらの方は少し派手さを抑えたクールな曲調です。最後の8曲目のタイトル曲”Wild and Peaceful”は、少しAOR的な大人の雰囲気のインストバラード曲です。フルートがアーバンな音色を奏でています。以上、全8曲中半分以上の6曲はイナタイファンク曲が聴けるファンク名盤です♪文句なしに「ファンク」というジャンルを語る上で外せない作品だと思います!
2枚目のおすすめファンクアルバム – 『Light of Worlds』
1974年にリリースされた5枚目の作品『Light of Worlds』です。1曲目の”Street Corner Symphony”からホーン隊の印象的なイントロに乗せてファンク曲が始まります!前作の”Funky Stuff”よりも1年経って少し洗練されたサウンドになっています。今の時代に聴いてもかっこいいホーン隊のメロディーラインは、まさにバンド名の通りに「クール!」です。そんなやたらかっこいい1曲目の次は”Fruitman”という歌ものバラードが始まります。しかし軽快な曲調なので1曲目からの流れを潰すことはありません。続く3曲目の”Rhyme Tyme People”でまた盛り上がるファンク曲が始まります。この曲もホーン隊のオブリガートフレーズなどがとても印象的です。耳に残るようなフレーズ作りがとても上手いですね!4曲目のタイトル曲”Light of Worlds”は歌ものファンク曲です。歌のメロディーラインがキャッチーなのでポップスっぽく聴こえますが、バックのギターやベース、ドラムの3楽器のグルーヴ感が半端なくファンクしてます!5曲目”Whiting H. & G.”は、まるでアース、ウィンド&ファイヤーの曲でも始まるの?と言った感じのキーボードのイントロで始まるインストナンバーです。6曲目のバラード曲”You Don’t Have to Change”を挟み7曲目”Higher Plane”で再びギターのカッティングがキレッキレな歌ものファンク曲が始まります。この曲と”Rhyme Tyme People”が本作からシングルカットされています。そして次の曲”Summer Madness”は、小沼ようすけさんが2002年に2ndアルバムのタイトル名に付けた名バラード曲です。AOR/フュージョン的な名曲ではあるのですが……今回はファンク曲のご紹介ということで、この辺で。そして9曲目の”Here After”は先の”Summer Madness”の余韻のような小曲です。アルバム後半に少しバラード曲が密集している感じもしますが、”Street Corner Symphony”、”Rhyme Tyme People”、”Higher Plane”というかっこいいファンク曲満載の名盤だと言えます!もちろん今回のテーマには合ってないってだけで、名バラード曲の”Summer Madness”も絶対に外せない曲ではあります。ファンクの名盤というだけでなく、名バラード曲も収録されたバランスの良い名盤ですのでおすすめです♪
3枚目のおすすめファンクアルバム – 『Spirit of the Boogie』
3枚目にご紹介するのは、1975年リリースの6作目『Spirit of the Boogie』です。1曲目のタイトルトラック”Spirit of the Boogie”から、これまでのヒット曲”Funky Stuff”や”Jungle Boogie”路線のクール&ザ・ギャング節全開のファンク曲が始まります!文句なしの名ファンク曲です♪冒頭からイナタイファンク曲が始まると安心して聴けますね。(笑)2曲目”Ride the Rhythm”は、コーラスが派手な歌ものファンク曲です。過去の名曲”Let the Music Take Your Mind”というフレーズが歌詞で登場するセルフオマージュ曲です。そのバックでLチャンネルからキレッキレのギターカッティング、Rチャンネルにはイナタイ単音フレーズのギターリフが楽曲の骨子を組み立てます。そこにこれまた印象的なホーン隊のオブリガートが!これまた素晴らしいファンク曲が続きます♪そして3曲目の”Jungle Jazz”も、曲名こそ「Jazz」という言葉が付いていますが、冒頭2曲と同じくクール&ザ・ギャング節全開のファンク曲です。いつものごとくキレッキレのギターのカッティングと印象的なホーン隊の合間にフルートが登場してリードを吹きます。途中トランペットにバトンタッチして終盤は再度フルートがリードを吹きます。イナタイファンク曲が3曲続いた後は、歌ものバラードの”Sunshine and Love”を挟み、まるでアース、ウィンド&ファイヤーのようなカリンバのアフリカンな音色に導かれ”Ancestral Ceremony”が始まります。「先祖代々の儀式」という曲名にピッタリのイントロといったところでしょうか⁉曲が始まると歌ものファンクに変化していきます。続く6曲目”Mother Earth”は印象的なホーンメロディーとディスコ時代の到来を感じさせるような歌メロの曲です。少しずつイナタイファンクから変化していってるのが感じられる曲です。7曲目の”Winter Sadness”は、曲名からして前作の”Summer Madness”と対を成すようなバラード曲です。二番煎じ……と言えなくもない曲です。最後の8曲目”Caribbean Festival”は、曲名通りに「お祭り」感覚のファンク曲です。派手なホーン隊のバックでステディなリズムをキープするギターのペコペコカッティングとウネるベースラインがかっこいいファンク曲です。この曲はシングルカットもされています。以上、このアルバムも全8曲中6曲はファンキーな曲が収録されています。特に頭3曲と”Mother Earth”と最後の”Caribbean Festival”の5曲がかっこいいファンク曲ですのでおすすめです♪
以上が今回僕がご紹介したかった【クール&ザ・ギャングのファンク期の名盤3選】でした。
クール&ザ・ギャングは、昨年もブルーノート東京で来日公演を行っていたり、その前にもビルボード東京や大阪でライヴを行っています。
最近でも頻繁に来日公演をしてくれる現役のバンドですので、また近いうちに来日公演が行われるかもしれませんね。
ただどうしても僕の好きなこの時代のイナタイファンク曲よりも、その後のディスコ時代のヒット曲の方を演奏することが多いでしょうが……それは少し残念に感じつつも仕方のないことです。
しかしぜひ、今回の【クール&ザ・ギャングのファンク期の名盤3選】をきっかけに、この時期のイナタイファンク曲を聴いてくれる方が増えてくれたら嬉しいことです♪
他に関連するお勧め記事