
2024/12/13
約2年振りとなるザ・ニュー・マスターサウンズの来日公演を観てきました。【2024年12月12日】
【2024年12月12日】前回から約2年振りとなるザ・ニュー・マスターサウンズの来日公演を観てきました。
今回は、2023年2月9日以来約2年振りとなるザ・ニュー・マスターサウンズ(以降:ニューマスター)の来日公演を観てきた感想を書いたライブレポになります。
予定通りにザ・ニュー・マスターサウンズの来日公演を観に行きました。
以前このブログでもご紹介していました予定通りに2024年12月12日(木)に大阪にある梅田Shangri-Laにて開催された来日公演を観に行きました。
【ザ・ニュー・マスターサウンズ速報】ニュー・アルバム『Old School』を引っ提げて2024年12月に東京と大阪で単独来日公演が行われます!
ちょうどこれを書いている本日は東京公演となる渋谷クラブクアトロでのライブが開催されますが、僕はいつもの通り大阪公演を観に行きました。
梅田Shangri-Laでのライブは、確かこれで4回目でしょうか!?
その前はビルボード大阪で、1日に1時間のライブを2セットやっていた記憶があるのですが、やはりニューマスターには2時間ぶっ通しライブの方が合っていると思います。
ところで僕は一応、2006年の初来日時からフジロック以外の全ての時期のニューマスターの大阪公演を欠かさず観に行っている古参ファンになります。
なので当ブログでもニューマスターに関するブログ記事が最も多くなっているのですが…あの初来日からもう18年も経つのですね。
まさかあの時はここまでニューマスターが長く続くバンドだとは思っていませんでした。
ディープ・ファンク・ムーブメントが下火になるにつれ人気が落ちて消えていくバンドの1つだと思っていたのですが、しかし今年でニューマスターも結成25周年を迎えます。
昨夜のライブでもニューマスターのリーダーであるギタリストのエディー・ロバーツがMCで「今年でこのバンドも結成25周年だよ!」と語っていました。
それもこれもディープ・ファンク・ムーブメントが鎮火しても変わらずクオリティの高い新作をリリースし続けて、ライブのレベルを落とさず保っているからこそなのでしょう。
そういう僕もいつからか「一時のブームで終わってしまうバンド」という認識を変えて、「いつまでも変わらず続けて欲しい唯一無二のバンド」と考えを改めています。
あれから年齢を重ねてすっかりおっさんになった僕も、今やニューマスターの新作や来日公演を楽しみで日々の生活を乗り切っています。
さて、そんな感慨深い話もありながら、今回で多分10回目(かな?)となるニューマスターの来日公演を観に行きました。
毎度毎度、何回目かちゃんと数えていなかったので記憶があいまいで申し訳ないのですが…今回もライブを観に行った感想を書きたいと思います。
ちなみに先にエディー・ロバーツをご紹介しましたが、ニューマスターのメンバーは下記の通りです。
●エディー・ロバーツ(ギター)
●サイモン・アレン(ドラム)
●ピート・シャンド(ベース)
●ジョー・タットン(オルガン、キーボード)
2007年にボブ・バーチからジョー・タットンへのメンバー交代があって以来、この4人が不動のメンバーです。
以降は、エディ、サイモン、ピート、ジョーと略して表記します。
ついに手に入れたセットリスト!
今回は僕に取って初めての出来事がいくつかありました。
そのことにも触れながら今回の大阪公演の模様をお伝えします。
まず始めに、何と言ってもセットリストを手に入れたことです!
前回の2023年の来日公演の際は、セットリストを入手された女性の方にお願いして写真を撮らせて頂いたのですが…
【2023年2月9日】コロナ禍以来3年振りとなるザ・ニュー・マスターサウンズの来日公演を観てきました。
今回はなんと!僕自身が手に入れることが出来ました!
しかもサイモンから直接手渡しで貰いました!
ボーカル曲には※が付いています。
それだけでなく、これまで何度も来日公演を観に行っているのに、今回初めてサイモンとエディーに握手して貰えました!
これは嬉しいことです。
だいぶ昔にサイン会があった時に、CDをすでに持っているからと購入しなかったのですが…後悔しました。
あの時ならメンバーと話すチャンスも握手する機会もあったのに、はした金をケチって逆に損をしました。
しかしまさか昨夜のライブでセットリストを直接貰って、握手までしてもらえるとは…感無量です!
さて、昨夜のライブのセットリストは上記の表を参照していただければと思うのですが…今回はアンコールの”You Got It All”と”One Thing”というのはやりませんでした。
尺の都合でそこは省いているものの、それでも2時間しっかりとライブをやってくれています。
意外や意外!新曲だらけのセットリスト!
ベテランバンドの多くは、新作をリリースしてもツアーを行った際に、新曲を1〜3曲ほどやるだけで、他のアルバム収録曲をやらないことが多かったりします。
僕はエアロスミスが大好きなのですが、2013年の来日公演では、その時の新作からたったの2曲しか演奏してくれませんでした。
しかも、その1曲はリード・シングルでしたが、もう1曲はギタリストのジョー・ペリーが歌う曲でした。
長年のファンとしては、過去の名曲を聴きたいものの、せっかくなのだからこれまでライブで聴いたことがない新曲も多くやってもらいたいものです。
特にシングル以外のアルバム収録曲はその時しかやらないことも多いので、せっかく観に行った来日公演で披露して欲しいものです。
その点ではニューマスターは、その時リリースした新作からいつも多めに演奏してくれるバンドではあります。
前回の2023年の来日公演でも、その時の新作『The Deplar Effect』から5曲も演奏してくれました。
それは毎回毎回ニューマスターの新作のクオリティが高いからこそ、ライブでも披露できる新曲が多いことを意味していると思います。
今回も新作の『Old School』が、昔ながらのソウル・ジャズを彷彿させる名作だったので、ライブで新曲をたくさんやってくれそうだな~と期待していたのですが…
先に掲載していたセットリスト表の通り、なんと!最新作『Old School』から8曲も演奏してくれました!
これだけ多くの新曲をやってくれたのは、初期の作品数が少なかったニューマスターの来日公演以来ではないでしょうか?
近年では、スタジオ・アルバムの数も14枚と多くなり、セットリスト入りする過去の名曲と新曲のバランスが難しくなってきていました。
それが今回は全10曲入りの新作からほとんどの曲を演奏してくれました!
これは長年のファンとしても、今回の新作しかまだ聴いていなかったという初心者さんにも嬉しいことだったのではないでしょうか!?
おかげで僕が来日公演前に書いていたニューマスターのライブ定番曲20選をご紹介したブログ記事に掲載していた曲はほとんどやってくれませんでしたが…これは仕方のないことです。
ザ・ニュー・マスターサウンズの来日公演前に予習しておきたいライブ定番曲20選
8曲も新曲を演奏したら、ライブの尺的にもギリギリになってしまいますからね。
それではそのライブの模様を、セットリストを参考に覚えている範囲内でライブレポを書いていきます。
2024年12月12日に行われたザ・ニュー・マスターサウンズの来日公演の内容
開場は19時で開演が20時を予定していました。
しかし5分ほど遅れて20時5分頃からライブがスタートしました。
そこからライブが終わったのが21時54分頃でした。
約2時間ぶっ通しのライブです!
1曲目からさっそく新作『Old School』のリード・シングル”Do The Sausage Roll”で始まりました!
たまに新作からのリード・シングルをやってくれない意地悪なバンドもいたりするのですが…ニューマスターはちゃんと毎回リード・シングルをやってくれるのは好印象です。
エディーはメインギターのギブソンES-330を手に、いつものパキッと決まったスーツ姿で登場しました。
ジョーは柄物のシャツを着て、キーボードを上に積んだオルガンを演奏しています。
サイモンは白のシャツに細身のズボンを履いた姿でドラムセットに座ります。
いつもの如く、ドラムセットの裏側の台にセットされたジンバルに自身のスマホを置いてライブを記録しています。
そしてピートは、なんと!ザ・ニュー・マスターサウンズが今回の来日公演用に作った公式のTシャツとベースボール・キャップを身に付けて登場しました。
ちゃっかり宣伝部長をこなしていました。
しかし、いくら寒い12月とはいえ、終始スーツ姿だったエディーは暑くなかったのかな?と心配になります。
この時期にライブで演奏するときは、ピートのような半袖姿は少し寒そうに感じますが、サイモンやジョーのような長袖の薄いシャツ姿ぐらいならちょうどいいような気がします。
話をライブに戻しますと、エディーが”Do The Sausage Roll”のバッキングを弾くときはピックを使わず親指と人差し指と中指を中心としたフィンガー・ピッキングでした。
あの「ジャ~ジャジャ~ジャジャッ!」と7thコードをクロマチック(半音ずつ)で上がっていくフレーズを弾くときは、基本はフィンガーで弾いていました。
曲の途中でウェス・モンゴメリー風のオクターブ奏法のフレーズが出てくるのですが、そこは逆にピックを使って弾いていました。
ウェス・モンゴメリーは常にフィンガー・ピッキングでギターを弾くのですが、それに習って多くのジャズ・ギタリストはオクターブ奏法を弾く際にフィンガー・ピッキングで弾くことが多いです。
しかしエディーは、序盤のバッキングはフィンガーだったのに、オクターブ奏法のフレーズはピックで弾いていました。
その後のジョーのオルガンソロが終わってからは、「ジャ~ジャジャ~ジャジャッ!」のコードもピックで弾くようになっていました。
ちなみにこの曲では、ES-330のピックアップをフロントにして弾いていました。
これはエディーのギター演奏を観察していてわかったのですが、基本的にエディーはセンターP.U.(ピックアップ)で弾くことが多いです。
僕も含めてファンク系のギタリストは、センターを使う事が多いのですが、エディーもファンキーなギターカッティングが登場する曲や、過激なワウギターを弾くときはセンターで弾いています。
しかしソウル・ジャズ系の曲や、ミドルテンポでサイケデリックな長尺曲を弾くときはフロントで弾くことが多いです。
そしてたま~にリアでギターソロを弾きまくることもあります。
もちろん毎回全ての曲でこのパターンを維持しているわけではなく、例外もありますが…基本は、ソウル・ジャズ系はフロントで、ジャズ・ファンク系はセンター、ロック系の曲をカバーしたり過激なギターソロを弾くときはリア、というのが定番のパターンです。
“Do The Sausage Roll”が終わるときに、僕はエディーがギターのピックアップをセンターに変えるのを見逃しませんでした。
その瞬間、「次の曲はワウを使うのかな?」と思った瞬間に、お馴染みの「チャワ~ンポワン、チャワ~ンポワン♪」とワウギターを使ったイントロが始まりました!
メンバー全員で歌うお馴染みの曲”Take What You Need”が始まります。
この曲でワウギターを弾くときは、センターで弾いています。
ピートのちょっとしたベースソロも挟みつつ、エディーが歌心溢れるワウギターのソロを披露します。
その昔はベースソロを弾く際になんとなく照れ笑いしていたピートが、昨夜は堂々と骨太なベースソロを聴かせてくれました。
「ピートってすごくかっこいいベースソロを弾けるのに、なぜもっと弾かないんだろう?」と10年以上前に僕は”San Frantico”のベースソロを聴いて思っていたのですが、最近ではピートも自信たっぷりにベースソロを弾いてくれるようになりました。
“Take What You Need”が終わると、いつも明るくお喋りなサイモンがMCで「トゥー・サウザント・イレブン!ロング・タイム・アゴー!」と説明していました。
この”Take What You Need”が収録されていたアルバム『Breaks From The Border』は、2011年にリリースされたアルバムです。
多くのベテラン・バンドのミュージシャンは、自身のアルバムがいつリリースされたのか覚えていなかったりします。
しかしサイモンはしっかりと覚えているんですね。
ちゃんと自分たちの作品に愛情を持っているのがわかります。
それから続けて「『Breaks From The Border』に収録されている曲をやるよ!」とMCで話していました。
続く3曲目は”Passport”でした。
この曲は『Breaks From The Border』の6曲目に収録されており、サイモンがリード・ボーカルを担当する曲です。
ずいぶん長くセットリストから外されていた曲なのですが、今年2024年の4月に行われたブルックリン・ボウルのライブでもこの”Passport”を演奏していました。
その時のブート音源を聴いてみると、この”Passport”でエディーが驚くような凄まじい勢いのギターソロを弾いていたのですが、まさか今回の来日公演でもこの曲をやってくれるとは思いもしませんでした。
この曲が始まった途端に、4月のブート音源を思い出して「これは凄まじいギターソロを弾いてくれるのかも?」と思ったのですが、期待以上のギターソロを披露してくれました!
この曲のスタジオ盤でもなかなか勢いのあるギターソロを弾いているのですが、ここ最近のライブでは更にテクニカルになったギターソロを弾いています!
過去のニューマスターのブート音源を年代順に聴いていると、2014年辺りからバンドの演奏力がグンと上がっているんです。
それまではギターソロを弾く時にミスピッキングもよくしていたのに、この辺りからかなり速いフレーズでもミスがほとんどなくなっています。
ちなみにその2014年頃からエディーがアメリカに住むようになり、ニューマスターの活動がない時期にはアメリカのジャム・バンド・シーンの色んなミュージシャンと共演しています。
僕はアメリカのジャム・バンド界隈が大好物なのですが、そういったマニアックなバンドを聴いていると、ちょくちょくエディー・ロバーツやソウライヴのエリック・クラズノーが顔を出していたりします。
彼ら2人が、他のディープ・ファンクや現代ジャズ・ファンク系バンドのギタリストよりも群を抜いて上手いのは、そういった外部での様々な活動から得た経験値の多さが由来しているのでしょうね。
やはり演奏力の向上には、ライブを経験することが一番ですからね。
ギターを演奏する僕自身も、ギターレッスンや自宅練習よりもジャム・セッションに参加して失敗を乗り越えた時の方が自分が上手くなっていくのを感じます。
昨日の”Passport”のギターソロは、驚くほどに素晴らしかったです♪
再びピックアップをフロントに戻して新作から”In Da Club”が始まります。
曲名からしてついついラッパーの50セントを思い出しますが、ニューマスターのオリジナル曲です。
エディーは過去にソロ・アルバムでエミネムの”Lose Yourself”をカバーしていたので、ニューマスターがヒップホップの曲を取り上げていても驚きはしませんが、この”In Da Club”は古き良き時代のソウル・ジャズを現代に復活させたような新曲です。
“In Da Club”が終わると、長らくセットリストから外れていた”Coming Up Roses”が復活しました!
今年4月のブルックリン・ボウルのライブでもこの曲をやっていたのですが、またセットリストに復活したんですね!
この”Coming Up Roses”は、2003年の2ndアルバム『Be Yourself』に収録されていた曲です。
『Be Yourself』収録曲でファン人気が高いのは、タイトル・トラックの”Be Yourself”とコリーヌ・ベイリー・レイがゲスト・ボーカルで参加した”Your Love Is Mine”なのですが、ライブでよく演奏されているのはこの”Coming Up Roses”と、サイケデリックな”Six Underground”です。
今回の大阪公演では”Six Underground”はやっていなかったのですが、この曲も定番の1つです。
ここから5曲も新作からの曲が続きます!
グルーヴィーな”Breakfast T”に、60年代ソウル・ジャズ系の”Boogaloo Is Dead”、アルバムからの2ndシングル”Smoothie”、新たなる”Six Underground”風のサイケデリック路線の曲”Two Fat Ladies (88)”、そして会場全員で”What you say, what you do!”と歌って盛り上がる”Down On The Farm”の6曲です。
“Boogaloo Is Dead”はニューマスターのオリジナル曲なのですが、そのタイトルからしてソウル・ジャズのファンならサックス奏者のルー・ドナルドソンを思い起こす人は少なくないと思います。
僕もそう感じていたのですが、曲終わりにエディーが「ディケイテッド・トゥ・ルー・ドナルドソン!」と話していました。
この曲が作られた時期はまだルー・ドナルドソンは存命でしたが、今年11月9日にルー・ドナルドソンは亡くなってしまいました。
まさか”Boogaloo Is Dead”の曲名がその通りになってしまうとは…。
そのためエディーが「この曲をルー・ドナルドソンに捧げる。」とMCで言ったのでしょう。
余興ととしてのジャズがアートへと進化することとなったビ・バップの誕生にも参加していたジャズの巨人ルー・ドナルドソンも、ついに98歳で人生の幕を下ろすこととなります。
ルー・ドナルドソンが60年代後期からソウル・ジャズやジャズ・ファンクをやっていたのは、本人としては時代に合わせただけで不本意だったとは語っていましたが、まさかその意思を次ぐバンドが現代にも数多く育っているとは、当の本人が一番驚いていたのじゃないでしょうか?
この6曲の中では、やはり2ndシングルになった”Smoothie”が一番かっこよかったです。
エディーがES-330のセンターP.U.で弾くキレの良いカッティングは最高でした♪
アルバム収録順通りに”Two Fat Ladies (88)”へと流れていったのですが、この曲があるから今回は”Six Underground”をやらなかったのかも知れませんね。
出来れば前作に収録されていた名曲”Northern Lights”もやって欲しかったのですが、まさか『The Deplar Effect』から1曲も演奏しないとは…。
新曲6曲が終わると、これまた定番曲の”Hey Fela!”が始まりました。
この曲が始まる前にエディーがワウギターの音調整で一瞬だけリフを弾いたので、すぐに何の曲をやるのかわかりました。
フェラ・クティに捧げられたこの”Hey Fela!”はバンドのお気に入りのようで、よく演奏されている定番曲です。
今回は中盤でピートとジョーが腕を止めて、サイモンのドラムをエディーがクリーントーンのカッティングで煽るインプロヴィゼーションのパートもありました。
この曲が終わると、何やら聞き慣れないカッティングのリフをエディーが弾き始めます。
4月のブルックリン・ボウルでゲスト・ボーカルを迎えてドゥービー・ブラザーズの”Long Train Runnin'”していて驚いたのですが、まさか今回も?
と、思っていたら違う曲でした。
なんと!1970年代に活躍した英国バンドのストレッチ(Stretch)の曲”Why Did You Do It”が始まりました。
しかもサイモンが歌っていました!
さすがにこんなカバー曲をやってくれるなんて予想外でした。
1975年にリリースされた1stアルバム『Elastique』に収録されていた曲です。
しかもこの曲でエディーはリアP.U.に切り替えて、ロックに尖ったワウギターのソロを弾いていました!
驚きの選曲でした!
この辺りでセットリストにはなかった”Pudding & Pie”が演奏されていた記憶です。
曲の前にサイモンが「トゥエンティ・エイティーン」と2018年にリリースされた収録アルバムの『Renewable Energy』を紹介していました。
よく覚えていますね!
このように所々でセットリストが変わるのも、この道25年のベテラン・バンドならではの余裕ですね。
この辺りでジョーのオルガンにトラブルが起こります。
長年使っているオルガンのため、ついに不具合が起こってしまいました。
僕も何度かニューマスターの来日公演を観にいていますが、こういった機材トラブルは大阪での公演では初めてだったはず!?
ある意味、貴重な体験が出来ました。
過去にはエディーが勢いあるギターソロを弾きすぎて、ギターの弦が切れることが度々あったのですが、ここ数年は弦を切ることもなくなりました。
昨夜のライブでもギターの弦は一度も切れませんでした。
出来れば『Renewable Energy』に収録されている曲では、エディーが尊敬して止まないジャズ・ギタリストのグラント・グリーンに捧げた曲”Green Was Beautiful”と取り上げて欲しいのですが、今のところ大阪公演で演奏されたことは一度もありません。
東京では演奏されていたようなのですが、なぜか大阪ではこの曲を一回も演奏してくれないです…。
そこは不満点です。
オルガンのトラブル前にジョーが「次は何の曲だっけ?」みたいにメンバーに聴いていたのですが、エディーの口から「サン・フランティコだよ!」と言ったのが聞こえました。
今やニューマスターを代表する曲となった名曲”San Frantico”を今回もやってくれるのか!と期待に胸が膨らみます。
“San Frantico”は、ニューマスターの結成10周年を記念してリリースされた2009年のアルバム『Ten Years On』の1曲目に収録されたファスト・チューンです。
リリース以来ファン人気の高い曲で、ライブでも毎回盛り上がります!
この曲ではギターソロはなく、代わりにピートがベースソロを弾いてくれます。
そしてオルガンのロングトーンを用いた演奏が印象的なのですが、オルガンのトラブルがあったため、多少アレンジを変えて演奏していました。
この辺は、さすがのプロ・ミュージシャンですね。
この次に”Tantalus”ではなく別の曲をやっていたような気がするのですが、ちょっと忘れてしまいました…。
本編の最後は、これまた久しぶりに”Baby Bouncer”で締めくくられていました。
この”Baby Bouncer”は、2005年にリリースされた3rdアルバム『This Is What We Do』に収録されていた曲です。
ベスト盤『Masterology』の1曲目にも収録されていたので、バンドのお気に入りなのでしょう。
ここで本編が終了したので、”102%”や”Hole In The Bag”に”Thermal Bad”といった過去の人気曲が演奏されないことがわかりました。
少し残念な気がしなくもないですが、しかし新曲を8曲も演奏してくれたのには大満足です!
せっかく新規のファンの人が新作アルバムを買ってライブを観に行っても、まだ知らない過去の曲ばかりやられたらあまりぐらいしか楽しめませんが、今回のニューマスターの来日公演は楽しめたのではないでしょうか?
そしてアンコールが始まります。
ここでもまさかの曲が登場します。
エディーが「次はジョーが歌う曲だよ。」みたいにMCで話していました。
ジョーが歌ったのは、なんと!アヴェレイジ・ホワイト・バンドの”When Will You Be Mine?”でした。
1979年にリリースされたアルバム『Feel No Fret』に収録されていた曲なのですが、同じ英国出身のファンク・バンドんばだけあってこの選曲になったのでしょうか!?
オルガンのトラブルなんかもありながら、なんだかんだでジョーがこの曲を歌い終えたあと、本日のライブの終演を告げるギターリフが始まりました。
そう、1stアルバム『Keb Darge Presents: The New Mastersounds』に収録されていたニューマスターを代表する曲にしてディープ・ファンク・ムーブメントの始まりを告げた名曲”One Note Brown”です。
前回の来日公演までは、この”One Note Brown”よりも「パッパラッパラ~♪」といった掛け声が盛り上がるアシッド・ジャズ系のユニットニューヨリカン・ソウル(Nuyorican Soul)のカバー曲“Nervous”で締めくくられるのが日本公演の定番でしたが、今回は“Nervous”も”Make Me Proud!”も演奏されませんでした。
その代わりに海外のライブの締めでは定番の”One Note Brown”が、今回の来日公演から定着しそうです!?
とは言っても、ニューマスターのセットリストは常に変わり続けているので断言は出来ませんがね。
今回は”One Note Brown”でエディーの過激なワウギターのソロはありませんでしたが、最後まで大いに盛り上がったライブでした。
こうして今回の大阪公演は終わりました。
「重さ」を感じるようになったバンド・サウンドの秘訣はグルーヴにあり!?
初めてニューマスターのライブを観に行った時は、どこかバンド・サウンドの「軽さ」を感じたものでした。
それは当時のライブハウスの音響の影響であったり、メンバーの音作りが慣れていない等、様々な要素があってのことだったのでしょう。
しかしここ10年近くのニューマスターのバンド・サウンドには、しっかりとした軸のある「重さ」を感じるようになりました。
それは音響や機材の良さだけでなく、長年の結束からバンド内のグルーヴがぴったり合うようになったからではないかな?と思いました。
僕自身もジャム・セッションに参加した際に、リズム隊と合わないことが幾度とありました。
それは何もリズム隊の人たちが悪いのではなく、自分自身の力不足でちゃんと合せられていないことも原因でした。
そういった時のセッションの録画を後から見直してみると、なぜか音がスカスカに感じられました。
これはギターやベースやドラムのリズムがバラバラなため、音圧が一点に集中していないからなのでしょう。
しかしたまにプロのミュージシャンの方々がサポートしてくれた際は、彼らの力量の高さから素人の僕に合わせてくれることでリズムがカッチリ合うことがあります。
その時のセッションの様子を後から動画で観てみると、、音に厚みが出て凄くよい感じに仕上がっていました。
それと同じように、2014年辺りからニューマスターのバンドとしてのサウンドに厚みが出てきたように感じられます。
4人のメンバーの演奏がカッチリ合うことで「重み」のあるグルーヴが生み出されているんですよね。
しかもこの「重さ」は、年々増していっているとように感じます。
昨夜のライブでは、ニューマスターのバンド・サウンドにすごく「重さ」を感じました。
まだまだバンドとしての進化をやめないニューマスターには、今後も期待するばかりです!
それでは最後に今回の来日公演でエディーが使用していた機材をご紹介します。
ギター好きのためのエディー・ロバーツの使用機材
まずギターはいつものギブソンES-330で、アンプはフェンダー・アンプでした。
この2つは変わらずですね。
グラント・グリーンが使っていたことで有名なES-330をエディーはずっと使い続けています。
しかしエフェクター類は、初期の頃から少しずつですが変化しています。
ちなみにこの写真に写っているセットリストを僕はサイモンから直接貰いました。
過去にはZ.VEX社のマニアックな歪み系エフェクター『Super Duper 2-in-1』を使っていたのですが、ある時からXotic社の定番エフェクターの『EP-ブースター』を使うようになっています。
この『EP-ブースター』はギタリスト内での評価が高く、プロアマ問わず数多くのギタリストが使う定番中の定番エフェクターです。
もちろん僕も使っています!
深みのあるクリーントーンを作るのならXoticのエフェクター EP-ブースターとSP-コンプレッサーがおすすめです!
「ブースターを欲しいけど何を使ったらいいのかわからない?」といった人は、取りあえずこの『EP-ブースター』を選べば良いと思います。
ワウペダルはいつものようにジムダンロップ社の『クライベイビー・ワウ』を使っていました。
ブースターとワウペダルは多くの場合、ワウペダルをギター側にして次にブースターをアンプ側に繋げます。
ギター→ワウペダル→ブースター→アンプ
というのが定番なのですが、ブースターの後ろにワウペダルを繋げると、ワウの音にもブーストが掛かり、より過激な音を出せるようになります。
そのためかエディーは、
ギター→ブースター→ワウペダル→アンプ
と通常の逆に繋げています。
もちろんこれも間違ってはいないのですが、人によってはワウの音がブーミーに鳴りすぎるので好きではないって意見もあります。
そういう僕もブースターの後ろにワウペダルを置くのは好きではありません。
これは人それぞれの好みですね。
さて、次に空間系なのですが…
以前まで、エレクトロ・ハーモニックス社(以降:エレハモ)の『Holy Grail』というリバーブ・エフェクターを使っていたのですが、今回から変わっていました。
今回は同じエレハモの11種類のリバーブを使いこなせるエフェクター『Oceans 11』に変わっていました。
この『Oceans 11』は、様々なリバーブを設定できるのに限らず、定番のスプリング・リバーブとプレート・リバーブの音も良い製品です。
僕もこの『Oceans 11』が好きで、バンドやセッションでギターを弾く際に必ず使っています。
ネオソウルギターにもぴったり!?Electro Harmonixの多彩なリバーブ『Oceans 11』
エディーはスプリング・リバーブのモードで使っていましたが、これは本当に使えるエフェクターです。
こちらも『EP-ブースター』と同じく、リバーブを探している人に一度は使って見てもらいたい良品です。
最後にチューナーなのですが、以前はKORGの製品を使っていたのが、BOSSの定番チューナー『TU-3』に変わっていましたね。
この製品は、BOSS特有の頑丈な筐体が自慢のチューナーです。
『EP-ブースター』以上に、プロアマ問わず世界中のギタリストに愛用されている製品です。
以上が、今回のエディーの使用機材でした。
今回は購入できたツアーTシャツ
さて、最後に今回僕が購入したツアーグッズをご紹介して終わりたいと思います。
2023年の来日公演では、開場に着くのが遅くなったためかTシャツがMサイズしか残っていませんでした。
一応、そこそこ身長のある僕にはMサイズでは小さすぎるんです。
「今回こそは!」と思い、少し早めに開場入りしたら、Lサイズを買うことが出来ました!
これは今回の宣伝部長である(?)ピートが演奏中に着ていたTシャツと同じものです。
会場では他にもニューマスター関連のCDや、ピートも被っていたベースボール・キャップに、上記のバンドTシャツと同じデザインのパーカー等も販売されていました。
さすがにCDは全部持っているので、僕は夏によく着るTシャツのみ購入しました。
実は今回初めてニューマスターのTシャツを買いました。
過去に何度かツアーグッズとしてTシャツが販売されていましたが、なぜかずっと買ったことがありませんでした。
前回の来日公演の時にTシャツを買おうと思ったら、自分に合うサイズが売り切れていたので結局今回まで買うことが出来ずにいました。
ニューマスターの来日公演を観に行きだして10回目にしてようやくTシャツを買うことが出来てよかったです。
以上、【【2024年12月12日】約2年振りとなるザ・ニュー・マスターサウンズの来日公演を観てきました。】でした。
今回の来日公演も、今年リリースされたばかりの最新作の『Old School』も素晴らしい出来だったので、今後もニューマスターの活躍が楽しみになりますね♪
また早く次の来日公演が行われることを楽しみに待ちたいと思います。
ていうか、これを書いている時点ではまだ東京公演は始まっていません。
東京公演を観に行かれる方は、ぜひ楽しんできて下さい♪
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