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カテゴリー:live

2022/05/12

2022年5月11日(水)ビルボードライブ大阪にてロバート・グラスパーの来日公演を観てきました。

2022年5月11日(水)ビルボードライブ大阪で行われたロバート・グラスパーの来日公演のライブのレポを書いたブログ記事のタイトル画像です。

2022年5月11日(水)ビルボードライブ大阪で行われたロバート・グラスパーの来日公演を観てきました。

昨日の5月11日(水)に以前このブログでもご紹介していましたロバート・グラスパー(以降:ロバグラ)の久しぶりの来日公演を観てきました。

 

ロバート・グラスパー・エクスペリメントの10年振りの続編『BLACK RADIO III』を聴いて思うこと

今回はその来日公演を観に行ったライブレポを書いてみたいと思います。

 

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ロバート・グラスパーの来日公演のライブレポ

2022年5月5日(水)ビルボードライブ大阪で行われたロバート・グラスパーの来日公演のライブのレポを書いたブログ記事の写真1枚目

今年2月にリリースされたロバグラの最新アルバム『Black Radio Ⅲ』を引っさげた来日公演が今週行われています。

 

<LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL>の慣しライブだった!?

今回の来日でメインとなるのは今週末5月15日(日)に埼玉・秩父ミューズパークにて行われる<LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL>のヘッドライナーとしてのライブだと思われます。

 

その慣らしとして今回のビルボードライブ大阪での来日公演が行われたというのは間違いないでしょう。

 

そのため昨日僕が観に行ったライブでは終始リラックスしたロバグラの姿を観ることが出来ました。

 

おそらく記録の残る『本気のライブ』ではなかったのでしょうが、しかしそれでも間近でロバグラの演奏を聴くことが出来たのは感動物でした。

 

今回の来日公演のメンバー

僕はおよそ10年前に『Black Radio』シリーズが始まった当初にも同じビルボードライブ大阪にてロバグラの来日公演を観ています。

 

その時はロバート・グラスパー・エクスペリメント名義だったのでケイシー・ベンジャミンが一緒に来日していました。

 

その時はベンジャミンのサックスとボコーダーを利用したボーカルがリードするライブでしたが、今回の来日公演では代わりにロバグラ自身が歌っていました。

 

この日のバンドメンバーは…

2022年5月5日(水)ビルボードライブ大阪で行われたロバート・グラスパーの来日公演のライブのレポを書いたブログ記事の写真2枚目

ベースにデイヴィッド・ギンヤード、ドラムにジャスティン・タイソン、そしてDJにジャヒ・サンダンスという変則カルテット編成でした。

 

ジャヒ・サンダンスは『Black Radio』の1作目からの仲で、ジャスティン・タイソンとはR+R=NOWで共演しています。

 

基本はピアノトリオながらもサンダンスがサンプラーを使ってヒップホップな要素を付け加えたり、ロバグラ自身がボーカルを披露する等、オーソドックスなジャズとは違ったネオ・ソウル的なR&B要素の強いライブとなりました。

 

ライブ前はコモンの音楽がお気に入り!?

この日僕が観に行ったのは、21時から始まる2ndステージの方でした。

 

会場は20時から入場することが出来たのですが、僕が付いたのは20時半を過ぎてからでした。

 

会場入りするとラッパーのコモンの音楽が会場中に流れていました。

 

ロバグラとコモンは過去に何度も共演した仲です。

 

2016年にリリースされたコモンのアルバム『Black America Again』はロバグラの全面的参加が話題となった名作でした。

 

更にその後コモンのライブでもドラムを叩くことが多いカリーム・リギンスを加えた3人で2018年にオーガスト・グリーン名義でリリースした『August Greene』も素晴らしい出来でした。

 

 

僕も昔からコモンの音楽性が大好きでアルバムは全部集めているくらいです。

 

ライブが始まる直前には2007年の名作『Finding Forever』に収録されている”So Far to Go”が流れていました。

 

この曲はJ・ディラがアイズレー・ブラザーズのバラード曲”Don’t Say Goodbye”をサンプリングして作った曲が元となっています。

 

コモンのこのバージョンにはソウルクエリアンズの仲間でもあるディアンジェロがファルセット声のコーラスで参加しています。

 

J・ディラの作品にも何度となく収録されていた楽曲で、例えば名盤『Donuts』では”Bye.”というタイトルで収録されています。

 

 

他にもアルバム『The Shining』にもそのまま”So Far to Go”が収録されています。

 

 

今回会場でコモンの音楽ばかり使われていたのは、やはりロバグラがコモンのことを最大限に評価しての事なのでしょうね。

 

ライブ後にも『Finding Forever』収録の”Start the Show”が流れていました。

 

開演時間の21時にはコモンの音楽が止まり時間通りにライブが始まりました!

 

まずはジャヒ・サンダンスのDJコーナー

21時になり会場が暗転するとDJのジャヒ・サンダンスが1人でステージに登場しました。

 

まずはジャヒ・サンダンスの腕の見せ所です!

 

オープニングには”Giant Steps”がサンプリングされ、次にネオ・ソウル系シンガーのビラルの1stアルバム『1st Born Second』に収録されていた”For You”が使われていました。

 

ビラルとロバグラは大学時代からの盟友で、『1st Born Second』も含めその後も度々共演しています。

 

オバマ政権時代にホワイトハウスの執務室にて行われたコモンのタイニー・デスク・コンサートでもロバグラとカリーム・リギンスと共にビラルもゲストシンガーとして登場したのは記憶に新しいところです。

その後もディアンジェロの『Voodoo』収録の名曲”Africa”を使ったりQティップの曲もサンプリングしていました。

 

このジャヒ・サンダンス・コーナーが約11分続いた頃にようやくロバグラを含む残りの3人がステージに登場しました!

 

 

20分以上に及ぶオープニング曲はレディオヘッドにニルヴァーナ!

ロバグラが登場して最初にフェンダー・ローズにて弾いたピアノのフレーズで僕はすぐに気付きました!

 

「レディオヘッドだ!」

 

レディオヘッドが2001年にリリースした問題作『Amnesiac』の1曲目に収録されていた”Packt Like Sardines in a Crushd Tin Box”が今回のライブの1曲目に選ばれました。

 

 

この曲はロバグラのDVD作品『ロバート・グラスパー・エクスペリメント:ライヴ』にも収録されていたライブでのお決まりのような楽曲です。

 

今回のライブではケイシー・ベンジャミンがいないためロバグラ自身が歌っていました。

 

ロバグラのエレピソロやジャスティン・タイソンのドラムソロも含め10分以上の演奏が続き、その後一旦クールダウンするとロバグラがおもむろにニルヴァーナの『Nevermind』収録の”Smells Like Teen Spirit”を歌い始めました。

 

“Packt Like Sardines in a Crushd Tin Box”からのメドレーでニルヴァーナの大ヒット曲”Smells Like Teen Spirit”に繋がりました。

 

もちろん『Black Radio』の1作目に収録されていたようなスローな演奏で披露されています。

 

ソロ回しの際に一瞬、デイヴィッド・ギンヤードが多少のモジュレーションを加えてブリブリと繰り返しのベースラインを弾いていたのが、エレクトリック・マイルス期にベーシストを務めていたマイケル・ヘンダーソンが『アガルタ』や『パンゲア』で弾いていた”あの感じ”を彷彿させました。

 

このオープニングのメドレーでロバグラが、同じジャズマンのマイルス・デイヴィスだけでなくレディオヘッドやニルヴァーナといったグランジ/オルタナ・ロック等の多彩な音楽性を吸収してそれらを混ぜ合わせて自身の音楽として表現していることが感じられました。

 

僕自身もジャズだけでなく、そういったグランジ/オルタナ・ロックやヒップホップなどを優劣付けずに同等の『価値ある音楽』として聴くタイプの人間なので、ロバグラのこういった感性にはとても共感できます。

 

あらゆるジャンルの音楽を簡単に聴くことが出来る今の世の中だからこそ「ジャズしか聴かない!」とか「ロック以外は面白くない!」みたいな固定観念は捨てて、「良い音楽はどんなジャンルの物であっても素晴らしい!」と大らかな気持ちで聴いた方が良いと僕は思います。

 

ちなみにR+R=NOWで共演したこともあるトランペッターのクリスチャン・スコットもレディオヘッドから大きな影響を受けていました。

 

レディオヘッドはロック界だけでなく今を時めくフューチャージャズのミュージシャンにも大きな影響を与えているんですね。

 

カバー曲が多く『Black Radio Ⅲ』からの曲が少なかったライブ

その後は2016年の作品『ArtScience』に収録されていたロバグラとケイシー・ベンジャミンの共作”No One Like You”といったオリジナル曲はあったものの、どちらかというとカバー曲が多かったライブではありました。

 

ちなみに今回のライブにはベンジャミンが参加していなかったので”No One Like You”はロバグラのリードボーカルにジャヒ・サンダンスのコーラスという形で演奏されていました。

 

ジャム演奏の途中、ロバグラが口笛を吹いて客席にも呼応するよう求めたパフォーマンスをしていました。

 

何名かのお客さんが口笛を吹いて答えていました。

 

するとロバグラがとても喜び「これまで色んなところでライブしてきたけれど、今日の大阪が一番口笛が上手かったよ!」と褒めてくれていましたが、さすがにこれはリップサービスでしょうね。

 

ちなみに僕はそもそも口笛が吹けないので代わりに手拍子で答えました。(笑)

 

ライブの終盤には『Black Radio Ⅲ』にも収録されていたティアーズ・フォー・フィアーズのカバー曲”Everybody Wants To Rule The World”も登場しました。

 

ロバグラは世代的にこの曲を子供の頃に聴いていたためか、お気に入り曲だったため今回の新作『Black Radio Ⅲ』に収録していたようです。

 

ただし『Black Radio Ⅲ』ではダニー・ハサウェイの娘で一流のシンガーでもあるレイラ・ハサウェイが抜群の歌唱力を持ってしてこの曲を歌っていたのですが、今回のライブではレイラがいないのでロバグラ自身が歌っていました。

 

女性歌手のシェールが1998年に歌った大ヒット曲”Believe”で使っていたオートチューンを使ったシェール・エフェクト程ではないにしろ、ロバグラのボーカルも生歌ではなくエフェクトが掛けられていましたが…お世辞にも歌唱力があるとは言えません。

 

それならいっそのことレイラのボーカルだけをサンプリングしてバックの楽器陣だけ生演奏でもよかったのに…と思ってしまいました。

 

ロバグラのエフェクトを掛けてひっそりと呟くように歌うボーカルスタイルはまるで70年代のハービー・ハンコック・スタイルのようです。

 

この曲の途中でデイヴィッド・ギンヤードの長尺のベースソロが始まりました。

 

するとロバグラがステージから降りてそのまま客席を通り、バーカウンターまで歩いて行ってました。

 

僕はちょうど逆側の席にいたのでロバグラが歩いて行くのを遠目でしか見ることが出来ませんでしたが、ラッキーなことに近くの席に座っていた人たちはロバグラとグータッチをしていました。

 

今はコロナ禍のため握手の代わりにグータッチをするしかないんですが、これは正直羨ましかった…。

 

中には一緒にスマホで写真を撮ろうとお願いしている人もいましたが、残念ながらこれはロバグラが断っていました。

 

仕方ないですよね、もし1人でも許してしまうと会場中の皆が写真を撮りたがってしまいますからね…。

 

そういう僕ももしこの人が写真を撮ることを許されていたらダッシュでロバグラのところに向かっているところでした!(笑)

 

さて、ベースソロが終わりロバグラがエレピの前に戻ってくるとおもむろに”あの曲”を歌い始めました!

 

なんとそれは昨年リリースされたハイエイタス・カイヨーテの名作『Mood Valiant』に収録されていた”Red Room”でした!

 

僕もこの曲がとても好きで、新世代のネオ・ソウルを代表する曲だと思っています!

そしてロバグラがメンバー紹介をするとジャヒ・サンダンスがサンプラーから『Black Radio Ⅲ』収録曲”Why We Speak”を流してメンバーが会場を去りました。

 

残念ながら”Why We Speak”は音源を流しただけで生演奏はしれくてませんでした。

 

この曲は『Black Radio Ⅲ』収録のスタジオ版ではエスペランザがリードボーカルで歌い中間にはQティップのラップが挿入されています。

 

そしてなによりもギター好きの僕としては、バッキングにアイザイア・シャーキーのネオ・ソウル・ギターが加わっているのでとても好きな曲でした。

 

さすがにエスペランザやQティップを連れてくることは予算的に厳しいかと思いますが、せめてアイザイア・シャーキーだけでも今回のライブに参加してくれていたらもっと嬉しかったのですが…。

 

こうしてライブは締め括られ、今週末に<LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL>の出演が控えているためか(?)アンコールなしで終わりました。

 

ハイエイタス・カイヨーテの”Red Room”のカバーが聴けたのは嬉しかったけれども、出来ればもっと『Black Radio Ⅲ』収録曲をやって欲しかったです。

 

『Black Radio Ⅲ』に参加しているボーカリスト達全員を呼ぶことは無理だとしても、てっきり僕はDJのジャヒ・サンダンスが参加していたのでボーカル部分だけサンプリングで使うんだとばかり思っていました。

 

『Black Radio Ⅲ』は前2作品よりもジャズやヒップホップの要素が薄まったものの、よりネオ・ソウルな要素が強くなっていたので僕としては自分のやりたい音楽性にとても近くって気に入っています。

 

その中でも”Black Superhero”や”Shine”に”Over”といった歌メロがしっかりしている曲がとくに好きになれたので今回のライブで聴けないものか⁉と期待していました。

 

残念ながらどの曲も演奏してくれなかったのですが、もしかしたら<LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL>では披露してくれるのかもしれませんね。

 

あぁ…でもせめてバックの演奏だけでも生で聴きたかった…。

 

もうひとつ残念なことに、会場に行けば『Black Radio Ⅲ』のTシャツが売っているかな~?と期待していたのですがCDやLP盤しか売ってなかったです。

 

Tシャツ欲しかった…。

 

以上、【2022年5月11日(水)ビルボードライブ大阪にてロバート・グラスパーの来日公演を観てきました。】でした。

 

このブログでも過去に『Black Radio Ⅲ』について多少批判的なことを書いてはいましたが、今のところ今年出た新作では一番好きなアルバムです♪

 

というのも先に挙げた”Black Superhero”、”Shine”、”Why We Speak”、”Over”といった楽曲が素晴らしかったからです。

 

今回のライブで聴くことが出来なかったのは残念でしたが、しかしロバグラの生演奏は終始素晴らしかったので満足出来ました。

 

また近いうちに『Black Radio』シリーズの4作目もリリースしてもらって来日をしてくれることを期待したいです。

 

 

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