
2021/12/29
【初心者必見!】音作りから奏法まで ネオ・ソウル・ギターの弾き方まとめ
音作りから奏法まで~ネオ・ソウル・ギター入門!
初心者さんや演奏スタイルを変えてみたい方へ
これまでにこのブログで何度かネオ・ソウル・ギターに関する記事を書きました。
特に先日書きました【絶対に聴くべき海外のおすすめネオ・ソウル・ギタリストまとめ】は、かなりのボリュームある記事となりました。
絶対に聴くべき海外のおすすめネオ・ソウル・ギタリストまとめ
ぜひとも今回のこの入門編の記事を読み終えたら上記のブログ記事も読んで頂きたく思います。
これまでのブログ記事では、僕がおすすめしたいネオ・ソウル・ギタリストのご紹介や教則本のご紹介ばかりでした。
ここでもっと基礎に戻って…今回はネオ・ソウル・ギターの弾き方について僕自身が研究した内容をまとめてご紹介したいと思います。
実際に僕自身が研究したネオ・ソウル・ギターの弾き方をご紹介します。
そもそも僕自身が2020年8月からこれまでのギターの演奏スタイルを変えてネオ・ソウル・ギターを中心に弾くようになりました。
それまではブルースやジャズ・ファンクのような熱く勢いのあるギター演奏が好きだったのですが、ちょうど2017年辺りにYouTubeでケリー・”2スムース”・マーシャル(以降:ケリー・2スムース)のレッスン動画を観たのがきっかけでした。
その頃からネオ・ソウル・ギターのスタイルで自分もギターを弾いてみたいとは思っていたのですが、当時の僕はちょうどジャズ・ファンク系のバンドをやっていて、そういったジャズ・ファンクをよく演奏するセッションに通いつめたりしていました。
一応2018年にはこのブログでもご紹介しておりました『The Neo-Soul Guitar Book』を買ってはいたのですが…あまり練習していませんでした。
しかも2018年3月~2020年7月の間、それまで通っていたギター・レッスンをやめてもいました。
それから2年程経ってしまったのですが…ようやく2020年8月からギター・レッスンを再開することになり、そこでネオ・ソウル・ギターを一から教えてもらうことにしました。
今回は実際に演奏スタイルを変えてみた僕がこれまでに自分で研究したネオ・ソウル・ギターの弾き方を文章にしてご紹介したいと思います。
奏法自体は新しくない!? 新しさはその演奏スタイルにあり!
ネオ・ソウルというジャンル自体はディアンジェロやエリカ・バドゥ達が90年代半ばからやっていた音楽から始まったと言えます。
なので既に30年近く前からあるジャンルなんですよね。
初期の頃のネオ・ソウルはどちらかというとギターよりもエレピの方が主体の音楽性でした。
しかし2010年代に入ってから徐々にネオ・ソウルにおけるギターの奏法が確立されていったように思います。
そもそも今回ご紹介するネオ・ソウル・ギターの奏法自体は「新しいテクニック」があるわけではありません。
2020年にギター・レッスンを再開して以来、僕も何度かステージに立たせて頂いたりしているのですが、その際に出会うプロ・ミュージシャンの方や一般の共演者の方からこう言われることが何度かありました。
「ネオ・ソウル・ギターやってるんだ。へ~今流行ってるからね。でもあの弾き方って別に新しくなくってデビTが昔からやってるよね。」…といったことをよく言われます。
そうです、デイヴィッド・T・ウォーカー(以降:デビT)が弾いていた奏法を発展させたのが近年のネオ・ソウル・ギターの基だと言うことは僕も重々承知しております。
ただ「奏法の新しさ」が重要なのではなくって、その「演奏スタイルの新しさ」にこそ目を向けるべきです。
ギターの奏法なんて半世紀以上前にほとんどが出尽くしています。
ウェス・モンゴメリーが一般的に有名にしたオクターブ奏法も、ウェスが発明したわけではありません。
下積み時代のウェスが地元のブルース・ギタリストが弾いていたのを真似したことから始まっています。
T-ボーン・ウォーカーが発明したと言われる「ペンタトニック・スケールだけでブルースのソロは弾ける!」といった今では当たり前の奏法も、本当のところは誰が最初にやりだしたのかは定かではありません。
しかしT-ボーン・ウォーカー自身は、自分が最初にやり始めたと豪語していたようで、そのため「モダン・ブルース・ギターの父 」等と呼ばれるようになっています。
誰が最初にやり始めたのか本当のところはわからないのですが、この奏法を編み出した人が重要なのではなく、その演奏スタイルを有名にしたのがT-ボーン・ウォーカーだということの方が重要です。
エディー・ヴァン・ヘイレンがライトハンド奏法(タッピング奏法)をエレキギターに取り入れたことでその奏法が一般にも有名になりましたが、タッピング自体はマヌーシュカ・ジャズの奏者達がその30年近く前からガットギターで弾いていました。
ブルース界隈でもB.B.キングの従兄弟ブッカ・ホワイトがリゾネーターギターでタッピングしていました。
タッピングという奏法がいつ誕生したのか?ということよりも、ヴァン・ヘイレンの登場で一般にもその演奏スタイルが有名になったことの方が重要だと僕は考えています。
なので、ネオ・ソウル・ギターにおいても奏法よりもこういった演奏スタイルが流行のジャンルにまでなったことの方が重要です。
デビTの演奏はよっぽどR&Bスタイルのギター演奏が好きな人ではない限り出会うことはあまりないと思います。
しかしトム・ミッシュがヒットしたことも手伝って、近年ではネオ・ソウル・ギターのスタイルで演奏する人たちがかなり増え一般の音楽好きの人にまで浸透したように思えます。
「奏法の新しさ」ではなく「演奏スタイルの新しさ」があったからこそここまでブームになったのでしょう。
新しいテクニックの発明ではなく、既存の奏法を混ぜ合わせて「新しい演奏スタイル」が誕生したのがネオ・ソウル・ギターだと思います。
というわけで、今回はその演奏スタイルについて僕なりに研究してみた結果をまとめてご紹介します。
ネオ・ソウル・ギターに使われる奏法
まずはネオ・ソウル・ギターの奏法について書きまとめてみたいと思います。
先ほどまで「奏法の新しさ」は重要ではないと言ってはいましたが、奏法そのものは重要なテクニックばかりです。
あくまで「新しさ」が重要ではないということです。
ここでご紹介するネオ・ソウル・ギターの奏法は全てこれまでに他のジャンルでも演奏されているテクニックばかりになります。
奏法自体に「新しさ」はありませんが、その組み合わせによる「演奏スタイル」はこれまでになかった新しいものになります。
既存の奏法ばかりでもその組み合わせが大事なんです。
それでは主な奏法をご紹介いたします。
コードのテンション・ノートをダブルスラー
これが最もネオ・ソウル・ギターらしいプレイだと言えます。
デビTがバッキングでよく演奏していた奏法です。
この奏法が特徴的だからこそネオ・ソウル・ギターは「デビTが過去にやっていた演奏でしょ?」と言われる原因だとも言えます。
しかしデビTがあくまでバッキング時に使用するのに対してスパンキー・アルフォードやケリー・2スムースなんかはギターソロ時にもこの奏法を使います。
主な弾き方として、5度の音も押さえた5弦ルートのメジャー・セブンスやマイナーセブンスを弾く際に小指で1、2弦を「ピロリ~ン♪」とはじく弾き方です。
これを1回のピッキングで行います。
コードのテンション・ノート(9thや11thなど)を狙ってハンマリング・オン→プリング・オフを1回のピッキングで弾きます。
このハンマリング・オン→プリング・オフを同時に弾くことをダブルスラーと呼びます。
デビTは主に1,2弦でこのダブルスラーを弾くことが多いですが、スパンキー・アルフォードやケリー・2スムース等は更に3、4弦でも同じ様にダブルスラーを弾きます。
特にマイナー・セブンスを弾く際には、マイナー・ペンタトニックの音も併せて、一気に1~6弦までダブルスラーを弾くこともあります。
更にはブリッジ・ミュートをして音を短く切って弾くこともあります。
この辺がデビT時代の旧R&Bの演奏スタイルとネオ・ソウル・ギターの演奏スタイルの違いだと言えます。
またデビTは主に5弦ルートのコードを弾く際にこのダブルスラーを弾いていましたが、近年のネオ・ソウル・ギターでは5度の音を省いたルート・3rd・7thだけのジャズでよく使われるコードでもダブルスラーを弾くことが多いです。
クラウドコードの”Bonjour”でそのスタイルを聴くことができます。
デビTよりも近年のネオ・ソウル・ギターのスタイルの方がよりジャズの要素が濃いのも特徴です。
他にもクラウドコードの”Bonjour”にもでてきますが、ケリー・2スムースやジーン・カベラ等は6弦ルートのマイナー・セブンスを弾く時にも小指で1,2弦をダブルスラーで弾くことがあります。
少々指のストレッチが大変ではありますが、これを真似する時は無理をせず薬指で押さえている5度の音を弾かないという手もあります。
コードのダブルスラーの種類が豊富なのもネオ・ソウル・ギターの特徴ですね。
多彩なダブルストップ
ダブルストップとは、2つの音を1回のピッキングで同時に弾く奏法のことです。
これはネオ・ソウル・ギターだけでなく、ジャズやブルースにロック等様々なジャンルで用いられている重要な奏法です。
しかしそれぞれの演奏スタイルによって弾き方が変わってくるのもダブルストップの特徴です。
ネオ・ソウル・ギターではそれこそデビTが弾いていた様なR&Bスタイルのダブルストップを使うことが多いです。
デビTが4thアルバムの1曲目”Never Can Say Good-bye”で弾いていたあのサビ部分のダブルストップです。
こういったダブルストップはメジャー・セブンスやマイナー・セブンスのコードで弾きます。
R&Bのオブリガードではよく使われる奏法ですね。
これだけでなくネオ・ソウル・ギターではマイナー・ペンタトニックを弾く際に構成音をダブルストップで弾くこともあります。
その時は一緒にブリッジ・ミュートをして音を短く切りながら一気にレガートで弾くことが多いです。
また7thコードの時に使えるコーネル・デュプリー風の6度音程を用いたダブルストップもネオ・ソウル・ギターで使われています。
リズミカルに音を切るブリッジ・ミュート
ネオ・ソウルの特徴としてJ・ディラ風のクールなヒップホップのビートが曲で使われていることが多くあります。
そのため細かいビートに合わせたリズミカルな演奏が必要です。
そこでピッキング時に短く音を切ることができるブリッジ・ミュートも必須のテクニックになります。
これはギターソロを弾く時だけでなく、コードのテンションをダブルスラーする時も、メロディーラインを弾く時も、曲のテーマとなるリフを弾く時も、ダブルスラーを弾く時も使うのがネオ・ソウル・ギターの特徴です。
ネオ・ソウル・ギターを弾く時は基本的にリバーブを掛けっぱなしにしていることが多いため、ブリッジ・ミュートの音がよく響き渡ります。
もちろん演奏する際にずっとブリッジ・ミュートでばかり弾いていてはダメですよ。
普通のピッキングと混ぜ合わせて弾くことで効果が発揮されます。
しっかりと弾くタイミングを見極めた使い分けが重要です。
ちなみにブリッジ・ミュートはチョーキングやチョッパーと同じく和製英語で、海外ではパーム・ミュートと言われています。
チョーキングがベンドでチョッパーはスラップです。
“palm”とは「手のひら」の意味です。
実際には手の甲で押さえるのですが、英語圏ではパーム・ミュート呼びます。
海外のギター教則本で”palm”と書かれていたら、その個所はブリッジ・ミュートして小刻みに弾くということです。
小刻みなスタッカート
先ほどのブリッジ・ミュートと連動して使うことの多いテクニックです。
ギター演奏におけるスタッカートは、ピッキングした後に押弦している左指を弦を押さえたまま力を弱めて弦を「触っているだけ」の状態にすると鳴っている音を切ることができます。
他のジャンル、ロックやブルースでも使う基礎的なテクニックではありますが、それらのジャンルの時とは音を切るタイミングが違います。
リズムのタイミングを言葉で説明するのはなかなかに難しいのですが…ネオ・ソウル・ギターにおけるスタッカートはヒップホップ系のビートに乗せた小刻みな形になります。
ネオ・ソウル系のギタリストで僕が特にスタッカートが上手いな~と思うミュージシャンは、メラニー・フェイとティアナ・オハラです。
どちらも女性ギタリストなのですが、彼女らの音の切り方はとても「現代風」です。
もはや世代によるものなのか?と思えるぐらいにあの雰囲気を出すのは難しいのですが、おそらく小さい頃から当たり前にヒップホップを聴いてきた結果のリズム感だと思えます。
例えばティアナ・オハラの”Comfort”という曲があるのですが、こちらの動画をぜひ観てください。
フィンガー・ピッキングによる演奏ですが、音の切り方が独特でとてもかっこいいです。
このスタッカートこそネオ・ソウル・ギターの雰囲気ですね♪
ハイブリッド・ピッキング
こちらも近年のネオ・ソウル・ギターに必須のテクニックになります。
これはピックを使ったピッキングとフィンガー・ピッキングの2種類を同時に弾く奏法です。
コードを演奏する際に、親指と人差し指でピックを持ち5、6弦のベースラインを弾きます。
その時に残りの中指と薬指で2~4弦のメロディーラインを弾くのがハイブリッド・ピッキングです。
関口シンゴさんの代表曲”North Wing”なんかは冒頭からC△7(9th・13th)を弾く際にこのハイブリッド・ピッキングを用いて弾いています。
そして次の6弦ルートのBm7を弾く際にダブルスラーと併せてハイブリッド・ピッキングを弾いています。
このハイブリッド・ピッキングを上手く使いこなすことでフィンガー・ピッキングの温かみのあるトーンを曲の途中で付け加えることができます。
またネオ・ソウル・ギターは独奏で曲を演奏することもあるのでこのハイブリッド・ピッキングが重要になってきます。
ティアナ・オハラやミア・ガルシアにミラン・リングといった女性ネオ・ソウル・ギタリストがよく使う奏法でもあます。
その辺のお話は下記のブログ記事を参照してください。
今聴くべきおすすめの女性ネオ・ソウル・ギタリストたち
レガート!レガート!レガート!
このタイトルはジャック・ガーディナーの動画を真似してみました。
ネオ・ソウル・ギターのギターソロはスムース・ジャズ・ギターに似た弾き方をすることが多いです。
ジョージ・ベンソンを祖とするこのスムース・ジャズ・ギターではメジャー・スケールやペンタトニック・スケール+1を弾く際にクロマチック(半音)のフレーズを多用して一気にフレットボード内を駆け巡る弾き方をします。
それは6連フレーズのみならず7連や8連と瞬く間に音を繋ぐ弾き方です。
息つく間もないような流麗なレガート奏法を使うことでオシャレなギターソロを演出することができます。
コードをスウィープで一気に弾く
スウィープと言えばイングヴェイ・マルムスティーンの様なテクニカルな奏法が真っ先に思いつきますね。
1回のピッキングでスケールの音を一気に弾く奏法で、速弾きギタリストには必須のテクニックになります。
しかしネオ・ソウル・ギターにおいては「最悪できなくっても良い奏法」の1つです。
しかもメタル・ギタリストやジャズ・ギタリストの様なテクニカルなスウィープは必要ありません。
デビTがよくやるコードを弾く際に一気にダウンピッキングで1弦まで弾くスウィープができればOKぐらいです。
スウィープを上手く弾きこなすのはかなり難しいので、弾けなくってもいいテクニックですが弾けたらかっこいいです♪
チョーキングではなく細かいスライド
基本的にチョーキングはあまり弾きません。
といっても、スパンキー・アルフォードやケリー・2スムースなんかはチョーキングを多用するので「絶対に使ってはいけない!」ということもないです。
もちろんトム・ミッシュもチョーキングはします。
しかしそれよりも重要なのがスライドです。
チョーキングで半音~1音上げるのではなく素早いスライドで半音~1音上げるようにしましょう。
ネオ・ソウル・ギターのギターソロで頻出するのがペンタトニック・スケールを弾く際に人差し指を軸にした1回のピッキングで薬指で1音上をハンマリングしてそのまま半音分スライドしてすぐに元の音程に戻して薬指をプリングする弾き方です。
トム・ミッシュがよくこの方法で弾いています。
また人差し指だけで1音スライドして元に戻す弾き方もします。
チョーキングをするとどうしても古い演奏に聞こえてしまうのですが、このスライドで弾く奏法だと同じ演奏でもオシャレに聞こえます。
なるべくチョーキングではなくスライドで弾くようにしましょう。
ちなみにギターソロ時だけでなく、ダブルストップを弾く際にも半音スライドをして元の音程に戻ることもよくやります。
またジャズのコード演奏でも多いのですが半音上や下から弾いて目的のコード音をスライドで弾く奏法もネオ・ソウル・ギターではよう使います。
ネオ・ソウル・ギターだと、コードを弾いた後に細かく半音スライドを行ったり来たりしてビブラートを掛けた様に弾くと今風でかっこいいです!
できたらかっこいい!タッピング
ヴァン・ヘイレンでお馴染みのタッピング奏法もネオ・ソウル・ギターで使うとオシャレになります。
これはボウ・ディアコウィックズがよくタッピングしながら弾いているので彼の演奏が一番参考になります。
ただしこのタッピングはスウィープ同様に上手く弾きこなすには、かなりのテクニックが必要となります。
なので、「弾けたらかっこいいけど弾けなくっても特に問題はない」奏法だと思っていてください。
上記の奏法を全てマスターして余裕ができましたらチャレンジ!ぐらいが良いと思います。
もしくはファンキーマンの様に、もともとハード・ロック系のギターを得意としていたテクニカルなギタリストさんであれば、弾くフレージングを変えるだけでネオ・ソウル風のタッピングはすぐに弾きこなせるようになると思います。
ネオ・ソウル・ギターを弾くためにおすすめのギター
次は使用するのにおすすめのギターをご紹介したいと思います。
とはいっても、極論を言えばちゃんとチューニングが合っていてしっかり音の出るエレキギターなら何でも良いと言えなくもないです。
まぁそれはネオ・ソウル・ギターに関してだけではなく、ロックやファンクでも言えることですからね。
なので「必ずこのギターを使用する!」といった感じではなく、「こういったギターを使っている人が多いですよ。」といった感じです。
ネオ・ソウル・ギターにおいてもフェンダーはおすすめです!
まずおすすめなのがフェンダーのストラトキャスターとテレキャスターです。
この2本はどんなジャンルにでも適している万能型のギターなのでどちらか1本は持っていた方が良いですからね。
僕自身は意外にもテレキャスターを一度も使ったことがないのですが…ストラトキャスターに関してはブルース・バンドをやっていた15年以上も前から使っています。
ストラトキャスターは本当に万能で、ネオ・ソウル・ギターにおいても役に立ちます。
どんなエフェクターとの相性も抜群ですからね!
ストラトのピックアップは、「フロント」「フロント+センターのハーフトーン」「センター」の3ポジションがおすすめです。
「リア」は歪ませてギターソロを弾く時に使いましょう。
「フロント」は温かくメロウな音で弾きやすく、「フロント+センターのハーフトーン」だとジョン・メイヤーの様な繊細なトーンで弾くことが出来ます。
また「センター」だとスパンキー・アルフォードやアイザイア・シャーキーの様なパキッとしたトーンで鳴ります。
意外とファンクやブラコン系の音楽を演奏する際はこの「センター」のトーンが適していることが多いです。
それは同じブラック・ミュージックのネオ・ソウル・ギターでも適しているということになります。
テレキャスターの場合も「フロント」か「センター」がおすすめです。
ちなみにジャズマスターもおすすめのギターです。
近年のネオ・ソウル・ギターを代表するトム・ミッシュがジャズマスターを試奏している動画があります。
この動画内でトム・ミッシュが弾いているギターはアメリカン・オリジナル・60sのジャズマスターのアイス・ブルー・メタリック・カラーのものです。
もちろんこのジャズマスターと同じくジャガーもおすすめのギターになります。
まぁ極論を言ってしまえば、フェンダー系のギターならどれもネオ・ソウル・ギターに適していると言えなくもないですね。
ネオ・ソウル・ギターを弾くならフルアコよりもセミアコ!?
箱モノギターに関しては…
初期のディアンジェロのバンドでギターを弾いていたスパンキー・アルフォードなんかはフルアコのギターを使って直アン(エフェクターを使わずアンプにギターだけ直接つなぐ)で弾いていたのですが、近年のネオ・ソウル・ギターはエフェクターを数多く使うのが定番です。
なのでフルアコはあまりおすすめできません。
箱モノはセミアコぐらいが良いと思います。
僕もES-335を持っているのですが、セミアコだと「センター」のピックアップがおすすめです。
セミアコで「フロント」を弾くとネオ・ソウル・ギター特有のダブルスラーを弾く際に少し音がこもってしまう気がします。
「センター」だとはっきりと1音1音を主張できると思います。
近年のネオ・ソウル・ギターにはディアンジェリコのソリッドがおすすめ!
フェンダーとギブソンが登場しましたが、ディアンジェリコもおすすめのメーカーになります。
ディアンジェリコと言えば過去のイメージでは「いぶし銀のジャズ・ギタリストが使う渋いギター」といった印象を受けますが、2011年よりモダンなソリッド・ギターが続々とリリースされています。
ディアンジェリコのソリッド・ギターで一番おすすめなのは、デラックス・アトランティックがおすすめです。
ディアンジェリコのデラックス・アトランティックを使用している演奏動画としては、アイザイア・シャーキーのYouTube動画が参考にまります。
ピックアップ・セレクターを「センター」にしてコイルトーンのノブを2つとも手前にしてシングルコイルの設定にしています。
この設定が一番モダンなトーンで鳴ります!
もちろんソリッド・ギターなのでエフェクターとの相性も良いです。
ディアンジェリコのソリッド・ギターに関しては他にも様々な種類が出ていますので、このデラックス・アトランティック以外でもご自身にあったギターを探してみてください。
他にもデラックス・アトランティックだけにこだわりがあるわけではなく、次はBedford(ベッドフォード)というモデルがおすすめです。
最新のディアンジェリコのソリッド・ギターであればどれでもネオ・ソウル・ギターに合うと思います。
ストラトもそうなのですが、このベッドフォードにはアームを付けることができます。
ネオ・ソウル・ギターにおいてもアーミングができると演奏の幅が広がりかなり役立ちます。
デラックス・アトランティックの唯一の難点はアームがないことです…。
なので次回はベッドフォードを買いたいと思います。
最近の米国ではフェンダーに次いでディアンジェリコのギターが大変人気だそうです。
なんとギブソンを抜いて2番目に人気があるみたいです!
時代は変わるものですね。
ディアンジェリコ好きの僕としては喜ばしいことですが♪
アイバニーズ『AZ2204』
関口シンゴさんやリューベン・ウォンが使用しているアイバニーズの『AZ2204』シリーズもネオ・ソウルにおすすめのギターです。
ストラトと似たデザインのギターで、リア・ピックアップがハムバッカーやダブルコイル・ピックアップになっています。
もちろん透き通るようなクリーントーンやエフェクターとの相性も良いギターです。
ストラトよりも更に現代的なデザインに見えますね♪
PRS『Silver Sky』
ジョン・メイヤーのシグネチャー・モデルであるシルバー・スカイもおすすめです。
そもそもPRSのギター自体がクオリティーの高いものばかりなのでどのギターでもおすすめではあるのですがね…。
でもやはりジョン・メイヤーが使っているということでこのシルバー・スカイをぜひとも選びたいところです。
ケリー・2スムースがこのシルバー・スカイをよく使っています。
おすすめのギターアンプの設定
今年は井草聖二さんが表紙を飾った『Acoustic Guitar Book 53』が発売されたことでアコギで弾くネオ・ソウル・ギターが日本でも広く認知されることになりました。
アコースティックなネオ・ソウルと言えば、古くはインディア・アリーがいますが…コーニャ・ドスの”Tell Me Why”やミュージック・ソウルチャイルドの”Halfcrazy”といった曲も古くから存在しています。
しかしやはりネオ・ソウル・ギターと言えばエレキで弾くものが圧倒的に主流だと言えます。
ということは…エレキギターはギターアンプなくしては正確な音を出すことができません。
ギターアンプの種類はクリーントーンが綺麗ならどれでもOK
ネオ・ソウル・ギターを弾く際のアンプなのですが、日本のスタジオやライブハウスに良く置いてあるフェンダーのツインリバーブやローランドのJC-120(ジャズコ)にマーシャルのJCM2000ならどれを使ってもOKです。
クリーントーンが綺麗に出るアンプであればどれでも構いません。
「マーシャルのアンプは歪むけどクリーントーンが綺麗じゃない!」みたいに言う方もたまにいますが、おそらくそれはセッティングが良くないんだと思います。
JCM2000でもちゃんとセッティングすれば綺麗なクリーントーンは作れます。
ネオ・ソウル・ギターにおすすめなギターアンプのEQノブの設定
次にギターアンプのEQノブ(イコライザー・ノブ)の設定なのですが、そこまで凝った設定は必要ありません。
ご自身が最もクリーンだと思う音に設定するのが一番だと思います。
これは必ずしも真似する必要はないのですが…参考までに僕のセッティング例を書いてみます。
それぞれのノブの最大値を10とした場合です。
●Mastre Volume 8
●Volume 6
●Gain 1~2
●Treble 8
●Middle 6
●Bass 4
これはトモ藤田さんのセッティングを真似しています。
ギターアンプ側のマスターのボリュームを大きめにして、ギターのボリュームを7~8に抑えて弾いています。
そうすることでハイがキンキン鳴ることを防いでいます。
またギター側のボリュームを全開にすると逆に音抜けが良くなくなることもあるので、ギター側のボリュームを抑えてアンプ側のボリュームを大きくしています。
ただしギターソロを弾く際にブースターだけでは音量調整が上手くいかなかった場合にギター側のボリュームを最大にすることもあります。
Gainについてなのですが、たとえクリーントーンであっても「多少の歪み」は必要です。
これを付け加えることによって適度なサスティーンを得ることができ、音が膨よかになります。
クリーントーンにするとギターの音が細いと感じている場合の原因は意外とこのGainを設定していないことだったりします。
マーシャルのアンプだけ注意が必要なのですが、マーシャル・アンプでクリーンチャンネルを使う際はこのGainがMaster Volumeの様な扱いになっていることがあります。
マーシャルのアンプで上手くクリーントーンが作り出せない原因もこのGainの設定だったりします。
物にもよるのですが、もしマーシャルのアンプを使っていて音が細くなる場合は思い切ってGainを上げてVolumeを下げてみると上手くいくことがありますよ。
TrebleとMiddleとBassは、高音高めの低音低め設定です。
Trebleを抑えてしまうと音がモコモコになってしまい、ネオ・ソウル・ギターで一番の特徴でもあるダブルスラーが1音1音はっきりと聞こえなくなってしまいます。
なのでアンプ側のTrebleを上げて、ギター側のトーンを7~8ぐらいに絞るとちょうどよくなります。
ギター側のコントロールはボリュームもトーンも全開にはしないでおきましょう。
7~8ぐらいがちょうど良いです。
中音域は非常に大事な音域でもありますが、アンプ側のMiddleを上げすぎるとこれまたモコモコしたサウンドになりすぎてしまいます。
半分よりも少し高い6ぐらいがちょうど良いです。
Bassは抑えましょう。
マーシャルのアンプとかでしたら1~2ぐらいでも良いです。
ここを上げすぎると重低音が鳴り響き、耳が痛いサウンドになってしまいます。
特にバンドで演奏する際なんかは低音はベーシストに任せて、ギターはなるべく低音をカットしましょう。
もちろんメタル・バンドの方は別ですよ。
その場合は音楽性に合った低音をガンガン鳴らしてください!
以上が僕のおすすめのギターアンプのセッティングでした。
ネオ・ソウル・ギターで使う定番のエフェクター
ネオ・ソウル・ギターではエフェクターを多用します。
もちろんご自身の目指すサウンドがはっきりとしているのならここでご紹介するエフェクターのみならず、どんな種類のエフェクターを使っても良いと思います。
しかし今回は僕自身も使っている定番のエフェクターに絞ってご紹介したいと思います。
リバーブ
リバーブは必須です!
例えば自宅で個人練習する際にエフェクターが使えない状況でも、なるべくリバーブ付きの小型アンプを使って練習するようにしましょう。
「リバーブを使って練習をしているとクリーンで弾いた時に下手になる!」という話を僕も聞いたことがありますが、そんなことはないです。
それはジャンルによります。
ストレート・アヘッドなジャズ・ギターならリバーブを使わない方が良いですが…
ネオ・ソウル・ギターの場合はむしろリバーブの扱いに普段から慣れていた方が良いので練習の際は必ず使いましょう。
エフェクターが使える状況ならリバーブだけは何が何でも持っていくのを忘れないように!
リバーブといっても最近のエフェクターは多機能で色んな種類を設定できますが…ネオ・ソウル・ギターでは基本はspringを使いましょう。
hallやplateも綺麗な音が出ますが、ハイブリッド・ピッキングの様にフィンガー・スタイルで弾いた時にスプリング・リバーブを使うと「チャッ♪」と小気味良いバネ音が鳴ります。
これがかっこいいのでぜひともspringで使ってください。
ディレイ
最近僕もディレイの重要さに気づきました。
ネオ・ソウル・ギターではリバーブは常にかけているのが当たり前の状態なのですが、併せてディレイも使うと更に奥行きのあるサウンドを作ることができます。
最近僕はギターソロ用と常時ON用のディレイを2つ使うことにしました。
常時ON用のディレイは浅めのショートディレイで使っています。
このショートディレイとリバーブが合わさるととても綺麗な音になります。
そしてギターソロ用のディレイは深めのエコー・サウンドにしています。
「自分のクリーントーンは音抜けが良くないのにプロのギタリストは音抜けがいいのはなぜだろう?」といった話を耳にすることがあります。
僕自身も過去によくそう思っていました。
僕ら素人ギタリストはどうしても「クリーントーン=直アンの音」と思いがちですが、プロ・ギタリストの方は意外とエフェクターを使った状態をクリーントーンと呼んでいたりします。
特にショートディレイとブースターを常時ONにしていることが多いです。
この2種類を使うことで音抜けが良くなります。
クリーントーンとはエフェクターを使わない直アンの音のことを言うのではなく、「ほとんど歪んでいないクリーンない音」のことです。
だからディレイやブースターを使って奥行を持たせた音もクリーントーンなのです。
コンプレッサー
コンプレッサーも使った方が良いです。
トム・ミッシュのあのサウンドもコンプレッサーありきの音です。
コンプレッサーを使って高音と低音の音量を一定に整えた方がダブルスラーの音が綺麗に鳴ります。
リバーブとコンプレッサーは常時ONにしておきましょう!
ブースター
コンプレッサーがない場合はブースターでの代用もOKです。
それどころかコンプレッサーとブースターをダブルで使うともっと良いです!
僕はバッキングを弾く時はブースターをOFFにして、メロディーラインやギターソロで単音を多く弾く時にブースターをONにしています。
オーバードライブ
オーバードライブもあると便利です。
ネオ・ソウル・ギターもギターソロを弾く際には多少の歪みがあった方がかっこいいです!
スムース・ジャズ・ギターの様な滑らかなオーバードライブ・サウンドが適しています。
ディストーション
ディストーションはオーバードライブがあれば必要ないかもしれませんが、パンチのあるギターソロを弾きたい時には使てください。
ケリー・2スムースはfギターソロを弾く時にRATを使ってかなり激しく歪ませていることがあります。
コーラス
ジーン・カベラはコーラスを使ってネオ・ソウル・ギターを弾いています。
しかしこれはなくっても問題ありません。
コーラスがあるとアルペジオが綺麗に聞こえたりするので「気分転換に使ってみた!」程度でも良いかと思います。
トレモロ
こちらもコーラスと同じく「あればサウンドの幅が広がる!」ぐらいの感覚で…。
使うとしてもちょっと音が揺れる程度の微弱なセッティングで使いましょう。
オートワウ
最近ではワウペダルよりもオートワウの方が人気です。
これはトム・ミッシュが多用するからというのが人気の理由だと言えます。
特にネオ・ソウル・ギターのスタイルでギターソロを弾く時はオートワウを使うと一気に「現代風」な音になります。
オクターバー
トム・ミッシュのオートワウい対してFKJが良く使っているのがオクターバーです。
特に低音を1オクターブ分プラスして倍音を鳴らすのがネオ・ソウル・ギターに適しています。
ダブルストップといい、ネオ・ソウル・ギターにおいては「倍音」も一つの特徴だと言えますね。
以上がネオ・ソウル・ギターにおすすめのエフェクターです。
リバーブとコンプレッサーはなるべく使った方が良いです。
ディレイも使いこなせるともっとサウンドに奥行きができます。
ギターソロを弾く時は、意外とオーバードライブやディストーションで歪ませるのも悪くないです。
でも僕の様にディレイをもう1つプラスしてアンビエントなエコーサウンドでギターソロを弾くのもおすすめです。
またオートワウとオクターバーは「飛び道具」として持っているとサウンドの幅が広がります。
コーラスやトレモロは「あると便利」ぐらいの認識で…。
フェイザーやフランジャーはあまり使うことはないでしょう。
しかしこれらのエフェクターも使い方によっては「新しいネオ・ソウル・ギターのサウンド」を作り出すことができるかもしれませんので、その辺は皆さんも研究してみてください。
以上、【初心者必見! 音作りから奏法まで ネオ・ソウル・ギターの弾き方まとめ】のご紹介でした。
ぜひこのブログ記事を参考にネオ・ソウル・ギターを始めてみてください。
もちろんここに書いていることはあくまでも「僕が研究した内容」ってだけなので「絶対!」ではありません。
この文章を参考に皆さん自身で自分のスタイルのネオ・ソウル・ギターを研究してみてください。
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