2019/03/17
プリンスのおすすめアルバム7選‼
プリンスのおすすめアルバム7枚をご紹介します。
多作なプリンスのアルバムからおすすめを選ぼう!
2016年に惜しくも亡くなってしまった80年代を代表するミュージシャンのプリンスのご紹介です。
僕はプリンスが一番ヒットしていた80年代にリアルタイムで聴いていた世代ではないのですが、しかし95年に初めて『The Gold Experience』を購入して以来ずっと好きで聴いてきました。
どちらかというとこのブログでは、ジャズやブルースに関するブログ記事が多めとはなっておりますが、僕はファンクも大好きです♪
なので、プリンスはお気に入りのミュージシャンです。
ところでプリンスは多作で知られるアーティストです。
生前の公式アルバムだけでも39作品も存在しています。
またレア音源やブートレグなども多数出回っており、これから初めてプリンスを聴くという時にどの作品から聴いたら良いのか?迷うと思います。
今後も2018年にリリースされた未発表音源『Piano and a Microphone 1983』のように、新たな発掘音源もリリースされていくことでしょう。
噂によると、今後100年毎年のように未発表アルバムをリリース出来るぐらいの音源が存在しているとか⁉
そもそも現役時代もレコード会社に「売り上げを考えてリリースは1年に1枚にしてくれ…。」と逆に制限をかけられるほどの多作ぶりでした!
普通は「そろそろ契約を消化するためにアルバムを制作してもらうぞ!」とレコード会社からプレッシャーをかけられるもんなんですがね。
それだけ多作でも、どの作品も変わらず高クォリティーなのがプリンスの凄いところです!
さて、今回はそんな数多いプリンスのアルバムの中から、僕が特に好きで思い入れのあるアルバムを7作品ご紹介したいと思います。
ちなみに初期のアルバムからは選んでいません。
初期のシンプルなプリンスも嫌いではないのですが、僕としては80年代後半頃からの、更にクォリティーが高くなった「ニュー・パワー・ジェネレーション」時代が好きなんです。
それにこの時期辺りから、バック・バンドの「ニュー・パワー・ジェネレーション」の演奏能力もあってか、「ジャズっぽい曲」が多くなっているからです。
また、あえて大ヒット・アルバムの『1999』と『Purple Rain』は選んでいません。
どちらも素晴らしいアルバムなのですが、あまりにもベタだっていうのもありますし、ポップ過ぎるという点も選ばなかった理由です。
今回選んだ僕のおすすめ作品は、どちらかというと多彩な曲調が収録されたアルバムばかりになります。
ファンクもあれば、ロックにジャズにR&Bにニュー・ジャック・スウィング、ラップもあればテクノやレゲェまで!
プリンスの多才さを存分に味わえる作品を選びました!
それでは、まずはご紹介したい作品群をご覧になってください。
個人的におすすめしたいプリンスのアルバム7作品♪
今回ご紹介するアルバムは下記の7作品に絞りました。
●『Sign o’ the Times』
●『Diamonds and Pearls』
●『Love Symbol Album』
●『The Gold Experience』
●『The Rainbow Children』
●『Musicology』
●『3121』
さて、なぜ「7枚」なのかと言えば、今回僕が選んだアルバムの一つ『Love Symbol Album』にも収録されている”7(セヴン)“という曲から取りました。
この”7″という曲はMVも制作された僕の好きな曲でもあります。
と言ったわけで、今回は「プリンスの7枚のおすすめアルバム」を簡単にですが1枚ずつご紹介したいと思います。
プリンスのおすすめアルバム7選‼
Prince – 『Sign o’ the Times』
プリンスの全盛期だった80年代からはこの作品だけ選びました!
あえて80年代の大ヒット・アルバムはあまり選ばないようにしたのですが、さすがにプリンス自身も認める最高傑作を外すわけにはいきません!
それはもちろん、プリンスの最高傑作ともいえる1987年の作品『Sign o’ the Times』です!
2枚組で全16曲収録の大作ですが、どの曲もクォリティーが高く、アルバム全体を通して聴いてても一切ダレることがありません。
特におすすめなのが……”Sign O The Times”や”Housequake”に”It”に”Hot Thing”なんかの、相変わらずのベースレス・ファンク曲がやはり圧倒的に素晴らしいです!
他にもゲストにシーナ・イーストンが参加してヒットした”U Got The Look”や、美しいメロディー・ラインを持つ”Starfish And Coffee”にスライ&ザ・ファミリー・ストーンのようなクールなファンク・バラード”If I Was Your Girlfriend”などもおすすめです♪
Prince – 『Diamonds and Pearls』
1991年の「ニュー・パワー・ジェネレーション」時代の幕開けを告げるような作品『Diamonds and Pearls 』です。
80年代の楽曲よりも、より生々しい演奏による質の高いサウンドになったのがこの時期からです。
タイトル・トラックのバラード曲”Diamonds And Pearls”や、全米No.1シングルになったポップなファンク曲”Cream”に、当時流行っていたニュー・ジャック・スウィング風の”Gett Off”、ファンキーな”Push”など良い曲満載です♪
また”Strollin'”と”Willing And Able”と”Money Don’t Matter 2 Night”のジャジーな3曲は東京でレコーディングされています。
ジャズ風の曲を日本で録音したというのが興味深いですね。
Prince – 『Love Symbol Album』
プリンスが最初の奥さんマイテと結婚していた頃の公私ともに充実していた1992年の作品『Love Symbol Album』です。
アルバム・タイトルは、本来は男性マークと女性マークを合わせたような、あのプリンス独自のシンボル・マークなのですが、発音不可能なため『Love Symbol Album』と呼ばれています。
ロックやファンクだけに留まらず、多彩なジャンルの曲をアルバムに収録することの多いプリンスなのですが、本作は特に色んなジャンルの曲が登場します!
アルバムは、ラップ調の”My Name Is Prince”で始まり、ジェームス・ブラウン風のファンク”Sexy M.F.”、バラード曲の”The Morning Papers”にニュー・ジャック・スウィングな”The Max”、まさかのレゲェ曲”Blue Light”にプリンスがファルセットで歌う”Sweet Baby”など本当に多彩です♪
今回7作品の「7」という数字を選んだ理由となった曲”7″も本作に収録されています。
本作からは数多くのMVが制作されていて、そのほとんどにマイテが出演しています。
そんな中で僕が一番好きな曲は3曲目の”Love 2 The 9’S”です。
ジャジーなギターのイントロで始まり、プリンスがオシャレにファルセットで歌う曲です。
MVに登場するマイテがあまりに美人過ぎて、観ている方が「ドキッ」とさせられるので必見です!
この頃の幸せそうなプリンスが特に好きでした。
しかし幸せな時は長くは続かないものです。
ちなみにプリンスが亡くなった2016年4月21日に僕の好きなバンドのザ・ニュー・マスター・サウンズが、その日のライヴで追悼曲として急遽”Sexy M.F.”をインストでカヴァーしていました。
歌メロ部分は、その日のライヴにゲスト参加しているサックス奏者が吹いていました。
Prince – 『The Gold Experience』
僕が初めてリアルタイムで買ったプリンスのアルバム『The Gold Experience』です。
この作品が発売された1995年当時のプリンスは、 『Love Symbol Album』のアルバム・タイトルに使われていた発音不可能なあのシンボル・マークに名前を変えていた頃です。
プリンスがデビュー時から所属していたワーナー・ブラザース・レコードとのいざこざで、あえて発音不可能なアーティスト名にしたらしいです。
その頃は、【The Artist Formerly Known As Prince(ジ・アーティスト・フォーマリー・ノウン・アズ・プリンス)】と無理やり呼ばれていました。
直訳すると「かつてプリンスと呼ばれたアーティスト」という意味ですが、海外では”The Artist(ジ・アーティスト)“と、日本では「元プリンス」と呼ばれることが多かったです。
そんなよくわからない状況に陥りながらも、作品のクォリティーが一切落ちないのがプリンスの凄いところです!
それどころか、この後もプリンスの作り出す音楽の数々は素晴らしいものばかりです!
しかしこの時期辺りからヒット・チャートから遠ざかるようにもなります。
それは楽曲の質の低下とかではなくって、どうしても大手のレコード会社を離れたためプロモーション不足が原因だったと思われます。
現に本作に収録されている楽曲は、どれも捨て曲なしの質の高いものばかりです!
K-1グランプリのGPテーマ曲に選ばれたハード・ロックな”Endorphinmachine”や、艶めかしいバラード曲の”Shhh”、分厚いコーラスがクセになる”We March”やシングル・カットされた美しいバラード曲の”The Most Beautiful Girl In The World”とキャッチーな”Dolphin”など、どれも良い曲ばかりです♪
どの曲も素晴らしいのですが、特にアルバム終盤に収録されている2曲のシングル曲”I Hate U”と”Gold”の出来は突出しています!
“Gold”は、かつての名曲”Purple Rain”を彷彿させる曲調です。
歌が終わった後にプリンスのギターソロがあるのですが、その構成が”Purple Rain”風です。
また歌詞も素晴らしく、「もし年を取らないのだとしたら、若いってことになんの価値があるの?」という部分は、当時まだ中学生だった僕の心に響きました!
初めてプリンスの存在を知った時、僕はてっきり「年を取ること」に否定的な人だと勘違いしていたのですが、この曲の歌詞を見てその思想の深さに感銘を受けました。
命は限りあるからこそ素晴らしく、だからこそ必死で生きる価値があるんだと感じます。
もし永遠に生きられるのだとしたら、人間は努力を止めてしまい、何もしなくなるでしょう。
文明や歴史が存在するのは、過去に亡くなっていった人々が必死で生きた証なのです。
プリンスは、中学生だった頃の僕に多くのことを教えてくれました。
この曲を聴いて以来、僕はずっとプリンスのファンです♪
ちなみにジョジョの奇妙な冒険の第5部の主人公ジョルノ・ジョバーナのスタンド名「ゴールド・エクスペリエンス」の名前はこのアルバムから取られています。
それと、2000年代に入ってからベースにロンダ・スミスとドラムにジョン・ブラックウェルが参加したバンド編成で”Shhh”を香港の野外ステージで演奏したライヴ映像があるのですが、その時のプリンスのギターソロが最高でした♪
Prince – 『The Rainbow Children』
僕が一番好きなプリンスのアルバムがこの2001年にリリースされた『The Rainbow Children』です。
このアルバムから「元プリンス」ではなく通常の「プリンス」に名前を戻しています。
なぜこのアルバムが好きかというと、ドラムに凄腕のジョン・ブラックウェルが参加しているからです。
そのためなのか?ジャジーな雰囲気を持った楽曲が多数収録されています。
パーラメントのような低音ボイスの語りから始まる1曲目の”Rainbow Children”からさっそくジャジーな曲調です。
しかしそれだけでなく、ファンキーな曲も満載です♪
“The Work Pt.1″や”1+1+1 Is 3″に、スライ&ザ・ファミリー・ストーンを意識したかのような”Family Name”やジョン・ブラックウェルのドラムが大活躍する”The Everlasting Now”など、ファンキーな曲の出来の良さも目立ちます♪
他にもシングル・カットされた”She Loves Me 4 Me”や”Last December”のような美しいメロディー・ラインを持つ楽曲も聴きどころです。
インスト・ナンバーの”The Sensual Everafter”では、サンタナを敬愛するプリンスが、サンタナからモロに影響を受けたようなギターソロを弾いています。
打ち込みやデジタル音がなくなって、より生演奏に力を入れたこの作品が僕の中ではプリンスの最高傑作です。
この路線でずっと続けて欲しかったところです。
Prince – 『Musicology』
長い間ヒット・チャートから遠ざかっていたプリンスが、2004年にヒットさせた名作『Musicology』です。
アース・ウィンド&ファイアーやJBズを彷彿させるファンク・ナンバーの”Musicology”もシングル・カットされて当時の音楽シーンを賑わせました。
元JBズの名サックス奏者のメイシオ・パーカーや、以前から何度か共演経験のある美人サックス奏者のキャンディ・ダルファーもこの当時のプリンスのツアーに参加していました。
その編成で様々なTV出演なんかも行っています。
プリンス流の奇抜なメロディー・ラインを持つファンク曲”Illusion, Coma, Pimp & Circumstance”やロックでかっこいい”A Million Days”に”Cinnamon Girl”、キャンディー・ダルファーがコーラスでも参加したファンク曲”Life ‘O’ The Party”、そして当時流行っていたネオ・ソウル風の”Call My Name”など、名曲目白押しです。
この時期のプリンスはMV制作にも気合が入っていて、テロの影響によるイスラム人全般への不当な偏見を訴えかけた社会派の”Cinnamon Girl”は感動的です。
また同じくシングル・カットされMVも制作された”Call My Name”は、ディアンジェロやエリック・ベネイにジャヒームとかが歌いそうなネオ・ソウル風の曲調なのですが、そもそも彼らに音楽的影響を与えたのはプリンスの方です。
そのプリンスが逆に彼らから影響を受けたような曲を作るのは興味深いのと共に、プリンスがくだらないプライドや偏見を持たずに「新たな音楽を常に受け入れる」前向きなミュージシャンであることを示しているかのようでした。
この曲を聴いた当時の僕は、進化を止めないプリンスというミュージシャンの懐の深さに再度感銘を受けました。
『Musicology』は、まさにプリンスによる「音楽の百科事典」ですね♪
Prince – 『3121』
2006年にリリースされたこの『3121』は、プリンスにとって久しぶりに全米No.1アルバムとなった大ヒット・アルバムです。
もちろんヒットしたのも納得の高クォリティーの作品です!
アルバムからの第一弾シングルに選ばれたのは、意外にもスパニッシュなバラード曲”Te Amo Corazón”でしたが、その後はプリンス流のベースレス・ファンク”Black Sweat”やロックな”Fury”がシングル・カットされました。
他にも”Pop Life”を彷彿させるようなキャッチーなファンク曲”Lolita”や艶めかしい”Incense And Candles”にファルセットで歌うエリック・ベネイ風のネオ・ソウル曲”Satisfied”やアコースティックなネオ・ソウル曲”The Word”など聴きどころ満載です♪
2ndシングルにも選ばれた当時のプリンスお気に入りの女性歌手タマルと共演した”Beautiful, Loved & Blessed”もオシャレでおすすめです♪
以上、【プリンスのおすすめアルバム7選‼】のご紹介でした。
プリンスが亡くなった当時のことは、今でも鮮明に覚えています。
訃報となるニュース記事をネットで見て本当にショックでした…。
ついこないだまで相変わらずのクォリティーの高いアルバムを2作品連続でリリースしたばかりでした。
急逝したのが信じられない気分でした。
僕の中では、プリンスは60歳を超えても、いつまでも若々しくまるで不老不死かのようにハード・ワーキンを続ける存在だと思ってました。
しかし、いざ本当に亡くなったことを知った際には、かつてのように”Gold”の歌詞を真っ先に思い出しました。
プリンス自身も歌ったように「もし年を取らないのだとしたら、若いってことになんの価値があるの?」ということです。
プリンスが生きてきた軌跡はこうして芸術作品として残されています。
人間は、永遠に生きることは出来ませんが、その人生で築き上げた作品は永久に残ります。
プリンスはこれらの作品に「永遠の命」を与えたのでしょう。
おそらく今後もプリンスの未発表音源は数多くリリースされると思います。
残された僕らに出来ることは、プリンスが生前に作り上げた作品を聴くことです。
ぜひこのブログ記事を通して多くの方にプリンスの残した素晴らしい音楽を聴いてもらいたいと思います。
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