
2019/03/28
ニュー・パワー・ジェネレーション名義でリリースしたプリンスのファンキーな名作『ニュー・パワー・ソウル』を聴こう♪
プリンスが1998年にニュー・パワー・ジェネレーション名義で制作したファンキーな名作『ニュー・パワー・ソウル』をご紹介します。
通常のプリンスの作品とは違い、いつも以上にファンキーな楽曲が多く収録されたグルーヴィーなアルバム♪
今回は、前回ご紹介していたプリンスの20世紀最後の名作『Rave Un2 The Joy Fantastic』の前年にリリースされたアルバムをご紹介したいと思います。
プリンスが世紀末にリリースした幸福に満ち溢れた作品『Rave Un2 The Joy Fantastic』を聴こう♪
今回ご紹介するのは、1998年にプリンスのバック・バンドの『ニュー・パワー・ジェネレーション』の名義でリリースされたファンキーな作品『New Power Soul』です。
もちろん日本盤でもリリースされた本作は、名義こそ『ニュー・パワー・ジェネレーション』ですが、アルバム・ジャケットを見ての通りに主役はいつも通りにプリンスです!
アルバム・ジャケットでピストルを模したマイクを手にしたプリンスが、どことなくアメコミ的でもありますね♪
プリンスの名作ばかり並ぶディスコグラフィーの中では、はっきり言って地味な作品なのですが、なぜこのアルバムをご紹介したいかというと、理由は簡単!
僕が好きなアルバムだからです♪
なぜ好きかというと、シンプルなサウンドのファンク曲が多く収録されているからです♪
それでは、『New Power Soul』をご紹介したいと思います。
Prince & The New Power Generation – 『New Power Soul』
01.Newpower Soul
02.Mad Sex
03.Until U’re In My Arms Again
04.When U Love Somebody
05.Shoo-Bed-Ooh
06.Push It Up
07.Freaks On This Side
08.Come On
09.The One
10.(I Like) Funky Music
– Hidden Tracks –
49.Wasted Kisses
Personnel:
Prince – Vocal
Marva King – Vocals
Rev. Scott – Guitar
Mr. Hayes – Keyboards
Rhonda Smith – Bass
KáJ – Drums
アルバム参加メンバー
プリンス以外で本作『ニュー・パワー・ジェネレーション』に参加しているメンバーは、
●キーボード奏者のミスター・ヘイズ
●ギタリストのレヴ・スコットことマイク・スコット
●R&Bシンガーのマーヴァ・キング
●女性ベース奏者のロンダ・スミス
●ドラム奏者のカーク・A・ジョンソン
の5名です。
ちなみにロンダ・スミスは、この後も2004年の『Musicology』辺りまでプリンスのバックで演奏しています。
アルバムの中身
タイトル・トラックの1曲目”Newpower Soul”からグルーヴィーな楽曲が始まります♪
名義こそ『ニュー・パワー・ジェネレーション』ではありますが、プリンスがリードを歌ってこそ!なんですね。
プリンスが亡くなった後に『ニュー・パワー・ジェネレーション』は、再結成されてツアーにも出ていました。
その様子がYouTubeなんかでも見ることが出来るのですが、どうしても「何かが足りない!」んです。
その「何か」とは、言うまでもなくプリンスという「天才」です。
『ニュー・パワー・ジェネレーション』のメンバーは、全員腕の立つミュージシャンばかりです。
なので、演奏面に関しては全くスキのない「完璧さ」なのですが、しかしそこには「圧倒的才能」が欠けているんです。
この世に腕の立つミュージシャンは、星の数ほど世界中にいると思います。
でも残念ながら彼らは演奏が上手いだけのミュージシャンなんです。
その中でプリンスやマイケル・ジャクソンのような「圧倒的才能」を持った「天才」の数は限られています。
やはり「圧倒的天才」がいてこそ、腕の立つバック・バンドは輝けるんだと思います。
そういったわけで、本作にはプリンスという「圧倒的天才」がバンドを率いているからこそ名作に仕上がったんだと言えます。
この挨拶代わりの”Newpower Soul”で最高の幕開けで始まったアルバムは、次の2曲目”Mad Sex”で更に怪しいグルーヴに包み込まれます。
曲名からしてド直球なプリンス流エロティック・ファンク曲です♪
この曲に限らず、プリンスの歌詞は卑猥なものがいくつかあったりするのですが……
そもそもCDに添付されている【ペアレンタル・アドバイザリー(Parental Advisory)】のマークが最初に付けられたのは、プリンスのアルバムからでした。
このマークは、未成年の子供が聴くには教育上良くない卑猥な言葉や暴力的な過激な言葉が含まれた歌詞を含むアルバムに添付されています。
特に”f●ck”や”s●ck”等の4レター・ワーズを多く含むヒップホップ系のCDでよく見かけるのですが、これの元祖が何を隠そうこのプリンスなのです!
……って、褒めていいのかどうなのかよくわかりませんが(笑)プリンスはこんなとこにまで影響を与えた「圧倒的天才」なんです!
ミスター・ヘイズのジャジーなピアノがオシャレな2曲目”Mad Sex”に続くのは、3曲目のバラード曲”Until U’re In My Arms Again”です。
こちらはプリンスが、まるでアル・グリーンやマーヴィン・ゲイのような美しいファルセットで歌うメロウなバラード曲です♪
4曲目”When U Love Somebody”は、3人のホーン隊が参加したファンク曲です。
その3人は、トロンボーン奏者のクラーク・ゲイトンにトランペット奏者のウェイン・デュメーヌとサックス奏者のピエール・バティステです。
本作の中でも特に明るく軽快なおすすめの楽曲です♪
5曲目”Shoo-Bed-Ooh”は、曲名通りに「シュ~~ビドゥ~~♪」というサビ部分が印象的な曲です。
6曲目”Push It Up!”には、DJのブラザー・ジュールがスクラッチ音で参加しています。
7曲目”Freaks On This Side”は、マーヴァ・キングのボーカルもフィーチャーされたミッド・テンポのファンク曲です。
そして本作の目玉曲の8曲目”Come On”には、なんとバック・ボーカルにチャカ・カーンが参加しています。
チャカ・カーンは、1984年にプリンスの曲”I Feel For You”をカヴァーしていたり、逆にプリンスはマイルス・デイヴィスと共にチャカ・カーンのアルバム『CK』に参加していたりと2人のミュージシャンとしての繋がりは深かったりします。
ただバック・ボーカルにチャカ・カーンが参加しているとは言えども、特にリードを歌うわけではないので、そこまで目立ってはいないんですけれどもね。
ちなみにこの曲でアコースティック・ギターでボトルネック・ソロを弾いているのは、女性ギタリストのキャスリーン・ダイソンです。
彼女は過去にもプリンスのアルバム『Emancipation』なんかにも参加していました。
次の9曲目”The One”も聴きどころです♪
MVも制作されていたこのアンニュイなファンク曲は、後のプリンスのライヴでも何度か演奏されていた楽曲です。
そしてアルバム最後の収録曲である10曲目の”(I Like) Funky Music”は、その曲名通りにプリンス流のファンク曲が展開されます♪
どことなくジョージ・クリントン率いるパーラメントを彷彿させるのは、やはりプリンスがP-ファンク・サウンドに憧れていたからなんでしょうね♪
さて、本作はこれで終わりではなく49曲目があります!
「10曲目が終わったら11曲目じゃなくって男で49曲目なの?」って感じではありますが、これはプリンス流のジョークか何かなのか?
トラック11~トラック8までは無音状態が続きます。
その後トラック49に隠し曲の”Wasted Kisses”が収録されています。
49曲目まで無音状態なのが何故かはわかりませんが、しかし最後の”Wasted Kisses”もプリンス流メロウ・ファンクの良曲です♪
以上、【ニュー・パワー・ジェネレーション名義でリリースしたプリンスのファンキーな名作『ニュー・パワー・ソウル』を聴こう♪】でした。
プリンスのディスコグラフィーの中では地味な作品ではありますが、『ニュー・パワー・ジェネレーション』のバンドメンバーの演奏能力の高さも含めておすすめのファンク・アルバムです♪
ファンク・ミュージック好きの方で未聴の方は、おすすめですのでぜひ聞いてみて下さい♪
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