2019/03/27
プリンスが世紀末にリリースした幸福に満ち溢れた作品『Rave Un2 The Joy Fantastic』を聴こう♪
20世紀最後のプリンスのアルバム『Rave Un2 The Joy Fantastic』をご紹介します。
今年2019年で20周年を迎える幸福に満ち溢れた名作!
今回は僕の好きなアーティストのプリンスの作品をご紹介します。
僕が音楽にハマるきっかけになったのは、中学生の頃に偶然聴いたU2からなのですが、それからすぐに当時リアルタイムで発売されていたプリンスの名作『The Gold Experience』を買いました。
その作品を中学生の頃に聴いて、すぐにプリンスの音楽性にハマることになりました。
そんなわけで、これからはこのブログを通して僕の好きなプリンスについてもご紹介していきたいと思います。
以前、【プリンスのおすすめアルバム7選‼】というブログ記事も書きましたので、よかったらそちらの方も併せてご覧になってください。
プリンスのおすすめアルバム7選‼
それと“Prince”という検索タグも設置しました。
今回は、このブログで初めてプリンスの作品を個別で取り上げることになりましたので、僕の好きな作品である『Rave Un2 The Joy Fantastic』をご紹介したいと思います。
20世紀の最後となる1999年にリリースされたこの作品は、今年でちょうど20周年を迎えました。
それを記念して2019年4月26日に『レイヴ完全盤(ULTIMATE RAVE)』という2CD+LIVE DVDが封入された完全盤がリリースされる予定です!
未発表曲満載のこの完全盤はもちろん僕も購入予定です!
さて、この完全盤も気になる所ですが、まだ発売前ですので、今回は1999年当時にリリースされた通常の『Rave Un2 The Joy Fantastic』をご紹介したいと思います。
僕は当時は既にプリンスの大ファンになっていたので、発売と同時に行きつけのCD屋で購入しています。
当時のプリンスは、レコード会社をワーナーからEMIに移籍して、更にアリスタ・レコードに移籍したばかりでした。
残念ながらアリスタ・レコードとの蜜月関係はこの作品1枚で終わることになりますが、しかしプリンスがこの作品制作に気合が入っていたことは、収録曲のテンションの高さと一貫したテーマ性を感じさせるジャケット・デザインからも感じ取れますね。
日本盤のCD用の帯もキラキラした仕様でとても豪華でした!
こういった豪華なCDは、当時は他に購入したことがなかったので、まだ10代だった僕もテンションがあがりました。
しかし派手で豪華なジャケット・デザインとは裏腹に、当時のプリンスの私生活はとても悲しい出来事が続いていました。
プリンスにとって一生の伴侶となるはずだったマイテとの間に、生まれるはずだった第一子が流産という形で失われてしまいました。
このことがきっかけとなり、ファンの目からしてもプリンスにとってピッタリの相手だったマイテとの結婚生活に亀裂が生じ、2人は離婚することとなります。
こんなにも悲しい出来事が続いたにも関わらず、この作品は”Rave Un2 The Joy Fantastic”=「人生を思いっきり謳歌しよう!」という希望に満ちたアルバム名でした。
もちろん中身の収録曲の方も、相変わらずのクォリティーの高さです!
本当に捨て曲が一切ない聴いていて元気が出てくるような名作ですので、ぜひともこのブログ記事を読んだ方でまだ未聴だという方におすすめしたいと思います。
それでは『Rave Un2 The Joy Fantastic』のご紹介です。
Prince – 『Rave Un2 The Joy Fantastic』
1.Rave Un2 the Joy Fantastic
2.Undisputed (featuring Chuck D)
3.The Greatest Romance Ever Sold
4.Segue
5.Hot Wit’ U (featuring Eve)
6.Tangerine
7.So Far, So Pleased (featuring Gwen Stefani)
8.The Sun, the Moon and Stars
9.Everyday Is a Winding Road
10.Segue
11.Man’O’War
12.Baby Knows (featuring Sheryl Crow)
13.I Love U, but I Don’t Trust U Anymore” (featuring Ani DiFranco)
14.Silly Game
15.Strange but True
16.Wherever U Go, Whatever U Do
– Japanese Bonus Track –
17.The Greatest Romance Ever Sold (Adam & Eve Remix)
– Hidden Tracks –
18.1-800-Newfunk Ad
19.Prettyman
アルバムの内容
この作品の収録曲のいくつかは、プリンスが80年代から断片的に制作していた楽曲の中から新たな曲として生まれ変わらせた曲があります。
それがわかりやすいのが1曲目の”Rave Un2 The Joy Fantastic”です。
ギターのサウンドやキーボードのサウンドなんかが90年代風ではありますが、打ち込みのビートがどことなく80年代のプリンスを彷彿させます。
こういった感触の楽曲は、90年代に入ってからプリンスの専属バンドとなったニュー・パワー・ジェネレーション時代にはあまり聴くことが出来なくなっていたので懐かしく感じます。
この曲のテーマ・メロディーは「なんかどこかで聴いたことがあるな~?」という感じで、80年代のライヴでジャム・セッションをする際にプリンスがギターで弾いていたような気がします⁉
自身にとって全盛期であった80年代の楽曲を、あえて20世紀の終わりに新たな曲として生まれ変わらせて、アルバムのタイトル名にまで付けたことに「これから2000年代に入ってからは新たなプリンスの音楽が始まる!」という意思表示の様にも感じられますね。
進化を止めないプリンスが、ここで過去の自分との決別を歌ったのでしょう!
次の2曲目”Undisputed”は、ニューヨーク出身のラッパーで元パブリック・エナミーのチャックDが参加したヒップホップ風ナンバーです。
プリンスは、1992年のニュー・ジャック・スウィング風の『Love Symbol Album』辺りから積極的にヒップホップの要素を取り入れるようになっていきました。
1995年の名盤『The Gold Experience』の1曲目”P Control”では、自らラップも披露していました。
しかしプリンスのラップは、お世辞にも上手くはありませんでした。
ファンクだけでなくロックをやってもR&Bをやっても、ブルースまでも一流に演奏できたプリンスなのですが、ヒップホップだけはどうしても苦手だったようです。
その反省もあってか(?)本作では本職のチャックDがラップを披露しています。
おかげでこの曲は素晴らしい出来なんです♪
アルバムからのリード・トラックとなった3曲目”The Greatest Romance Ever Sold”は、どこか古代エジプト文明の香りも漂わせるようなエキゾチックなMVも制作された名バラード曲です。
このMVに出演している黒人女性は、ラッパーのイヴです。
日本でもこの曲の様々なミックス音源が収録されたシングル盤も発売されていました。
また、その後プリンスのバンドに参加することになるジェームス・ブラウン・バンド出身のファンキー・サックス奏者のメイシオ・パーカーもこの曲をカヴァーしています。
メイシオのバージョンは2000年にリリースされた『Dial MacEo』の5曲目に収録されていました。
もちろんサックスが中心のインストでカヴァーしています。
“The Greatest Romance Ever Sold”は、プリンスが書いたバラード曲の中でも文句なしに突出した名曲ですね♪
次の4曲目と10曲目にもある”Segue”とは、曲間の「繋ぎ」のことです。
“segue”は、イタリア語で「(楽曲などが)切れ目なく続くこと」や「滑らかな移行」の意味です。
10曲目の方は、11曲目に繋がるストリングスのイントロが19秒収録されていますが、この4曲目の方はたった4秒の無音状態です。
4秒の無音状態の後に5曲目”Hot Wit U”が始まります。
こちらの曲にも先ほどの黒人女性ラッパーのイヴが参加しています。
セクシーな雰囲気のMVも制作されたヒップホップ風の楽曲です。
こういったセクシー系のファンク曲をやらせるとプリンスは天下一品ですね!
6曲目 “Tangerine”は、1分31秒しかない短い曲ですが、アコースティックな音色がとても美しいバラードです。
7曲目”So Far, So Pleased”は、スイスのパンクバンド、ノー・ダウトのシンガーだったグウェン・ステファニーがコーラスで参加したロック曲です。
ギター・ソロも含めロックなギターを弾いているのはプリンス自身です。
さすがのギターの腕前は、ローリング・ストーン誌にて『過小評価されているギタリストトップ100』の1位に選ばれただけはあります!
次の8曲目”The Sun, the Moon and Stars”は、プリンスのファルセット・ボイスがセクシーなネオ・ソウル系の楽曲です。
まるでエリック・ベネイが歌いそうな楽曲ですが、本家はこちらプリンスです!
プリンスが、エリック・ベネイに影響を与えた方ですからね!
そして9曲目は、なんとシェリル・クロウのカヴァー曲”Everyday Is a Winding Road”です。
当時流行っていた曲なのですが、プリンスが他アーティストの曲をカヴァーするのは、1996年の3枚組の大作『Emancipation』からでした。
なので、今回の”Everyday Is A Winding Road”が初めてではありません。
ちなみにアコースティック調の明るい原曲と違ってプリンスのバージョンは、マイナー調のファンキーなアレンジが施されています。
10曲目のストリングスの”Segue”を挟んで、11曲目”Man’O’War”はゴスペル調のコーラスが美しいR&B系の楽曲です。
12曲目”Baby Knows”は、アーシーなブルース・ハープのイントロから始まる軽快なファンク・ロック曲です。
なぜかこちらの曲の方にシェリル・クロウが、ゲスト・ボーカルで参加しています。
自身の楽曲”Everyday Is a Winding Road”には不参加なのですが…。
その辺はよくわかりませんが、”Baby Knows”はシェリル・クロウのアルバムに収録されていてもよさそうなほど聴きやすいロック曲です♪
13曲目のバラード曲”I Love U, but I Don’t Trust U Anymore” には、当時ヒットしていた女性シンガーのアーニー・ディフランコとのデュエット曲です。
プリンス自身による美しいピアノの音色が素晴らしい楽曲です。
その後、ネオ・ソウル風バラード曲の14曲目 “Silly Game”にプリンス流ミニマル・ファンク曲の15曲目”Strange but True”と続きます。
そしてオリジナル・アルバムとしては最後の収録曲となる16曲目”Wherever U Go, Whatever U Do”のロック・バラード曲で『Rave Un2 The Joy Fantastic』は締めくくられています。
日本盤には、ボーナス・トラックとして17曲目に”The Greatest Romance Ever Sold (Adam & Eve Remix)”が収録されています。
ただ、これはちょっと蛇足な気がします。
またその後には2曲の隠しトラックも収録されています。
18曲目に”1-800-Newfunk Ad”という44秒のボイスが収録されているのですが、これは2001年にリリースされる次回作『The Rainbow Children』への布石の様に感じられます。
19曲目の隠しトラックの”Prettyman”は、メイシオ・パーカーのサックスとブラザー・ジュールズのスクラッチ・ノイズ以外の全ての楽器をプリンスが演奏したファンキーな楽曲です。
オマケとしておくにはもったいないような、ファンキーでかっこいい曲です♪
この曲も後に発売されることになる2004年の『Musicology』への布石の様に感じられます。
80年代風の1曲目 “Rave Un2 the Joy Fantastic”から始まって、隠しトラック扱いですが最後の生演奏によるファンキーな”Prettyman”へと繋がる構成は「過去から未来」へとプリンスが突き進む姿を現しているかのようでもあります!
以上、【プリンスが世紀末にリリースした幸福に満ち溢れた作品『Rave Un2 The Joy Fantastic』を聴こう♪】のご紹介でした。
そもそも不世出の天才であるプリンスの作品に駄作なんて一切ないのですが……その中でも全ての収録曲が希望に満ちたこの『Rave Un2 The Joy Fantastic』は、元気を出したい時に聴きたくなるおすすめの名作です♪
4月26日に発売予定の発売予定の完全盤も楽しみですね♪
それでは完全盤の方も、いずれこのブログで取り上げたいと思いますので、ぜひまたこちらのブログを読みに来てください♪
しかしプリンスの作品は、本当に駄曲を一切収録しない完璧なアルバムばかりです!
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