
2019/03/17
スライ&ザ・ファミリー・ストーンの必聴アルバム8選!
スライ&ザ・ファミリー・ストーンの必聴アルバム8作品をご紹介します!
スライ&ザ・ファミリー・ストーンとは?
スライ&ザ・ファミリー・ストーンは、スライ・ストーンことシルヴェスター・スチュアートをリーダーとする60年代後半~70年代前半にかけて活躍したファンク・バンドです。
そのバンド名通りにスライの弟のフレディ・ストーンがギターを弾き、妹のローズ・ストーンがキーボードを弾くドメスティックなバンドです。
他にはスライの高校時代からの親友で、後にスライとの子供を身ごもるトランぺッターのシンシア・ロビンソンに、そのシンシアの親戚でベーシストのラリー・グラハム、そして2人の白人ミュージシャン、サックスのジェリー・マルティーニとドラムのグレッグ・エリコがオリジナル・メンバーのバンドでした。
この時代には珍しく、黒人と白人が人種の垣根を越えて一緒のバンドにいるという革新的な編成です。
また男女混合のバンドという点も新しかったと思います。
そんなスライ&ザ・ファミリー・ストーンは、ジェームス・ブラウン(JB)と共に、「ファンク」という音楽ジャンルの黎明期に登場して発展させていったバンドです。
というわけで、JBとスライが「ファンク」の始祖と言えます。
もちろんファンク音楽が大好きな僕は、どちらも好きで尊敬しています。
僕のイメージでは、元気溌剌としたパワフルなファンクがJBで、オシャレでクールなファンクがスライという感じです。
それに、JBはもともとR&Bシンガーだったので「ソウルフルなファンク」というイメージで、スライは黒人白人混合のためか?「ロックなファンク」というイメージも感じます。
両者のこういった違いを聴くと、同じ「ファンク」というジャンルでも、こうも違うものなのか⁉と感心します。
後続ミュージシャンにも大きな影響を与えた偉大なるスライ・ストーン!
またスライは、後続ミュージシャンにも大きな影響を与えています。
同じウッドストック・フェスティバルにも出演していたジミ・ヘンドリックスや、後輩世代のプリンスはもちろんなのですが……なんとスライよりも遥かにキャリアの長い大先輩に当たるマイルス・デイヴィスにまで影響を与えています!
マイルスの70年代前半からの「ファンク・ロック路線」は、ジミヘンとスライからの影響でした。
更にマイルスだけでなく、ハービー・ハンコックのヘッド・ハンターズやジョニー・”ギター”・ワトソンのファンク・ブルース路線にもスライが大きな影響を与えています。
そしてスライにとって孫世代に当たるディアンジェロにも影響を与えています。
ディアンジェロのようなネオ・ソウル系のクールなサウンドは、やはりスライの名盤『暴動』や『フレッシュ』が基になっていると思います。
そんな偉大なるスライ&ザ・ファミリー・ストーンのことをいつかこのブログでも取り上げようとは、ずっと前から思っていたのですが……ついにその日がやってきました!
さて、今回スライのことをブログ記事で書こうと思ったのには、「あるきっかけ」がありました。
2019年3月15日に76歳を迎えたスライ・ストーン!
それは、このブログ記事を書いている前日の2019年3月15日にスライ・ストーンが76歳を迎えました!
その情報が海外のTwitter上で流れていました。
僕はそのことに3月16日の夜に気づいたのですが、アメリカ人の人らがツブやいていたので時差があったんですね……。
本来なら15日にこのことを書ければタイミング良かったのですが……残念ながら上手く合わせれなかったです。
というわけで、スライのブログ記事を今になって何か書きたいな~と思いました。
今回ご紹介したいのは僕のおすすめのスライ作品8枚です!
スライ&ザ・ファミリー・ストーンの必聴8作品!
Sly & The Family Stone – 『A Whole New Thing(新しい世界 )』
1967年にリリースされたスライのデビュー・アルバム『A Whole New Thing(新しい世界 )』です。
まだバンドとしての方向性がちゃんと決まってなかったかのような初々しいサウンドです。
ロックをやりたいのか?ソウルをやりたいのか?それとも何か新しいものを作り出そうとしているのか?
少し迷いのようなものが感じられる曲が多く思えます。
しかし既に当時の他のロック・グループやソウル歌手の作品とは一線を画したような革新的なバンド・サウンドを聴くことが出来ます。
どうしてもこの後の作品が名盤ばかりなので、一番聴かないアルバムになってしまうのですが……それはこの作品が駄作だからではなく、その後のスライの軌跡が凄すぎるためです!

とても新鮮に感じます♪
Sly & The Family Stone – 『Dance to the Music』
“Thank You”と並んでスライの最も有名な曲”Dance To The Music”が収録された文句なしの名盤で1968年にリリースされた2ndアルバムの『Dance to the Music』です♪
ついにバンドの目指す方向性が決まった!といったところでしょうか。
この”Dance To The Music”のように各メンバーにボーカル・パートがある歌回しのアレンジは、パーラメントやプリンスなんかに影響を与えています。
誰が聴いても楽しい気分になるような名曲”Dance To The Music”が、やはり本作の一番の聴きどころです♪
ちなみに紙ジャケ盤には、多くのボーナス・トラックが収録されていて、”Dance To The Music”の別バージョンのような”Soul Clappin'”や、オーティス・レディングのカヴァー曲”I Can’t Turn You Loose”など嬉しいオマケも♪
Sly & The Family Stone – 『Life』
『Dance to the Music』と同じ年にリリースされた3rdアルバムの『Life』です。
1曲目こそ当時のサイケデリック・ロックのような過激なファズギターが登場しますが、全体的に『Dance to the Music』で確立されたスライ流ソウル・ミュージックの延長線上にあるようなサウンドです。
よりキャッチーになったサウンドは、聴きどころも多く特にシングルになった曲は全て名曲です!
楽し気な”Fun”や”Life”に、イントロのホーン・アレンジがかっこいい”Love City”やフレディ・ストーンの弾くギター・カッティングがキレッキレな”M’Lady”などが必聴です!
ちなみにタワー・オブ・パワーに一時期在籍していたファンク・ギタリストのジェフ・タメリアが、尊敬するギタリストのひとりにフレディ・ストーンを挙げていました。
兄のスライと比べるとフレディは地味で目立たないせいか、過小評価されているけれども……彼こそが後のファンク・ギターの基を作ったのだと大絶賛していました。

Sly & The Family Stone – 『Stand!』
さて、先ほどまでの3作品もどれも素晴らしいアルバムばかりでしたが……ここからはもっと凄いです!
どれもが音楽の歴史上で燦然と輝き続けるような名盤ばかりです!
1969年の4thアルバム『Stand!』は、明るく軽快だった頃のスライ・サウンドとしては最後の作品になりますが……それまでのスライ流ソウル・ミュージックの集大成のようなアルバムです!
捨て曲は一切ありません!
おすすめし出すとキリがない名盤です!(笑)
全8曲中……
●“Stand!”
●“Don’t Call Me Nigger, Whitey”
●“I Want To Take You Higher”
●“Sing A Simple Song”
●“Everyday People”
●“You Can Make It If You Try”
の6曲は必ず聴いて欲しい名曲ばかりです♪
本当に聴いて損はない、一生で一度は必ず聴いて欲しい名盤です!

Sly & The Family Stone – 『There’s a Riot Goin’ On(暴動)』
もしスライのキャリアが、前作の『Stand!』で終わっていたとしても……スライ・ストーンは偉大なミュージシャンのままだと思います。
しかし1971年のこの恐ろしいまでの完成度を誇る傑作中の傑作『There’s a Riot Goin’ On(暴動)』を制作したことで、スライ・ストーンは新たな音楽ジャンルを生み出したように感じます。
それまでの軽快でパワフルな曲調から、オシャレでクールなサウンドに変化しています。
僕も高校生の頃にこの『暴動』初めて聴いた時は、度肝を抜かれた気分でした!
それまで「ファンク」と言えば、派手なホーン隊が鳴り響き、ギターがチャカチャカ♪と休みなくカッティングを弾いているイメージだったのですが……そのどれもがなく、淡々としたサウンドでどの曲も展開されていきます。
高校生ながら、「世の中にはこんなファンクもあるんだ!」と驚きました。
この作品のドラム・ビートが、四半世紀後に登場するネオ・ソウルの基だと感じます。
そのため今この『暴動』を聴いても、古さを感じさせない「時間という概念を超えてしまった」名盤だと言えます。
全ての収録曲が名曲で、それでいて1つの作品としての一貫性を感じられる作りになっていますので、ぜひともアルバムを通して全曲を聴くことをおすすめします♪
Sly & The Family Stone – 『Fresh(輪廻)』
ベースがラリー・グラハムからラスティ・アレンに代わった1973年の6thアルバム『フレッシュ』です。
ハイ・キックをするスライの写真を使用したモノトーンのアルバム・ジャケットのデザインと共に、僕の一番好きなスライ作品です♪
セッションやバンドでもよくカヴァーされるファンク・クラシック曲となった”If You Want Me To Stay”で聴けるようなラスティ・アレンのクールすぎるベース・プレイが最高です♪
僕はギター弾きなのですが、本作を聴く時はいつもベースばかりに耳がいってしまいます。
それぐらいかっこいいベース・ラインばかりなんです♪
もし一緒に演奏するベーシストが、ラスティ・アレンのようなファンク・ベースを弾いてくれたら……最高のバンド活動が出来るだろうな~と思うような理想のベーシストのひとりです!
とにかくベースがかっこよすぎるのですが、スライの曲作りも冴え渡ったクールな名盤です♪
Sly & The Family Stone – 『Small Talk』
スライの幸せそうな家族写真が印象的な1974年の7作目『Small Talk』です。
残念ながらスライ&ザ・ファミリー・ストーンとしての最後の輝きとなる作品です。
というよりも、もはやほぼスライ・ストーンのソロ・アルバムのようでもあるのですが……。
しかし『暴動』から続くクールなファンク・サウンドは変わらず、収録曲の質の高さは言うまでもありません!
Sly & The Family Stone – 『Greatest Hits』
1969年の『Stand!』発表後にリリースされたベスト盤の『Greatest Hits』です。
単なるシングル曲の寄せ集めではなく、デイヴィッド・T.・ウォーカーもカヴァーしたバラード曲の”Hot Fun In The Summertime”と、ファンク・クラシックとなったスライの代表曲”Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)”という音楽の歴史的にも重要な2曲を含む作品です。
特に”Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)”は、メルヴィン・スパークスなどジャズ・ファンク系のミュージシャン達がインストでもカヴァーした人気曲です♪
この曲で聴けるラリー・グラハムのスラップ奏法が、歴史上初めてベースのスラップが録音された曲になります。
今ではファンク/フュージョン系のベーシスト必須の奏法にまでなりましたね。
スラップが苦手なベーシストさんは、ラリー・グラハムのせいなんで彼に文句言っちゃってください!(笑)
ってのは、まぁ悪い冗談なんですが……ファンク好きなら絶対に知っておかないといけない曲なので、これまで知らなかったという方は必聴ですよ♪
以上、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの必聴アルバム8作品のご紹介でした。
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