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カテゴリー:Music

2018/09/28

【ジャズファンク版ライオンキング⁉】オドネル・リーヴィ最高傑作『SIMBA』を聴こう♪

【ジャズファンク版ライオンキング⁉】オドネル・リーヴィ 最高傑作『SIMBA』

名ジャズファンクギタリスト、オドネル・リーヴィ

今回はグラント・グリーンを祖とするオルガン系ジャズファンクギタリストの系譜です。

 

以前ご紹介していた僕の好きなメルヴィン・スパークスもこの系譜です。

 

メルヴィン・スパークスの最期のアルバム『Groove On Up』を聴こう♪

また僕のブログの「Blog」ページに書いてあるプロフィール欄にも書いてあるブーガルー・ジョー・ジョ-ンズも同じ系譜です。

 

ブーガルー・ジョー・ジョ-ンズに関しましては、まだこちらのブログで取り上げていなかったので、近々取り扱いたいと思います。

 

一応、あまり知られていないことが多いですが他にもこの系譜のギタリストには、初期のジョージ・ベンソンやジミー・ポンダー、カル・グリーン、カルヴィン・キーズ、ウィルバート・ロングマイヤー、フレディ・ロビンソン、アーサー・アダムス、アーサー・ライト、ラリー・マギー、チャーリー・フリーマン、マルコム・リディック、エディ・ディールなどが属しています。

 

同じジャズファンク系ギタリストといえども、それぞれにスタイルは違っていて、ベンソンやジミー・ポンダーみたいにR&Bの要素もあるジャズ系ギタリストや、よりブルージーな要素が前面に出ているフレディ・ロビンソンやアーサー・アダムスのように得意とする演奏スタイルが異なっています。

 

そう考えると、彼らと同じようにメインストリーム・レーベルやグルーヴ・マーチャントに吹き込みを行ったコーネル・デュプリーやデイヴィッド・T・ウォーカーもR&B色の濃いジャズファンク系ギタリストと言っても差し支えない気もしますね。

 

ちなみに僕は今ここで名前を挙げたギタリストが全員好きで影響受けています♪

 

【#自分を作り上げたギタリスト4選】影響を受けたギタリストを4人選んでみました。

さて今回の記事の主役は、ジョージ・ベンソンと同じぐらいの技巧派ジャズファンク系ギタリストのオドネル・リーヴィです。

 

実はちょくちょく僕のブログにも名前だけ登場していたりします。

 

今回は満を持してオドネルの最高傑作をご紹介したいと思います。

 

それではご覧ください。

 

 

 

O’donel Levy – 『SIMBA』

01.Bad, Bad Simba
02.Kilimanjaro Cookout
03.Playhouse
04.Sierra Lonely
05.Sad, Sad Simba
06.Joni
07.Nigerian Knights

 

 

 

 

1974年にジャズファンク系の作品を多くリリースしていたグルーヴ・マーチャント・レーベルから発売されたオドネルにとっての4枚目のリーダー作にして最高傑作の『SIMBA』です。

 

“Simba”とは、スワヒリ語でライオンを意味します。

 

ちょっと寄り道スワヒリ語のお話……

スワヒリ語が出てきたついでなんで、ここに書いちゃいます。

 

他に書けるようなカテゴリーもないので寄り道です。(笑)

 

僕はスワヒリ語の”Sisi sote sawasawa(シシ・ソテ・サワサワ)“という言葉が一番好きです。

 

“mimi”が一人称単数形で「私」の意味で、”sisi”になると一人称複数形の「私たち」を意味します。

 

“sote”は「全て」の意味です。

 

“sawa”とは「同じ、同じこと」を意味し、2度繰り返すと強調されます。

 

以上のことから「私たちは全て同じです。」=「人はみな平等である」という意味になります。

 

でも英語でいうところの”All men are created equal.”=「すべての人間は平等に作られている。」と同じではないと僕は思っています。

 

この”All men are created equal.”という言葉は、アメリカの第3代大統領のトマス・ジェファソンが1776年に「独立宣言」の草稿として書いた文章に登場する有名な一句ですね。

 

彼は当時のイギリス植民地から米国が独立することがいかに自然かを訴えました。

 

「自然の法と自然の神が権利として与えている、独立した平等の地位」を築く必要があると唱えています。

 

僕の考えでは”All men are created equal.”は「法の下に人は平等」であって「生まれながらに人はみな平等」ではない気がします。

 

その点、スワヒリ語の”Sisi sote sawasawa(シシ・ソテ・サワサワ)“は、人為的な「平等」ではなくってもっと自然な「生まれながらに人はみな平等」だと思います。

 

地位や権力や外見に関係なくヒトも自然界に生きる動物たちと同じように「平等」なんだと感じます。

 

そういった意味合いが感じられるので僕はスワヒリ語の”Sisi sote sawasawa(シシ・ソテ・サワサワ)“という言葉が好きです。

 

脱線した話を無理やり戻していくと……(笑)

 

ここで英語の”Lion”という言葉を使うと、まるで人間によって飼われている動物園の「ライオン」のような気がしてならないです。

 

しかしスワヒリ語の”Simba”にはどこか威厳があり、百獣の王「ライオン」にふさわしい呼び名だと感じます。

 

“Lion”という言葉は、ヒトが「ライオン」を飼いならすために生まれた言葉な気がしますが、”Simba”という言葉はジャングルに生きる神の創造物のひとつというより自然な言葉の力を感じます。

 

そういった意味合いからもこのアルバムは”Lion”という言葉よりも”Simba”という言葉を用いたことから、より自然で力強さを感じられるのではないのかな?……と。

 

まぁ無理やりっぽかったけど先に進みましょう。(笑)

 

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アルバムの内容

この作品はタイトルの”Simba”がテーマになっていて、まるでミュージカルの「ライオンキング」のような雰囲気を感じさせます。

 

それもそのはず?この作品は6曲目の”Joni”以外の曲を作曲家のマニー・アルバムが作曲しています。

 

なのでコンセプトアルバムと言っても差し支えがない気もします。

 

楽器陣は、ギター、キーボード、ベース、ドラムの基本となるカルテット以外にもたくさんのホーン隊が参加していて、まるでジョン・コルトレーンの1961年の名作『Africa/Brass』のようにホーン隊のアンサンブルがジャングルの喧騒を表現しているかのようです。

 

ジョン・コルトレーンのインパルスレーベル第一弾『Africa/Brass』を聴こう!

基本となるカルテットのメンツは、リーダーのオドネルがギターを弾き、リーダ作もいくつか発表しているピアニストのウォーレン・バーンハートがキーボードを弾ています。

 

そしてジャズファンクと言えば、やはりリズム隊がとても重要になってくる音楽性です!

 

リズム隊がしょぼいと絶対に傑作にはなりません!

 

しかしその心配も無用です!

 

この『SIMBA』は、ドラムにスティーヴ・ガッドとベースにキング・クリムゾンのトニー・レヴィンが参加した最強のリズム隊で制作されています。

 

この辺の音楽がお好きな方でしたら、この2人の名前を見ただけで聴いてみたくなりますよね♪

 

もちろん言うまでもなく、最高のグルーヴをアルバム全編に渡り提供してくれています。

 

まず1曲目の疾走感溢れる”Bad, Bad Simba”から始まります。

 

ジャングルで獲物を見つけて、近くまで走っていくライオンを表現したような曲調です。

 

獲物の気配を感じさせるようなトランペットの静かなフレーズから始まり、抜き足差し足のドラムの音が入ってきて、少し体を揺らして速足になっていくようなベースラインが始まります。

 

ホーン隊のアンサンブルがジャングルの喧騒を醸し出すと、風を切るようなギターのテーマが入ってきて徐々に加速していきます。

 

しかし急ぐと狩りは失敗してしまいます。

 

緩急が重要なのです。

 

グリッサンドの音で速くなったと思ったら、音の隙間でいったん立ち止まり獲物との距離を保ちます。

 

勢いに乗るとギターがトレモロ奏法に移ります。

 

ギターソロが始まりました!

 

獲物との格闘です!

 

少しずつフレージングを加速させ、これはいける!と思ったときにはシーケンスフレーズで何度も何度も同じ個所を狙って攻撃をします!

 

ギターのアドリヴと共にホーン隊のアンサンブルも盛り上がっていきジャングルからその戦いを見物していた他の動物たちの喧騒が聞こえてきます!

 

ガッドのドラムもタイム感をキープしながらもフレーズが多くなり失速していきます!

 

止めの一撃はブルースギター風の3連ダブルストップのトレモロ連打です!

 

この必殺の一撃でついに獲物を仕留めることが出来ました!

 

さて、仕留めた獲物を他のライオンやハイエナたちに横取りされないように、お腹を空かせて帰りを待っている子供たちのもとへと運ばなければ行けません!

 

百獣の王と言えども、危険なジャングルを潜り抜けて家族を外敵から守らなければいけません!

 

2曲目の”Kilimanjaro Cookout”は、そんな危険の待つジャングルを抜けて巣に戻るまでの物語です。

 

この曲は後にバディ・リッチが『The Roar Of ’74』でカヴァーして有名にもなりました。

 

 

そのバディ・リッチのバージョンにもトニー・レヴィンは参加しています。

 

ギターをライオンだとすれば、ホーン隊はライオンが咥えている獲物を虎視眈々と横取りしようと狙うジャングルの外敵たちです。

 

先ほどの”Bad, Bad Simba”よりもホーン隊の自己主張が強くなっています。

 

ライオンを脅すように後をつけてくるトランペットのヒョウたち、それを見つめるバリトンサックスのカバ、木の上から様子を見ながら騒ぐキーボードのサルたちに、他の動物にライオンの存在をチクるようにフルートの鳥たちが泣き叫びます!

 

ギターはワウペダルを使い、抜き足差し足……ホーン隊のアンサンブルの間を潜り抜けていきます。

 

そしてようやく巣に戻り腹を空かせて帰りを待っていた子供たちとの一家だんらんのパーティーが始まります。

 

3曲目の”Playhouse”です♪

 

さっきまで抜き足差し足だったワウペダルも冒頭からワコチョコワカチョコ♪とグルーヴします。

 

ホーン隊の明るいテーマメロディーに「飯はまだ~」とキーボードが連呼します。

 

そして持って帰った獲物をワウギターのソロで美味しくいただきます!

 

お腹いっぱいになってきたらトロンボーンのゲップが止まりません。(笑)

 

夕食の後は4曲目の”Sierra Lonely”で静かに食後の散歩に山に向かいます。(”Sierra”とはノコギリ状の山脈の意味)

 

百獣の王にも時にはひとりになって考え事をする時間が必要です。

 

ひとりで山道を歩く寂しさをフクロウの鳴き声のようにフルートが奏でます。

 

トランペットの悲しい音がまるで百獣の王がむせび泣く様子を表しているかのようです。

 

しかし真の通ったギターバッキングによって心は平静を保ってもいます。

 

そんな百獣の王にも心の奥底には王たる故の孤独や悲しみが眠っています。

 

5曲目”Sad, Sad Simba”で人知れず涙を流します。

 

うら悲しいホーンのメロディーに絡みつく美しい音色のギターのメロディー。

 

百獣の王が最後に思い浮かべるのは大事な娘”ジョニ”のこと……。

 

6曲目”Joni”は、いつも楽しさと心の安らぎを与えてくれる娘のことのようです。

 

時に楽しく……時に優しくギターを奏でます。

 

そしてジャングルの夜は更けていきます。

 

7曲目”Nigerian Knights”は、少しラテンなホーン隊のイントロから、幻想的なキーボードの音で始まります。

 

ゆったりしたテンポの上をしっかりとしたテクニックでギターを弾ききります。

 

以上、7曲を珍しく物語風にレビューしてみました。

 

全体を通してコンセプトが伝わってくるような一貫した曲調がこのアルバムの特長だとも感じます。

 

ほぼ全ての収録曲を作曲家のマニー・アルバムが作曲しているのもその要因だと思います。

 

しっかりとしてリズム隊の土台の上をオシャレなキーボードが華を添え、主役のギターが歌うようにメロディーを弾きます。

 

そしてホーン隊のアンサンブルが全体を盛り上げてくれています。

 

名ジャズファンクギタリストのオドネル・リーヴィのリーダー作を聴くなら、まず最初はこの傑作『SIMBA』からをおすすめします。

 

オドネルだけでなく、ジャズファンクというジャンルで考えてもジャンルを代表するような名盤だと思います。

 

といったわけで、今回個別でブログ記事にもしてみました。

 

ジャズファンク系のギターがお好きな人はぜひ!

 

 

それでは今後もこのブログでオドネル・リーヴィの別の作品も取り上げていきたいと思いますので、ぜひまた読みに来てください♪

 

 

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