2018/09/26
バーニー・ケッセルとケニー・バレルとグラント・グリーンが共演した”Blue Mist”を収録しているCDとDVDのご紹介です。
バーニー・ケッセルとケニー・バレルとグラント・グリーンの共演!
2年ほど前にグラント・グリーンの伝記映画が制作されるということで、グラント・グリーンの息子であるグレッグ・グリーン(グラント・グリーンJr.の名前で活動しています。)が自身のFBページに新しい発掘動画としていくつかの映像をアップしていました。
その中のひとつは後に未発表ライヴ音源の形で『Funk In France』に収録されてCD化しました。
その『Funk In France』以外にも新たに発掘された動画にバーニー・ケッセルとケニー・バレルとグラント・グリーンが共演した映像もありました。
今回発掘されたその動画は白黒の映像だったのですが、この3人の共演したカラー映像でそれ以前から有名なものもありました。
それが今回ご紹介するこの3人が共演した”Blue Mist”です。
バーニー・ケッセルとケニー・バレルとグラント・グリーンが共演した”Blue Mist”の映像
一応YouTubeでも観れるのですが、かなり画質は悪いものしかないんです。
ただそれまでは動くグラント・グリーンの観れる唯一の映像だったので貴重な映像ではあります。
今は発掘動画が増えたので当時と状況は変わってきています。
この3人が共演した動画も他に発掘されています。。
さて、この3人は共通してジャズギター界の始祖でもあるチャーリー・クリスチャンの影響を受けたジャズギタリストです。
またブルースに根ざしたフレージングなども共通したところがあります。
しかしプレイスタイルは、全く違いますよね。
バーニー・ケッセルは、ギターの指板上全てのポジションを使うようなスタイルで、更に速いパッセージでコードソロを弾いたりチョーキングも入れたりフレージングが多彩です。
しかし少し前のめりというか……突っ込んだ演奏だと思います。
落ち着きがないというか……グルーヴが甘く感じます。
逆にケニー・バレルとグラント・グリーンは、どちらもチョーキングはしないで後ノリの落ち着いたリズムで弾くスタイルです。
ケニー・バレルは、コードも上手く挟んでメロディーを構築していくのに対して、グラント・グリーンは効果的なダブルストップは弾いてもコード弾きはしません。
またほぼ同じポジションでメロディーを構築し、しつこいぐらいに押し通すタイプだと思います。
個人的にはグラント・グリーンが一番好きなのですが、単純なテクニックだけでいえばこの3人の中ではケニー・バレルが抜けていると思います。
ケニー・バレルは、本当に上手いジャズギタリストですよね♪
しかしグラント・グリーンは、あえてワンパターンな同じポジションの音を使うことで独特のグルーヴ感を生み出すことに成功しています。
音楽をリズム第一で聴くとしたら、グラント・グリーンのグルーヴ感が抜けていると思います。
……って、この中で一番先輩格で真ん中に座しているバーニー・ケッセルのことほったらかしで、2人のべた褒めばかりになってしまいましたね。(笑)
しかしこの映像の音源が収録された作品はケニー・バレルのものでもグラント・グリーンのものでもありません!
“Blue Mist”の作曲者バーニー・ケッセルの作品に収録されています。
今回はその3人の共演した”Blue Mist”の音源が収録されたCDと映像が収録されたDVDをご紹介したいと思います。
Barney Kessel – 『LIVE IN LOS ANGELS AT P.J.’S CLUB』
まずはCDの方です。
こちらの作品は、主にレアな音源をまとめた作品を多くリリースしている『GAMBIT RECORDS』というレーベルからリリースされています。
“ガンビット”と言えば、X-MENにも元盗賊で物体にエネルギーを込めて投げつける能力をもったレミー・ルボーというキャラクターがいますね。
そんな”ガンビット(GAMBIT)”の日本語の意味は「策略、賭け」です。
ちなみにこのCDには様々な音源が寄せ集められているのですが、頭7曲はバーニー・ケッセルのライヴ名盤『On Fire』から1965年1月の音源を収録したものと同じです。
そして8曲以降は他の映像作品に収録されていたのを音源化したものになります。
アルバムの最後、12曲目に収録されているのが今回ご紹介したかったバーニー・ケッセルとケニー・バレルとグラント・グリーンが共演した”Blue Mist”の音源です。
映像ではなく音源で聴きたい場合はこちらのCDがおすすめですよ♪
またこのCDの内ジャケには、ビートルズのジョン・レノンやジョージ・ハリスンのコメントも掲載されています。
ジャズギターファンからしたらこの2人がバーニー・ケッセルのファンだということはそこそこ有名なことではありますね。
ちなみにジョン・レノンは「バーニー・ケッセルは信じられないぐらいすごくってさ、ただただ驚きだったよ!彼みたいな演奏ができる奴はどこにもいないね!」みたいなことを書いてます。
ジョージ・ハリスンは「バーニー・ケッセルは確実にこの世界だけでなくあらゆる世界で一番のギター奏者だよ!」みたいなこと書いてます。
更にあのウェス・モンゴメリーまでもがコメントしていますね!
「バーニー・ケッセルは多くのフィーリングを持ち合わせていて、ジャズ理論に添ったコード使いのアイデアを多く持ち合わせている。そしてひとつのレベルで立ち止まっているだけではない。」とべた褒めですね。
以上がCD音源のご紹介でした。
それでは次はDVDの映像作品のご紹介です。
先ほどYouTubeの動画を掲載しましたが、あの動画はとても画質が悪いので、出来れば公式リリースの下記のDVDの良い画質で観ることをおすすめします。
Legends of Jazz Guitar 2
ケニー・バレルが表紙のDVDシリーズ『Legends of Jazz Guitar』の第二弾です。
もちろん第一弾もあり、第三弾までリリースされています。
ウェス・モンゴメリーやハーブ・エリスにジョー・パスやジム・ホールなど数多くのジャズギタリストの映像が観れる映像作品シリーズです。
その第二弾のこちらのDVDの1曲目に、バーニー・ケッセルとケニー・バレルとグラント・グリーンが共演した”Blue Mist”の映像が収録されています。
もちろんYouTubeの動画と違い、画質も良いですのでぜひこちらでこの映像を観ることをおすすめします。
以上がブルースに根ざした3人のジャズギタリストの共演した音源が聴けるCDとDVDのご紹介でした♪
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