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カテゴリー:Music

2019/03/24

ジミー・スミスのブルーノート3作目『Jimmy Smith At The Organ, Volume 3』を聴こう♪

No.1ジャズ・オルガン奏者ジミー・スミスのブルーノート・レコード3作目『Jimmy Smith At The Organ, Volume 3』をご紹介します。

ギターにソーネル・シュワルツが参加したピュアなオルガン・トリオによる名作です♪

このブログで定期的にご紹介している僕の大好きなオルガン・ジャズの名手ジミー・スミスの作品ご紹介シリーズです。

 

もともとは、10代の頃にジョン・コルトレーンやソニー・ロリンズを聴いてジャズに目覚めたのですが……僕自身もギターを弾くため、自然とギターが活躍する機会が多いオルガン・ジャズを好きになりました。

 

なので、このブログにも『Jimmy Smith』という検索用の専用タグも作っています。

 

これまでにもいくつかの作品をこのブログでもご紹介しています。

 

特に僕の好きな2種類のライヴ・アルバムをご紹介したブログ記事も併せてご覧になって頂ければ嬉しいです。

 

ジミー・スミスの熱いライヴ名盤『Groovin’ at Small’s Paradise』を聴こう!
ジミー・スミス白熱の実況録音ライヴ盤!『クラブ・ベイビー・グランドのジミー・スミス』

さて、今回は前回ご紹介していたライヴ盤『クラブ・ベイビー・グランドのジミー・スミス』の収録より遡ること約2ヶ月前に収録されたアルバムのご紹介です。

 

それは、ジミー・スミスにとってブルーノート・レコードでの3作目のリーダー作に当たる『Jimmy Smith At The Organ, Volume 3』になります。

 

この作品はスタジオで録音されたアルバムになりますが……『クラブ・ベイビー・グランドのジミー・スミス』と同じメンバーのギタリストのソーネル・シュワルツとドラムのドナルド・ベイリーという当時のジミー・スミス・バンドのメンバーが参加した作品になります。

 

そのためか、3人の息もピッタリで、スタジオ録音にも関わらずライヴ感溢れる生々しい演奏を聴くことが出来ます。

 

そもそも当時はマルチ・トラックでのレコーディングとか、まだ出来なかった時代だと思いますので、スタジオでの録音も3人が同じ場所で同時に演奏していますからね。

 

そういった点では、この当時のジャズ作品は全て「スタジオ・ライヴ作品」と言えなくもないですよね。

 

僕はこの作品がとても好きなんですが、その理由もやっぱり本作の生々しい演奏にあると思います。

 

それでは作品のご紹介をしたいと思います。

 

 

Jimmy Smith – 『Jimmy Smith At The Organ, Volume 3』

01.Judo Mambo
02.Willow Weep For Me
03.Lover Come Back To Me
04.Well You Needn’t
05.Fiddlin’ The Minors
06.Autumn Leaves
07.I Cover The Waterfront
– CDs Bonus Tracks –
08.Jamey
09.My Funny Valentine
10.I Can’t Give You Anything But Love
11.Slightly Monkish

 

Personnel:
Jimmy Smith – Organ
Thornel Schwartz – Guitar
Donald Bailey – Drums

 

BN:1525

 

Recorded on June 17 & 18, 1956 by Rudy Van Gelder at the Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

 

 

 

 

アルバムの内容

ジミー・スミスにとってブルーノート・レコード3作目のリーダー作に当たる『Jimmy Smith At The Organ, Volume 3』は、いつものメンバーが集合して録音された「ピュアなオルガン・トリオ」によるジャズ作品です。

 

ジミー・スミスとソーネル・シュワルツとドナルド・ベイリー……2作目(デビュー作のみドラムはベイ・ペリー)から始まったこの鉄壁のオルガン・トリオこそオルガン・ジャズの最高峰のメンバーだと僕は思います。

 

ジミー・スミスはブルーノート1500番台だけでもおよそ13枚ものアルバムを制作していますが、ライヴ盤を省けば、この作品が最も生々しい演奏を聴くことが出来ます。

 

マイナー調のファンキー・ジャズの1曲目”Judo Mambo”は、ジミー・スミスのオリジナル曲です。

 

ドナルド・ベイリーのドラムのイントロから始まり、その上にソーネル・シュワルツのパーム・ミュートの金属音がパーカッシヴに絡みあります。

 

このパーム・ミュートはギターの弦を抑えるのではなく、軽く手を添えて「金属を擦り付ける」様な音を奏でる奏法です。

 

そしてジミー・スミスの渋いテーマ・メロディーが始まります。

 

本作にはジャズ好きならご存知ともいえる有名なスタンダード曲のカヴァーが多く収録されているのですが、まずは挨拶代わりにこのジミー・スミスのオリジナル曲が収録されているのが嬉しいところです♪

 

ジミー・スミスのテーマが終わると、最初にソロを弾くにはギターのソーネル・シュワルツです。

 

マイナー・ペンタトニックに♭5th音を組み合わせたブルース・スケールを中心としたブルージーなギターソロが聴きどころです♪

 

こういったブルージーなジャズ・ギターを弾くジャズ・ギタリストの音作りに多く見られるクランチなサウンドです。

 

通常のジャズ・ギタリストであれば、まったく「歪み」がないようなクリーン・トーンでギターを弾くことが多いのですが、ケニー・バレルやグラント・グリーンにこのソーネル・シュワルツなんかのブルースからも大きな影響を受けているギタリストの音は少し「歪」んでいます。

 

この「少し歪ませた」ギターの音色を「クランチ・サウンド」と呼びます。

 

この「クランチ・サウンド」だと、少し音に歪みがあるためクリーン・トーンよりもサステインを伴ったアタック感の強いサウンドを出すことが出来ます。

 

通常のクリーン・トーンよりもサスティンある分、音と音の間に「持続した音の伸び」が存在することになります。

 

この「持続した音の伸び」が、粘っこいサウンドを生み出すことになります。

 

力強いアタック感だけでなく、こうした粘っこいサウンドになるためブルース系のギタリストが「クランチ・サウンド」を好んでセッティングするというのもあるかもしれませんね。

 

Ryo@Dixiefunk Lab.のTwitterアイコン
Ryo
僕も自分でギターを弾く際は
「クランチ・サウンドが好きです♪

 

ソーネル・シュワルツによるブルージーなギター・ソロが終わると、次はジミー・スミスのオルガン・ソロに移ります。

 

ジミー・スミスがバリバリとソロを弾く間、ソーネル・シュワルツは巧みなコンピングでバックを支えます。

 

その後、ドナルド・ベイリーの短めのドラム・ソロを挟み、再びジミー・スミスのテーマに戻ります。

 

この辺の3人の演奏の息はピッタリです!

 

次の2曲目”Willow Weep For Me”は、女性作曲家のアン・ロネルによる美しいバラード曲です。

 

これも数多くのジャズマンが取り上げたスタンだど曲ですね♪

 

ビリー・ホリディにエラ・フィッツ・ジェラルドにサラ・ヴォーンなど、伝説的な女性ジャズ・シンガーはみなこの曲を歌っています。

 

他にもジャズ・ピアニストのウィントン・ケリーやサックス奏者のデクスター・ゴードンなど……名演を挙げればきりがないくらいです。

 

ジャズギター好きだとウェス・モンゴメリーやグラント・グリーンのカヴァーも要チェックです。

 

さて、この美しい楽曲のテーマをジミー・スミスが弾くと……どこか「もの悲しさ」よりも「明るさ」を感じます。

 

トップ・バッターでソロを弾くのはソーネル・シュワルツです。

 

アップ・テンポの曲では、フレーズを敷き詰めるようにソロを弾くことが多いソーネル・シュワルツですが、このバラードでは最小限の音を利用してソロを奏でています。

 

続くジミー・スミスのソロもオルガンのロングトーンを上手く使って教会音楽のような演奏をしています。

 

曲の締めもジミー・スミスによるオルガンのカデンツァの後にコード音を伸ばして終わります。

 

3曲目”Lover Come Back To Me”は、オスカー・ハマースタイン2世とシグマンド・ロンバーグのペンによる軽快な楽曲です。

 

パティ・ペイジの歌唱で有名な楽曲です。

 

本作収録のバージョンもアップ・テンポで軽快に演奏されています。

 

曲のテーマはジミー・スミスとソーネル・シュワルツのユニゾンで奏でられます。

 

そのままジミー・スミスのテクニカルなオルガン・ソロに移ります。

 

かなり長い時間バリバリとオルガン・ソロで盛り上がった後、そのジミー・スミスの勢いを引き継ぐかのようにソーネル・シュワルツのギター・ソロが続きます。

 

先のジミー・スミスの熱いソロに感化されてか⁉ソーネル・シュワルツのギター・ソロも勢いたっぷりです!

 

4曲目”Well You Needn’t”は、ジャズ・ピアニストのセロニアス・モンクの曲です。

 

ケニー・バレルもカヴァーしていたユニークなテーマ・メロディーを持つ楽曲です。

 

同じセロニアス・モンクの曲”‘Round Midnight”もそうなのですが、モンクの書く楽曲はなぜかギターとの相性が良いのか⁉本作収録バージョンでもソーネル・シュワルツのギター・ソロが光っています!

 

この曲に関しては、リーダーがジミー・スミスからソーネル・シュワルツに移ったかのような絶好調なギター・ソロが聴けます♪

 

5曲目”Fiddlin’ The Minors”は、ジミー・スミスのオリジナル曲です。

 

先の”Well You Needn’t”と似たユニークなテーマ・メロディーを持つ軽快な楽曲です。

 

こちらの曲でもソーネル・シュワルツが絶好調です♪

 

僕がこういったオルガン・ジャズ作品を好きな理由のひとつに、やはりオルガン奏者と共演したギタリストは勢いに乗ったギター・ソロを弾くことが多いからだと感じます。

 

6曲目”Autumn Leaves”は、説明不要な誰しもが知る超有名スタンダード曲ですね。

 

「枯葉」の邦題で知られるこの曲は、ハンガリーの作曲家ジョゼフ・コズマによって書かれた元はシャンソンの曲です。

 

歌詞はフランス人の詩人ジャック・プレヴェールによって書かれています。

 

あの誰もが知っているような有名なテーマを弾くのは、本作のリーダーであるジミー・スミスではなくソーネル・シュワルツのギターです。

 

歌心溢れるギター演奏によるテーマを弾き終えると、そのままギター・ソロに続きます。

 

そしてジミー・スミスのオルガン・ソロが大音量で引き続きます。

 

ホーリーな感触が漂うロングトーンからオルガン・ソロはそのまま曲のエンディングを迎えます。

 

さすがに元が名曲なので、本作でもこの演奏が目玉なのは言うまでもありませんね♪

 

通常のレコード盤では最後の収録曲となる7曲目”I Cover The Waterfront”は、ジョニー・グリーンが書いた楽曲です。

 

「水辺にたたずみ」の邦題で知られる、ビリー・ホリディの歌で有名な楽曲ですね。

 

個人的には、サックス奏者のレスター・ヤングのうっとりとするような温もりのあるテナーが聴ける1946年の吹き込みなんかが好きな楽曲です♪

 

またジャズギター好きでしたら、ジョー・パスの1970年の作品『Intercontinental』に収録されたバージョンもおすすめです。

 

 

さて、さすがにレスター・ヤングのバージョンには及びませんが……本作のジミー・スミスの軽快なバージョンも悪くはないです。

 

どうしてもジミー・スミスのオルガン演奏には、どこか「明るさ」が感じられます。

 

そういった点が、聴きやすさにも繋がりますが……コアなジャズ・ファンから「軽い演奏」と嫌われる原因となるのかも知れませんね。

 

ただ僕からしてみたら、本当に「コアなジャズ・ファン」ならレスター・ヤングもジミー・スミスも同じように聴きましょうよ♪と思います。

 

音楽は、偏見を持たずポジティヴな気持ちで聴くべきだと感じます。

 

最後のこの”I Cover The Waterfront”は、残念ながらソーネル・シュワルツのギター・ソロはありません。

 

終始ジミー・スミスのオルガンが中心で演奏されています。

 

本編はここで終了ですが、CD盤のリマスターの際に4曲のボーナス・トラックが追加収録されています。

 

8曲目の”Jamey”は、ジミー・スミスのオリジナル曲です。

 

バラード曲なのですが、本編には”Willow Weep For Me”や”Autumn Leaves”のような名バラード曲が収録されているので収録を見送られたのでしょうか⁉

 

9曲目”My Funny Valentine”もマイルス・デイヴィスの演奏で有名なスタンダード曲ですが、こちらのバラード曲も本編には収録されなかったようです。

 

10曲目”I Can’t Give You Anything But Love”は、これまたビリー・ホリディの歌で有名な楽曲です。

 

11曲目”Slightly Monkish”は、ジミー・スミスのオリジナル曲です。

 

ライヴ盤の『Groovin’ at Small’s Paradise』でも演奏されていた曲です。

 

とても不思議なテーマ・メロディーを持つ曲で、この演奏を聴く限りは未完成の楽曲といった感じです。

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#1 #2 #4 #6

 

 

以上、【ミー・スミスのブルーノート3作目『Jimmy Smith At The Organ, Volume 3』を聴こう♪】でした。

 

また今後もこのブログでジミー・スミスの他の作品をご紹介していきたいと思います。

 

それでは今後もぜひこのブログを読みに来てください。

 

 

 

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