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2018/11/14

ジミー・スミス白熱の実況録音ライヴ盤!『クラブ・ベイビー・グランドのジミー・スミス』

 
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名盤『Groovin’ at Small’s Paradise』よりも熱い!?『クラブ・ベイビー・グランドのジミー・スミス』

以前ジミー・スミスのライヴアルバム『Groovin’ at Small’s Paradise』をこのブログでもご紹介していました。

 

ジミー・スミスの熱いライヴ名盤『Groovin’ at Small’s Paradise』を聴こう!

今回ご紹介するのは1957年に録音されたその『Groovin’ at Small’s Paradise』よりも1年以上前に実況録音されたライヴ盤になります。

 

1956年8月4日に録音されたクラブ・ベイビー・グランドでオルガン・トリオ編成実況録音された白熱のライヴ盤『Live At Club Baby Grand 』です。

 

この作品もCD2枚にわかれています。

 

高級クラブでのライヴ盤だったためか少し品の良い演奏が繰り広げられた『Groovin’ at Small’s Paradise』と違って、今回ご紹介する『Live At Club Baby Grand 』は、よりドス黒いグルーヴで生々しい演奏を聴くことが出来ます。

 

その違いは、参加したギタリストの違いとも言えそうです。

 

『Groovin’ at Small’s Paradise』には、エディ・マクファーデンがギタリストとして参加していました。

 

エディ・マクファーデンは、流れるようなフレージングを綺麗なトーンで弾くギタリストでした。

 

しかし本作『Live At Club Baby Grand 』に参加しているソーネル・シュワルツの方は、少し濁ったようなクランチ音でパワフルにギターを弾きます。

 

その違いもあってか、本作の方がよりブラック・ミュージックとしての熱さが感じられます。

 

品の良い「おジャズ」よ言うよりも「熱いソウルがみなぎる生々しいジャズ!」といったところでしょうか?

 

同じオルガン・トリオ編成で、オルガンのジミー・スミスとドラムのドナルド・ベイリーは変わっていませんが、ギタリストが変わることでこんなにも全体の雰囲気が変わるもんなんです。

 

それでは、『Groovin’ at Small’s Paradise』よりも1年以上前に行われていた白熱のライヴ盤『Live At Club Baby Grand 』をご紹介したいと思います。

 

 

Jimmy Smith – 『Live At Club Baby Grand』

 

[Vo.l 1]

 

01.Introduction By Mitch Thomas
02.Sweet Georgia Brown
03.Where Or When
04.The Preacher
05.Rosetta

 

BN:1528

 

Recorded at Club Baby Grand, Wilmington, Delaware on August 4, 1956

 

Personel:

Jimmy Smith – organ
Thornel Schwartz – guitar
Donald Bailey – drums

 

 

 

[Vo.l 2]

 

01.Caravan
02.Love Is A Many Splendored Thing
03.Get Happy
04.It’s Allright With Me

 

BN:1529

 

Recorded at Club Baby Grand, Wilmington, Delaware on August 4, 1956

 

Personel:

Jimmy Smith – organ
Thornel Schwartz – guitar
Donald Bailey – drums

 

 

ソーネル・シュワルツの参加が聴きどころ!

Vol.1もVol.2もどちらも内ジャケにジミー・スミスに寄り添ってギターを弾くソーネル・シュワルツの写真が掲載されています。

 

初期のジミー・スミスの作品のほとんどにソーネル・シュワルツが参加してギターを弾いていました。

 

その集大成とも言うべき作品がこの『Live At Club Baby Grand 』になります。

 

基本は主役のジミー・スミスのオルガンソロなのですが、要所要所でソーネル・シュワルツのパワフルなギターソロが登場します。

 

またギターソロだけでなく、程よくグルーヴする力強いコンピングでも大活躍しています!

 

ギターの上手さは、いかにギターソロが弾けるのか?よりも、音楽の基本となるリズムギターをしっかり弾けることの方がより重要です。

 

『ギターバッキングの技』ジャンル別でギターバッキングのパターンを学べるおすすめの教則本

的確なリズム感でしっかりとバッキング演奏のできないとギタリストとしては半人前だと思います。

 

そういった点でもソーネル・シュワルツのギターが本作において重要な役割を果たしていると言えますね。

 

アルバムの内容

まずはVol.1から……。

 

1曲目はミッチ・トーマスなる人物の本日のライヴショーのご紹介になります。

 

ソーネル・シュワルツから紹介が始まり、次にドナルド・ベイリー、そして本日の主役ジミー・スミスのご紹介です。

 

もちろんジミー・スミスの紹介が始まるとお客さんが盛り上がります!

 

こういった生々しいMCが収録されていることで、録音から60年以上経った今でも生々しいライヴ録音盤としての価値があります。

 

イントロダクションのこの部分は絶対にカットしてはいけませんよね!

 

実況録音された証拠でもあります!

 

さてイントロダクションが終わるとすぐに2曲目が始まります。

 

ベン・バーニー、メイシオ・ピンカード、ケネス・キャシーという古い時代の音楽家が共作したスタンダード曲”Sweet Georgia Brown”です。

 

ルイ・アームストロングの演奏が有名ですね。

 

エラ・フィッツジェラルドが歌っていたりもします。

 

多くのジャズマンに取り上げられた曲ですが、オルガン・ジャズマンもよく取り上げている曲です。

 

リチャード・”グルーヴ”・ホームズも取り上げていました。

 

ジミー・スミスの演奏する本バージョンでは、速めのテンポで演奏しています。

 

9分35秒と長尺演奏時間ながら、テーマもソロもジミー・スミスが一人で弾いています。

 

ソーネル・シュワルツは、完全にコンピングのみに徹しています。

 

しかし所々でリズムギターのフレーズも変えながらドナルド・ベイリーと共に、バック演奏でグルーヴ感を築き上げています。

 

こういうしっかりとしたバッキングがあれば、その上でアドリヴソロを弾きやすくなります。

 

そのおかげか、ジミー・スミスのアドリヴソロも絶好調です♪

 

これでもか!これでもか!と細かいフレーズを弾き倒します。

 

そして最後はオルガンの音を伸ばして大音量で締めくくります。

 

2曲目(実質1曲目)からエンジン全開フルスロットルで白熱のライヴが始まります!

 

3曲目”Where Or When(いつかどこかで)“は少しクールダウンして、リチャード・ロジャースが1937年のミュージカル映画『Babes in Arms(青春一座)』のために書いたバラード曲です。

 

ベニー・グッドマンのバンドをバックにペギー・リーが歌っていたり、ディーン・マーティンやアンディ・ウィリアムスも歌ったりしています。

 

古き良き時代のアメリカンソングといった感じの曲です。

 

ジミー・スミスもいつも以上にメロウにテーマメロディーを奏でます。

 

ソーネル・シュワルツも少しテーマを弾かせてもらっています。

 

そしてアドリヴソロのパートが始まると……燃え上がります!(笑)

 

バックの2人に煽られ、少しテンポが上がり軽快な曲調になります。

 

かなり長めのオルガンソロが終わると、少し短めですがギターソロが始まります。

 

ツボを押さえた緩急がある的確なギターソロです。

 

再びオルガンのテーマに戻って曲は終了します。

 

続く4曲目は、ジャズピアニストのホレス・シルヴァーの曲”The Preacher”です。

 

この曲は、ジミー・スミスの初リーダー作でも取り上げられていました。

 

このライヴバージョンでは、更にグルーヴ感が増してソウルジャズっぽく演奏しています。

 

テーマからアドリヴソロまで全てジミー・スミスが一人で弾いています。

 

中盤でコード音を大音量でどこまでも伸ばすフレーズがあまりにも熱いです!

 

ソーネル・シュワルツもギターソロこそありませんが、コシのあるコンピングでリズムを支えています!

 

このリズムギターがあるからこそ、この曲が盛り上がっているんですよね♪

 

3人の作り出すアンサンブルが絶妙です!

 

この作品で一番の聴き所であるとも言える名演です♪

 

5曲目”Rosetta”は、古き良き時代のジャズピアニスト、アール・ハインズの名曲です。

 

僕はジミー・スミス大好きなんですが……さすがにアール・ハインズのオリジナル演奏に勝っているとは言えませんね。

 

やはりアール・ハインズのスウィングする原曲の凄さは越えられません。

 

ぜひ1939年録音の原曲バージョンも聴いてみて下さい。

 

まぁ原曲に敵わないのは仕方ないとして……ジミー・スミスにはジミー・スミスの良さがあります!

 

ギターと絡みながらテーマを弾く辺りは、このライヴ盤ならではです!

 

そもそも元の曲が良いので悪くなるはずがありません!

 

ファーストソロを弾くのはソーネル・シュワルツです。

 

原曲のメロディーラインを基調にして弾き始め、だんだんとオリジナルなアドリヴへと移っていきます。

 

なかなかの腕前です!

 

そしてジミー・スミスのオルガンソロに交代します。

 

「今夜の主役は俺だ!」と言わんばかりに、ここでも長尺ソロを繰り広げています。

 

しかしよくこれだけ瞬間瞬間にアドリヴが思いつくものですよね!

 

僕もショボいながらも自分自身がアドリヴ演奏をするんですが、本当にこの時代のジャズマンたちの創造力や感性の鋭さには敬服いたします。

 

これこそまさに「一瞬の芸術」ですね!

 

それではVol.2に行きましょう。

 

1曲目は、現在でもビッグバンドやジャズバンドにジャズセッションでも大人気の曲”Caravan”です。

 

デューク・エリントンの書いた名曲群はいつの時代にも輝きを放っていますね♪

 

大編成で演奏されることが多いこの曲を、シンプルなオルガントリオで演奏しています。

 

イントロではソーネル・シュワルツのお得意の「ミュートカッティング」が聴けます。

 

この時代のギタリストとしては、珍しいですよね。

 

そしてテーマを弾くのはソーネル・シュワルツのギターです。

 

ファーストソロを弾くのもソーネル・シュワルツです。

 

“Caravan”では、長めのギターソロを弾いています。

 

勢いこそありませんが、ツボを押さえたフレージングです。

 

しかし次のジミー・スミスのアドリヴソロが始まると一気に陰に隠れてしまいます……。

 

ジミー・スミスのソロの方が勢いも熱さも遥かに上です!

 

悪いですがソーネル・シュワルツはバッキングに徹している方が良さそうです……。

 

ソーネルが悪いというよりも、ジミー・スミスが凄すぎるだけなんですがね。

 

まぁだからこそこうやってリーダーを張れるのでしょうが。

 

「どっからそんなにアイデアが沸いてくるの??」と、同じ楽器演奏者として羨ましく思うぐらいアドリヴのアイデアが素晴らしいです!

 

なんか、ジミー・スミスのソロの後に聴こえてくるソーネルのテーマがヘタクソに聴こえてしまうほどです……。

 

やはりジミー・スミスの上手さは飛びぬけてますね!

 

エンディングのカデンツァも素晴らしいので聴きものですよ♪

 

さて2曲目の”Love Is A Many Splendored Thing”は、1955年の映画『Love Is a Many-Splendored Thing(慕情)』の主題歌で、イギリスで活躍したバラード歌手マット・モンローが歌っていた曲です。

 

 

哀愁漂う原曲の美し歌メロを崩さないよう丁寧にオルガンでテーマメロディーを奏でます。

 

テーマが終わると、まるでシンガーのように歌心溢れるソーネルのギターソロが始まります。

 

オルガンソロもありますが、他の曲以上にこの曲ではソーネルのギターがフィーチャーされています。

 

この時代のジャズギタリストは、みな歌モノのテーマを弾かせると上手いですよね!

 

3曲目”Get Happy”は、作曲家のハロルド・アーレンが1930年に書いた古きスタンダード曲です。

 

挙げだしたらキリがないくらい多くのミュージシャンに取り上げられた名曲です。

 

個人的にはケニー・バレルやサルヴァドールのようなジャズギタリストの演奏が印象に残ります。

 

サル・サルヴァドールのブルーノート・レーベル唯一のリーダー作を聴こう!

ジミー・スミスのバージョンも軽快なテンポで演奏しています。

 

あの印象的な歌メロのテーマをギターとユニゾンで弾きあげています。

 

かなり長めにオルガンソロを弾いた後にギターソロが続く形です。

 

ジミー・スミスが上手いのは当然なのですが、こういったアップテンポの曲になるとソーネルのギターソロも生き生きとしています!

 

ちょっとしたドラムソロも挟んで曲は終わりを向かえます。

 

そしてこのライヴ盤の最期の曲、5曲目の”It’s Allright With Me”は多くのジャズスタンダード曲を書いたコール・ポーターの曲です。

 

この曲もエラ・フィッツジェラルドの歌が思い浮かびますね。

あの歌メロをソーネルがギターで情感たっぷりに奏でます。

 

最初にソロを弾くのもソーネルの方です。

 

そして次に始まるジミー・スミスのソロに負けてしまうのは……もはやパターンです。(笑)

 

まぁリーダーがサイドマンの演奏に負けててはいけませんからね!

 

しかしオルガンのソロが終わると再びギターのテーマに戻って終わります。

 

せっかく参加してくれたのだから、ソーネルにも華を持たせよう!といったところでしょうか?

 

こうして全8曲の白熱のライヴが幕を閉じます。

 

以上が【ジミー・スミス白熱の実況録音ライヴ盤!『クラブ・ベイビー・グランドのジミー・スミス』】のご紹介でした。

 

ぜひ2枚のCDを通して、この時代の熱きジャズを聴いてみて下さい♪

 

 

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