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2019/10/31

エレクトリックとアコースティック ハービー・ハンコックのソロピアノの傑作 『Dedication』を聴こう♪

ハービー・ハンコックが来日公演の本番前に録音したソロピアノの傑作 『Dedication』をご紹介します。

エレクトリックとアコースティック、ハービーの二面性を味わうことが出来る革新的なソロ演奏アルバムです。

今回は、以前ご紹介していたハービー・ハンコックのヘッドハンターズ時代に録音されたもう1つのアルバムをご紹介します。

 

ヘッドハンターズおすすめ4作品を聴いて極上のグルーヴに酔いしれよう♪

『Dedication』と名付けられたこのアルバムは、ハービーのアルバムでいうところの『Head Hunters』と『Thrust』の間に位置する作品です。

 

驚くことに本作は、ヘッドハンターズの来日公演の為にハービーが訪日した際に録音されています。

 

それも1974年7月29日に行われた新宿厚生年金会館で行われたコンサートの前に急遽録音されています。

 

この時期のハービーは、アコースティックな生ピアノだけでなく、様々な種類のエレクトリック・ピアノを用いて実験的な作品を制作していた時期でした。

 

そのためコンサート会場であればそういったエレクトリック・ピアノが既に揃っているので、スタジオ録音の時のように足りない機材を取り寄せる必要がありません。

 

そういった経緯から日本のスタッフがハービーと打ち合わせをして制作に至ったようです。

 

こういった経緯だと、「金儲けの為に間に合わせで作った適当な作品になりそう……」とネガティヴに考えてしまいそうになるのですが、しかしそこは天才ハービー・ハンコックです!

 

しかもこの時期のハービーは、キャリアに於いても全盛期なので急遽決まったレコーディングでアドリヴ演奏をさせてもお手の物だったようです。

 

といったわけで、本作は隠れた名作に仕上がっています!

 

当時の日本のスタッフさんのアイデアに感謝と言ったところですね♪

 

それではハービーの異色作『Dedication』をご紹介します。

 

 

Herbie Hancock – 『Dedication』

01.Maiden Voyage
02.Dolphin Dance
03.Nobu
04.Cantaloupe Island

アルバムの内容

本作はハービー・ハンコックの独奏で録音されたアルバムです。

 

無伴奏のソロピアノ作品で、1曲の新曲を除いてハービーの代表曲で固められています。

 

急遽制作されたアルバムで、しかもハービー1人で演奏したたったの4曲収録のアルバム……とマイナスになりそうな要素を覆すかのように、作品としての質は高く必聴のアルバムとなっています。

 

ちなみにアルバム・タイトルの”Dedication(デディケイション)“とは、「奉納」という意味です。

 

ハービーが日本のファンの為に捧げてくれたアルバムと言ったところでしょうか?

 

それともこの録音の約2ヵ月前に亡くなったデューク・エリントンへ捧げたという意味合いもあるのかもしれません。

 

本作の2曲目”Dolphin Dance”の邦題には「デューク・エリントンに捧ぐ」と記載されています。

 

さて、1曲目”Maiden Voyage”からハービーを代表する曲で始まります。

 

この曲と次の”Dolphin Dance”の2曲は、生ピアノによる独奏です。

 

『間の美学』とでも言うべき、フレーズを急がず魂を込めて演奏しているかのような美しくリリカルな演奏にうっとりすることでしょう。

 

次の”Dolphin Dance”ではテンポを上げて、曲名通りにイルカがダンスをしているかのように1音1音が跳ね飛んでいます。

 

キース・ジャレットの1971年の作品『Facing You』を思い起こさせます。

 

素晴らしい演奏ではありますが、もしこれだけだったとしたら普通のソロピアノ・アルバムで終わっていたことでしょう。

 

しかし本作の本当の目玉と言えるのは、3曲目から始まるハービーの実験的なエレクトリック・ピアノ・パートです。

 

特に3曲目の”Nobu”は、その後DJのセオ・パリッシュがヘヴィープレイする本作随一の名演です。

 

この時期のハービーがハマっていたアープ・ソロイストやアープ・オデッセイにアープ・ストリング・アンサンブルといったシンセサイザーと、フェンダー・ローズを用いて実験的な即興演奏が行われています。

 

シンセサイザーで神秘的な反響音やメカニックなヒビートを流しながら、フェンダー・ローズでソロを弾く……しかもそのどれもがレベルの高い高次元の演奏なのです。

 

シンセのビートやアープ・ストリング・アンサンブルによる教会のパイプオルガンような音色なんかが、何となくサブトラクトのようなダブステップ系の音楽に影響を与えたんじゃないのかな?なんて思ったりします。

 

その後登場するエレクトリック系のミュージシャン全てに影響を与えているようにすら感じられる名演のひとつです。

 

4曲目にはハービーの代表曲”Cantaloupe Island”が収録されています。

 

こちらもエレピの独奏で演奏しています。

 

“Cantaloupe Island”は、後に1976年のアルバム『Secrets』で、ワー・ワー・ワトソンとレイ・パーカーjr.のギターを中心としたレゲェ調で再演されることになるのですが、ここではヘッドハンターズ風のジャズファンクにアレンジされています。

 

しかもメインとなるテーマを弾くことはなく、リズム部分を強調してファンキーにアレンジされているので、パッと聴くと何の曲かわからないぐらいです。

 

最初の生ピアノによる美しいソロ演奏もさることながら、やはり本作のメインとなるのはエレピによる最後の2曲だと言えます。

 

エレクトリックとアコースティック、ハービーの二面性を味わうことが出来るおすすめのアルバムです♪

 

 

 

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、全曲です。

 

 

以上、【エレクトリックとアコースティック ハービー・ハンコックのソロピアノの傑作 『Dedication』を聴こう♪】でした。

 

たった4曲、されど4曲なのですが、しかし本当に素晴らしい演奏が収録されているアルバムなのでまだ未聴のハービーファンの方はぜひ聴いてみてください♪

 

当時の日本のスタッフさんが良い仕事をしたんだな~と思います。

 

 

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