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カテゴリー:Music

2018/12/21

ハリケーン・カトリーナからの復興を支援したライヴ企画盤『Wade In The Water』を聴こう♪

ハリケーン・カトリーナからの復興を支援したライヴ企画盤『Wade In The Water』

ビル・サマーズとドナルド・ハリソンにボ・ドリスが企画した復興ライヴ!

このところブルース系のブログ記事が続いていたので……今回はジャズファンク系のご紹介です!

 

しかも少し今までとは違って、ハリケーン・カトリーナの復興を支援するライヴ企画盤になります。

 

それは2005年10月に『Wade In The Water』というタイトルで行われたライヴです。

 

この復興支援ライヴは、ハービー・ハンコックのヘッド・ハンターズにも参加していた名パーカッショニスとのビル・サマーズが発起人として開催されています。

 

場所はロサンジェルスの郊外パサディナ市レヴィット・パヴィリオンで行われました。

 

“Wade In The Water”とは、”wade”=「水中を歩く」や「苦労して進む」の意味があり、「水の中を歩きなさい」という意味になります。

 

これは、キリスト教の聖書の中にあるモーセが海を割って歩いたという物語や、奴隷解放運動家のハリエット・タブマンが奴隷を逃がす際に追跡してくる犬が臭いを嗅いで追ってこれないようにするために「水の中を歩きなさい」と言ったことのどちらとも言えますね。

 

ハリケーン・カトリーナでは、ニューオーリンズに住む黒人達が特に辛い思いをしたことを励ますために”Wade In The Water”=「苦労してやっと切り抜ける」というイベント名を付けたのでしょう。

 

“Water”は、水害にも掛けたんでしょうかね。

 

ちなみにハリエット・タブマンは、「アンダーグラウンド・レールロード」で黒人奴隷達がカナダへ逃亡するのを援助していた組織の指導者でした。

 

以前、このブログでも扱っていたジョン・コルトレーンの1961年の名作『Africa/Brass』のコンプリート・バージョンに収録されていた”The Underground Railroad”という曲もこの組織に関しての曲でした。

 

ジョン・コルトレーンのインパルスレーベル第一弾『Africa/Brass』を聴こう!

デューク・エリントンの有名曲”Take The A Train”もこの組織のことを暗示しているそうです。

 

ところで、このライヴ音源はCDでは2枚組に収録されています。

 

それぞれの収録曲は下記の通りです。

Wade In The Water – 『Live, Levitt Pavillion 10/16/2005』

[CD-1]
01.Intro
02.Watermelon Man
03.African Suite
04.A Night In Tunisia
05.Chameleon
06.Intro
07.Now Is The Time
08.Misty
09.Step In The Name Of Love
10.Sissy Strut

 

[CD-2]
01.Jockomo
02.Party
03.Bye Bye Baby

アルバム参加メンバー

ビル・サマーズ以外の中心メンバーには、ニューオーリンズを代表するサックス奏者のドナルド・ハリソン、ワイルド・マグノリアスのボ・ドリスが参加しています。

 

他に、ホーン隊としてトランペット奏者のレオン・”キッド・チョコレート”・ブラウンやサックス奏者のクラレンス・ジョンソン、リズム隊にはワイルド・マグノリアスにも参加していたベースのマーク・ブルクスやドラムのキンドラー・カート、パーカッション奏者のイヴェット・サマーズなどが参加しています。

 

そしてピアノとオルガンを弾くのはエマニュエル・バークです。

 

 

アルバムの内容

“Intro”と記載されているトラックは、MCになります。

 

なので、演奏が始まるのはCDのトラック2からになります。

 

まずライヴの始まりとなる曲は、ハービー・ハンコックの名曲”Watermelon Man”です。

 

もちろんビル・サマーズが参加していたヘッド・ハンターズ風のジャズファンク・アレンジで演奏しています。

 

ブリブリ鳴るイントロのベースがこれから始まるライヴに向けての期待を煽ります!

 

テーマはサックスとトランペットのユニゾンで演奏されています。

 

まだこの曲ではドナルド・ハリソンは参加していません。

 

ドナルド・ハリソンは7曲目からの登場になります。

 

“Watermelon Man”で最初にソロを吹くのは、サックス奏者のクラレンス・ジョンソンです。

 

その次にオルガンソロが始まってトランペットソロに移ります。

 

その後、演奏陣が全て止まってビル・サマーズのパーカッションソロが始まります。

 

そのソロの後、少しだけラテン風に曲が転調してまた元の”Watermelon Man”に戻って終わります。

 

次の曲”African Suite”は、演奏陣はお休みでゴスペル風のコーラスのみで歌われています。

 

まるでチャントのような神聖な時間が続きます。

 

そして再び演奏が始まります!

 

4曲目はディジー・ガレスピーの書いたジャズ・スタンダード曲”A Night In Tunisia”です。

 

2管が絡み合うイントロからトランペットのテーマへと移ります。

 

バックのリズム隊はかなりファンキーに演奏しています。

 

ソロは、サックス→トランペット→ベース→ピアノと続きます。

 

特にベースのグルーヴが凄まじいです!

 

最後は再びテーマに戻りトランペットのカデンツァで終わります。

 

そして次もヘッド・ハンターズでお馴染みの5曲目”Chameleon”です!

 

あの特徴的なベースのイントロから始まり、ファンキーなオルガンとドラムがバックを支えています。

 

そしてホーン隊の2人が、またしてもユンゾンでテーマを奏でます。

 

ソロを弾くのはオルガンのみなのですが、これがとても熱いアドリヴ演奏をしています!

 

オルガン好きとしては、ここが本作の聴き所でもあります♪

 

最後の締めも、トランペットが高音パートを吹き、テナーサックスが低音パートを吹く絶妙な終わり方で決めます!

 

そしてここからドナルド・ハリソンが登場します!

 

ドナルド・ハリソンが登場して初めの曲”Now Is The Time”は、チャーリー・パーカーの”Now’s The Time”とは全く別の曲です。

 

ドナルド・ハリソンのオリジナル曲です。

 

スムース・ジャズ風のオシャレな曲調で、なかなかの名曲です♪

 

サックスで吹くテーマメロディーがオシャレすぎます♪

 

テーマが終わると、そのままドナルド・ハリソンが吹くアドリヴソロに突入していきます。

 

サックスのソロの間もピアノがサックスのフレーズに呼応するかのように絶妙なオブリガードフレーズを付け加えています。

 

素晴らしいサックスソロの後に続くのは、オシャレなピアノソロです!

 

先ほどまで”Chameleon”で熱いオルガンソロを奏でていたと思ったら、この曲ではオシャレに弾いています。

 

かなりの腕前です!

 

本ライヴ盤のベスト・トラックと言えそうな名演です!

 

次の”Misty”は、エロル・ガーナー作のジャズ・スタンダード曲です。

 

これまたドナルド・ハリソンがテーマを吹くとオシャレな雰囲気が漂ってきます!

 

サックス→ピアノ→ベースとソロが展開されていきます。

 

次の”Step In The Name Of Love”はR.ケリーの曲です。

 

原曲自体もオシャレなヒップホップ風の曲なのですが、この曲をスムース・ジャズで演奏しています。

 

ドナルド・ハリソンが歌も歌っています。

 

そして次にニューオーリンズといえば!ミーターズですよね!

 

そのミーターズの代表曲”Cissy Strut”を演奏しています。

 

アルバムのジャケットに”Sissy Strut”と記載されているのは、あえてニューオーリンズ風に”C”を”S”で書いているようです。

 

長めの演奏が多いライヴ盤なのですが、この曲のみ3分少しで終わります。

 

サックスソロが終わるとドナルド・ハリソンがメンバー紹介をしていきます。

 

ドラムを紹介するときに”Who is The Funky Drummer? Who is The Funky Drummer?”と煽るのが最高です♪

 

ライヴの盛り上がりが伝わってきますね。

 

そしてここでCD1枚目が終わり、次の2枚目にいきたいと思います。

 

ディスク2からワイルド・マグノリアスのボ・ドリスがボーカルで参加します。

 

ここからマルディグラのお祭りムードに変わります♪

 

最初に演奏されるのは、シュガーボーイ・クロフォードの”Jockomo”です。

 

この曲はDr.ジョンでお馴染みの”Iko Iko”のことです。

 

ボ・ドリスの力強いボーカルに、” I-ko, I-ko, un-day♪”と楽しいコーラスが続きます。

 

しかしバックのリズム隊の演奏陣が凄まじいです!

 

特にピアノとベースとドラムです!

 

この作品が名作に仕上がっているのは、この3名の演奏力の高さがあるからだと思います。

 

やはり音楽はリズムが一番大事ですからね♪

 

歌の間にトランペットやサックスのソロもあります。

 

曲の終わり頃のドラムのとてつもないグルーヴは聴きものです♪

 

そして次にウィリー・ティーの曲”Party”が始まります。

 

ウィリー・ティーは、1974年のワイルド・マグノリアスのデビューアルバムでも音楽監督として重要な役割を果たしていたキーボード奏者兼シンガーです。

 

ミーターズのライバル・バンドにもなれそうだったゲイターズというバンドで音源も残しています。(下記の関連記事へのリンク先参照のこと)

 

曲名通りにパーティー感覚の盛り上がる曲です♪

 

歌の間にサックスとオルガンのソロがあります。

 

そして本編最後の曲”Bye Bye Baby”は、プロフェッサー・ロングヘアの”Hey Now Baby”のことです。

 

歌詞を途中から”Bye Bye Baby”に替えて歌っているからこの曲名で記載されているようです。

 

歌の間にアグレッシブなサックスソロとドラムソロがあります。

 

こうしてこの企画盤が大盛り上がりのまま終わりを告げます。

 

 

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おすすめ曲は、[CD1]#2 #5 #7 #8 #10
[CD2]#1 #3
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個人的にはジャズファンク系セッション定番曲
“Watermelon Man”,”Chameleon”,”Cissy Strut”の
3曲が聴けるのがポイントです♪

 

 

以上、【ハリケーン・カトリーナからの復興を支援したライヴ企画盤『Wade In The Water』】のご紹介でした。

 

単なる企画ライヴというわけではなく、ハリケーン・カトリーナの被害を吹っ飛ばすぐらい元気で楽しいライヴが繰り広げられていたようです!

 

またビル・サマーズやドナルド・ハリソンを始め、一流のミュージシャンたちによるレベルの高い演奏が聴けるのも最高ですね♪

 

楽しいライヴ・ミュージックを聴きたいときにおすすめの作品です♪

 

ちなみにこの作品の売り上げの一部が被災アーティストのために寄付されたようです。

 

 

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