2021/01/30
オルガン奏者チャールズ・カイナードおすすめのジャズファンク2作品!
オルガン奏者チャールズ・カイナードが1970年代に残したおすすめのジャズファンクアルバム2選!
ジャズファンクの名門レーベル『メインストリーム』からリリースされた必聴盤!
カンザスシティ出身のオルガン奏者チャールズ・カイナードのディスコグラフィーには、ジャズファンク系のいくつかの名作が名を残しています。
その中でもジャズファンクの名門レーベル『メインストリーム』からリリースされた必聴盤が2作品あります。
今回はその2作品をご紹介したいと思います。
そのどちらもに隠れた名ギタリストも参加していますので、僕と同じようにジャズファンク系のギターが大好きな人にとってもおすすめのアルバムでございます。
オルガンとギターの相性の良さに関しましては、このブログでも何度も書いてきましたが、今回ご紹介する2作品に於いてもその法則は間違っていません。
オルガンジャズ好きだけでなく、ファンキーなジャズギターがお好きな人も必聴です!
それでは2作品をリリースされた順番にご紹介したいと思います。
Charles Kynard – 『Charles Kynard』
1971年に録音されたチャールズ・カイナードの名前がセルフタイトルとして付けられたアルバム『Charles Kynard』は、オルガン系ジャズファンクというジャンルに於いて、外せないような名盤となっています。
1970年代に数多くのジャズファンクの名盤をリリースしたレーベルの『メインストリーム』から、チャールズ・カイナードがレーベル移籍第一弾として制作したのが本作です。
ロサンゼルスで録音された本作には、売れっ子スタジオ・ミュージシャンとなる前のジェイムズ・ギャドソンがドラムを叩いているのがクロスオーバー/フュージョン系の音楽好きには気になるところですね。
他にもテナーサックスにアーニー・ワッツが参加していたり、これまた売れっ子スタジオ・ミュージシャンでもある女性ベーシストのキャロル・ケイが参加していたり…と、『メインストリーム』レーベルの作品は参加ミュージシャンに目を通すと「おっ!凄い面子!」となることがしばしばあります。
また本作に参加しているギタリストなのですが、ナット・アダレイのジャズファンク・グループにも参加していたビリー・フェンダーが参加しています。
全7曲中、最後に収録されているキャロル・キングの”It’s Too Late”以外は、チャールズ・カイナードの大学時代の仲間リチャード・フリッツが作曲をしてアレンジも担当しています。
しかしそのどれもがジャズファンク・マナーに沿った素晴らしい曲ばかりなので、聞き逃し出来ません!
まずはスペイン語っぽい曲名の”El Toro Poo Poo”からアルバムは幕を開けます。
曲が始まるとキャロル・ケイとビリー・フェンダーの弦楽器組2人がユニゾンでファンクロック風なリフを弾いています。
サックスがテーマを吹き終えるとまずはチャールズ・カイナードのオルガンソロが始まります。
コテコテに弾きまくるオルガンソロが終わると、これまたコッテコテなギターソロが続きます。
マイナーペンタトニックを軸にブルージーなソロを弾き終えると、アーニー・ワッツのサックスソロが続きます。
ここでビリー・フェンダーがバッキング時に少しだけワウペダルを踏み込みます。
アルバムの幕開けに相応しい賑やかな曲が終わると、2曲目”Greeze”が始まります。
ブラックスプロイテーション映画に収録されていそうな、いかにも70年代風のチープなファンク曲です。
でもこのチープさがいいんですよね♪
下手したらチャルメラ風にも聞こえてしまうヨレヨレのサックスに、どこか間の抜けたテーマメロディー、そしてコテコテのカイナードのオルガンソロ…今の時代に聞くと古めかしくも感じますが、この時代ならではのサウンドは、あまりにも個性的でもあります。
ジャズオルガン好きも思わずうなるコテコテのオルガンソロを必聴です!
教会音楽のようなホーリーなオルガンのイントロから始まる3曲目”She”は、曲調こそバラードなものの、キャロル・ケイのベースがゴツゴツ、ブリブリと暴れ回ります!
あまりにベースが目立つため、ギターが参加していることを忘れてしまいそうになるぐらいです。
ソロを弾くのはオルガンとサックスで、特にアーニー・ワッツのイナタいソロは聞きものです。
4曲目”Grits”は、ビリー・フェンダーがワウギターでオブリガートを入れるシャッフルブルース曲です。
正直言って、チョーキング時のギターのピッチは甘く、そこまで上手くはありません…。
そのためなのか?ギターソロはなく、再びオルガンとサックスのソロのみです。
5曲目”Greens”は、再びブラックスプロイテーション映画に収録されていそうな怪しい雰囲気のファンク曲です。
まるでアーネット・コブのようなホンキートンクなバップフレーズを吹きまくるアーニー・ワッツのサックスソロが素晴らしいです。
勢いある2曲が続いた後の6曲目”Nightwood”は、クールダウンしてミッドテンポのバラード曲になります。
アルバム最後の7曲目”It’s Too Late”は、ソウルジャズ/ジャズファンク系のミュージシャンに大人気のキャロル・キングの楽曲です。
ビートルズの”Something”やカーペンターズの”We’ve Only Just Begun”やジャクソン5の”Never Can Say Goodbye”と同じようによく取り上げられている定番曲です。
さすがに元の曲が音楽史に残る名曲名だけあって、悪くなりようもないのですが…本作のこのカヴァーもアルバムの目玉曲となっています。
奔放に吹きまくるアーニー・ワッツのサックスソロが魅力です♪
ビリー・フェンダーも控えめながらワウを使ってリズムギターを弾いています。
どの曲でも本作のリーダーであるカイナードのコテコテなオルガンソロを堪能することが出来ます。
Charles Kynard – 『Woga』
1972年に録音された『Woga』には、ジャズファンクの名作でお馴染みの凄腕セッション・ミュージシャンが参加しています。
まずはベースにチャック・レイニーの参加が目を引きます。
さらにギターとドラムに目を向けてみると、アーサー・アダムスにポール・ハンフリーというジミー・スミスの 『Root Down」でお馴染みの名手が脇を固めています。
もうこの時点で本作のリズム隊が鉄壁であることが窺えます。
そこに4名の豪華なホーンセクションも参加している形です。
また本作にも引き続きリチャード・フリッツがアレンジャーで参加しており、更に2~4曲目と8曲目の計4曲を提供しています。
アルバム1曲目の”Little Ghetto Boy”は、ダニー・ハサウェイの名盤『Live』やジョージ・ベンソンのカヴァーでお馴染みの曲です。
オルガンによるテーマ弾きをバックの華やかなホーン隊がオブリを入れて盛り上げます。
アーサー・アダムスはほのかにワウペダルを踏んではいるものの、基本はクリーンなトーンで弾くリズムギターに徹しています。
ホーン隊が盛り上げる中、曲がフェードアウトするまでカイナードのオルガンソロが続きます。
2~4曲目までの3曲は、リチャード・フリッツの書いた曲でバラード曲の”Lime Twig”以外はジャズファンクらしい楽曲になっています。
この”Hot Sauce”と”Slop Jar”の2曲では、アーサー・アダムスの巧みなワウギターソロを聴くことが出来ます。
さすがにジミー・スミスの『Root Down』に参加していた腕前は伊達じゃない!といったところでしょうか。
前作のビリー・フェンダーよりもギターソロの腕は上です。
5曲目”Rock Steady”は、ソウルの女王ことアレサ・フランクリンのカヴァー曲です。
テーマからソロまでオルガンがリードするアレンジではありますが、中盤辺りからアーサー・アダムスのチャカポコとよく鳴るワウギターは、レアグルーヴ好きも必聴ですね♪
6曲目”Name The Missing Word”も、アレサ・フランクリンやキャロル・キングのようにこれまたジャズファンク系のミュージシャンによく取り上げられるステイプル・シンガーズの楽曲です。
本作に参加している4名もの豪華なホーン隊が活躍する曲調ですね。
7曲目”The First Time Ever (I Saw Your Face)”は、「愛は面影の中に」の邦題で有名なロバータ・フラックの楽曲です。
しっとりと静かに歌い上げるオリジナルとは違って、こちらのバージョンはホーン隊の音圧が奥の深いサウンドを作り出しています。
アルバム最後の”Shout”は、再びリチャード・フリッツが提供した元気なファンク曲です。
本作には有名なカヴァー曲が4曲収録されてはいますが、やはりソウルジャズ/ジャズファンク系の音楽好きとしては、リチャード・フリッツが書いたこの時代ならではのチープなファンク曲が魅力ですね♪
心なしかこういった楽曲の方がカイナードのコテコテなオルガンソロも勢いがあるように感じられます。
以上、【オルガン奏者チャールズ・カイナードおすすめのジャズファンク2作品!】のご紹介でした。
どちらもコテコテのオルガン弾きまくりを聴きたいといったジャズファンク好きにおすすめのアルバムです♪
特に『Woga』の方は参加メンバーも腕の立つミュージシャンばかりなのでおすすめです。
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