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カテゴリー:Music

2018/11/13

Stuffのメンバーとマイケル・ブレッカーが参加したRainbowの『Crystal Green』

Stuffのメンバー(元はエンサイクロペディア・オブ・ソウル)+マイケル・ブレッカー=Rainbow

1976年のレアなメンバーが集まった良質フュージョンアルバム♪

今回ご紹介するのは、日本でも大人気のStuffのメンバー(元はエンサイクロペディア・オブ・ソウル)とブレッカー・ブラザーズの弟でサックス奏者の故マイケル・ブレッカーが参加した1976年リリースのレアなセッションアルバム『Crystal Green』をご紹介します。

 

特にギター好きの方は本作収録の”Feel Like Makin’ Love”でのコーネル・デュプリーのギターソロは必聴です!

 

Rainbow & Michael Brecker – 『Crystal Green』

01.Hossan
02.Lost In A Song
03.So True
04.It Ain’t No Use
05.I Like It
06.Feel Like Makin’ Love

 

Personnel:
Will Boulware – Electric Piano
Mike Brecker – Tenor Saxophone
Cornell Dupree, Eric Gale – Electric Guitar
Gordon Edwards – Electric Bass
Steve Gadd – Drums
Ralph MacDonald – Congas, Percussion

 

Recorded:May 15 1976, Vanguard Studio, NY.

参加メンバー

Rainbowというバンド名を聞くと、どうしても1975年にリッチー・ブラックモアが結成したあのハードロックバンドの方を思い浮かべますが、そちらとは全く関係がありません。

 

しかしこの作品をiTunesに取り込むと、音楽ジャンルが「メタル」になっていたり、ハードロックバンドのRainbowのアイコン写真が勝手に適用されて、ブラックモアやロニー・ジェイムズ・ディオにコージー・パウエルの顔写真になっていたこともありました。

 

そういうのをちゃんとしておきたい僕は、わざわざこの作品のジャケ写にiTunes内で取り替えていました。

 

まぁしょうがないですよね…世界的に考えてもハードロックバンドのRainbowの方が遙かに有名ですからね。

 

しかし今回僕がご紹介したいのは、フュージョン系の作品の方です。

 

名義こそRainbowという名ですが、このセッションに参加したメンバーは当時のフュージョン系の一流ミュージシャン達になります。

 

まず本作の実質的リーダーであるピアノのウィル・ブールウェアです。

 

全6曲中、半分の冒頭の3曲がウィルの作曲によるものです。

 

そしてリード楽器には、ブレッカー・ブラザーズの弟で名サックスプレイヤーのマイケル・ブレッカーが参加しています。

 

ブレッカー・ブラザーズのファンの方でしたらマイケル・ブレッカーが参加しているだけでも、作品のクォリティーが高いことは想像できると思います。

 

言うまでもなく、地味なアルバムですが、本作の音楽的クォリティーは高いですのでご期待通りです!

 

そしてバックを支えるのはStuffの面子です。

 

ベースにゴードン・エドワーズ、ギターにエリック・ゲイルとコーネル・デュプリー、ドラムはスティーヴィ・ガッドという鉄壁のリズム隊です!

 

残念ながらリチャード・ティーとクリス・パーカーは参加していませんが、この4人だけでも最強の面子ですからね!

 

このStuffのメンバーにマイケル・ブレッカーです!

 

フュージョン好きなら堪りませんよね!

 

僕もStuffとブレッカー・ブラザーズが大好きなので、この作品を知った時は「こんな豪華なメンバーが参加した作品があったなんて!!!!」と驚きました。

 

懐かしい思い出です。

 

もしStuffやマイケル・ブレッカーが好きだけれども、今回初めてこの作品を知ったという方は、ぜひとも聴いてみて下さい。

 

それでは収録曲のご紹介です。

 

 

アルバムの内容

1曲目から3曲目までは全てピアニストのウィル・ブールウェア作のフュージョン系の爽やかな楽曲です。

 

“Hossan”はマイケル・ブレッカーのスムースなサックスのテーマから始まります。

 

バックの演奏陣もレベルの高い鉄壁なリズム感で支えています。

 

曲調こそ朗らかですが、演奏陣全員のテクニックの高さが聴きとれます。

 

まずソロを弾くのはギターのエリック・ゲイルです。

 

いつも通りのB.B.キングのようなスクィーズ系のよくヴィブラートするギターソロを弾いています。

 

シンプルなフレージングながらも、抜群のリズム感なのでギターテクニックの高さを存分に味わえます。

 

そして続くのはマイケル・ブレッカーのサックスソロです!

 

心の奥底に訴えかけるようなサックスの音色です。

 

その後、ウィルのピアノソロが始まり曲はフェードアウトしていきます。

 

1曲目からこんなにも素晴らしいフュージョンの曲が収録されています!

 

次の”Lost In A Song”もゆったりとしたテンポで優しいサックスの音色が味わえる良曲です。

 

ギター2人の絶妙なリズムワークがよく聴こえますが、この曲ではギターソロはありません。

 

テーマの延長線上のようなサックスの後にピアノソロがあり、そのまま曲は終わっていきます。

 

3曲目”So True”は、少し軽やかなテンポの曲です。

 

テーマもソロもマイケル・ブレッカーのみになります。

 

ウィルも2名のギタリストもバッキングのみです。

 

その分、マイケル・ブレッカーの本当に素晴らしいサックスプレイが聴けます♪

 

次の4曲目”It Ain’t No Use”は、スティーヴィー・ワンダーの1974年の名盤『Fulfillingness’ First Finale』の7曲目に収録されていたバラード曲のカヴァーです。

 

 

オリジナルに忠実にインストで演奏されています。

 

イントロのピアノの音がどうしてもこのメンバーを考えるとリチャード・ティーを思い浮かべてしまいますね。

 

この曲もギターソロはなく、キーボードソロとサックスソロのみになります。

 

5曲目”I Like It”は、プレイヤーズ・アソシエイションが1977年にシングルヒットさせるダンスチューンです。

 

 

このRainbowの方で1年先に取り上げられています。

 

ちなみにプレイヤーズ・アソシエイションのバージョンでサックスを吹いているのはジョー・ファレルです。

 

Rainbowのバージョンでは、エリック・ゲイルのキレッキレのカッティングとゴードン・エドワーズとスティーヴ・ガッドの程よくグルーヴするリズム演奏が特徴的です。

 

テーマとファーストソロをマイケル・ブレッカーが吹き、途中ウィルのピアノソロを挟んで再度テーマに戻って、またマイケル・ブレッカーのソロが始まってフェードアウトします。

 

ダンサンブルで楽しい曲ですね♪

 

そして最後に収録されているのが、本作の目玉曲”Feel Like Makin’ Love”です。

 

ユージン・マクダニエル作でロバータ・フラックが歌った有名バラード曲です。

 

マリーナ・ショウやジョージ・ベンソンのカヴァーバージョンも有名ですね。

 

また楽器を演奏する人で、セッションに行ったりする人は必ず覚えなければいけない必須スタンダード曲になります。

 

本当にバンドやセッションでよく演奏される定番中の定番にして永遠の名曲ですね。

 

個人的に僕はディアンジェロのカヴァーしたバージョンが一番好きです!

 

というのは、あのバージョンをアレンジしたのが先日惜しくも亡くなった僕の尊敬するジャズトランペッターのロイ・ハーグローヴだったからです。

 

そのディアンジェロのカヴァーバージョンの次に好きなのが本作収録のバージョンになります。

 

というのは、本作収録バージョンではコーネル・デュプリーが唯一この作品でギターソロを弾いているからです。

 

聴き慣れた”Feel Like Makin’ Love”のテーマはマイケル・ブレッカーが吹きます。

 

多少のアレンジを加えつつも、原曲の歌メロを基調にして優しく吹いています。

 

そして最初にソロを取るのはコーネル・デュプリーです。

 

てっきりこのアルバムでは、コーネルのギターソロは聴けないのかな?と思っていたら、最後の最後に弾いてくれました!

 

それもいつもの如く、無駄のないシンプルなフレージングです。

 

フレーズとフレーズの間に独特の『間』を挟むことによって、渋さが際立っています。

 

いつものダブルストップ音を崩してアルペジオでコード上を下降していくフレーズも登場します!

 

ギターのトーンだけでなく、フレージングの癖でコーネル・デュプリーだとわかります!

 

本当に素晴らしいギタリストですね♪

 

次にウィルのピアノソロが始まります。

 

流麗で美しい音色にウットリするような素晴らしピアノソロです。

 

1コーラス目を弾き終えて、2コーラス目に繋ぐ箇所で見せる速いパッシングフレーズがとても綺麗です。

 

2人のソロが終わると、一旦マイケル・ブレッカーの感情を込めたサックスのテーマに戻ります。

 

その後、マイケルのサックスソロに映ります。

 

そしてもう一人参加しているキーボーディストのアーサー・ジェンキンズのエレピソロを挟んでそのまま徐々にフェードアウトしていきます。

 

途中で転調したりとか変わったアレンジはなく、ごくごくシンプルにカヴァーしていますが、参加メンバーの演奏力の高さで聴く者を魅了します。

 

この1曲欲しさにこの作品を買ってもいいんじゃないだろうか?という程、素晴らしい演奏です♪

 

以上、全6曲Rainbowの『Crystal Green』のご紹介でした。

 

 

Stuffやマイケル・ブレッカーがお好きな方はぜひ♪

 

コーネル・デュプリーがお好きなギタリストの方にもおすすめですよ♪

 

“Feel Like Makin’ Love”が本当に素晴らしいです♪

 

 

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