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カテゴリー:Music

2022/09/30

グラント・グリーンやザ・ニュー・マスターサウンズ好きにもおすすめ!ルーカス・デ・モルダーの『Feel The Spirit』を聴こう♪

ザ・ニュー・マスターサウンズのメンバーも録音参加したスペインの新鋭ギタリスト、ルーカス・デ・モルダーのデビュー・アルバム『Feel The Spirit』をご紹介したブログ記事のタイトル画像です。

スペインの新鋭ギタリスト、ルーカス・デ・モルダーのデビュー・アルバム『Feel The Spirit』をご紹介!

初期のグラント・グリーンから影響を受けた若手ギタリスト!

今回ご紹介するアルバムは、スペインのマドリッド出身の若手ギタリスト、ルーカス・デ・モルダーが昨年2021年にリリースしたデビュー作です。

 

アルバム・ジャケットでギブソンのフルアコ・ギターのES-330を持っているところから、ジャズ・ギターがお好きな方でしたら何となく想像がつきそうですが、グラント・グリーン・フォロワーのギタリストになります。

 

それもちょうどグラント・グリーンがES-330を使っていた初期のブルー・ノート・レコード所属時の演奏スタイルから大きく影響を受けています。

 

ジャケット写真も当時のブルー・ノート・レコードの作品と同じように、モノクロのハーフトーンの人物写真に大きなブロック体で記載された作品名とアーティスト名が印象的です。

 

もうこれ系のデザインを見ただけで「少しブルージーなジャズ作品なのかな?」と勘繰ってしまいそうですが、本作はまさにその通りの内容です!

 

ジャケット写真通りで期待通りというアルバムです。

 

もちろんアルバム・タイトルの『Feel The Spirit』というのもグラント・グリーンの1962年の作品『Feelin’ The Spirit』を意識して付けられています。

 

しかし『Feelin’ The Spirit』ほどスピリチュアルなアルバムではなく、ザ・ニュー・マスターサウンズ風のファンキーなリズムも混じっています。

 

それもそのはず⁉

 

 

ザ・ニュー・マスターサウンズのエディー・ロバーツが見出した才能!

ルーカス・デ・モルダーは、グラント・グリーンだけでなくザ・ニュー・マスターサウンズのリーダーにしてディープ・ファンク系最強のギタリスト、エディー・ロバーツにも憧れていました。

 

本作デビュー前のル-カスは、地元スペインでビート・ブロンコ・オルガン・トリオや…

 

ファイン・カット・トリオにマイティ・ヴァンプといったバンドに参加していました。

 

このマイティ・ヴァンパ在籍時の2017年にザ・ニュー・マスターサウンズの前座を務めたこともありました。

 

その後、エディー・ロバーツがソウライヴのドラマー、アラン・エヴァンスらと組んだスペシャル・バンドのマタドール!ソウルサウンズがスペインをツアーした時に運命の出会いを果たしています。

 

ある日マドリードのバーでライヴをしていたルーカスのところに、マタドール!ソウルサウンズでのライヴ終了後にエディー・ロバーツがフラッと店に寄ったことから全てが始まりました。

 

エディー・ロバーツが店に入ってくる姿を見かけたルーカスは、急遽エディーの好きなグラント・グリーンの曲を演奏したそうです。

 

その演奏をいたく気に入ったエディー・ロバーツが、米国に帰国後、ルーカスをデンバーにあるカラー・レッド社のスタジオまで招待して本作のレコーディングが決まりました!

 

そういったわけもあって1人米国まで録音に旅立ったルーカスのバックを固める演奏陣はザ・ニュー・マスターサウンズのキーボード奏者ジョー・タットンやドラム奏者のサイモン・アレンが参加しています。

 

そのため本作の名義にも『Lucas De Mulder & The New Mastersounds』とザ・ニュー・マスターサウンズのバンド名が後に付けられています。

 

しかしベースのみピート・シャンドではなくThe Nth Powerのネイト・エドガーが代わりを務めています。

 

その代わり(?)8曲目の”Warm Nights”には、エディー・ロバーツ自身もギターで1曲だけ参加もしています。(なぜかアルバムのクレジット上は11曲目になっていますが…)

 

もうここまでの内容を聞いただけで、僕の様なグラント・グリーン&ザ・ニュー・マスターサウンズ好きには期待せずにはいられません!

 

試聴しないで即買いしました!

 

それではアルバムの内容をご紹介します。

 

 

Lucas De Mulder & The New Mastersounds – 『Feel The Spirit』

1. Ginger Beat
2. Come Out At Night
3. Several Times
4. Go Ahead
5. Hot Ba-Ri-O
6. Keep Walkin’
7. Feel The Spirit
8. Fruit Salad
9. Warm Nights
10. Say Goodbye
11. Redbone
12. Underground Dance

アルバムの内容

1曲目”Ginger Beat”の冒頭から「いかにもサイモンのドラムス!」といったドタドタとしてドラムのイントロで始まります。

 

イントロのコード弾きが終わるとギターで弾くメロディー部分が始まります。

 

ルーカスの弾く単音フレーズ中心のメロディー・ラインはまるでグラント・グリーンです!

 

ES-330を使ったギターのトーンもまさにそうです!

 

ギター・ソロ時のリズムの取り方もグラント・グリーン風です。

 

バックの演奏こそ今どきなファンクのリズムを使ってはいますが、何も知らずに聴いたらまるでグラント・グリーンの弾いたギター演奏に現代風のバッキングを合わせたかのように聴こえなくもないです。

 

数多くいるグラント・グリーン・フォロワーの中でもトップ・クラスの演奏力だとこの1曲だけでもわかります。

 

そりゃ~エディー・ロバーツもこの演奏に惚れますよ!

 

デジタル音源のみですがシングル・カットもされた曲です。

 

2曲目”Come Out At Night”は、デジタル音源でのみシングル・カットされた渋めのスローなジャズ・ブルース曲です。

 

やはりグラント・グリーンのフォロワーであればこういったジャズ・ブルースを上手く弾きこなせなければ合格とは言えません!

 

その点ではルーカスは満点合格でしょう!

 

しかも後半のギター・ソロではグラント・グリーンやエディー・ロバーツも弾かないような独自のダブル・スラーを連発したフレーズを弾いていたりもします。

 

3分34秒から始まるフレージングなのですが、これはまるで近年流行りのネオ・ソウル・ギターのようなハンマリングとプリングを連発した奏法です。

 

単なるグラント・グリーンやエディー・ロバーツの物真似で終わらないのもルーカス・デ・モルダーの魅力ですね♪

 

3曲目”Several Times”は、初期のザ・ミーターズ風のファンキーなギター演奏で始まります。

 

ホーン隊も加えてグルーヴしています♪

 

この辺はザ・ニュー・マスターサウンズからの影響を大きく感じられます。

 

ただこの曲でドラムを叩いているのはサイモン・アレンではなくアレハンドロ・カスターノが代わりに参加しています。

 

アルバムの名義名にザ・ニュー・マスターサウンズのバンド名が付けられてはいますが、全編でサイモンやジョーが参加しているわけではありません。

 

4曲目”Go Ahead”は、イントロのギター・リフがエディー・ロバーツを彷彿させるザ・ニュー・マスターサウンズ風のミドル・テンポのファンク曲です。

 

もはやここまで似ていると「あれ?今ザ・ニュー・マスターサウンズの未発表曲を聴いていたんだっけ?」と勘違いしてしまいそうにもなります。

 

5曲目”Hot Barrio”は、曲名からしてもブラザー・ジャック・マクダフの”Hot Barbeque”を思い起こさせますが、その曲をオマージュしたようなノリのよい楽曲です。

 

掛け声は入っていませんがね…。(笑)

 

ドリル奏法や繰り返しのシーケンス・フレーズ等、ギター・ソロではグラント・グリーン直系のフレーズがたくさん登場します。

 

6曲目”Keep Walking”は、スローなテンポで演奏されるマイナー調の楽曲です。

 

ルーカスのギターだけでなく終盤にジョー・タットンが弾くブルージーなオルガン・ソロも絶品です!

 

タイトル・トラックの7曲目”Feel The Spirit”は、オクターヴ奏法も交えてメロディー・ラインを弾いたジャズ・ブルース曲です。

 

初期の頃のグラント・グリーンはあまりオクターヴ奏法を使っていませんでしたが、後期のジャズ・ファンクを演奏していた頃は意外とオクターヴ奏法を多用していました。

 

特に楽曲のメロディー部分を弾く際にちょっとした味付け程度に使っていました。

 

ウェス・モンゴメリーのようにガッツリと全編オクターヴ奏法で弾くのではなく、ちょっとした味付け程度に使うのが逆にかっこいいんですよね。

 

8曲目”Fruit Salad”は、これまたザ・ニュー・マスターサウンズ風のジャズ・ファンク曲です。

 

しかしルーカスはエディー・ロバーツと違いワウ・ペダルは使わないようです。

 

終始、少し歪みのあるクランチ気味のクリーン・トーンでギターを弾いています。

 

9曲目”Warm Nights”は、本作からの1stシングルとしてデジタル音源でのみリリースされています。

 

レゲェ調の曲で、エディー・ロバーツが全編で参加した楽曲です。

 

イントロ部分で左chから聴こえてくる「チャッ!」とコード弾きしている方がエディー・ロバーツです。

 

右chから聴こえてくる単音リフを弾いている方がルーカスです。

 

オクターヴ奏法でメロディーを弾いているのがエディー・ロバーツです。

 

エディー・ロバーツのギターの方が弱冠ギターの歪みが強めで、アンプのミドル高めのセッティングで弾いているようです。

 

ルーカスの方がよりクリアーでトレブル高めの設定で弾いています。

 

この2人は似ているようで、しかしよく聴くとギターのトーンも奏法もそれぞれが個性的で違っています。

 

早いフレーズで急降下していくフレーズでは、エディー・ロバーツの方がルーカスよりも1音1音の音がよりクリアーです。

 

しかしトレモロ奏法じわじわ聴かせるのはルーカスの方が上手に感じられます。

 

この辺りは、スパニッシュ・ギターの地、スペインで生まれ育ったためトレモロ奏法が得意なのでしょうかね⁉

 

10曲目”Say Goodbye”は、テンポの早いジャズ・ファンク・ナンバーです!

 

この曲もデジタルでのシングル・カットされています。

 

こちらでもジョー・タットンが熱いオルガン・ソロを披露しています!

 

11曲目”Redbone”は、クリス・スパイズの弾くメロウなエレピの音色が美しいバラード曲です。

 

冒頭でルーカスがネオ・ソウル・ギター風のハープ奏法を弾いていたりします。

 

高音のオクターブ奏法でボーカリストの歌を表現したような歌心溢れるギター演奏が楽しめます。

 

メロウな歌メロ部分が終わると、まるでグラント・グリーンが1970年のアルバム『Green Is Beautiful』で演奏していたビートルズの楽曲”A Day In The Life”のように熱いギター・ソロが始まります!

 

メロウな歌メロに熱いギター・ソロ…完璧です!

 

アルバム最後の12曲目”Underground Dance”も同じくメロウなバラード曲です。

 

こちらではクリス・スパイズが熱いオルガン・ソロを弾いています。

 

ジョー・タットンもそうなのですが、本作はオルガン奏者のあるいソロ演奏を聴くことが出来る「オルガン・ジャズ作品」でもあります。

 

僕のこのブログでもよく取り上げているオルガン系のジャズ・ファンクがお好きな方に特におすすめしたいアルバムです!

 

 

以上、【グラント・グリーンやザ・ニュー・マスターサウンズ好きにもおすすめ!ルーカス・デ・モルダーの『Feel The Spirit』を聴こう♪】でした。

 

この質の高いデビュー・アルバムを聴くと、ルーカス・デ・モルダーの今後の活躍に期待したくなります。

 

近いうちにぜひ来日公演も行って欲しいものです。

 

グラント・グリーンやザ・ニュー・マスターサウンズがお好きな人はもちろんですが、オルガン・ジャズがお好きな方にもおすすめです♪

 

 

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