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カテゴリー:Music

2022/11/28

カール・デンソンが参加したソウライヴの濃厚なジャズ・ファンク・アルバム『SPARK!』を聴こう♪

ソウライヴがサックス奏者のカール・デンソンと共作した2012年のアルバム『SPARK!』をご紹介したブログ記事のタイトル画像です。

ソウライヴがサックス奏者のカール・デンソンと共作した2012年のアルバム『SPARK!』をご紹介!

全編ビートルズを取り上げた企画アルバムから一転、濃厚なジャズ・ファンク曲を収録した渋いアルバム『SPARK!』

ソウライヴのアルバムを1つずつご紹介しているブログ記事の続きです。

 

前回は全編ビートルズを取り上げた企画アルバム『Rubber Soulive』をご紹介していました。

ソウライヴがビートルズの楽曲を全編でカバーした『Rubber Soulive』を聴こう♪

 

あのアルバムはビートルズの楽曲をソウライヴ風にアレンジして全編インストのジャズ・ファンクで演奏した企画盤でした。

 

従来のソウライヴらしさが感じられないアルバムでしたが、実は今回ご紹介するその次のアルバム『SPARK!』もソウライヴらしさをあまり感じられない作品です。

 

今回は2012年にリリースされたアルバム『SPARK!』をご紹介します。

 

 

Soulive with Karl Denson – 『SPARK!』

01.Spark
02.Povo
03.Nubian Lady
04.Soul Sides
– Bonus Track –
05.Shaheed (Live From The Independent In San Francisco 2011/11/10)
06.Liquid (Live From The Independent In San Francisco 2011/11/10)

70年代クロスオーバー期の音楽性を感じさせる濃厚なジャズ・ファンク・アルバム!

本作にはボーナス・トラックを除くと4曲しか収録されていません。

 

しかも1曲目のタイトル・トラック”Spark”以外の3曲は全てカバー曲になります。

 

そういった収録曲からも本作が従来のソウライヴらしさを欠いたアルバムになった理由の1つかも知れません!?

 

しかし「ソウライヴらしくない」というのはあくまで初期の4作品『Get Down!』、『Turn It Out』、『Doin’ Something』、『Next』とは違うということであって、もしかしたら本作のこの路線もソウライヴにとっては「らしい」アルバムなのかも知れませんが…。

 

またソウライヴのメンバーであるアラン・エヴァンス、ニール・エヴァンス、エリック・クラズノー以外にサックス奏者のカール・デンソンが全面的に参加したアルバムになります。

 

そのため『ソウライヴ・ウィズ・カール・デンソン』名義で本作はリリースされています。

 

過去にもアルバム『Next』でソウライヴはサックス奏者のサム・キニンジャーをメンバーに加えていたことがあったのですが、今回はあくまでゲスト扱いです。

 

というのも、サム・キニンジャーはソウライヴと同世代のミュージシャンではありますが、カール・デンソンは先輩格に当たりますからね。

 

ソウライヴにとっては憧れの先輩ミュージシャンの共演と言った方がしっくり来るのかも知れません。

 

さて、アルバムの中身なのですが…

 

1曲目”Spark”は、これまでのソウライヴにはなかったようなかなり渋いミドル・テンポのジャズ・ファンク曲です。

 

ジャズ・ファンクとは言ってもジミー・スミスやジミー・マグリフのような「ファンク」に重きを置いた楽曲ではなく、どちらかって言うと70年代前半にCTIレーベル傘下でリリースされた(KUDUやSalvation)クロスオーバー系のジャズ・ファンクに近いです。

 

「ファンク」よりも「ジャズ」寄りといった方が良さそうですね。

 

ニール・エヴァンスの弾くフェンダー・ローズの音色に導かれ、エリック・クラズノーのギターとカール・デンソンのフルートがユニゾンでテーマを弾き始めます。

 

先にソロを弾くのはエリック・クラズノーです。

 

まるで当時のCTIレコードの作品に参加していたジョージ・ベンソンが弾いていそうな流麗なギター・ソロを弾いています。

 

当時のCTIレーベルの作品の多くで、ジョージ・ベンソンやエリック・ゲイルがギターで参加していました。

 

どちらもエリック・クラズノーのギター・プレイに影響を与えたであろうギタリスト達です。

 

エリックのギター・ソロが終わるとカール・デンソンがフルートでソロを吹き始めます。

 

CTI時代のヒューバート・ロウズを思わせるプレイです。

 

その後テナー・サックスに持ち替えてブルージーで渋いソロも披露しています。

 

8分14秒にも及ぶ長い1曲目がこれで終わります。

 

本作はボーナス・トラックを省くと4曲しか収録されていないのですが、そのどれもが5分を超える長めの楽曲です。

 

2曲目から4曲目までは70年代初期のクロスオーバー系の楽曲のカバーが続きます。

 

2曲目”Povo”は、トランペット奏者のフレディ・ハバードが書いた曲です。

 

1972年のアルバム『Sky Dive』に収録されていた初期クロスオーバー時代の名曲です。

 

それこそ『Sky Dive』はCTIレコードからリリースされたアルバムだったので、本作のソウライヴは70年代クロスオーバーのサウンドを狙って作っていたのでしょう。

 

ちなみに”Povo”のオリジナル録音にはジョージ・ベンソンが参加していました。

 

ここでもクラズノーはベンソンをリスペクトしたようなギター・ソロを弾いています。

 

この曲ではニール・エヴァンスがオルガンでソロも弾いています。

 

こちらも9分37秒もある長尺演奏でした。

 

次の11分22秒にも及ぶ3曲目”Nubian Lady”は、ピアニストのケニー・バロンが書いた楽曲です。

 

そのケニー・バロンが参加したユセフ・ラティーフの1972年の作品『The Gentle Giant』に収録されていた楽曲です。

 

ユセフ・ラティーフはマルチ・リード奏者でジョン・コルトレーンにも多少の影響を与えた人物です。

 

そのユセフ・ラティーフがフルートで演奏したエキゾチックなこの楽曲をカール・デンソンのフルートに代えてソウライヴが取り上げています。

 

エリック・クラズノーはギターの音色をカラッとした乾いたトーンにして東洋の音階を混ぜ合わせてソロを演奏しています。

 

クラズノーの幅広さを感じられる演奏です。

 

4曲目”Soul Sides”は、トランペット奏者のアート・ファーマーが書いた曲です。(正確にはエリック・クラインシュースター作)

 

メインストリーム・レコードから1972年にリリースされたアルバム『Gentle Eyes』に収録された楽曲です。

 

ちなみにメインストリーム・レコードはスピリチュアル・ジャズや本作の収録曲のような渋いジャズ・ファンクの作品を数多くリリースしていたレーベルです。

 

“Soulsides”のオリジナル録音にはギタリストは参加していなかったのですが、本作でソウライヴで取り上げる際にはエリック・クラズノーがいます。

 

そのクラズノーがここで面白いアレンジを施しています。

 

まるでワー・ワー・ワトソンのような深いエコーを効かせたワウ・ギターを弾いています。

 

ギター・ソロこそありませんが、バックで鳴るファンキーなワウ・ギターがかっこいいです。

 

この曲だけ5分7秒と少し短めで終わります。

 

この4曲は本作リリースの前年にあたる2011年に亡くなったジャズ・ファンク系ギタリストのメルヴィン・スパークスに捧げられています。

 

だからアルバム・タイトルが『SPARK!』なのですね!

 

まぁどの曲もメルヴィン・スパークスが演奏していそうなジャズ・ファンク曲ではありませんが…。

 

34分程で本編が終わった後、日本盤には貴重なライヴ音源が2曲ボーナス・トラックとして収録されています。

 

“Shaheed”は2001年の『Doin Something』に、”Liquid”は2002年の『Next』に収録されていたソウライヴの定番曲です。

 

どちらも2011年11月10日にサンフランシスコにあるジ・インディペンデントというライヴ・ハウスで収録されています。

 

カール・デンソンとソウライヴのライヴによく参加しているライアン・ゾイディスがゲストで参加しています。

 

更にトランペット奏者のディアンジェロ・ニーヴスも加えた豪華ホーン隊が参加したライヴ演奏です!

 

特に14分にも及ぶ”Shaheed”の方ではカール・デンソンがかなり長めにフルートで即興ソロを披露しています。

 

この2曲を聴くためにもぜひ日本盤で持っておきたいアルバムです♪

 

以上、【カール・デンソンが参加したソウライヴの濃厚なジャズ・ファンク・アルバム『SPARK!』を聴こう♪】のご紹介でした。

 

 

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