カテゴリー:Music

2018/02/28

サル・サルヴァドールのブルーノート・レーベル唯一のリーダー作

サル・サルヴァドールのブルーノート・レーベル唯一のリーダー作『Sal Salvador Quintet / Quartet』についてのご紹介です。

サル・サルヴァドールのブルーノート・レーベル唯一のリーダー作『Sal Salvador Quintet / Quartet』

白人ジャズギタリストのサル・サルヴァドールを知っている?

1925年マサチューセッツ州のモンソンに生まれたサル・サルヴァドールは、知る人ぞ知るマニアックなジャズギタリストだと思います。

 

「ジャズギター好きです。」と言う人に出会っても、サル・サルヴァドールのことを名前すら知らないっていう人は結構な確率でいます。

 

どうしても地味な印象なんで仕方のないことだと思うのですが、僕はとても好きなギタリストです。

 

というのもフルアコの太い音色でバリバリとシングルトーンを中心に、歌心溢れるフレーズを次々と弾き倒すギタリストだからです。

 

なのでチャーリー・クリスチャンやグラント・グリーンが好きだと、サル・サルヴァドールを好きになるのも当然な気もします。

 

もちろんギターの腕前も一流です!

 

そういった点では、同じマニアックなジャズギタリストでもコード弾きとメロディをうまく織り交ぜて弾くマンデル・ロウとは対極な気がします。

 

ちなみにサル・サルヴァドールは、ウェス・モンゴメリーと同い年です。

 

そんなサル・サルヴァドールのアルバムをいくつか所有しているのですが、今回は彼の初リーダー作にして唯一のブルーノート・レーベルでの作品をご紹介します。

 

サル・サルヴァドールのブルーノート・レーベル唯一のリーダー作『Sal Salvador Quintet / Quartet』の紙ジャケCDの画像1枚目
サル・サルヴァドールのブルーノート・レーベル唯一のリーダー作『Sal Salvador Quintet / Quartet』の紙ジャケCDの画像2枚目
サル・サルヴァドールのブルーノート・レーベル唯一のリーダー作『Sal Salvador Quintet / Quartet』の紙ジャケCDの画像3枚目

Sal Salvador – 『Sal Salvador Quintet / Quartet』

01.Gone With The Wind
02.Get Happy
03.My Old Flame
04.This Can’t Be Love
05.Too Marvelous For Words
06.After You’ve Gone

 

BN:5035

 

Personnel:
Sal Salvador – guitar
Frank Sokolov – tenor sax
Johnny Williams – piano
Kenny O’Brien – bass
Jimmy Compbell – drums

 

Recorded December 24, 1953.

 

 


 

上記の写真をご覧の通り僕はレアな紙ジャケで所有しています。

 

とても好きなアルバムですので、この紙ジャケを大事にしています♪

 

 

このアルバムは、1953年の12月24日というクリスマス・イヴに録音されたアルバムです。

 

ブルーノート・レーベルの創立者であるアルフレッド・ライオンは、ジャズブルースが特に好きでして、そんなジャズブルースに一番合う楽器でもあるギターが好みだったようです。

 

そのためレーベル創立の早い段階から当時は無名だったけど実力派のギタリストに録音のチャンスを与えていました。

 

例えば、タル・ファーロウにルー・メッカなどです。

 

ジャズギター好きならタル・ファーロウをご存知の方は多いかと思いますが、ルー・メッカは今回のサル・サルヴァドールと同じく少しマニアックになりますね。

 

残念ながらジャズギター好きといいながら彼らのことを知らない人……多いです。

 

まぁそれはいいとしてタル・ファーロウもルー・メッカもサル・サルヴァドールも皆、白人ギタリストです。

 

また3人とも初リーダー作の吹込みはブルーノート・レーベルでした。

 

どちらかというとブルーノート・レーベルと言えば、イナタイ黒人ジャズミュージシャンのアルバムが多い印象もありますが、初期の頃は白人ジャズマンも多く吹込みをしていました。

 

ちょうどこの時期は、チャーリー・クリスチャン以降なぜか黒人ジャズギタリストが途絶えていた頃でもありました……。

 

先に挙げたタル・ファーロウにルー・メッカの他にもバーニー・ケッセルにハーブ・エリスなど、この時期に活躍していたジャズギタリストは白人ばかりでした。

 

もちろん白人だから悪くって黒人なら良い!……なんてことは一切ありませんが、僕個人としては白人ギタリストはどこか洗練されていて流麗に卒なく弾きこなすような気がします!?

 

それに比べて黒人ギタリストは、独特の【間】を持っていて速いフレーズの中にもタメがあったりして、それがフレーズに歌心を生んでいるような気がします。

 

その後、ブルーノート・レーベルは、1956年にケニー・バレルが登場するまで黒人ギタリストは出てきません。

 

しかしケニー・バレルの後を追うように1961年にグラント・グリーンがデビューしてからは、この2人がブルーノート・レーベルの看板ギタリストとして活躍していきます。

 

 

 

初リーダー作品『Grant’s First Stand』

 

 

サル・サルヴァドールはと言えば、1953年のこの初リーダー作のみを残してブルーノート・レーベルではその後は吹込みを行っていません。

 

キャピトルやベツレヘムなどの他のレーベルに移籍しています。

 

さてそれでは各曲について簡単にご紹介していきたいと思います。

 

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アルバムの内容

 

収録曲の6曲は全て親しみやすい曲調のアメリカン・スタンダードばかりです。

 

#1の”Gone With The Wind”は、ハーブ・マジソンとアリー・リューベル作の1937年の曲です。

 

あの有名な映画『Gone with the Wind(風と共に去りぬ)』とは関係ないのですが、レット・ミッチェルの小説を基に書かれた曲です。

 

ピアノのイントロから小粋にスウィングする美しいメロディーの曲です。

 

フランク・ソコロウのサックスがテーマメロディーを弾くサル・サルヴァドールに上手く絡み合います。

 

ちなみに後年フランク・ソコロウのリーダー作にサル・サルヴァドールは参加もしています。

 

 

 

ソロの一番手はリーダーのサル・サルヴァドールが弾きます。

 

正確なピッキングで、太い音色のシングルトーンのみでメロディーを奏でます。

 

無駄なフレージングは一切なく、コード進行に沿ったギターフレーズが素晴らしいです。

 

ソロの2番手はフランク・ソコロウのサックスが吹き、その次はピアニストのジョニー・ウィリアムスが引き続きます。

 

スタン・ゲッツのグループに加わったばかりのジョニー・ウィリアムスの小粋でスウィンギーなピアノソロも聴き所です♪

 

1曲目からとても素晴らしい曲が収録されています。

 

#2の”Get Happy”は、その後ケニー・バレルもデビュー作で取り上げていたハロルド・アーレン作のミュージカルナンバーです。

 

この曲でもイントロのピアノが印象的です。

 

それに続いてサル・サルヴァドールが歌心溢れるシングルトーンでテーマメロディーを奏でます。

 

テクニカルに速弾きをするのではなく、不純物一切なしでシングルトーンのみで的確なメロディーを弾く演奏スタイルは、グラント・グリーンのようでもあります。

 

僕がサル・サルヴァドールのギターを好きな理由もここにあります。

 

あえてコード弾きなどの重音奏法を用いずに、無駄がなく綺麗なメロディーだけを太く甘いシングルトーンで弾き倒す姿はまるでサックスやトランペットのようです。

 

だから彼らのギタースタイルを表すときに「ホーンライク(まるで管楽器のような演奏)」と言うんです。

 

“Get Happy”ではフランク・ソコロウのサックス抜きでギターとピアノにベースとドラムスの4人編成で演奏されます。

 

そういったわけで、このアルバムのタイトルも『Sal Salvador Quintet / Quartet』なんです。

 

曲によってクインテット(5人編成)の場合とカルテット(4人編成)の場合があります。

 

この曲ではカルテットで演奏されています。

 

サックスがいない分、サル・サルヴァドールがまさしくギターを「ホーンライク」に弾いています。

 

テーマもソロも、サックスが吹いていてもおかしくないような感じです。

 

またこの曲ではジョニー・ウィリアムスのピアノソロも素晴らしいのでそちらにもぜひ耳を通してみて下さい。

 

「スウィングする♪」とはこういうことだなぁ~と惚れ惚れとするようなプレイです。

 

#3の”My Old Flame”は、アーサー・ジョンストンとサム・コスロウが1934年に書いたバラード曲です。

 

この曲もカルテットで演奏されています。

 

本当に上手い演奏家っていうのはバラードをしっかりと演奏出来て初めて一人前だと思うのですが、さすがにサル・サルヴァドールのバラード演奏も素晴らしく感動ものです!

 

個人的にはこのアルバムの中でも、この曲の演奏が一番の聴き所だと思います。

 

まるでシンガーの様に歌ってるかのようなギターのフレーズが素晴らしいです。

 

また短いながらも終盤のピアノソロが少しクラシカルなメロディーを奏でるところなんかも絶品です。

 

本当に名演だと思います。

 

#4の”This Can’t Be Love”は、先ほどのバラードとは打って変わって軽快なスウィングナンバーです。

 

オリジナルは、リチャード・ロジャースとロレンツ・ハート作のミュージカルナンバーです。

 

次から次へと歌心溢れるフレーズを弾き倒すサル・サルヴァドールのギターテクニックに脱帽です!

 

またこの曲はサックスのフランク・ソコロウも短いながらも的確なメロディーでソロを吹きます。

 

#5の”Too Marvelous For Words”は、フランク・ソコロウのサックスのイントロから始まるこれまた軽快なスウィングナンバーです。

 

リチャード・ホワイティングとジョニー・マーサーが1937年に制作した映画『Too Marvelous For Words(言葉に出来ない素晴らしさ)』の主題歌です。

 

テーマメロディーでギターとサックスが絡み合う感じがとてもかっこいいです。

 

アルバム最後の#6の”After You’ve Gone”は、ターナー・レイトンとヘンリー・クリーマーが1918年に書いたアメリカの古き良き時代の哀愁溢れるスタンダードナンバーです。

 

短いテーマに続いてサックスが先陣を切ってソロを吹きます。

 

そしてギターが続きピアノへと移りテーマに戻っていく形です。

 

以上の6曲が収録曲になります。

 

 

 

 

 

どちらかと言うと、マニアックなジャズギタリストのサル・サルヴァドールですが、綺麗にメロディーを奏でるギターテクニックは本物ですので、ぜひこれを機に聴いてみてはいかがでしょうか?

 

巷によくあるジャズギター系の雑誌や教則本でも滅多に出てこない名前ではありますが、サル・サルヴァドールは素晴らしいジャズギタリストですのでお勧めですよ。

 

 

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