カテゴリー:Music

2019/09/01

オルガン奏者リューベン・ウイルソンがトリオで演奏する純粋なジャズ・アルバム『Revisited』を聴こう♪

 
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オルガン奏者リューベン・ウイルソンが2011年にトリオ編成で制作した純粋なジャズ・アルバム『Revisited』をご紹介します。

オルガン・トリオで演奏する原点回帰のジャズ・アルバム!

つい先月も2回ほど取り上げていたリューベン・ウィルソンです。

 

新時代の正統派オルガン系ジャズファンク‼リューベン・ウィルソンの『Fun House』を聴こう♪
グラント・グリーンJr.も参加した正統派オルガン系ジャズファンク‼リューベン・ウィルソンの『Movin’ On』を聴こう♪

過去にも何度も取り上げていることからお分かりだと思いますが、僕はリューベン・ウィルソンの弾くオルガンが大好きです♪

 

それと、リューベンの作品にはメルヴィン・スパークスやグラント・グリーンJr.にロドニー・ジョーンズ等の凄腕ジャズ・ギタリストが参加していることもポイントです。

 

やはり僕自身もギターを演奏するので、全ての楽器の中でギターという楽器が一番好きなんです。

 

でもギタリストがリーダーの作品しか興味がないなんてことはありません。

 

必ずしもギタリストが主役を張っていなくっても、脇役でも良い仕事をしている作品は世の中に星の数ほど存在しています。

 

そういったわけもあって、僕はギターと最も相性の良い(ベースやドラムと相性が良いのは当たり前のことなのでリズム隊は省く。)オルガン奏者と共演した作品がとても好きで集めています。

 

オルガン奏者にとってもギターというのは、なくてはならないような存在なので、オルガンがリーダーの作品にはギターが参加しいることが多くあります。(もちろんラリー・ヤングの『Unity』みたいにギターレスの名盤だってたくさんありますよ。)

 

そんな中でも特にサックスやトランペット等の目立つリード楽器がいない「オルガン・トリオ」編成が好きです。

 

オルガンを主役に、バックを支えるのはギターとドラムだけ……。

 

特定のベーシストもおらず、オルガンのフットベースで補っているシンプル極まりないバンド編成です。

 

一人バンドのジェシー・フラーや一人二役のチャーリー・ハンターを除けば、トリオ編成は考えられる最小限のバンド編成だと思います。

 

2人だと「デュオ」ですからね。

 

さて、そんなオルガン・トリオによるジャズ・アルバムの多くは、50~60年代のブルーノート・レーベルやプレスティッジ・レーベルに固まっていると思われます。

 

その後、60年代後半から70年代になるにつれ「ジャズ・ファンク」化していき、少ない編成のバンドで純粋なジャズを演奏するオルガン作品はほとんど見受けられません……。

 

ジャズ・ファンクだけでなく、こういったオルガン・トリオによる純粋なジャズ作品が好きな僕にとっては、各時代のオルガン・ジャズを聴けないのが少し残念に感じたりもしますが……時代のニーズなんかもありますので仕方のないことですよね。

 

80年代のフュージョン時代、90年代のアシッド・ジャズ時代にはほとんど存在していなかったと思います。

 

しかしそういった音楽の発展が一段落して、リューベン・ウィルソン自身も『Fun House』や『Movin’ On』なんかで現代風ジャズ・ファンク作品を制作して一段落したためか、2010年代になって原点回帰とも言えそうなオルガン・トリオによるジャズ作品がリリースされました!

 

それが今回ご紹介する『Revisited』というアルバムです。

 

 

Reuben Wilson Trio – 『Revisited』

01.Here We Go
02.The Shuffle
03.See See Rider
04.Moonlight in Vermont
05.Good Idea
06.Misty
07.Wee
08.Back at the Chicken Shack

 

Personnel:
Reuben Wilson – Organ
Bob DeVos – Guitar
Vince Ector – Drums

 

アルバムの内容

アルバムはリューベン・ウィルソン作の1曲目”Here We Go”勢いよく始まります。

 

曲名通りに「さぁ始まるぞ!」といった感じのテンポ早めのスウィング・ジャズ曲です。

 

短めのテーマをオルガンが弾いた後は、本作に参加しているギタリストのボブ・デボスがギター・ソロを弾き始めます。

 

このボブ・デボスという人物は、元々はリチャード・”グルーヴ”・ホームズとの共演で有名になっていったジャズ・ギタリストです。

 

ウェス・モンゴメリーとケニー・バレルの良いところを取り出して……しかしそのレジェンド2人と比べると個性に欠ける……といった感触のギタリストです。

 

決してヘタなわけではありません。

 

ただ「これ、どこかで聴いたことのあるフレージングだなぁ~」といった二番煎じなところを感じたりもします。

 

良く言えば、余計なことをしないツボを押さえたギタリストなのですが……驚きはありません。

 

次の2曲目”The Shuffle”は、本作に参加しているドラマーのビンス・エクターが作曲した曲名通りにシャッフルするジャズ・ブルース曲です。

 

こういった楽曲はギタリストが得意とするので、テーマを弾いているのはボブ・デボスです。

 

強烈な個性こそありませんが、演奏自体は上手いです。

 

どことなくギターの音作りにケニー・バレルからの影響を感じさせます。

 

完全なクリーントーンではなく、かなり薄めにクランチーな歪みが施されています。

 

そのため強くピッキングした際に、初期のモダン・ブルース・ギタリストのような歪んだ音が聞こえてきます。

 

しかしブルース・ギタリスト達との違いは、高音を控えめにして中音域の強い丸みのあるサウンド作りをしている点です。

 

ヘタすると「ギンギン」の音色になるブルース・ギタリストの演奏とは違って、アクのないマイルドなサウンドなので大音量で聴いたとしても耳が痛くなることはありません。

 

3曲目”See See Rider”は、オルガン奏者のジミー・スミスも1959年に名盤『Home Cookin’』で取り上げていた伝説的な女性ブルース・シンガーのマ・レイニーが歌ったスタンダード曲です。

 

さすがにジミー・スミスのバージョンには劣りますが……リューベンによる現代版オルガン”See See Rider”も悪くはないです。

 

『Home Cookin’』の方では、本家ケニー・バレルがギターを弾いていますからね!

 

さすがにケニー・バレルと比べるのはあまりにもかわいそうです……。

 

しかしボブ・デボスもこういったブルージーな楽曲は得意なようで、軽快にギター・ソロを弾いています。

 

4曲目”Moonlight in Vermont(バーモントの月)“は、フランク・シナトラやエラ・フィッツジェラルドにサラ・ヴォーンなんかも歌ったカール・スースドーフが1944年に書いた名バラード曲です。

 

ジャズ・ギター好きだとやはりジョニー・スミスの名演が真っ先に思い浮かびますね。

 

これまた先ほどの曲と同じく、ジョニー・スミスと比べるのはあまりにもかわいそうですが(笑)……ボブ・デボスもこの名曲を現代に蘇らせるために頑張っています。

 

ギター演奏が合う楽曲でもありますからね。

 

5曲目”Good Idea”は、再びリューベン作のオリジナル曲です。

 

自作曲になると、少しファンキーになるのはリューベンの音楽的嗜好によるものなんでしょう。

 

しかし先の2曲の古き良き時代の名曲に負けないような聴いていて楽しい楽曲です。

 

僕がリューベン・ウィルソンというオルガン奏者が好きな理由の一つとして、こういった「明るく楽しい楽曲」を演奏するからです。

 

これは個人的な嗜好の問題なのですが、僕はあまり「暗い」音楽が好きではありません。

 

聴いていて「憂鬱な気分」になりたくないからです。

 

やはり音は、文字通りに「楽しい気分」で聴きたいからです。

 

なので、こういったノリの良い楽曲が特に好きです♪

 

自作曲ということもあり、本作収録曲の中でもリューベンのオルガンが最も楽しそうに弾いている楽曲でもあります。

 

再びスタンダード曲に戻って……6曲目”Misty”は、ジャズ・ピアニストのエロル・ガーナーにが1954年に書いた名曲です。

 

数多くのミュージシャンによって取り上げられた名曲中の名曲なのですが、同じオルガン奏者だとリチャード・”グルーヴ”・ホームズのバージョンが一番有名だと思います。

 

あのバージョンのスウィング具合はもはや異常なぐらい素晴らしいのですが、本作も負けじとスウィングしています。

 

本当にオルガン演奏にあった楽曲ですね♪

 

ギターによるスウィンギーなコンピングも外せない名曲です。

 

ボブ・デボスもジャズ・ギタリストの本領発揮とばかりに流れるようにメロディアスなギター・ソロを披露しています。

 

7曲目”Wee”は、ジャズ・パーカッション奏者のデンジル・ベスト作のビ・バップ風なジャズ曲です。

 

これまでどちらかというとブルージーなジャズ曲が多かった中で、ここにきて「正統派」とも言えそうなジャズ曲の登場です!

 

ジャズとしては「正統派」ではありますが、リューベンらしくない選曲でもあります。

 

しかしジミー・スミスに負けじと速いテンポの中、見事にオルガン・ソロを弾ききっています。

 

最後の8曲目”Back at the Chicken Shack”は、オルガン・ジャズでは絶対に外すことのない経典のような楽曲です!

 

もちろんジミー・スミスが1960年に発表した名曲です。

 

リューベン自身は、過去にもバーナード・パーディやグラント・グリーンJr.と共演した2002年のアルバム『Organ Blues』でも取り上げていた楽曲です。

 

グラント・グリーンとも共演経験のあるリューベン・ウィルソンの『オルガン・ブルース』

『Organ Blues』では、サックスも参加していましたが(ジミー・スミスのオリジナルにはスタンリー・タレンタインが参加)、本作ではトリオのまま演奏しています。

 

親父譲りのグラント・グリーン印のギター・ソロを弾いたグラント・グリーンJr.に対して、本作のボブ・デボスはジミー・スミスのオリジナル・バージョンに参加していたケニー・バレル風のタメを効かせたギター・ソロを弾いています。

 

リューベン自身のソロにしても本作の方が、より素晴らしい演奏をしていると言えます。

 

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#1 #2 #5 #6 #8

 

 

以上、【オルガン奏者リューベン・ウイルソンがトリオで演奏する純粋なジャズ・アルバム『Revisited』を聴こう♪】でした。

 

リューベン・ウィルソンの原点回帰ともいえる純粋なオルガン・ジャズ作品です。

 

メロディーを奏でるのはオルガンとギターだけというシンプル極まりない編成だからこそ、各楽器がごった煮になっていなくって集中して曲を楽しむことが出来ます。

 

地味な作品ではありますが、”Misty”や”Moonlight in Vermont”のような有名なスタンダード曲も含んでいるので、ある程度ジャズを聴いてきた人であれば全く知らない曲ばかりにはならないと思います。

 

しかしそれだけ有名なジャズ・スタンダード曲を取り上げてはいますが、2曲のリューベンのオリジナル曲や、ドラムのビンス・エクターが作曲した”The Shuffle”のような新しい楽曲が魅力的でもあります。

 

原点回帰しつつも、新しい自作曲を含んだ「新時代のオルガン・ジャズ・アルバム」だと言えます。

 

初めてのオルガン・ジャズ作品としては、あまりお勧めできませんが……ジミー・スミスの名作を聴き漁って「他にも何かオルガン・ジャズの面白い作品はないかな~?」と新しいものを求めている方におすすめのアルバムです。

 

ある程度オルガン・ジャズを聴いてきた人こそ本作をおすすめします!

 

ジャズ初心者の方は、まずはジミー・スミスから入門して下さい!

 

 

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