2019/08/15
グラント・グリーンJr.も参加した正統派オルガン系ジャズファンク‼リューベン・ウィルソンの『Movin’ On』を聴こう♪
新時代の正統派オルガン系ジャズファンク‼リューベン・ウィルソンの『Movin’ On』をご紹介します。
グラント・グリーンJr.の参加がポイント!
前回ご紹介していたリューベン・ウィルソンの『Fun House』に引き続き…
新時代の正統派オルガン系ジャズファンク‼リューベン・ウィルソンの『Fun House』を聴こう♪
今回はその翌年にリリースされた『Movin’ On』をご紹介したいと思います。
2005年の『Fun House』の方には、ギタリストにメルヴィン・スパークスが参加していました。
2006年リリースの本作にはメルヴィンに代わってグラント・グリーンの息子のグラント・グリーンJr.(グレッグ・グリーン)が参加しています。
もちろん本作の一番の聴き所は、このグラント・グリーンJr.(以降;Jr.)のギターだと言えます。
ちなみにリューベン・ウィルソン自体は、1969年のブルーノート・レーベル盤『Love Bug』にて本家グラント・グリーンと共演もしています。
またJr.の方とも度々共演していて、過去にこのブログでもご紹介していた2002年の作品『Organ Blues』や…
グラント・グリーンとも共演経験のあるリューベン・ウィルソンの『オルガン・ブルース』
バーナード・パーディを加えて組んだバンド『The Godfathers Of Groove』なんかでも共演しています。
グラント・グリーンJr.とリューベン・ウィルソンとバーナード・パーディが組んだバンド『The Godfathers Of Groove』を聴こう♪
もちろんメルヴィンに劣らず、ジャズ・ファンク系のギターを得意とするJr.とリューベンの相性はバツグンです!
それでは『Movin’ On』をご紹介したいと思います。
Reuben Wilson – 『Movin’ On』
01.Movin’ On
02.Slick Willie
03.Waita Minute
04.Miss Mansfield
05.Funk Farm
06.Watch Me Fly
07.Feel Free
08.What You Won’t Do For Love
09.Caught Up In The Rapture
Personnel:
Reuben Wilson – Organ
Grant Green Jr. – Guitar
Robert Chaseman – Tenor Saxophone on Tracks 07, 03, 05, 08
Wilbur Bascomb – Bass on Tracks 01, 02, 04, 06, 09
Shawn Hill – Drums on Tracks 01, 02, 04, 06, 09
J.T. Lewis Jr. – Drums on Tracks 03, 05, 07, 08
アルバムの内容
アルバムは、クリス・パークスというブルックリン出身のギタリスト/ベーシストが書いた1曲目”Movin’ On”で始まります。
本作は曲によってベースとサックスが参加していたり、不在だったりしますが、この1曲目では両者共に参加しています。
さっそくJr.の弾く爽やかな16分カッティングで1曲目が始まります。
サックスとオルガンがユニゾンでテーマを奏でる間、ギターはずっとバッキングを弾いています。
まずはオルガンのソロから始まり、Jr.は2番手でギター・ソロを弾いています。
父親のグラント・グリーン譲りのメロディアスでわかりやすいフレージングを武器に、現代風のグルーヴがバックで流れる中華麗に弾きこなしています。
ギター・ソロが終わると再びリューベンのオルガン・ソロが始まります。
サックスは最初のテーマのみの登場です。
ドライビングのBGMにも合いそうな爽やかな1曲目が終わると、リューベンの書いた2曲目のミドルテンポで渋いファンク曲”Slick Willie”に移ります。
シンセサイザーのような音色が流れる中、リューベンのオルガンが『間』を活かしたフレーズを重ねていきます。
この曲のJr.はリズム・ギターのみです。
「ウェイロミニッ!」と楽し気に歌って始まる3曲目”Waita Minute”もリューベンのオリジナル曲です。
ここでようやくサックスのソロが登場します。
これまでの2曲では、1曲目の最初のテーマ部分しか登場機会がありませんでしたが、満を持してこの曲で吹きまくっています!
まるでアーネット・コブやジーン・アモンズのようなホンカーっぷりの豪快なソロです!
聴きごたえのあるテナー・サックスのソロの次には、Jr.がこれまた親父譲りのジャズ・ファンク系ギター・ソロを弾いています。
この曲が本作一番の聴き所ですね♪
4曲目”Miss Mansfield”は、ソングライターによる提供曲で60年代R&B風のゆったりとしたバラード曲です。
ここでJr.は、コーラス・エフェクターを使用してバッキングを弾いています。
全編オルガンが主役となって、テーマからソロを弾いています。
5曲目”Funk Farm”は、リューベンとJr.の共作によるジャズ・ロック風の軽快なビートが楽しい楽曲です。
テーマは、サックスとギターがユニゾンで弾いています。
ソロ回しは、オルガン→ギターサックスの順番で、特にJr.が父親のグラント・グリーンからそのまま受け継いだようなギター・ソロを披露しています。
6曲目”Watch Me Fly”は、リューベンのオリジナル曲です。
父親と違っ現代風のて16分ファンク・カッティングが得意なJr.のギターから勢いよく始まります。
そのままギター・ソロはなく、終始バッキングに徹しています。
この曲の一番の聴き所は、スラップ奏法でブリブリ鳴ってるベースです。
7曲目”Feel Free”もリューベンのオリジナル曲で、こちらの方はJr.がオシャレなギター・ソロを披露しています。
最後の2曲はどちらもカヴァー曲になります。
8曲目の”What You Won’t Do for Love”はボビー・コールドウェルの1978年の曲で、9曲目の”Caught Up In the Rapture”はアニタ・ベイカーの1986年の曲です。
どちらの曲も、リューベンが主役でテーマからソロを弾いています。
以上、【グラント・グリーンJr.も参加した正統派オルガン系ジャズファンク‼リューベン・ウィルソンの『Movin’ On』を聴こう♪】でした。
やはり何と言っても本作の一番の魅力は、グラント・グリーンJr.が参加していることです。
「もしグラント・グリーンが現代に生きていたら?」と仮定して聴いてみるのも良いかもしれません。
もちろん父親の真似ばかりではなく、Jr.のギター・カッティングの腕前も聴き所です。
現代風のオシャレなオルガン系ジャズ・ファンクの作品を聴きたいという方におすすめのアルバムです♪
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