
2025/04/09
レディオヘッド(Radiohead)の全アルバム解説:名曲と経歴で辿る革新的ロックの軌跡

レディオヘッド(Radiohead):革新的なロック・バンドの魅力に迫る
人気ロック・バンド「レディオヘッド(Radiohead)」は、1993年のデビュー以来、独自の音楽性で世界を魅了し続けています。
レディオヘッドを代表する名曲”Creep”から、エレクトロニカの傑作『Kid A』、そしてオーケストラが響く『A Moon Shaped Pool』まで、彼らのアルバムは常に進化を遂げてきました。
今回は、2025年の現時点でリリースされているレディオヘッドの全9枚のスタジオ・アルバムと日本限定EP『Itch』『I Might Be Wrong – Live Recordings』を詳しく紹介します。
トム・ヨークの感情的なボーカルやジョニー・グリーンウッドの革新的なサウンドが好きな音楽ファン必見の内容です。
レディオヘッド(Radiohead):革新的なサウンドで世界を魅了するイギリスのロック・バンド
イギリスのオックスフォードで結成されたロック・バンド「レディオヘッド(Radiohead)」は、実験的な音楽性と深い感情表現で世界中のファンを惹きつけてきた伝説的な存在です。
1990年代から現在に至るまで、彼らの独自のサウンドはオルタナティブ・ロックやエレクトロニカの枠を超え、音楽史に大きな足跡を残しています。
この記事では、レディオヘッドの経歴や代表作、そしてレディオヘッドがロックシーンに与えた影響を紹介します。
レディオヘッドの結成と初期の経歴
レディオヘッドは1985年、オックスフォードシャーのアビンドン・スクールで出会った5人のメンバー——トム・ヨーク(Thom Yorke)(ボーカル)、ジョニー・グリーンウッド(Jonny Greenwood)(ギター)、コリン・グリーンウッド(Colin Greenwood)(ベース)、エド・オブライエン(Ed O’Brien)(ギター)、フィル・セルウェイ(Phil Selway)(ドラム)によって結成されました。
当初は「オン・ア・フライデー(On a Friday)」という名前で活動していましたが、1991年にEMIと契約を結び、「レディオヘッド」へと改名しています。
1993年にデビューアルバム『Pablo Honey』をリリースし、シングル曲Creep”で一躍注目を集めました。
この曲は、孤独や疎外感を歌った歌詞とキャッチーなギターリフで、90年代オルタナティブ・ロックのアンセムとなりました。
音楽的進化と名作アルバムの誕生
レディオヘッドは単なる一発屋に留まらず、アルバムごとに大胆な音楽的進化を遂げました。
1995年の『The Bends』では、感情豊かなギターサウンドとトム・ヨークの独特なボーカルが際立ち、批評家から高い評価を受けました。
特に”Fake Plastic Trees”や”Street Spirit (Fade Out)”は、バンドの内省的なスタイルを象徴する名曲です。
そして1997年、傑作『OK Computer』がリリースされ、レディオヘッドはロックの枠を超えた存在になります。
ディストピア的なテーマとエレクトロニカの要素を融合させたこのアルバムは、”Paranoid Android”や”Karma Police”といった楽曲で知られ、音楽史に残る名盤として称賛されています。
『OK Computer』は、現代社会への不安を映し出した歌詞と革新的なプロダクションで、グラミー賞を含む数々の賞を受賞しました。
2000年の『Kid A』では、さらに実験的な方向へシフトします。
ギター中心のサウンドから電子音楽やアンビエントの影響を取り入れ、”Everything In Its Right Place”や”Idioteque”で新たなファンを獲得しました。
このアルバムは商業的にも成功し、レディオヘッドが単なるロック・バンドではなく、アートとしての音楽を追求する存在であることを証明しました。
後期の活動と影響力
その後もレディオヘッドは独自の道を歩み続けます。2007年の『In Rainbows』は、「Pay What You Want(好きな金額を払う)」という画期的なデジタルリリース方式で話題になります。
“Nude”や”Reckoner”といった楽曲は、美しいメロディと複雑なアレンジでファンを魅了しました。
2016年の『A Moon Shaped Pool』では、ストリングスやオーケストラを大胆に取り入れ、”Burn the Witch”や”Daydreaming”で成熟したサウンドを披露しています。
トム・ヨークのソロ活動やジョニー・グリーンウッドの映画音楽(『ファントム・スレッド』など)も注目され、バンドメンバーの多才さがレディオヘッドのクリエイティビティを支えています。
レディオヘッドが音楽シーンに与えた影響
レディオヘッドは、オルタナティブ・ロック、エレクトロニカ、ポストロックなど多岐にわたるジャンルに影響を与え、コールドプレイやミューズといったバンドにもインスピレーションを与えてきました。
レディオヘッドの音楽は、単なるエンターテインメントを超え、リスナーに深い思索を促すアートとして評価されています。
レディオヘッドの魅力とは
レディオヘッドは、デビューから30年以上にわたり、常に進化を続けるイギリスのロック・バンドです。
『OK Computer』や『Kid A』といった名盤、”Creep”や”Paranoid Android”といった名曲を通じて、レディオヘッドは音楽の可能性を広げてきました。
トム・ヨークの感情的な歌声とバンドの革新的なサウンドは、今後も多くのリスナーを惹きつけるでしょう。
レディオヘッドの経歴を知ることで、彼らの音楽がさらに深く響くはずです。
それではここからはレディオヘッドが現時点までにリリースしたスタジオ・アルバム9作品とおすすめのEP2作品をまとめてご紹介します。
レディオヘッド(Radiohead)の全スタジオ・アルバムとおすすめEPをまとめてご紹介!
Radiohead – 『Pablo Honey』(1993)
1993年にリリースされたデビューアルバム『Pablo Honey』は、レディオヘッドの初期のオルタナティブ・ロックのサウンドを象徴する作品です。
荒々しいギターリフとトム・ヨークの感情的なボーカルが特徴で、90年代のグランジやロックの影響が色濃く表れています。
バンドのキャリアの出発点となった作品であり、この頃はシンプルでストレートなロック・サウンドが中心ですが、後の実験的なスタイルへの片鱗も見られるアルバムです。
このアルバムは、当時のオルタナティブ・ロックとグランジの影響を受けながらも、メロディアスな楽曲が特徴となっています。
特に、第一弾シングルとしてリリースされた”Creep”は、内向的な歌詞と爆発的なギターサウンドが話題を呼び、世界的に大ヒットしました。
孤独と自己嫌悪を歌ったこの曲はバンドの出世作となり、全世界で大ヒットしています。
キャッチーなギターリフと切ない歌詞が印象に残ります。
また、トム・ヨークの繊細な歌声と、サビで一気に解放されるダイナミックな展開が魅力です。
かのプリンスがライブでカバーしたこともSNSで話題となりました。
続く第二弾シングル”Anyone Can Play Guitar”は、ギターサウンドを前面に押し出し、ロックへの憧れと反骨精神を感じさせる楽曲です。
サードシングルの”Stop Whispering”は、メランコリックなメロディとエモーショナルなボーカルが印象的で、バンドの表現力の高さを感じさせます。
アルバムには他にも、開放的なギターサウンドが心地よい”You”、疾走感のある”How Do You?”、静かで叙情的なアコースティックギターが中心の”Thinking About You”、ダークな雰囲気を持つ”Vegetable”、ミステリアスな”Ripcord”、そして奥行きのあるサウンドが魅力の”Lurgee”など、多彩な楽曲が収録されています。
ラストを飾る”Blow Out”は、ノイジーなギターと実験的なアレンジが印象的で、のちのレディオヘッドの音楽性を予感させます。
“Vegetable”はトム・ヨークお気に入りのバンド、R.E.M.を彷彿させます。
ジャジーなイントロから始まるも、最終的には混沌としたホワイトノイズが全体を支配する”Blow Out”は、ソニック・ユースを彷彿させます。
まだこの時期は「○○のバンドに似た曲」が多いのですが、ところどころで見せる実験的なアプローチは、レディオヘッドならではの試みでしょう。
『Pablo Honey』は、のちに進化を遂げるレディオヘッドの原点とも言える作品であり、ロック・ファンにとって聴き逃せない一枚です。
Radiohead – 『The Bends』(1995)
1995年にリリースされた2ndアルバム『The Bends』は、レディオヘッドが音楽的深みを増した作品です。
ギター主導のサウンドに感情的なメロディが加わり、批評家から高い評価を受けました。
前作『Pablo Honey』のグランジ的な要素を脱却し、より洗練されたメロディと深みのあるサウンドを取り入れたことで、バンドの評価を一気に高めました。
トム・ヨークのエモーショナルなボーカル、ジョニー・グリーンウッドの独創的なギターワーク、そして美しくも力強い楽曲が詰まったこのアルバムは、オルタナティブ・ロックの名盤として語り継がれています。
第一弾シングル”My Iron Lung”は、ダイナミックな展開と不安定なリズムが特徴の楽曲で、レディオヘッドらしい緊張感のあるサウンドが楽しめます。
ちなみにこの曲のギター音は、まるでオルガンのように聞こえるサウンドなのですが、オクターバーというエフェクターが使われています。
続く第二弾シングル”High and Dry”は、美しいメロディと切ない歌詞が印象的なバラードで、同じく両A面としてリリースされた”Planet Telex”は、トレモロが効いた幻想的なサウンドが特徴的です。
“Planet Telex”で聴くことが出来る幻想的なギターサウンドは、トレモロ・エフェクターを使用して表現されています。
トレモロ・エフェクターとは、音量を上下することで独特の揺れを表現する、いわゆるモジュレーション系(揺れ系)のエフェクターです。
実はトレモロの歴史は、歪み系と呼ばれるファズよりも古く、最古のギター・エフェクターでもあります。
現在では持ち運び可能な小さな筐体のコンパクト・エフェクターや、各種エフェクト・サウンドが1つの機材で使用可能なマルチ・エフェクターになりましたが、もともとはギター・アンプに内蔵されていた機能でした。
特にフェンダー・アンプには、なぜか「ヴィブラート」と表記されたトレモロが搭載されています。
本来のヴィブラートは、音程を上下させるエフェクターなので、トレモロとは別物なのですが、フェンダー・アンプには、「ヴィブラート」と表記されています。
またフェンダーの有名なギター、ストラトキャスターにはトレモロ・アームが付いているのですが、あちらは機能的には音程を揺らすヴィブラートになります。
少し話が脱線しましたが…”Planet Telex”はそのトレモロ・エフェクターを音楽史上で最も上手く使った好例だとギター弾きでもある僕は感じています。
さて、アルバムの話に戻りますと…
第三弾シングル”Fake Plastic Trees”は、アコースティックギターとヨークの繊細なボーカルが際立つ名曲で、感傷的な歌詞とドラマチックな展開が聴く者の心を打ちます。
第四弾シングル”Just”は、鋭いギターリフとエネルギッシュな展開が魅力的で、レディオヘッドの攻撃的な一面を感じさせます。
ギターの繊細なクリーントーンのサウンドと、過激なディストーションのサウンドの切り替えがニルヴァーナ等のグランジ・バンド特有の「静と動」からの影響を感じさせます。
第五弾シングル”Street Spirit (Fade Out)”は、ミニマルなギターアルペジオと悲しげなメロディが特徴の楽曲で、アルバムの締めくくりとして完璧な役割を果たしています。
第六弾シングルとなった”The Bends”は、力強いギターサウンドと浮遊感のあるボーカルが魅力で、バンドの新たな方向性を示した一曲です。
このアルバムには他にも、疾走感のある”Bones”、エモーショナルなメロディが印象的な”Nice Dream”、実験的なアレンジが光る”Sulk”、そしてドラマチックな展開が魅力の”Black Star”など、多彩な楽曲が収録されています。
『The Bends』は、レディオヘッドがアート性とロックのバランスを見事に確立した作品であり、バンドの進化を感じることができる名盤です。
Radiohead – 『OK Computer』(1997)
1997年にリリースされた3rdアルバム『OK Computer』は、レディオヘッドの名を世界に轟かせた傑作です。
ディストピア的なテーマとエレクトロニカの要素を融合させ、ロックの枠を超えた作品です。
当時は、PCが一般的にも普及した時代で、本作は現代社会への不安を描いており、グラミー賞を受賞しています。
間違いなく音楽史に残る名盤でもあります。
エレクトロニカや実験的な要素を取り入れたこの作品は、近未来的な世界観や現代社会への批評をテーマにしながら、独自のサウンドでリスナーを魅了しました。
トム・ヨークの内省的な歌詞、ジョニー・グリーンウッドの革新的なギターワーク、エド・オブライエンの空間的なアレンジが絶妙に絡み合い、圧倒的な完成度を誇るアルバムに仕上がっています。
第一弾シングル”Paranoid Android”は、6分を超える壮大な構成を持ち、アコースティックな導入部、激しいギターリフ、静寂の中に響くコーラスが次々に展開するプログレッシブな楽曲です。
ライブで聴くと、この曲が持つ壮大な世界観がより強く伝わってきます。
続く第二弾シングル”Karma Police”は、アコースティックギターやピアノを基調としたミステリアスな雰囲気を持ち、歌詞には現代社会の不安や抑圧された感情が込められています。
第三弾シングル”Let Down”は、繊細なギターアルペジオと浮遊感のあるメロディが美しく、夢のようなサウンドスケープが広がる楽曲です。
第四弾シングル”Lucky”は、フランス限定でリリースされ、ダークなギターとドラマチックな展開が特徴の楽曲で、アルバムの核心ともいえる重厚なサウンドを聴かせます。
第五弾シングル”No Surprises”は、オルゴールのようなギターのイントロと、穏やかでありながらも絶望感をにじませた歌詞が印象的な名曲です。
このアルバムには他にも、機械音とともに開幕し、不穏なムードを漂わせる”Airbag”、未来的な語りが挿入されたエレクトロニカ風の”Fitter Happier”、重厚なベースラインが響く”Electioneering”、幻想的で儚いメロディが美しい”Climbing Up the Walls”、そしてラストを飾る”The Tourist”など、多彩な楽曲が収録されています。
『OK Computer』は、音楽的な革新性と深いメッセージ性を兼ね備え、1990年代を代表する歴史的な名盤です。
レディオヘッドの世界観を体感するなら、ぜひ一度じっくりと聴いてみてください。
Radiohead – 『Kid A』(2000)
2000年にリリースされた4thアルバム『Kid A』は、ギターから電子音楽やアンビエントへと大胆にシフトした実験作です。
当時のトム・ヨークは「ロックの時代は終わった!」と各種音楽雑誌のインタビューで答えており、ファンを驚かせました。
リアルタイムで本作のリリースを待っていた当時の僕もかなり驚いた思い出です。
しかしそれでも、その革新的なサウンドは、レディオヘッドらしさを失わず、かつクオリティの高い作品は新たな支持層をも獲得しました。
前作『OK Computer』のギターを基調としたサウンドから一転し、エレクトロニカやアンビエント、エクスペリメンタル・ロック(実験音楽)の要素を取り入れた実験的なアプローチが特徴です。
シングルカットはされていませんが、アルバム全体が統一された世界観を持ち、聴くほどに深みを増していきます。
オープニングを飾る”Everything In Its Right Place”は、不穏なシンセサイザーとトム・ヨークのエフェクトがかかったボーカルが印象的で、アルバムの新たな方向性を象徴する一曲です。
タイトル曲”Kid A”は、ヴォコーダーを使った声とミニマルなビートが特徴的なアンビエント・トラックです。
意外なところでは、この曲はジョン・メイヤーがアコースティックギターでアレンジしてカバーもしています。
2003年のアルバム『Heavier Things』の日本盤にボーナストラックとして追加収録されています。
“The National Anthem”は、歪んだベースラインとフリージャズのようなホーンセクションが絡み合い、混沌としたエネルギーを生み出しています。
この曲は、ミクスチャー系バンドのリヴィング・カラーのギタリストであるヴァーノン・リードが、2006年にリリースしたソロ・アルバム『Other True Self』でギターインストの形式でカバーしていました。
他にも、以前このブログでもご紹介していたのですが、ジャム・バンドのドパポッド(Dopapod)がライブでカバーもしています。
本作『Kid A』は、革新的なアルバムでありながらも多くのミュージシャンに影響を与えており、カバーもされています。
ジャズ・トランペッターのクリスチャン・スコットも本作から大きなインスピレーションを得ていることを公言しているくらいです。
“How to Disappear Completely”は、ストリングスが美しく響くバラードで、ヨークの「完璧な消え去り方」という内省的な歌詞が際立ちます。
“Optimistic”は、アルバムの中で比較的ロック色の強い楽曲で、グルーヴ感のあるギターリフが印象的です。
“In Limbo”は、幻想的なアレンジと浮遊感のあるメロディが特徴です。
“Idioteque”は、エレクトロニックなビートが際立つダンスミュージック的な要素を持ち、レディオヘッドの実験精神が感じられる名曲です。
“Morning Bell”は、繰り返されるメロディと変則的なリズムが独特の雰囲気を生み出しています。
ラストの”Motion Picture Soundtrack”は、オルガンとストリングスが美しく響き、幻想的なエンディングを演出します。
『Kid A』は、ロックの枠を超えたサウンドで、リスナーに新たな音楽体験を提供するアルバムです。
従来のギター中心のバンドサウンドとは異なるアプローチを楽しみたい方におすすめの一枚です。
Radiohead – 『Amnesiac』(2001)
『Kid A』のセッションから生まれた2001年の5thアルバム『Amnesiac』は、前作の電子的なアプローチを継承しつつ、様々な音楽的要素を加えた作品です。
前作『Kid A』と対をなすような雰囲気で、独自の深みを追求しています。
前作の実験的なアプローチを引き継ぎながらも、より多様なサウンドと表現力を持つアルバムに仕上がっています。
エレクトロニカ、ジャズ、アンビエント、そしてロックが融合し、独特な世界観を生み出しています。
第一弾シングル”Pyramid Song”は、幻想的なピアノのアルペジオとストリングスが絡み合い、夢の中を漂うような感覚をもたらします。
歌詞には死後の世界や神話的なモチーフが用いられ、荘厳な雰囲気を演出しています。
幻想的なMVもリリース当時は大いに話題となりました。
第二弾シングル”Knives Out”は、『The Bends』時代のギターサウンドを彷彿とさせるメロディアスな楽曲です。
鋭いギターリフと切ないメロディが印象的です。
アルバムには他にも、機械的なビートと不穏なムードが漂う”Packt Like Sardines in a Crushd Tin Box”、ジャズの影響を色濃く感じる”Life in a Glasshouse”、不規則なリズムと緊張感のある展開が特徴の”Pulk/Pull Revolving Doors”など、ユニークな楽曲が揃っています。
また、”I Might Be Wrong”は、ブルース的なギターリフとミニマルなビートが心地よく、ライヴでも人気の高い楽曲です。
この曲をリードトラックとしたEPがリリースされていますが、そいちらについては後ほどご紹介します。
“You and Whose Army?”は、静かな導入から壮大なクライマックスへと展開し、エモーショナルなボーカルが際立ちます。
“Dollars and Cents”は、不穏なベースラインとストリングスの絡みが印象的なトラックです。
『Amnesiac』は、『Kid A』と双子のような存在でありながら、より感情的で物語性のある作品として高く評価されています。
レディオヘッドの実験的なサウンドと独創的なアプローチを堪能したい方におすすめの一枚です。
『Kid A』と『Amnesiac』は、2021年にCD3枚組の『Kid A Mnesia』としてまとめてリイシューされています。
Radiohead – 『Hail to the Thief』(2003)
2003年にリリースされた6thアルバム『Hail to the Thief』は、政治的なテーマとロック回帰が融合した作品です。
エレクトロニカとギターサウンドがバランスよく共存しています。
『Kid A』や『Amnesiac』で展開されたエレクトロニカや実験的な要素に加え、ギター主体のロックサウンドも復活し、バンドの原点と進化が融合したアルバムとなっています。
政治的なメッセージを含む歌詞も特徴で、混沌とした社会への鋭い視点が込められています。
当時のブッシュ政権への批判が込められ、エネルギッシュかつ思索的な名作へと仕上がっています。
第一弾シングル”There There”は、トライバルなリズムと幻想的なギターサウンドが印象的な楽曲です。
静かなイントロから徐々に高まるダイナミズムがドラマチックな展開を生み出し、レディオヘッドらしい緊張感に満ちています。
第二弾シングル”Go to Sleep”は、アコースティックギターのアルペジオが特徴的です。
不安定なメロディと歪んだギターが絡み合う独特の楽曲です。
第三弾シングル”2 + 2 = 5″は、静かな導入から激しいギターサウンドへと変化するダイナミックな展開が魅力です。
アルバムのオープニングを飾るにふさわしい一曲です。
アルバムには他にも、”Sit Down. Stand Up.”の機械的なビートと激しいクライマックス、”Sail to the Moon”の美しいピアノと幻想的なメロディ、”Where I End and You Begin”の不穏なベースラインと過激なギターカッティング、”We Suck Young Blood”の不気味な拍手のリズム、”There There”と並ぶギターの疾走感が印象的な”Myxomatosis”など、多彩な楽曲が揃っています。
『Hail to the Thief』は、レディオヘッドのロック的側面と実験的要素が共存するアルバムで、バンドの進化を体感できる作品です。
Radiohead – 『In Rainbows』(2007)
2007年にリリースされた7thアルバム『In Rainbows』は、美しいメロディと洗練されたアレンジが特徴の名盤です。
本作は、レディオヘッドのキャリアの中でも最高傑作と評価されることが多い作品です。
エレクトロニカや実験的な要素が際立っていた『Kid A』や『Amnesiac』の流れを汲みつつも、バンド本来の温かみのあるメロディや感情的な表現が際立ち、バランスの取れたサウンドが特徴です。
また、アルバムの配信方法として「Pay What You Want」=「価格を自由に決める」という当時としては画期的な手法を採用し、大きな話題となりました。
第一弾シングル”Jigsaw Falling into Place”は、疾走感のあるアコースティックギターとトム・ヨークのエモーショナルなボーカルが絡み合う楽曲です。
緊張感のあるリズムが徐々に高まり、圧倒的なエネルギーへと昇華する構成が魅力的です。
第二弾シングル”Nude”は、1990年代から存在していた楽曲が満を持して収録されたもので、幻想的なストリングスとミニマルな演奏が特徴です。
トム・ヨークの繊細なボーカルが際立ち、静かで美しい雰囲気を作り出しています。
アルバムには他にも、多彩な楽曲が収録されています。
“15 Step”は、不規則なビートと電子音が絡み合うオープニングトラックで、リズムの変化が心地よい一曲です。
“Bodysnatchers”は、激しいギターリフが特徴のロック色の強い楽曲で、バンドのエネルギッシュな側面を感じられます。
個人的にはレディオヘッドのギター曲ではこの曲が一番かっこいい仕上がりだと思います。
“All I Need”は、シンプルなピアノのフレーズと重厚なベースラインが感情を揺さぶります。
“Reckoner”は、繊細なギターとファルセットが美しく響く神秘的な楽曲です。
“House of Cards”は、空間エフェクトをかけたギターが心地よいスローテンポの楽曲で、浮遊感のあるサウンドが印象的です。
エド・オブライエンはこういった永続的なディレイ・サウンドを使わせるとロック界随一の上手さを誇ります。
『In Rainbows』は、レディオヘッドのキャリアの中でも特に完成度の高いアルバムであり、メロディの美しさと実験性が見事に調和しています。
緻密なアレンジと豊かな音楽性が詰まったこの作品は、レディオヘッドの最高傑作と称されるにふさわしい一枚です。
レディオヘッドというバンドの成熟とアクセシビリティが融合した名盤です。
Radiohead – 『The King of Limbs』(2011)
2011年にリリースされた8thアルバム『The King of Limbs』は、リズムとループに焦点を当てたミニマルな作品です。
当時再ブームを興していたダブステップとエレクトロニカ、そしてオーガニックな要素が混在しています。
レディオヘッドの中でも特にミニマルで抽象的な作品として知られています。
楽曲構成はシンプルながらも緻密で、中毒性のある繰り返されるビートと浮遊感のあるメロディが独特の世界観を生み出しています。
アルバムのオープニングを飾る”Bloom”は、不規則なドラムパターンと幻想的なシンセサウンドが絡み合い、ジャズの影響を感じさせる楽曲です。
“Morning Mr Magpie”は、鋭いギターフレーズと軽快なリズムが特徴で、緊張感のある展開が魅力です。
“Little by Little”は、独特なグルーヴが際立つ一曲で、ミステリアスな雰囲気を持っています。
アルバムの中盤に位置する”Feral”は、ボーカルがエフェクトで加工され、不気味な電子音が支配する実験的な楽曲です。
“Lotus Flower”は、トム・ヨークのファルセットと滑らかなビートが美しく調和し、アルバムの中でも特に印象的なトラックとなっています。
MVも制作されています。
“Codex”は、シンプルなピアノの旋律と静寂が際立つバラードで、幻想的なムードが漂います。
後半には、”Give Up the Ghost”のアコースティックなサウンドと繊細なコーラスが心に響く楽曲が続きます。
そして、アルバムのラストを飾る”Separator”は、浮遊感のあるギターとリズミカルなドラムが心地よく、余韻を残すような締めくくりとなっています。
『The King of Limbs』は、レディオヘッドの持つ革新性が詰まったアルバムであり、エレクトロニカやミニマル・ミュージック、更にはダブステップにも興味のあるリスナーにおすすめの作品です。
本作のリミックス盤『TKOL RMX 1234567 』もダブステップ好きならおすすめです。
Radiohead – 『A Moon Shaped Pool』(2016)
2016年にリリースされた9thアルバム『A Moon Shaped Pool』は、オーケストラやストリングスを大胆に取り入れた成熟作です。
アンビエントやクラシック(いわゆるチェンバー・ロックやバロック・ポップの要素)を交えたこれまでのバンドの集大成ともいえる深遠な作品で、情感豊かで美しい仕上がりが特徴です。
オーケストラアレンジを大胆に取り入れ、静寂と緊張感が交錯する独特な雰囲気を持つ作品となっています。
感情的な深みと繊細なサウンドが融合し、レディオヘッドの成熟した音楽性を感じさせるアルバムです。
第一弾シングルとしてリリースされた”Burn the Witch”は、不穏なストリングスが特徴的な楽曲で、社会的なテーマを内包した歌詞と高揚感のあるアレンジが印象的です。
鋭いリズムと緊張感あふれる展開が、アルバムの幕開けにふさわしい力強さを持っています。
第二弾シングル”Daydreaming”は、ピアノを基調とした美しいバラードで、トム・ヨークの静かなボーカルと逆再生された音のレイヤーが幻想的な空間を作り出しています。
他にも、”Decks Dark”は、アンビエントなサウンドと浮遊感のあるメロディが印象的な楽曲です。
“Desert Island Disk”は、アコースティックギターをメインにしたシンプルな編成で、穏やかながらも奥深い響きを持っています。
“Ful Stop”は、徐々にビルドアップしていく展開が特徴的で、ドラムとベースの反復が高揚感を生み出します。
“Glass Eyes”は、美しいストリングスとピアノが際立つ短い楽曲で、静かに心を揺さぶる一曲です。
“Identikit”は、不安定なコード進行とエレクトロニカの要素が絡み合い、アルバムの中でも異彩を放っています。
“The Numbers”は、アンビエントなサウンドとグルーヴィーなリズムが特徴で、環境問題をテーマにしたメッセージ性のある楽曲です。
“Present Tense”は、ラテンのリズムを取り入れたアコースティックな楽曲で、繊細なメロディが印象に残ります。
“Tinker Tailor Soldier Sailor Rich Man Poor Man Beggar Man Thief”は、不穏なシンセとストリングスが緊張感を演出する一曲です。
アルバムのラストを飾る”True Love Waits”は、90年代から存在していた楽曲のスタジオ版で、シンプルなピアノとトム・ヨークの切ないボーカルが感情を揺さぶります。
この後ご紹介するEP『I Might Be Wrong: Live Recordings』にライブ・バージョンの”True Love Waits”が収録されており、この曲は当時のレディオヘッドのファンの中でも隠れた名曲と噂されていました。
その名曲がついにスタジオ録音されました。
『A Moon Shaped Pool』は、レディオヘッドの繊細な表現力とサウンドデザインが詰まった作品で、じっくりと聴き込むほどに深みを感じられるアルバムです。
Radiohead – 『Itch』(1994)
『Itch』は、日本限定でリリースされたEPになります。
“Stop Whispering”をリードトラックに『Pablo Honey』期の楽曲を中心に収録され、初期のレディオヘッドの荒々しい魅力が詰まっています。
『Pablo Honey』に収録されていたアコースティックギターが美しい曲”Thinking About You”のパンキッシュなロック・バージョンも収録されています。
ちなみにこの曲の邦題は「君への想い」でした。
またシングル”Anyone Can Play Guitar”のB面曲”Faithless,The Wonder Boy”や、”Banana Co”といったアルバム未収録曲や、名曲”Creep”のアコースティック・バージョンといったレア・トラックが収録されています。
日本向けに選ばれた貴重なトラックばかりが収録されたEPで、コレクターズアイテムとしてファンに愛されています。
Radiohead – 『I Might Be Wrong – Live Recordings』(2001)
『I Might Be Wrong – Live Recordings』は、『Kid A』と『Amnesiac』のツアーから選ばれたライブ音源を収録したEPです。
スタジオ盤とは異なる生のエネルギーが楽しめるライブ・アルバムのため、日本でも人気の高い作品です。
“The National Anthem”やタイトルトラックの”I Might Be Wrong”を始め、 “Everything in Its Right Place”に”Idioteque”といった人気曲が収録されており、公式ライブ音源が少なかった当時のファンには嬉しいEPでした。
また先ほどの『A Moon Shaped Pool』の時にも触れていたのですが、当時はスタジオ録音バージョンがなかったため、ライブでのみ聴ける隠れた名曲”True Love Waits”が初めて公式でリリースされたのはファンにとっては嬉しい出来事でした。
今となっては『A Moon Shaped Pool』収録の美しいバージョンの”True Love Waits”の方が好きなのですが、当時リアルタイムでこのEPを購入した僕は、この”True Love Waits”を聴きまくった思い出です。
レディオヘッドの音楽を聴き尽くす
レディオヘッドは、30年以上のキャリアでロックの常識を覆し続けた稀有なバンドです。
デビュー作『Pablo Honey』の”Creep”で注目を集め、『OK Computer』で音楽史に名を刻み、『In Rainbows』で新たなリリース形式を提示するなど、その影響力は計り知れません。
今回ご紹介した全9枚のスタジオ・アルバムと日本企画盤EPを通じて、彼らの実験精神とアート性が光ります。
どのアルバムも独自の世界観を持ち、聴くたびに新たな発見があるでしょう。
これから初めてレディオヘッドを聴く方も、また久しぶりにレディオヘッドを聴き直してみようかなとお考えの方も、ぜひ今回のブログ記事を参考にレディオヘッドの各作品を聴いてみて下さい。
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