
2023/04/27
天使のファルセットと悪魔のシャウトを併せ持った不世出の天才シンガーソングライター ジェフ・バックリィのおすすめアルバムをまとめてご紹介!
レディオヘッドにも影響を与えた不世出のシンガーソングライター『ジェフ・バックリィ』のアルバムをまとめてご紹介します。
フォーク歌手ティム・バックリィの息子ジェフ・バックリィ
今回ご紹介するジェフ・バックリィ(Jeff Buckley)は、60年代後半から70年代前半にフォーク・シンガーとして活動していたティム・バックリィの息子です。
しかしジェフが幼かった頃に父ティム・バックリィは家庭を捨て、その後亡くなるまで姿をみせることはありませんでした。
ティム・バックリィは、1975年に薬物中毒で28歳という若さでこの世を去っています。
そんな複雑な家庭環境に生まれ育ったジェフでしたが、父譲りの音楽の才能は成長するにつれ芽生えていきました。
これを書いている僕個人の考えとしては、ジェフはシンガーソングライターとして父を完全に超えていると思っています。
ミュージシャンの2世が偉大な父を超えることは非常に希だと思いますが、ジェフ・バックリィとジャズ・サックス奏者のジョシュア・レッドマンの2人は、偉大なる父を超えた珍しい存在だと僕は思います。
ちなみに僕がジェフ・バックリィを知ったきっかけは、2001年に公開されたトム・ クルーズ主演の映画『バニラ・スカイ』のサントラ盤にジェフの名曲”Last Goodbye”が収録されていたからでした。
本来は既に好きだったR.E.M.の未発表曲”All The Right Friends”の新録バージョンを目当てでこのサントラを購入したのでしたが、同じサントラに収録されていた”Last Goodbye”を初めて聴いた瞬間に感動してしまい、すっかりジェフ・バックリィのファンになりました。
といったわけで、僕はリアルタイムではジェフ・バックリィの音楽を体験していません。
残念ながらジェフ・バックリィは、1997年に30歳という若さで亡くなっています。
友人と遊びに出かけた際に、ミシシッピ川で溺死しています。
どうやら友人との食後にビールを飲んだ後、ブーツを履いたままで川を泳いでいたようなのですが、夜だったこともありそのまま溺れてしまったようです。
この時期に2ndアルバムの制作もしていたのですが、未完性のまま制作途中のアルバムが後にリリースされました。
僕がジェフ・バックリィの音楽を初めて聴いたのが2001年だったので亡くなってから既に4年が経っていたのですが、しかしそれでも”Last Goodbye”は、若かった当時の僕の心を揺さぶりました。
ちなみに僕はニルヴァーナもカート・コバーンが亡くなってから4年が経った1998年に初めて聴きました。
一般的な知名度としては、ジェフ・バックリィよりもカート・コバーンの方が遙かに有名ですが、音楽の才能に関してはどちらも『本物』です!
これまでジェフ・バックリィのことを知らなかった方、今回初めてその名前を知ったという方にぜひ聴いてもらいたいと思い、今回このブログ記事を書きました。
ぜひ若かった当時の僕が感動したジェフ・バックリィという才能を1人でも多くの音楽好きの方に知って頂ければと思います。
ニルヴァーナが後続のミュージシャンに与えた影響力は計り知れない程大きなものですが、知名度は劣るもののジェフ・バックリィはなんとあのレディオヘッドにも影響を与えています。
もしかしたら今回このブログをきっかけでジェフ・バックリィの事を知って初めてジェフの音楽を聴いた人は、「あれ?これってトム・ヨークの声に似てない?もしかして歌い方を真似してるの?」とか「歪んだギターの感じがレディオヘッドの『The Bends』に似てるぞ!」と思われるかも知れません。
しかしその『The Bends』の前年にジェフの1stアルバムはリリースされています。
当時のトム・ヨークは、自分の高い声が嫌いでボーカリストとしての自信がなかったようです。
しかしジェフ・バックリィのファルセットを聴いて、「ロックでもファルセットを退屈にならずに歌い上げることができる」ことを認識しました。
今回のブログ記事のタイトルに「天使のファルセットと悪魔のシャウトを併せ持った」と付けているのですが、ジェフもトム・ヨークと同じように高音で歌えるシンガーです。
その高い声を活かしたファルセットは、時に「天使のララバイ」のように美しく、時に「悪魔の雄叫び」のように激しく…曲調によって変化します。
こういった歌い方や、ジェフが書く「陰り」のある曲調はトム・ヨークに大きな影響を与えています。
ぜひレディオヘッドのファンだけれどもこれまでジェフ・バックリィを聴いたことがなかったという方も、このブログ記事を参考にして頂ければと思います。
それではジェフ・バックリィのおすすめアルバムをまとめてご紹介します。
Jeff Buckley – 『Grace』
1994年8月23日にリリースされたジェフ・バックリィの唯一のスタジオ・アルバム『Grace』です。
アルバムの内容をご紹介する前に、まず最初に書いておきたいことがあるのですが…本作は捨て曲一切なしの恐ろしい完成度を誇る歴史的名盤です!
僕自身がバンド活動やセッションに参加して知り合う音楽好きの人らでも、みんなジェフ・バックリィの存在を知らなくって今までこの名盤の話がずっと出来ず残念で仕方なかったんです。
どうも日本での知名度が低いように感じるのですが、このブログを通して1人でも多くの人に聴いて欲しいと思います。
日本盤には11曲目にボーナス・トラック曲の”Forget Her”が収録されているのですが、出来ればオリジナルの10曲で「完成された1つの作品」として聴いて欲しいと思います。
1曲目 “Mojo Pin”からジェフの魅力を味わうことができます。
遠くから聞こえてくるエコーの音に幻惑的なギターのアルペジオ、そしてジェフの伸びやかな歌声が聞こえ始めます。
まるで天から音楽が降ってくるかのような不思議な感覚に陥ります。
そのまま静かな曲調が続くのですが、2回目のサビ部分の3分45秒辺りから歪んだギターが登場します。
しかしサビが終わると一旦クーダウンするのですが、3回目のサビで歪んだギターが再び登場します。
そして徐々に激しさを増し、ジェフの歌声も天使のファルセットから悪魔のシャウトへと変化していきます!
そして2曲目の名曲”Grace”へと続きます。
この曲はジェフのデビュー曲でアルバムからの1stシングルにも選ばれました。
キャプテン・ビーフハートのバンドのギタリストでありソングライターも務めたゲイリー・ルーカスとの曲作です。
雨の日の空港にて恋人に別れを告げる状況からインスピレーションを得て書かれた曲です。
まるでRPGゲームの天界のステージなんかで流れていそうなギターのテーマメロディーが印象的です。
この曲も終盤にジェフの内に秘めたる「悪魔」が登場します。
特に最後のシャウトからファルセットに変化する歌声は唯一無二の才能を感じさせます。
恐ろしい程の歌声は、もはや「悪魔が乗り移っている」としか思えない程のパワーを感じます。
しかし曲はカットアウトで急に終わりを告げます。
そしてスライドギターによる幻想的な音色をバックに、耳に残る印象的なベースラインが始まります。
ここで僕が初めて聴いたジェフの曲”Last Goodbye”が登場します。
アルバムからの2枚目のシングルにも選ばれた曲です。
全米チャートでは最高で19位止まりでしたが、ジェフの楽曲の中で最も知られた曲でもあります。
もともとは”Unforgiven”という曲名で書かれた、お互いを愛し合っていたはずの恋人達の別れを歌った曲です。
また後半からの歌詞がとても素晴らしい曲です。
それは”Did you say, No, this can’t happen to me.”の部分からです。
「違う、こんなことありえないわ!」と君は言ったのかな?
すぐに電話を掛けたのかい?
例えば心の中で「あなたは彼のことを何もわかっていなかった」思うのかな?
といったように、別れた彼女が自分のことをまだ思ってくれてると想像しているかのような描写で、男性側の未練が感じられます。
しかしその後の歌詞で彼女との関係は完全に終わってしまったことを示唆します。
それが最後の歌詞”Well, the bells out in the church tower chime”から始まる部分です。
あぁ、教会の塔から鐘が鳴り響いている
僕の心に焼き付く
彼女の優しい眼差しや思い出に想いを馳せると
全てが終わってしまったことを感じたよ
全ては終わってしまったんだ…
なんとも切ない歌詞です。
ここで教会の鐘の音で最後の別れに気づくこの歌詞の部分はとても詩的で、まるで映画の一コマのようにそのシーンが頭に浮かんできます。
男性目線の歌詞ですが、この切ない思いは男女共通でほとんどの人が若い頃に経験したことではないでしょうか。
あの頃の自分を思い出しながら聴いてみるのもいいかもしれませんね。
せっかくなので公式YouTubeチャンネルからこの曲のMVも掲載しておきます。
ジェフ・バックリィは、とてもイケメンなので女性の方は必見ですよ!
4曲目は”Lilac Wine”は、ブロードウェイの俳優兼作曲家だったジェームズ・シェルトンのカバー曲です。
古くはニーナ・シモンが歌っていたバラード曲です。
ジェフのバージョンは、深いディレイの掛かった幻想的なギターがまるでオーケストラのストリングスのような演出をしています。
5曲目”So Real”は、アルバムからの3枚目のシングルに選ばれた曲です。
もともとは日本盤のボーナス・トラックで追加収録されることになった”Forget Her”がこの曲の代わりにアルバムに収録される予定でした。
しかし本作『Grace』のレコーディングの終盤に参加することとなったギタリストのマイケル・タンゲがこの曲で使われている幻想的なメイン・リフを弾いていたのを聴いて、ジェフが歌詞を書き上げこの曲が出来上がりました。
“Forget Her”と収録曲が変更となったのも納得の出来です。
“Forget Her”がもしアルバムに収録されていてもいまいち印象に残らない曲止まりですが、”So Real”は一度聴いたら印象に残るメロディーです。
先にリリースされていた”Grace”や”Last Goodbye”と並ぶ、ジェフ・バックリィを代表する楽曲の1つです。
6曲目”Hallelujah”は、再びカバー曲でレナード・コーエンの有名曲です。
レナード・コーエンのファンの方には申し訳ないのですが…完全にオリジナルを超えたカバー・バージョンです!
もはやジェフ・バックリィの曲だと言っても良いような神秘的なアレンジです。
先にご紹介していた3曲のシングル曲も素晴らしいのですが、カバー曲ながらこの”Hallelujah”はジェフ・バックリィという不世出の天才ミュージシャンの全てが詰まったような名演です。
ジェフが生きていた時にはシングル・カットはされていないのですが、2007年になってシングル・カットされた際に全英2位を記録しました。
ライブでもよく演奏された曲で、ジェフが弾き語るMVも制作されているのですが…このアルバムに収録されているバージョンが最も素晴らしいです。
この曲を聴いていると、まるで自分は教会にいて神からの啓示を受けているかのような錯覚に陥ります。
ちなみにコンテンポラリー・ジャズ・ギタリストのジョナサン・クライスバーグが2013年にリリースしたアルバム『One』で、明らかにジェフのバージョンを意識してカバーした”Hallelujah”がギターインストの形で収録されていました。
こちらも要チェックです!
続く”Lover, You Should’ve Come Over”は、これまた恋人との別れを歌った曲です。
当時ジェフが付き合っていたガールフレンドのレベッカ・ムーアとの別れが題材となっています。
そして若い男性が子供から大人へと成長するときに味わうことになる「失望」を歌っています。
その昔、デルタ・ブルースの偉人サンハウスが「ブルースとは何か?」と問われた際にこう答えていました。
「簡単さ!それは男と女、これに尽きる。」
世の中のほとんどの歌は男女の恋愛について歌われたラブソングばかりです。
次の”Corpus Christi Carol”は、古くは1504年~1536年の間に書かれた賛美歌の1つです。
英国の作曲家ベンジャミン・ブリテンが1961年にレコーディングしたバージョンを参考にジェフがカバーしています。
ジェフの天使の様なファルセットを聴くことができます。
美しい聖火が終わると、ロックなギターのリフが聴こえてきます。
アルバムからの4枚目のシングルにもなった激しい曲”Eternal Life”です。
ジェフはレッド・ツェッペリンのファンで、この曲はツェッペリンを模倣して書かれたロック・ソングです。
そしてアルバムの最後は”Mojo Pin”と似た静かに始まる曲”Dream Brother”で締めくくられます。
重ね録りされたジェフの歌声が神秘的な曲で、中盤のサイケデリックな部分は後にレディオヘッドの『Ok Computer』なんかに影響を与えたのではないだろうか?と感じられます。
以上の全10曲、この後にもジェフの作品のおすすめを書き続けますが、まずはこの『Grace』から聴き始めてみて下さい。
これまでジェフ・バックリィという存在を知らなかったという方には、せっかく僕のこのブログを読んで知って頂いたのでこの『Grace』をぜひともおすすめしたいです。
なぜか日本では知名度があまり高くないと感じるのですが…この『Grace』は、ニルヴァーナの『Nevermind』やレディオヘッドの『Ok Computer』と同じく90年代を代表するアルバムです。
音楽の歴史に残る名盤中の名盤だと僕は思っています。
僕のこのブログを読んで頂いたのも何かの縁だと思って、ぜひ聴いてみて下さい♪
ちなみに未発表曲や4曲のビデオ・クリップにスタジオ・レコーディングの風景やインタビュー、そしてライヴ・パフォーマンスの映像を追加収録した2枚組CD+1DVD入りの『Grace』の10周年記念エディション『レガシー・エディション』も2004年にリリースされました。
更に2002年に『The Grace EPs』というCD5枚組に当時のEPをまとめたボックス・セットもリリースされています。
こちらのボックス・セットは、もはやレア盤となってしまいましたが…後に購入しやすい廉価版の『Original Album Classics』としても同内容のEP集がリリースされています。
Jeff Buckley – 『Sketches for My Sweetheart the Drunk』
本来なら2ndアルバムとして制作されていたであろう楽曲を集めてジェフの死後に制作された編集盤『Sketches for My Sweetheart the Drunk』です。
CD2枚組で構成されており、特にディスク-1の10曲は2ndアルバムと言っても良い完成度を誇ります。
1曲目の”The Sky Is a Landfill”は、まるでレディオヘッドの『The Bends』にこっそり収録されていても違和感のない楽曲です。
もちろんジェフの方がトム・ヨークに影響を与えているのですが…似ています。
シングル・カットもされた”Everybody Here Wants You”は、『Grace』の頃にはなかった大人のR&B曲です。
そしてジェフのその後の未来を暗示させるような不可解な曲目の”Nightmares by the Sea”も名曲です。
コーラス・エフェクターを使ったギターリフがニルヴァーナの”Come As You Are”を彷彿させる楽曲です。
他にも”Mojo Pin”や “Dream Brother”と同じ路線の楽曲”New Year’s Prayer”や、これまたレディオヘッドの『The Bends』に収録されていそうな”Yard of Blonde Girls”等、可能性を感じさせる未完性の楽曲が収録されています。
ジェフには生きてこの作品を完成させて欲しかったところです…。
ちなみにディスク-2には、バージョン違いのオルタネート・トラックや未完性のデモ曲が収録されています。
その中には、ノイジーな実験曲や何とも卑猥な歌詞のお遊び曲もありますが…1~2度聞き流す程度の未完性の曲でしかありません。
Jeff Buckley – 『Live at Sin-é』
『Grace』でデビューする前の1993年に先にリリースされた4曲入りのEP『Live at Sin-é』です。
フェンダーのテレキャスター1つを手に、ジェフがNYにあるアイリッシュ・パブ「Sin-é(シネイ)」にて一人で弾き語ったライブ音源です。
しかしこれがなかなかの名作でして、『Grace』を聴いた後にでもぜひ聴いて頂きたいと思う作品です。
“Mojo Pin”や”Eternal Life”といった自身のオリジナル曲に、フランスの作曲家マルグリット・モンノットの曲”Je n’en connais pas la fin (I Don’t Know the End of It)”のカバーとヴァン・モリソンの2ndソロ・アルバムに収録されていた曲”The Way Young Lovers Do”のカバーの4曲がオリジナルのEPに収録されていました。
クリーンなギターの音色だけで聴くと、”Eternal Life”はツェッペリンの”Stairway To Heaven”に似ていますね。
たった1本のギターだけでここまで素晴らしいパフォーマンスを残しています。
やはりジェフ・バックリィの才能は特別だったと再確認させられるアルバムです。
ちなみに本作リリースから10年が経った2003年に、大幅に追加曲とオマケのDVDをプラスしたレガシー・エディションもリリースされました。
Jeff Buckley – 『Mystery White Boy』
2000年にリリースされたライブ盤の『Mystery White Boy』です。
アルバム・タイトルの「ミステリー・ホワイト・ボイーイ(神秘的な白人の少年)」とは、ジェフ・バックリィのことです。
1995年から1996年にかけて録音されたライブ音源から構成されたアルバムです。
1曲目に『Grace』では最後の曲だった”Dream Brother”から始まる構成は、なんとも粋ですね!
『Grace』1枚で終わってしまったジェフの命が、逆再生された蘇ってくるかのようです。
本作にはいくつかのカバー曲やオリジナル・アルバム未収録曲も収録されています。
まずジェフの自作曲の2曲目の”I Woke Up in a Strange Place”が目玉曲の1つです。
この曲はスタジオ・バージョンが未発表だったのですが、『Grace』に収録されていても遜色がない名曲です!
ぜひともあるアルバム制作時のミステリアスな雰囲気でこの曲をスタジオ・レコーディングして欲しかったと悔やまれます…。
僕はこの曲がとても好きで、何度も何度も繰り返し聴きました。
5曲目の “What Will You Say”は、オートラックスのドラマーのカーラ・アザールとフィッシュボーンのキーボード兼トロンボーン奏者のクリストファー・ダウドとジェフが共作した「オルタナ・ロック界夢の共演曲」です。
9曲目の”Moodswing Whiskey”は、”So Real”で共作したマイケル・タンゲとの共作曲です。
“The Man that Got Away”は、作曲家のハロルド・アーレンが作曲し、作詞家のアイラ・ガーシュウィンが歌詞を付けたトーチソングです。
そしてマニアックなカバー曲、 “Kanga-Roo”はカルト的な人気を誇る米国のバンド、ビッグ・スターのアレックス・チルトンが書いた曲です。
ビッグ・スターの3作目『Third』に収録されていました。
アルバムの最後に収録されているレナード・コーエンのカバー曲”Hallelujah”は、ザ・スミスの”I Know It’s Over”とメドレーで歌われています。
ジェフ・バックリィのライブ盤を聴くのならまずはこの『Mystery White Boy』をおすすめします。
Jeff Buckley – 『Live À L’Olympia』
2001年にリリースされたライブ・アルバム『Live À L’Olympia』です。
1995年にフランスのパリにあるオランピア劇場で行われた2日間のライブ音源から選曲されています。
興味深いのがデトロイトのガレージ・ロック・バンドを代表するMC5の曲”Kick Out the Jams”が披露されていることです。
ジェフはこの曲がお気に入りだったようで、ライブでは何度か演奏されていました。
またパリでのライブということもあり、『Live at Sin-é』でも演奏されていた”Je n’en connais pas la fin”も収録されています。
オマケ程度にツェッペリンの”Kashmir”をロバート・プラントの物真似をして歌った短い音源も収録されています。
“That’s All I Ask”は、ジャズ・ピアニストのホレス・オットーが書いた曲で、ニーナ・シモンが歌っていた曲のカバーです。
“Lilac Wine”といいジェフはニーナ・シモンが好きだったんですね。
MC5やツェッペリンのカバーなども収録されており、ジェフの音楽的ルーツが垣間見えるライブ盤です。
以上、【天使のファルセットと悪魔のシャウトを併せ持った不世出の天才シンガーソングライター ジェフ・バックリィのおすすめアルバムをまとめてご紹介!】でした。
ちなみに2012年にジェフの人生を題材にした『グッバイ・アンド・ハロー 父からの贈りもの』という映画も制作されています。
僕が初めてジェフの存在を知った2000年代初頭頃は、ブラッド・ピットがジェフ・バックリィを演じる伝記映画の制作が予定されていました。
確か当時のジェフのファンたちがブラッド・ピットでは配役があっていないみたいに反発が起きてその映画は制作されなくなった…と噂で聞いたことがあったのですが、それから10年近くが経ちようやくジェフを題材にした映画が制作されたんですね。
ブラッド・ピット自身はジェフ・バックリィのファンで、ジェフ役を演じるのを熱望していたらしいのですが…ぜひあの時に制作して欲しかったです。
今回僕のこのブログで初めてジェフ・バックリィを知ったという方には、ぜひこのブログ記事を参考にジェフのアルバムを聴いて欲しいなって思います。
特に『Grace』は自信を持ってお勧めできる名盤です!
僕のこのブログでは、自分が若い頃に聴いてきた素晴らしいミュージシャンをもっと多くの人に知ってもらいたいと思ってご紹介しています。
僕自身は、自分の周りには他に話せる相手がいなかったという孤独だった若い時代を過ごしました。
でもそんな自分の境遇をただ嘆くのではなく、僕自身が発信することでもっと多くの人にこういった素晴らしいミュージシャンを知ってもらいたいと思いこうしてブログで書いております。
世の中のたくさんの人が、みんなこういった才能ある素晴らしいミュージシャンを聴くようになってもらえたら…こんなに嬉しいことはありません!
ぜひこのブログ記事を読んでジェフ・バックリィを気に入ってくれたのなら、ご家族やや恋人、そして友人にも広めて下さい。
その際にこのブログ記事をSNS等で拡散していただけたら幸いです。
他に関連するお勧め記事