カテゴリー:Music

2019/10/13

ジャズファンク・ギタリストのひとりオドネル・リーヴィーの『Dawn of a New Day』を聴こう♪

オドネル・リーヴィが1973年にリリースした名作『Dawn of a New Day』をご紹介します。

久しぶりに登場⁉オドネル・リーヴィー!

このところ続いているジャズファンク・ギタリストの作品ご紹介シリーズです。

 

前3回は、ジョージ・フリーマン、メルヴィン・スパークス、グラント・グリーンと続きましたが、今回はオドネル・リーヴィーのご紹介です。

 

なんとこのブログでオドネル・リーヴィーを単独で取り上げるのは1年以上振りとなるんですよね。

 

前回は2018年9月28日にご紹介していた『SIMBA』のご紹介でした。

 

【ジャズファンク版ライオンキング⁉】オドネル・リーヴィ最高傑作『SIMBA』を聴こう♪

今回はその『SIMBA』の1つ前の作品となる『Dawn of a New Day』をご紹介します。

 

 

グラント・グリーンやメルヴィン・スパークスと並ぶジャズファンク・ギタリストのひとりオドネル・リーヴィー♪

オドネル・リーヴィーは、1945年3月14日にアメリカのメリーランド州ボルチモアに生まれています。

 

メリーランド州は小さな州ですが、首都のワシントンD.C.がある場所でもあり、アメリカの歴史にとって重要な土地でもあります。

 

オドネルが晩年まで住んだボルチモアは、黒人の人口が6割を占める町ですが、国家『星条旗』のルーツともなった『マックヘンリー要塞の防衛』の詩が生んだ文化があります。

 

残念ながらオドネルは2016年に亡くなってしまいましたが……

 

オルガン奏者ブラザー・ジャック・マクダフのバンドにジョージ・ベンソンやパット・マルティーノ、カル・グリーン等の後釜として参加したのが、オドネルのミュージシャンとしてのキャリアの始まりだったといいます。

 

その後、ジミー・マクグリフのアルバム『Black Pearl』にてレコーディング・デビューを果たし……

 

【Jazz Funkおすすめの名盤探訪!】続・絶対に聴くべきジャズファンクのライヴ盤3選

そしてグルーヴ・マーチャントと契約を結び70年代に7作品ほどリーダー作を吹き込んでいます。

 

今回ご紹介する『Dawn of a New Day』は、オドネル・リーヴィーの3作目のリーダー作になります。

 

それでは今回はその『Dawn of a New Day』をご紹介したいと思います。

 

 

O’Donel Levy – 『Dawn of a New Day』

 

01.Dawn of a New Day
02.Baa Waa
03.I Wanna Be Where You Are
04.Where Is the Love
05.People Make the World Go Round
06.Maiden Voyage
07.Super Woman
08.I Want To Make It With You
09.Goin’ To Detroit

 

Personnel:
O’Donel Levy – Guitar
William Watrous, Eddie Burt, Wayne Andre – Trombone
Burt Collins, Cecil Bridgewater, Jon Faddis, Marvin Stamm – Trumpet
Charles Covington – Organ, Electric Piano
George Russell – Bass
Chester Thompson – Drums

 

アルバムの内容

1曲目”Dawn of a New Day”と2曲目”Baa Waa”の2曲がオドネルの自作曲で、それ以外は全てカヴァー曲になります。

 

この2曲はどちらもヒットこそしていませんが、シングルカットされています。

 

カヴァー曲ではなく自作曲をシングルに選んだのは、権利問題とかではなくオドネルの自信の表れだったのでしょうか?

 

1曲目”Dawn of a New Day”は、どことなくスティーヴィー・ワンダーが書きそうなR&B系の楽曲です。

 

後年のアルバムではジョージ・ベンソンのようにオドネル自身も歌うようになるのですが、本作ではまだギター演奏のみです。

 

なのでこの曲もギターがテーマメロディーを奏でるインスト曲になります。

 

少しペタペタしたクリーントーンのギターのフレーズの合間に、トランペットとトロンボーンのブラス・アンサンブルが絡み合います。

 

地元ボルチモアのミュージシャンで固めたバンドは一体感があり、まるでB.B.キングのバンドのような息の合った演奏を聞かせてくれています。

 

ギターインスト曲とは言えど、歌詞と歌さえ入れればソウル・ミュージックとして十分ヒットしそうな雰囲気です。

 

曲の出来ではなく、歌がないインスト曲だからヒットしなかった……といった感じすらします。

 

オドネルは、グラント・グリーンやメルヴィン・スパークスと同列で語られることの多いジャズファンク・ギタリストですが、プレイスタイル的にはその2人よりもジョージ・ベンソンとフィル・アップチャーチを足して2で割ったようなスタイルです。

 

クロマチックでレガートフレーズを弾くスタイルではベンソン風ですが、独特のブルージーなフレージングがフィル・アップチャーチを彷彿させます。

 

面白いのが、フィル・アップチャーチが後年ディアンジェリコのフルアコギターを持ってジャズを演奏していたのに対して、オドネルの晩年ストラトキャスターを弾きながら歌うブルースマンだったらしいです。

 

フィルやカルヴィン・キーズがジャズへと向かい、オドネルやジェイムス・ブラッド・ウルマーにフレディ・ロビンソンがブルースギタリストへと向かっていったのは興味深いところです。

 

その中にいて、晩年もジャズファンク・ギタリストを貫き通したメルヴィン・スパークスは信念を通したというのか、不器用というのか⁉(笑)

 

さて、話を戻しますとオドネルが後年ブルースに向かったことを思わせるような2曲目の自作曲”Baa Waa”は、ミルト・ジャクソン作のスタンダード曲”Bag’s Groove”に似たテーマメロディーを持つジャズブルース曲です。

 

シンプルな曲調ながらも、ブルースらしいチョーキングを用いつつ、ダブルストップのフレーズを分解してアルペジオで弾きながら半音ずつ上がっていくなどオドネルの多彩なテクニックを楽しめます。

 

同じジャズファンク・ギタリストと言えども、一本調子のアイヴァン・”ブーガルー”・ジョー・ジョーンズと違ってオドネルは曲によって違ったテクニックを披露する多彩さを持ち合わせています。

 

3曲目”I Wanna Be Where You Are”は、ジャクソン5の曲です。

 

グラント・グリーンもそうなのですが、やはりこの時期のジャズファンク・ギタリストはジャクソン5の曲をよく選びますね。

 

やはりマイケル・ジャクソンの歌うメロディーラインのキャッチーさがギターに置き換えやすいのでしょう。

 

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オドネルのオクターヴ奏法によるテーマメロディーが
まるでソウルシンガーが歌っているかの様です。

 

4曲目”Where Is the Love”は、ダニー・ハサウェイとロバータ・フラックがデュエットしてヒットした名バラード曲のカヴァーです。

 

同じグルーヴ・マーチャントのギタリストとしてジョージ・フリーマンがいますが、ピッチが不安定なジョージと比べるとオドネルの演奏はとても正確です。

 

特にこういったバラード曲を弾いた時に微妙にシャープしたりせずに音が外れるようなことはありません。

 

さすがにジョージ・ベンソン程ではありませんが、数多くいるジャズファンク系ギタリストの中でもオドネル・リーヴィーはトップクラスの演奏能力を兼ね備えています。

 

5曲目”People Make the World Go Round”は、スタイリスティックスの全米23位を記録した1972年のヒット曲です。

 

グラント・グリーンが1972年のライヴ盤『Live At The Lighthouse』で”Betcha By Golly Wow”を取り上げていたように、当時の黒人ミュージシャン達の間でスタイリスティックスの曲は人気だったのでしょうね。

 

ギターソロに置いてはジョージ・ベンソンを意識したかのようなダブルストップの繰り返しやクロマチックのレガートフレーズが登場します。

 

6曲目”Maiden Voyage”は、これまたグラント・グリーンが1970年のライヴ盤『Grant Green-Alive!』でも取り上げていたブルーノート・レコード時代のハービー・ハンコックが書いた一世一代の歴史的名曲のカヴァーです。

 

この曲をカヴァーするために4人のトランペットと3人のトロンボーンを用意したのでしょうか?

 

ゴージャスなホーン隊が見事にあった本作屈指の名演に仕上がっています。

 

まぁそもそもがジャズの歴史に残る大名曲なので、よっぽどヘタに演奏でもしない限り名演になるのは決まっているようなものなのですがね。

 

僕個人はグラント・グリーンが一番好きなギタリストなのですが、この曲においてはオドネルの多彩なアイデアによるオドネル・リーヴィーの演奏の方が勝っていると言えます。

 

壮大なハービーの名曲の次は、これまたジャズファンク系ミュージシャンが好んで取り上げることの多いスティーヴィー・ワンダーの名曲”Super Woman”が7曲目に収録されています。

 

ここでもゴージャスなホーン隊が楽曲を盛り上げています。

 

曲調こそキャッチーですが、2分20秒で聴けるコーネル・デュプリー風の急降下するギターフレーズはスリリングです!

 

8曲目”I Want To Make It With You”は、ソフトロック・バンドのブレッドが1970年の夏にヒットさせたバラード曲のカヴァーです。

 

ルー・ドナルドソンやローランド・カークも取り上げたこの名曲を、オドネルが歌メロをオクターヴ奏法を用いてギターに置き換えています。

 

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ギターソロでもウェス・モンゴメリーばりにオクターヴ奏法が登場します♪

 

そのウェス・モンゴメリーへの敬愛の念を込めた9曲目”Goin’ To Detroit”は、1968年のウェス最期の作品『Down Here on the Ground』に収録されていた曲です。

 

ウェスのフィンガーピッキングによる暖かみのあるトーンとは違って、オドネルのギターは少しハイが出ていてペタペタとしてはいますが……しかしかなりオリジナルに忠実に演奏しています。

 

やはりみんなウェス・モンゴメリーへの憧れがあるんですね♪

 

 

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おすすめ曲は、#1 #2 #3 #6 #8

 

 

以上、【ジャズファンク・ギタリストのひとりオドネル・リーヴィーの『Dawn of a New Day』を聴こう♪】でした。

 

ちょうど前回ご紹介していたグラント・グリーンの異色作『Shades Of Green』と似たように、一見ファンクの曲とは関係なさそうなR&B系のポップスを多く取り上げています。

 

しかしそういったカヴァー曲をジャズファンク風に調理してギターインストに変えているのがこの『Dawn of a New Day』です。

 

インストソウル好きの人やデイヴィッド・T・ウォーカーやフィル・アップチャーチ好きの人にもおすすめしたいアルバムです。

 

それでは今後もオドネル・リーヴィーの他のリーダー作も取り上げていきたいと思いますので、ぜひまたこのブログを読みに来てください。

 

 

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