2018/12/06
70年代の来日公演で聴くおすすめブルース・ライブ名盤3選
1970年代のブルース・ライヴを来日公演で聴こう♪
今回は、以前からずっとご紹介したいな~と思っていたブルース・ライヴの来日公演を収録した名盤シリーズです。
1970年代に日本のブルースブームがあり、その影響で数多くのブルースマンが来日して素晴らしいライヴを繰り広げました。
その時に残されたライヴ音源は、今では名盤として気軽にCDで聴けるようになっています。
そんな中で、僕が特に好きで20代の頃に聴きまくっていた来日公演盤を3枚ご紹介したいと思います。
まず今回ご紹介したいブルースマンは下記の3名です。
●ロバート・ロックウッドJr.
●B.B.キング
●オーティス・ラッシュ
ブルース好きなら、絶対に知っておかなければいけないぐらい重要な面子だと思います。
もちろん僕は3名とも凄く好きで、20代の頃にブルースバンドでギターを弾いていた時は、彼らの曲を練習したりカヴァーしてライヴ演奏していました。
特にオーティス・ラッシュの今回ご紹介する来日公演盤からは、”So Many Roads, So Many Trains”をそのままバンドの持ち曲にしていたので思い入れも深いです。
ロバート・ロックウッドJr.に関しては、今回がこのブログでロバート・ロックウッドJr.の初登場と言うことになりますね。
そのうちロバート・ロックウッドJr.の各アルバムについても取り上げていければ…と思います。
まずは今回は「あの歴史的名盤!」の来日公演のご紹介といきたいと思います!
【1枚目のおすすめブルース来日公演 アルバム】
Robert Lockwood Jr. -『Blues Live In Japan』
まずは何と言ってもこのアルバムですね!ブルースの来日公演アルバムでは、これ以上の名盤はないと僕は思っています。CDでは2枚組で全27曲収録されている「モダン・ブルースの教科書」とも言うべき名盤中の名盤です!こんな素晴らしいブルースのライヴが日本で行われていたとは!といった感じです。残念ながら僕はまだ生まれてもいない1974年の11月27日、28日の東京郵便貯金会館(現:メルパルク東京)のライヴを収録しています。僕自身は当時のライヴを生で観に行くことは不可能だったのですが、こうやってCDで気軽に聴けるようになったことは、とても喜ばしいことだと思います。メンバーはボーカル/ギターはもちろんロバート・ロックウッドJr.で、その他はリードギタリストにルイスマイヤーズ、ベーシストにデイブ・マイヤーズのマイヤーズ兄弟とドラムのフレッド・ビロウです。このバックの3人は「The Aces(ジ・エイシズ)」というバンド名で有名です。この3人こそモダン・ブルースの最高峰の演奏だと言えるような文句なしの名演を繰り広げています!そんな鉄壁のバックに支えられて、これまた職人級のギターの名手ロバート・ロックウッドJr.がバッキングを弾きながら鼻歌交じりにブルースを歌いあげます。1曲目の”Sweet Home Chicago”からブルース度は超濃厚です!マジック・サムのような3連「ダダダッ!ダダダッ!」といった派手なイントロで始まるのではなく、ブルースの定番ターンアラウンド・フレーズでゆったりと曲が始まります。他にもハウリン・ウルフも取り上げたセントルイス・ジミー・オーデン作の名曲”Going Down Slow”や、ビッグ・メイシオの”Worried Life Blues”に、スライドギターが冴え渡るロバート・ナイトホーク作”Anna Lee”、B.B.キングの得意曲となったローウェル・フルソンの名曲”Everyday I Have The Blues”やルシール・ボーガンの”Sweet Little Angel”、リトル・ウォルターのハーモニカブルース”Juke”、フレディ・キングのギターインスト名曲”Hideaway”にマディ・ウォーターズの2曲の名曲”Hoochie Koochie Man”や”Got My Mojo Working”など名曲名演ばかりで聴き所満載です!また2曲のインストナンバーも収録されています。ギターが中心のインストとブルースハープが中心のものです。ちなみにブルースハープは、ルイス・マイヤーズが吹いています。全27曲のどれもが名演ばかりですので、ブルースのライヴ盤をどっぷりと聴きたい方や、ブルース系の楽器の練習している方におすすめです。どれも超一流のミュージシャンによる名演ばかりなのですが、実は面白いミスが1つあったりします。それはCD1の6曲目に収録されたT-ボン・ウォーカーの名曲”Stormy Monday”のイントロです。この曲はキーGで、G7のドミナントに当たるD7から弾き始めることが定番です。その際に半音上のE♭7を弾いてD7に下がるのですが、この日のルイス君はどうも勘違いしちゃったのか?D7から弾き始めてC♯7に下がります。半音間違えたんですね。そしたらロバート・ロックウッドJr.が大きな声で「G!!!!」と言った声が録音されています。すぐにルイスはキーGで弾き直しますが、少しギターの音が大きくなっているが可笑しいです。こんな間違いもライヴならではですね。逆にこの部分をカットしていないことで、ライヴの生々しさを感じられます。しかしブルースマンってこういったちょっといい加減なところもまた味があったりしますね。その後の演奏は、さすが!の上手さなので問題なしです。まず最初にご紹介したかったブルース・ライヴの来日公演盤は、このロバート・ロックウッドJr.の『Blues Live In Japan』でした。必聴です!!!!
【2枚目のおすすめブルース来日公演 アルバム】
B.B. King. -『Live in Japan』
ブルース特集と言えば、やはりB.B.キングは外せません!B.B.キングも70年代に日本で名演を行ってくれています。1971年3月4日と7日に今はなき東京大手町サンケイホールで行われた来日公演になります。全13曲中4曲の「日本のステージ用のオリジナル曲」を含む名盤です。この4曲の「日本のステージ用のオリジナル曲」は、日本公演でしか聴くことが出来ません!その4曲とは、”Niji Baby”と”Japanese Boogie”,”Jamming At Sankei Hall”,”Hikari #88″です。まぁ実際はどれも、どこかで聴いたことある曲調なのですが、B.B.が日本のファンのためだけに「特別曲」をライヴで披露してくれたって考えると、嬉し事ですよね♪それ以外では、定番の”Every Day I Have The Blues”に”How Blue Can You Get?”や”Sweet Sixteen”もやっています。また時期的にレオン・ラッセルの曲”Hummingbird”をやっていたり、この時期から定番になりつつあった”The Thrill Is Gone”なんかも取り上げています。個人的には、『The Jungle』にも収録されていたサニー・ボーイ・ウィリアムソンIIの名曲”Eyesight To The Blind”をエルモア・ジェームス風のイントロでやっているのが嬉しい選曲です♪しかし60年代半ばから70年代になってからのB.B.のライヴ盤は、ハズレがないですね!この日本公演も必聴の名演ばかりです!
【3枚目のおすすめブルース来日公演 アルバム】
Otis Rush -『So Many Roads: Live in Concert』
オ-ティス・ラッシュの1975年の初来日を収めた『So Many Roads: Live in Concert』です。ES-335やストラトキャスターではなく、白のフェンダージャガーを持ったジャケット写真がなんとも違和感たっぷりなんですが、生々しいラッシュのギタープレイが存分に味わえる名盤です!トラック1のイントロダクションの後に、ライヴ本編のインストナンバーの1曲目”Will My Woman Be Home Tonight”から始まります。元はアール・フッカーが演奏した曲です。先のロバート・ロックウッドJr.やB.B.キングの来日公演版と比べると、バックの演奏陣がイマイチなんですが、しかしラッシュの演奏は文句なしの素晴らしさです!B.B.のお得意曲”Every Day I Have the Blues”と”Gambler’s Blues”や、アルバート・キングのバージョンでトミー・マクレナンの曲”Crosscut Saw”をやっていたり、ラッシュ自身のコブラ録音で有名な”I Can’t Quit You Baby”に”All Your Love (I Miss Loving)”と”Three Times a Fool”など定番曲もしっかりとやっていたりします。その中で僕の思い出深いベストトラックは、11曲目に収録された”So Many Roads, So Many Trains”になります。僕が20代の頃やっていたブルースバンドでこの曲を、この日本公演の音源を元に練習してライヴでやっていました。もう10年以上前の話なのですが、とても懐かしいです。他にも意外な選曲として、ジャズギタリストのケニー・バレルの名曲”Chitlins Con Carne”を取り上げていますね。この曲はバディ・ガイや、その後スティーヴィー・レイ・ヴォーンがカヴァーしたことで、ジャズ系のギタリストよりもブルース系のギタリストが多く取り上げる曲になったと思います。バックの演奏陣がイマイチだけれども…ラッシュの力強い演奏が聴けるこの来日公演盤も必聴のブルース・ライヴ・アルバムです!
以上、【70年代の来日公演で聴くおすすめブルース・ライブ名盤3選】のご紹介でした。
70年代はこの3枚のアルバムだけでなく、ブルースの歴史に残るようなライヴが日本でもたくさん行われていました。
今回は特に僕の思い入れのある3枚を選んでみましたが、また他のローウェル・フルソンやエディ・テイラーなんかも別のブログ記事で取り上げていければ…と思っています。
ぜひまたこのブログを読みに来てください。
まずはこの3枚の名盤を!
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