カテゴリー:Music

2019/04/14

ジミー・スミスが歌った⁉ストーンズのカヴァー曲も含むキャッチーな作品『Got My Mojo Workin’』を聴こう♪

ジミー・スミスが歌った⁉名曲カヴァーを含む1966年のアルバム『Got My Mojo Workin’』をご紹介します。

ヴァーヴ・レコードでの11作目のヒット・アルバム!

以前このブログでもご紹介していた『The Cat』や『Organ Grinder Swing』よりも後に制作されたのが本作『Got My Mojo Workin’』になります。

 

引き続きヴァーヴ・レコードからリリースされた本作には、ジャズ・ギタリストのケニー・バレルとジャズ・ドラマーのグラディ・テイトとお馴染みのメンバーが参加しています。

 

ただ少し違うのが、本作は初めてジミー・スミスが自身の作品でボーカルを聴かせたアルバムになります。

 

と言っても、ジョージ・ベンソンやチェット・ベイカーのようにしっかりとメロディーラインを歌うのではなく、単に「ウ~~ウ~~」とキース・ジャレットの様に唸ったり、「サティ~ファクション♪」とサビを叫ぶのみです。

 

あくまでも『歌声』も楽器の一部として使っている感じです。

 

ちゃんと歌を歌っているのはタイトル曲の”Got My Mojo Workin'”ぐらいです。

 

それだったら本作に参加しているケニー・バレルの方が歌もうまいです。

 

しかしこのジミー・スミスの低い声で唸る『歌声』が、ずっと聞いていくうちになぜかクセになります。

 

ちなみに歌に専念するためなのか?本作には全曲でベーシストが参加しています。

 

曲によって演奏者が代わりますが、ベン・タッカーやロン・カーターにジョージ・デュヴィヴィエなど、当時の数多くのジャズ・セッションに参加していた面子です。

 

ベーシストが参加している分、オルガンは右手のメロディーのみに専念して、その分の余裕で歌を歌ったんでしょうね。

 

そういったこれまでのアルバムとの違いが見られる作品ですが、この時期の他のヴェーヴ時代の作品と同じようにビルボード・チャートの28位と売り上げ的にも成功しています。

 

ビートルズやローリング・ストーンズがチャートを賑わしていた1966年という時代に、インストのジャズ・オルガン・アルバムが28位を記録することは容易なことではありません!

 

200位以内のチャート内にランクインすることすら困難なことです……。

 

それが28位ですからね!

 

ジャズのアルバムだと「大ヒット!」と言えるでしょう。

 

ちなみにそんな話題性だけでなく本作は、「ポップなソウル・ジャズの名作」として聴いても良作ですので、ソウル・ジャズ/ジャズ・ファンクのファンにもおすすめです♪

 

それではアルバムの方をご紹介したいと思います。

 

 

Jimmy Smith – 『Got My Mojo Workin’』

01.High Heel Sneakers
02.(I Can’t Get No) Satisfaction
03.1-2-3
04.Mustard Greens
05.Got My Mojo Workin’
06.Johnny Come Lately
07.C Jam Blues
08.Hobson’s Hop

 

Personnel:
Jimmy Smith – Organ & Vocal
Romeo Penque – Tenor Saxophone, Flute on Tracks: 05 to 08
Ernie Royal -Trumpet on Tracks: 05 to 08
Phil Woods – Alto Saxophone on Tracks: 05 to 08
Jerome Richardson – Baritone Saxophone on Tracks: 05 to 08
Kenny Burrell – Guitar
Ben Tucker, Ron Carter – Bass on Tracks: 01 to 04
George Duvivier – Bass on Tracks: 05 to 08
Grady Tate – Drums

 

Recorded : December 16-17, 1965.

 

アルバムの内容

冒頭の1~4曲目までは、いつものジミー・スミスとケニー・バレルとグラディ・テイトによるオルガン・トリオにベースが追加された編成で演奏されています。

 

オルガン・トリオにベーシストが入っているので、まるでミーターズのような4人編成ですね。

 

一応、ジミー・スミスが歌うということで演奏面の負担を軽減するためにベーシストを起用しただと思います。

 

1曲目”High Heel Sneakers”は、昨年リリースされたグラント・グリーンの未発表ライヴでも取り上げられていたトミー・タッカーが歌ったブルージーなR&B系の楽曲です。

 

エルヴィス・プレスリーやスティーヴィー・ワンダーもカヴァーしたこの曲は、やはりブルージーなミュージシャンにぴったりの楽曲だと感じます。

 

さっそくこの曲からジミー・スミスの唸り声のようなボーカルを聴くことが出来ますが……この曲ではまだまだ鼻歌程度です。

 

聴きどころは、やはりブルージーなジャズ・ギタリストのケニー・バレルです!

 

特にこういったブルース系の曲で聴けるバレルのギター・ソロは絶品です♪

 

2曲目はなんとローリング・ストーンズの全米No.1の大ヒット・ソング”(I Can’t Get No) Satisfaction”のカヴァーです。

 

といっても、あのキース・リチャーズによる印象的なファズ・ギターのイントロはありません。

 

ジミー・スミス風にファンキーなR&B調にアレンジされて演奏しています。

 

所々で、「サティ~スファクション♪」とジミー・スミスの歌声が聞えるのみで、それがなければ全く別の曲に聴こえてしまいます。(笑)

 

しかし演奏の方は、ストーンズよりも上手いです!(笑)

 

やはりそこは一流のジャズマンばかりですからね。

 

1曲目から引き続きケニー・バレルのブルージーなギター・ソロも大活躍です!

 

その分、ジミー・スミスのオルガン・ソロはありません。

 

3曲目”1-2-3″は、ジャン・ベリーとディーン・トーレンスからなる男性デュオ「ジャン&ディーン」が歌ったポップな楽曲です。

 

一応ジミー・スミスの唸るような歌声も聴こえますが……テーマ・メロディーはほとんどオルガンで奏でています。

 

この曲ではバレルのギター・ソロはなく、バッキングに徹しています。

 

その代わりにジミー・スミスのオルガン・ソロが登場します。

 

比較的ポップなカヴァー曲が3曲続いた後は、ジミー・スミスのオリジナル曲の4曲目”Mustard Greens”が始まります。

 

ブルーノート時代からのいつもの調子の軽快なジャズ・ブルース曲です。

 

相棒のケニー・バレルと共に、彼らが最も得意とする曲調ですね♪

 

2人とも存分にアドリヴ・ソロを演奏しています。

 

特にバレルのギター・ソロは、ジャズ・ギター・ファンなら必聴です♪

 

そして5曲目のタイトル・トラックが、マディー・ウォーターズの代表曲のカヴァー”Got My Mojo Workin'”です。

 

マディのアップ・テンポなオリジナルとは違ったR&B調のハネたリズム・アレンジで演奏しています。

 

この曲では他のボーカル曲と違って一応歌詞を歌っています。

 

またこの曲からバックに華やかなホーン隊が加わっています。

 

そのホーン隊のメンバーには、アルト・サックスのフィル・ウッズやバリトン・サックスのジェローム・リチャードソンのようにケニー・バレルと共演歴のあるミュージシャンが名を連ねています。

 

さすがアルバム・タイトルの曲だけあって本作の中で一番の出来がこの曲になります。

 

シングル・カットもされていて、ビルボード・チャートでは51位を記録しています。

 

当時のジャズ作品の曲だとヒット作だと言っても過言ではないでしょう。

 

ソロを弾くのはジミー・スミスのオルガンのみで、ケニー・バレルはバッキングに徹しています。

 

次の6曲目”Johnny Come Lately”は、作曲家でジャズ・ピアニストだったビリー・ストレイホーンの楽曲です。

 

オリジナルよりもキレのあるアップ・テンポでカヴァーしています。

 

イントロのホーン隊の盛り上がりから聴く方のテンションも上がりますね♪

 

ソロを弾くのはジミー・スミスだけですが、ケニー・バレルもバックからフロントを煽るように過激なコンピングで仕掛けてきます。

 

それまでポップな楽曲が続いた中で、ここに来て正『統派のジャズ』の登場ですね!

 

7曲目”C Jam Blues”は、お馴染みデューク・エリントン作のスタンダード曲です。

 

華やかなホーン隊による盛り上がりのあるアレンジは、オリヴァー・ネルソンによるものです。

 

ただ、なぜ今更この曲をわざわざ選んだのか?は、少し疑問に感じなくもないです。

 

定番曲ではありますが、あまりに安易な選曲にも感じます。

 

というのは、せっかく”(I Can’t Get No) Satisfaction”や”Got My Mojo Workin'”のような今までになかったロックやブルースの曲をジャズ・アレンジして収録しているのに、ここに来て急に定番曲の”C Jam Blues”が登場するのは「他に曲が思いつかなくって間に合わえで選んだのかな?」と感じさせます。

 

もちろん演奏が悪いわけではないのですが、せっかくだったら同時代のロック・ソングのキンクスの”You Really Got Me”とかザ・フーの”My Generation”なんかを、本作収録の”(I Can’t Get No) Satisfaction”みたいなアレンジでやってもよかったのでは?と思ったりもします。

 

まぁ今の時代だからこそ、そう思えるんですがね。

 

最後の8曲目”Hobson’s Hop”は、ジミー・スミスのオリジナル曲です。

 

華やかなホーン隊とケニー・バレルのユニゾンのイントロで始まる軽快なスウィング曲です。

 

ソロがジミー・スミスだけなのがもったいないような良曲です。

 

ケニー・バレルにもぜひギター・ソロを弾いて欲しかったところですね。

 

 

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#1 #2 #4 #5 #8

 

 

 

以上、【ジミー・スミスが歌った⁉ストーンズのカヴァー曲も含むキャッチーな作品『Got My Mojo Workin’』を聴こう♪】でした。

 

やはり本作は、”High Heel Sneakers”に”(I Can’t Get No) Satisfaction”や”Got My Mojo Workin'”のようなこれまでのジミー・スミスの作品になかったような楽曲が聴きどころです!

 

R&Bの曲だろうが、ロックの曲だろうが、ブルースの曲だろうが、全てをジミー・スミス色に染め上げた名アレンジだと思います。

 

とても聴きやすい作品ですので、「これからジャズを聴いてみたいんだけれども、小難しいのじゃなくって何か楽しいジャズを聴きたいな~。」というジャズ初心者の方にもおすすめのアルバムです。

 

ジャズって「真剣な顔して小難しいことをわかったようなふりして排他的に聴く音楽」では決してないですよ!

 

もともとは遊郭で客人を楽しませるために演奏されたダンス音楽です。

 

ジャズは「みんなで楽しんで聴いてこそ♪」意味のある音楽です。

 

たまにいる「こんな軽い音楽ジャズじゃない!」みたいな固いこと言う人こそ、僕からしてみれば「ジャズの歴史を踏まえずに聴いている」んじゃないかな?と感じます。

 

まさに「ジャズが楽しくって何が悪い?」ですね。

 

音楽というものは、みんなで楽しく聞いて共有することが一番正しい聴き方だと僕は思っています。

 

独りで引きこもって聴いていても……寂しいだけですよね。

 

そのためにライヴ会場があるんですからね。

 

こういった楽しい音楽をもっと多くの人に知ってもらって、「ジャズって楽しくって聴きやすい作品もあるんだな~♪」と好きになってもらうことが僕のこのブログの目的です。

 

ぜひとも多くの人に「楽しいジャズ」を知ってもらって好きになってもらえれば……と思います。

 

それでは、ジミー・スミスの作品ご紹介はまだまだ続きます。

 

今後もぜひまたこのブログを読みに来てください。

 

 

 

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