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カテゴリー:Music

2019/04/16

ジミー・スミスとウェス・モンゴメリー2人の巨匠によるダイナミックなデュオ作品を聴こう♪

ジミー・スミスとウェス・モンゴメリーによるダイナミックなデュオ2作品をご紹介します。

前もって計画されていた2人の巨匠の初共演アルバム!

今回ご紹介するのは、ジャズ・オルガンの巨匠ジミー・スミスとジャズ・ギターの巨匠ウェス・モンゴメリーの夢の共演アルバムです。

 

それは、1966年にリリースされた『Jimmy & Wes: The Dynamic Duo』と1968年にリリースされた『Further Adventures Of Jimmy And Wes』です。

 

リリースされた年こそ違いますが、どちらも録音されたのは1966年になります。

 

さて、ジミー・スミスは1962年にブルーノート・レコードからヴァーヴ・レコードへと移籍しています。

 

その後すぐに制作した『Bashin’』からウェスとのデュオまでに数多くのヒット作を同レーベルからリリースしています。

 

対するウェス・モンゴメリーは、1964年にそれまで所属していたリヴァーサイド・レコードからヴァーヴ・レコードへと移籍しています。

 

その後、同年にリリースした『Movin’ Wes 』から1966年の『Tequila』まで6作もの名作を残しています。

 

これらのヒットがあったからこそ、2人の巨匠による夢の共演が企画されたのかな?……と思いきや、実は2人がヴァーヴ・レコードに所属した時点で既に企画はあったようです。

 

おそらく1964年から懸案にしてきたこの企画は、多忙を極める2人の人気ジャズマンの予定が1966年になってようやく一致したことで実現されました。

 

それがこの2作品になります。

 

それまでにもジミー・スミスは、ソーネル・シュワルツにエディ・マクファーデン、クウェンティン・ウォーレンやケニー・バレルなど様々なジャズ・ギタリストと共演してきました。

 

しかし今回は特別です!

 

ウェス・モンゴメリーなのですからね!

 

そのウェスも1959年のデビュー作となった『The Wes Montgomery Trio』は、オルガン・トリオでの作品でした。

 

言うまでもなく、ウェスのギターとオルガンの相性は抜群です!

 

なので、ジャズ・オルガンを発展させてきたジミー・スミスとの共演が上手くいかないわけがありません!

 

今回ご紹介する2作品は、ジャズ・オルガン界とジャズ・ギター界を代表する2人の巨人による全ジャズ・ファン必聴の作品となっています!

 

それでは、順番にご紹介したいと思います。

 

 

Jimmy Smith & Wes Montgomery – 『Jimmy & Wes: The Dynamic Duo』

01.Down By The Riverside
02.Night Train
03.James & Wes
04.13 (Death March)
05.Baby, It’s Cold Outside

 

アルバムの内容

1966年に制作されてリリースされた本作は、ジミー・スミスとウェス・モンゴメリーの一期一会のセッションを収録した名作です。

 

夢の共演の1曲目を飾るのは、1918年に初録音されたゴスペル・トラディショナ曲”Down By The Riverside”です。

 

ルイ・アームストロングの歌手でも知られる古き良き時代のディキーシー・ジャズの一つでもあります。

 

本作では、オリヴァー・ネルソンが編曲を担当したビッグ・バンドがバックを飾る中、ホーン隊による華やかなテーマが終わると勢いよくジミー・スミスのオルガン・ソロが始まります!

 

当時、数多くのヒット作を飛ばしていた絶好調のジミー・スミスがノリに乗ったアドリヴ・ソロを弾きまくります。

 

そのオルガン・ソロも凄まじいのですが、バックでスウィングしまくるウェスのコンピングも必聴です!

 

ウェスは、どうしてもオクターヴ奏法やオシャレなギター・ソロばかりが取り上げられますが……本質はそこではありません。

 

ウェスの本質は、「スウイングしまくるグルーヴ感」なのです。

 

どうしてもギター好きの多くの方は、ギター・ソロばかりに耳がいきがちですが……ギタリストにとっても一番大事なのは『リズム』です。

 

このリズムが無茶苦茶だと、バッキングだけでなくギター・ソロも上手くいきません……。

 

ウェスのギター・ソロが他のジャズ・ギタリストよりも更に良く聴こえるのは、間違いなく『リズム』によるものです。

 

例えば、僕自身もギターを弾くのでウェスのフレーズを弾くこと自体は可能です。

 

難解な運指や速すぎるパッセージがあるわけではないので、そこまで難しくありません。

 

しかし僕がウェスと同じフレーズを弾いても、全く違ったものになります。

 

ウェスほど上手く弾くことは永遠に不可能でしょう。

 

それはやはりウェスの持つ抜群の『リズム』感と、僕の『リズム』感では月とスッポンほどの違いがあるからです。

 

このようにウェスの弾くフレーズだけが大事なのではなくって、『リズム』こそが一番大事なんだと言えます。

 

ウェスの本当の凄さは、この曲のジミー・スミスのバックで聴けるようなスウィングしまくる『リズム』感です。

 

ジャズ・ギターが好きだからと言ってギター・ソロしか聴いていないのは、よくないと思います。

 

しっかりとコンピングを聴くことも大事です。

 

この曲でもバックで単に「ジャッジャッ」と同じコードを同じビートのままで弾いているだけではあります。

 

それでは素人の演奏です。

 

ちゃんと聴いてみると、ウェスはジミー・スミスのアドリヴに呼応するかのようにコンピングの種類を小節ごとに変えています。

 

「ジャッジャッ」と最初は弾いていたのが、次の瞬間には「ジャ~~ジャッジャ~~ジャッ」と変えてみたり、「ジャージャッジャッジャージャッジャッ」と細かく弾いてみたり変化を付けています。

 

こういった天才的なセンスと『リズム』感がウェスの本質だと思います。

 

他の歴史に残るようなジャズ・ギタリストでも、わりとコンピングはシンプルで大したことを弾いてないことがあります。

 

フロントマン任せで、自分は楽曲を盛り上げようとしないで……それではつまらないものしか作れません。

 

しかしウェスは、フロントのジミー・スミスを更に盛り上げるためにコンピングにも変化を付けています。

 

そこがこの作品を名作にしているひとつの理由だと思います。

 

ここまでジミー・スミスのオルガン・ソロを盛り上げてくれるようなバッキングを弾けるギタリストは、ウェスを置いていません!

 

ぜひともジミー・スミスのバックでコンピングを弾くウェスの演奏を聴いてみて下さい♪

 

もちろんその後のギター・ソロが素晴らしいことは言うまでもないことです。

 

曲の終盤で、ジミーとウェスによる4ヴァース交換を聴くことが出来ます。

 

2曲目”Night Train”は、サックス奏者のジミー・フォレストが書いたジャズ・ブルース曲です。

 

ビッグ・バンドのイントロから8ビートでシャッフルするR&B調のこの曲を、まずはウェスのブルージーなギター・ソロから始まります。

 

コンピング名人は、ウェスだけではありません!

 

必要なところではコード演奏を加えて、不必要なところでは弾かないようにするジミー・スミスのオルガン・コンピングのセンスもさすがです!

 

3分33秒辺りで、十八番ともいえる高速3連オクターヴ奏法も登場します!

 

このフレーズを聴くと「あぁウェス・モンゴメリーだなぁ~」と感じますね。(笑)

 

独特のタメのあるダブルスラーを聴くと「あぁエリック・クラプトンだなぁ~」と思うのと同じ感じです。(笑)

 

ギター・ソロが終わると、ジミー・スミスのオルガン・ソロに移ります。

 

3曲目”James And Wes”は、ジミー・スミスのオリジナル曲です。

 

曲名の”James”とは、ジミー・スミスのことです。

 

この曲ではバックのホーン隊はお休みで、ジミーとウェスとドラムのグラディ・テイトとパーカッションのレイ・バレットのカルテットでシンプルに演奏されています。

 

派手だった前2曲と違って、少し地味な楽曲ですが……熱いアドリヴ・ソロを弾き始めると「地味・スミス」とはならないのがジミーの凄さです。(笑)

 

5分辺りで、ジミー・スミスによるまるでグラント・グリーンかのようなしつこい繰り返しのシーケンス・フレーズも登場します。

 

4曲目”13 (Death March)”は、ゲイリー・マクファーデンが書いた1966年の映画『Eye of the Devil(別名:13)』の挿入歌のようです。

 

 

どことなくクラシック調の穏やかな楽曲です。

 

始まりこそ静かですが、2人のソロが始まると大きく盛り上がります。

 

最後の5曲目”Baby It’s Cold Outside”も映画挿入歌です。

 

1949年の古い映画『水着の女王』でエスター・ウィリアムズとリカルド・モンタルバンと共にミュージカル風に歌いながら演じるシーンで使われた楽曲です。

 

 

 

テーマ・メロディーを基調としてアドリヴ・ソロを展開するウェスのプレイは必聴です!

 

ジミー・スミスがソロの途中4分32秒の部分で”C Jam Blues”のフレーズを弾く茶目っ気も見せています。

 

終盤の2曲は映画からのカヴァー曲でした。

 

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#1 #2 #5

 

Jimmy Smith & Wes Montgomery – 『Further Adventures Of Jimmy And Wes』

01.King Of The Road
02.Maybe September
03.OGD (Aka Road Song)
04.Call Me
05.Milestones
06.Mellow Mood

 

アルバムの内容

こちらのアルバムは、アメリカのシンガー・ソングライターのロジャー・ミラーの小粋な代表曲”King Of The Road”から始まります。

 

ビッグ・バンド抜きのシンプルなオルガン・トリオで演奏しています。

 

最初にソロを弾くのはウェスですが、その後ジミーのソロに移ってからも、前作同様にコンピングで大活躍しています。

 

2曲目”Maybe September”は、イージーリスニング作品やムード音楽を作ることが多かったパーシー・フェイスが書いた曲です。

 

歌手のトニー・ベネットが歌った曲でもあります。

 

穏やかなバラード曲を、オルガンとギターの音を聴こえるか聴こえないかぐらいに小さくして演奏しています。

 

3曲目”OGD”とは、晩年のウェスの代表曲”Road Song”のことです。

 

ウェスの1968年の最終作『Road Song』に収録されたバージョンと比べると少し落ちますが、名曲であることに変わりはありません。

 

4曲目”Call Me”は、イギリスのポピュラー音楽家トニー・ハッチの書いた曲です。

 

本作では、ゆったりとボサのリズムで演奏しています。

 

5曲目”Milestones”のみバックの演奏にビッグ・バンドが登場します。

 

演奏自体はすごく良いのですが……この曲だけ急にビッグ・バンドが登場して、アルバム全体を通して聴く際にすごく違和感があります。

 

『Jimmy & Wes: The Dynamic Duo』に収録されていた”James And Wes”と取り替えて収録すべきだったのでは⁉と感じます。

 

最後にジミー・スミス作の名曲”Mellow Mood”が6曲絵に登場します。

 

曲名通りにメロウなテーマ・メロディーをもつこの楽曲は、今ではオルガン奏者のDr.ロニー・スミスの得意曲となりました。

 

話題の新時代のジャズ・ギタリストであるジョナサン・クライスバーグを含む自身のオルガン・トリオでライヴする際に必ずのように演奏される曲です。

 

それもやはりここでのウェスとジミーの演奏から影響を受けてのことだと思います。

 

本作一番の聴きどころは、アルバムの最後に収録されています!

 

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#3 #5 #6

 

 

以上、【ジミー・スミスとウェス・モンゴメリー2人の巨匠によるダイナミックなデュオ作品を聴こう♪】でした。

 

1968年にウェスが亡くなる前に実現してくれて本当に良かったと思わせてくれる2大巨匠の夢の共演アルバムでした。

 

ジャズ・オルガンとジャズ・ギターのファンだけでなく、全ジャズ・ファン必聴ですよ♪

 

 

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