カテゴリー:Music

2019/11/03

ハービー・ハンコックが提唱するニュー・スタンダード!名作アルバム『The New Standard』を聴こう♪

ハービー・ハンコックが新時代のニュー・スタンダードを提唱した名作『The New Standard』をご紹介します。

前回ご紹介していたハービー・ハンコックがジャジー・ヒップホップ路線を突っ走った作品『Dis Is Da Drum』の次に発表したアルバムを今回はご紹介します。

 

ヒップホップとアフリカンが混じったおすすめ作品!ハービー・ハンコックの『Dis Is Da Drum』を聴こう♪

それは1996年にリリースされた『The New Standard』というアルバムです。

 

 

Herbie Hancock  – 『The New Standard』

 

01.New York Minute
02.Mercy Street
03.Norwegian Wood
04.When Can I See You
05.You’ve Got It Bad Girl
06.Love Is Stronger Than Pride
07.Scarborough Fair
08.Thieves In The Temple
09.All Apologies
10.Manhattan (Island Of Lights And Love)
11.Your Gold Teeth II

 

Personnel:
Herbie Hancock – Piano
Michael Brecker – Tenor Saxophone, Soprano Saxophone
John Scofield – Acoustic Guitar & Electric Guitar
Dave Holland – Acoustic Bass
Jack DeJohnette – Drums
Don Alias – Percussion

 

アルバムのコンセプトと参加メンバー

本作はハービー・ハンコックが新時代のスタンダード曲を提唱した作品です。

 

そのため10曲目の自作曲”Manhattan (Island Of Lights And Love)”以外は全てカヴァー曲になります。

 

それまでのジャズ・スタンダード曲と言えば、「酒とバラの日々」や「マイ・フェイヴァリット・シングス」のような映画やミュージカルの曲や、デューク・エリントンやコールマン・ホーキンスが書いた古いジャズ曲が中心でした。

 

それが70年代のジャズファンク時代になりスティーヴィー・ワンダーの曲やハヤりのポップソングをジャズマンが取り上げていくようになります。

 

そして80年代にマイルス・デイヴィスが、マイケル・ジャクソンの”Human Nature”やシンディ・ローパーの”Time After Time”のようなヒットチャートを駆け上がるようなポップスの曲を演奏するようになります。

 

そういったジャズマンがヒットソングを演奏する路線を、今回はハービーがコンセプトとして作ったアルバムです。

 

本作には、過去のジャズマンが取り上げていたような定番のスタンダード曲ではなく、スティーヴィー・ワンダーやビートルズ、更にはニルヴァーナやプリンスのような楽曲も取り上げています。

 

ジョシュア・レッドマンも同じ時期にプリンスの曲を取り上げてはいましたが……しかしこの時点ではニルヴァーナやプリンスの楽曲を演奏するジャズマンは珍しかったですからね。

 

ハービーは、本作の収録曲こそが新時代のスタンダード曲になると考えたのだと思います。

 

ただ、今となっては結局スティーヴィー・ワンダーとビートルズの曲ぐらいしか取り上げるジャズマンはいませんが……。

 

さて、前作の『Dis Is Da Drum』ではヒップホップのブレイクビーツやアフリカンなデジタル・ビートを取り上げたエレクトリックなサウンドでアルバム制作を行っていました。

 

しかし本作では、その反動からなのか?ギター以外はアコースティックな楽器で演奏されたオーガニックなサウンドに仕上がっています。

 

ピアノのハービー以外の参加メンバーは、サックス奏者のマイケル・ブレッカーにギタリストのジョン・スコフィールド、ウッドベースのデイヴ・ホランドにドラムのジャック・デジョネット、そしてパーカッション奏者のドン・アライアスという一流ミュージシャンが揃っています。

 

特にリズム隊のデイヴ・ホランドとジャック・デジョネットは、60年代後半のマイルス・デイヴィスのロスト・クィンテットのメンバーです。

 

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鉄壁のリズム隊ですね!

 

それではアルバムの収録曲をご紹介します。

 

 

アルバムの内容

アルバムは意外な曲から始まります。

 

1曲目の”New York Minute”は、イーグルスのドラム兼ボーカルを務めるドン・ヘンリーの1990年のソロ曲です。

 

もちろん本作にはボーカリストが不在なので、インストのジャズ曲へとアレンジされています。

 

サックスとギターがテーマをユニゾンで弾き、最初のソロ演奏はハービーがピアノで弾きます。

 

ソロの2番手はジョンスコのギターで最後にマイケル・ブレッカーがサックスソロを吹きます。

 

どれも一流ミュージシャンによる手慣れた即興演奏なので、文句の付け所がないぐらい完璧な演奏です。

 

所々でジョンスコがギターのボリュームを上げ下げしてバイオリン奏法も披露しています。

 

続く2曲目の”Mercy Street”は、元ジェネシスのシンガーだったピーター・ガブリエルがソロになって1986年にリリースしたアルバム『So』に収録していた楽曲です。

 

テーマは同じくサックスとギターがユニゾンで弾いています。

 

またウッドウィンズ&ブラスというホーン隊も参加して楽曲を盛り上げてくれています。

 

ソロは、ハービーのピアノ→マイケル・ブレッカーのサックスの2人だけでジョンスコのギターソロはありません。

 

3曲目”Norwegian Wood (This Bird Has Flown)”は、本作収録曲の中でもおそらく一番有名な曲ですね。

 

日本では「ノルウェーの森」の邦題で有名なビートルズの1965年の名盤『Rubber Soul』に収録されていた曲です。

 

この曲はそこまで珍しい選曲でもないのですが、ボブ・ベルデンによるアレンジは本作独自のものです。

 

テーマはサックスとギターが弾いているのですが、ジョンスコがお得意のアウト感覚でわざと不安定なピッチで弾いていたり、ここでもボリューム奏法を弾いていたりとアイデアが豊富です。

 

更にはデイヴ・ホランドのウッドベースのソロや、ホーン隊やストリングス隊による優雅なアレンジも聴きものです。

 

次の4曲目”When Can I See You”は、ベイビー・フェイスの1994年のヒット曲です。

 

この曲はハービーのピアノがテーマを弾いています。

 

マイケル・ブレッカーはソロ演奏のみの登場です。

 

この曲が本作の中でも特にハービーの演奏スタイルに合った曲だと思います。

 

スティーヴィー・ワンダーの有名曲をカヴァーした5曲目”You’ve Got It Bad Girl”は、70年代のジャズファンク・ミュージシャンも取り上げていたので既に定番の曲でもあります。

 

しかし流石にアレンジは凝っていて、かなりのファスト・テンポで演奏されています。

 

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Ryo
一流ミュージシャンだからこそ演奏できるアレンジですね♪

 

ハービーの止まらなくなった弾きまくりピアノソロは必聴です!

 

マイケル・ブレッカーのサックスもハービーに続いて燃え上がっています!

 

6曲目”Love Is Stronger Than Pride”は、シャーデーの1988年の曲です。

 

シャーデー自体がジャズの要素を含んだバンドなので違和感なく取り上げられています。

 

テーマはまずはジョンスコのギターから始まり、途中でマイケル・ブレッカーのサックスに交代します。

 

ソロは、ピアノ→ギター→サックスの順番です。

 

7曲目”Scarborough Fair”は、サイモン&ガーファンクルの曲です。

 

本作収録曲の中ではビートルズの「ノルウェーの森」に次いで有名な曲ですね。

 

テーマはマイケル・ブレッカーが1人で吹き、そのまま最初のソロも演奏しています。

 

その後ジョンスコのギターソロが始り、最後にハービーのピアノソロで後テーマに戻ります。

 

そしてここからが本作の聴きどころだったりします。

 

8曲目の”Thieves in the Temple”は、プリンスの曲です。

 

プリンスは一般のリスナーだけでなく、同業者のミュージシャンからも高く評価される「ミュージシャン・オブ・ミュージシャン」です。

 

しかしプリンスの曲をカヴァーするミュージシャンは、あまり多くないのでハービーがここでこの曲を取り上げたのは興味深いですね。

 

マイルスが取り上げたマイケルに対して、ハービーがプリンスを選んだのも面白いところです。

 

そして次の9曲目”All Apologies”は、ニルヴァーナの最後のヒット曲です。

 

今でこそロバート・グラスパーなんかが”Smells Like Teen Spirit”をカヴァーしたりしているので珍しくはありませんが、当時としてはジャズマンが取り上げるのは珍しかったことでしょう。

 

10曲目の美しいバラード曲”Manhattan (Island of Lights and Love)”は、本作唯一のハービーのオリジナル曲で1996年度のグラミー賞でベスト・インストゥルメント曲に選ばれています。

 

この曲はハービーのピアノだけで演奏された独奏曲になります。

 

アルバム最後の11曲目”Your Gold Teeth II”は、ドナルド・フェイゲンが書いたスティーリー・ダンの1975年の曲です。

 

最後のこの曲はフルバンドで軽快に演奏しています。

 

 

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おすすめ曲は、#1 #5 #6 #8 #9 #10

 


 

 

以上、【ハービー・ハンコックが提唱するニュー・スタンダード!名作アルバム『The New Standard』を聴こう♪】でした。

 

取り上げられている楽曲こそ、それまでのジャズのスタンダード曲とはかけ離れていますが……ヒップホップ系のアルバムだった前作『Dis Is Da Drum』と打って変わって、ジャズらしいナチュラルなサウンドで演奏されているので聴きやすい作品だと思います。

 

当時としては珍しかったのかもしれませんが、最近ではこういったロックやポップスの楽曲をジャズで演奏するのは当たり前のようになっています。

 

なので、これから始めてこの『The New Standard』を聴くという方でも違和感なく聴くことができると思います。

 

聴きなれたたロックやポップスの曲を、ジャズの一流ミュージシャン達が演奏したアルバムをぜひ聴いてみて下さい♪

 

 

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