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2024/07/21

ギタリストなら絶対に聴いておきたい!職人技を持ったおすすめのモダン・ブルース・ギタリスト10選

アール・フッカーにエディ・テイラーにロバート・ロックウッド・ジュニアに…ブルース・ギター好きにおすすめしたい職人技を持ったモダン・ブルース・ギタリストを10人選んでご紹介したブログ記事のタイトル画像です。

ブルース・ギター好きにおすすめしたい職人技を持ったモダン・ブルース・ギタリストを10人ご紹介します。

ブルース・ギター好きにおすすめしたい職人技を持ったモダン・ブルース・ギタリストのご紹介です。

今回はブルース・ギタリストを10人おすすめしたいと思います。

 

とはいっても、よくあるブルース・ギタリストのご紹介とはちょっと違ったテーマでお送りします。

 

テーマとしては『職人技を持ったモダン・ブルース・ギタリスト』だと僕が考えている10人です。

 

いつもならこういったテーマだとブルース界の三大キングと称されるB.B.キングやアルバート・キングにフレディ・キング等が選ばれることでしょう。

 

またはブルース・ギター界の新御三家バディ・ガイにオーティス・ラッシュにマジック・サム等もそうです。

 

これだけでも10人中6人は選べてしまうのですが…

 

今回の選出は、そういったよくある人選から外れたいと思います。

 

それにモダン・ブルースに限定していますので、ロバート・ジョンソンやロニー・ジョンソンといった古い演奏スタイルのブルースマンも省いています。

 

どちらかというと「モダンなスタイルで職人気質のギタリスト」から10人選んでいます。

 

もちろん人選に関しては僕自身の嗜好がかなり反映されていることをご理解下さい。

 

もしかしたら今回ご紹介するブルース・ギタリストを「地味なギタリスト」と感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが…ブルース・ギターに興味を持っている方なら知っていて損はないかと思います。

 

それでは今回はブルース・ギタリスト名のアルファベット順で10人ご紹介します。

 

ご紹介に際してはおすすめのアルバムも併せてご紹介しています。

 

01.Clarence “Gatemouth” Brown(クラレンス・”ゲイトマウス”・ブラウン)

1人目は、いきなりですが「職人気質」と言っても特殊なタイプのギタリストです。

 

クラレンス・”ゲイトマウス”・ブラウンは、1924年生まれのブルース・ギタリストで、テキサス・ブルースとして分けられていますが、生まれはルイジアナ州です。

 

ギターだけでなくバイオリンやマンドリンといったおおよそブルースとはかけ離れたような楽器も演奏することが出来ました。

 

その音楽性も単なるブルースの枠には収まらず、ジャズやカントリー・ミュージックの要素も含まれています。

 

ゲイトマウス本人も「ブルースマンと呼ばれること」を嫌っており、当時のインタビュアーやメディアはそのことでよく怒られていたことでしょう。

 

ギターの弾き方も特殊で、ピックを使わずに広げた手を叩きつけるようなピッキングをします。

 

「なぜあの弾き方でちゃんと音が出ているんだろう?」と不思議に思います。

 

そんなゲイトマウスは、2005年にアメリカ南部を襲ったハリケーン・カトリーナで自宅が全壊してしまい、そのショックからもともと肺がんに冒されていたこともあり12日後に亡くなっています。

 

来日公演は計5回行っており、カトリーナが起こる前の2003年が最後の来日公演となりました。

 

リーダー作は20枚以上リリースしており、どれも魅力的なのですが…今回は1977年にリリースされた『Blackjack』です。

 

まずは何と言ってもオープニングの”Pressure Cooker”です。

 

ゲイトマウスのギターを中心としてアップ・テンポなインスト曲なのですが、まるでジョージ・ベンソン風な速いクロマチック・フレーズは圧巻です!

 

またバイオリンやラップ・スティール・ギターも登場する”Street Corner”に至っては、もはやブルースの枠をお幅に飛び越えた「アメリカン・ルーツ・ミュージック」に仕上がっています。

 

もう1曲おすすめなのが、”Chickenshift”です。

 

こちらもアップ・テンポなインスト曲で、ゲイトマウスの卓越したギターソロを存分に味わうことが出来る一品です。

 

特殊なギタリストではありますが、職人級の確かな腕を持ったブルース・ギタリストです。

 

02.Earl Hooker(アール・フッカー)

2人目は、以前このブログでもご紹介したことがあるアール・フッカーです。

 

↓↓↓↓過去にアール・フッカーを扱ったブログ記事はこちら↓↓↓↓
職人系ブルースギタリストのアール・フッカーの1968年の作品『Two Bugs and a Roach』を聴こう♪

アール・フッカーは、1930年生まれのブルース・ギタリストでモダン・ブルース・ギタリストの父と称されるT-ボーン・ウォーカーやスライド・ギターの名手ロバート・ナイトホークから大きな影響を受けています。

 

独自のブギーを演奏したブルースマン、ジョン・リー・フッカーはアール・フッカーの従兄にあたります。

 

アール・フッカーのプレイ・スタイルとしては、ブルースだけでなくジャズやカントリー・ミュージックからの影響も受けた多彩な演奏を得意としています。

 

特にロバート・ナイトホークから影響を受けたスライド・ギターが一番得意な演奏スタイルでした。

 

また新しいもの好きだったアール・フッカーは、ギター用に改良されたワウペダルが発売されると真っ先にブルースの演奏にワウペダルを使用しています。

 

ギターに関しても発売当初は主にカントリー・ミュージシャンを中心に使われていたストラトキャスターを、ブルース界で真っ先に使ったのもアール・フッカーだったと言われています。

 

ちなみにバディ・ガイはアール・フッカーの影響でストラトキャスターを使い始めました。

 

そのバディ・ガイの影響でジミ・ヘンドリックスがストラトキャスターを使い始めています。

 

そう考えると、今現在のロック・ギターの定番にストラトキャスターが上り詰めたのも始まりはアール・フッカーだったと言えなくもないですね。

 

それにバディ・ガイがスライド・ギターを諦めたのもアール・フッカーの演奏を見て「自分にはあんなに上手く弾くことは出来ない…。」とショックを受けたからだと言われています。

 

そんなギターに関することなら何をやっても上手かったアール・フッカーのおすすめアルバムは、2003年にリリースされた編集盤の『Blue Guitar: The Chief and Age Sessions 1959–63』です。

 

このコンピレーション・アルバムには、1959年から1963年に録音された音源をまとめています。

 

編集盤なのでブルースだけでなくカントリー風やロックンロール風等、様々な曲調が混じっています。

 

それだけアール・フッカーというギタリストがどんなスタイルでも演奏できたという証明になるのですが、やはり一番のおすすめ曲はスライド・ギターが光る”Blue Guitar”です。

 

この曲は、後にマディ・ウォーターズが歌詞を付け加えて”You Shook Me”として歌った曲です。

 

アール・フッカーのオリジナル・バージョンは、歌なしのギター・インストで演奏されています。

 

そのためアール・フッカーの弾くスライド・ギターの卓越したテクニックを存分に味わうことが出来ます。

 

03.Eddie Taylor(エディ・テイラー)

3人目は、エディ・テイラーです。

 

2019年に惜しくも46歳の若さで亡くなったエディ・テイラーJr.の父にあたる人物です。

 

今回ご紹介するのはその父親の方のエディ・テイラーで、1923年生まれで1985年に65歳で亡くなっています。

 

そんなエディ・テイラーなのですが、一番有名なのはジミー・リードの作品での仕事ですね。

 

ジミー・リードの全盛期のアルバムでサイド・ギタリストとして活躍したのがエディ・テイラーでした。

 

その他にもハウリン・ウルフのバンドでリード・ギターを弾くヒューバート・サムリンの横でリズム・ギターを担当していた時期もあります。

 

ジョン・リー・フッカーやブルーズ・ハープの巨匠ビッグ・ウォルター・ホートンのアルバムでもギターを弾いていました。

 

いわゆるコーネル・デュプリーやエリック・ゲイルのような人気セッション・ギタリストみたいな感じです。

 

とにかくシャッフル・グルーヴをしっかりと弾くギタリストで、リズム・ギターの上手さはブルース界でも最高峰と言えるでしょう。

 

もちろんリズム・ギターだけでなく、リードを弾いても上手いです!

 

どうしてもリード・ギターばかりが目立つブルース・ギター界においては地味な存在に感じられますが、「しっかりとしたブルース・ギターを弾きたい!」と考えてる方には一番のおすすめギタリストです。

 

そんなエディ・テイラーはいくつかリーダー作も制作しており、その中で一番おすすめなのは、1972年にリリースされた1stリーダー作の『I Feel So Bad』です。

 

レコードのオリジナル盤は12曲入りでしたが、CD化に際して3曲が追加されています。

 

アップ・テンポな”I Feel So Bad”から始まり、ロバート・ナイトホーク風のスライド・ギターが聴ける”Jackson Town Blues”に、ロバート・ジョンソンの曲”Stop Breaking Down”をモダンにアレンジしたカバーや、バンド全体でシャッフルする”Going Upside Your Head”等がおすすめです。

 

“Stroll Out West”と”Bullcow Blues”では、ルーツでもあるミシシッピ・ブルース系の弾き語りも登場します。

 

本作ではリズム・ギターをフィリップ・ウォーカーが担当しています。

 

そのためエディ・テイラーのリード・プレイを存分に聴くことが出来ます。

 

ちなみにエディー・テイラーは来日公演も行っており、その時の音源はとしてリリースされています。

 

ロバート・ロックウッド・ジュニアの来日盤と併せて聴きたいブルースのライヴ・アルバムです。

 

もう1つおすすめなのが、ハウリン・ウルフのライヴ盤『Live And Cookin’ At Alice’s Revisited』です。

 

このライヴにエディ・テイラーはリズム・ギターで参加しています。

 

自由奔放にリード・ギターを弾くヒューバート・サムリンに対して、しっかりとバンドのリズムを支えるようにギターを弾くエディ・テイラーの対比をぜひ聴いてみてください。

 

ちなみにエディ・テイラーのサイドマンとしての仕事をザっとまとめたコンピレーション・アルバム『Diary Of A Chicago Bluesman – 1953-1957』もおすすめです。

 

こういうまとまったアルバムは便利ですよね♪

 

04.Fenton Robinson(フェントン・ロビンソン)

4人目にご紹介するのは、繊細なタッチでオシャレなフレーズを弾くブルース・ギタリストのフェントン・ロビンソンです。

 

フェントン・ロビンソンは、1935年にミシシッピ州ミンターシティーで生まれたブルースマンで、ジャジーなコードワークやダンディで穏やかな歌声でクールにブルースを演奏します。

 

多くのモダン・ブルース・ギタリストと同じくT-ボーン・ウォーカーやB.B.キングから影響を受けており、音楽性も似ています。

 

しかしB.B.のようなスクゥイーズするチョーキングを多用したスタイルではなく、グリッサンドでアーティキュレーションを付け加えていくタイプです。

 

ジャズっぽい演奏をしますが、そこはケニー・バレルのようなブルージーなジャズ・ギタリストとは違っていて、やはり根本にあるのはブルースです。

 

おすすめのアルバムは、1974年にリリースされた2作目のアルバム『Somebody Loan Me A Dime』です。

 

1曲目”Somebody Loan Me a Dime”のイントロや、ギターソロなんかで何度か聴けるように、同じフレーズを何回も繰り返して弾くことがあります。

 

同じ繰り返しの奏法とは言ってもグラント・グリーンのシーケンス・フレーズ等とは違い、バディ・ガイのようにラン奏法で弾くタイプです。

 

また同じフレージングを半音ずつ挙げて弾き、最終的に1音上まで音を上げる弾き方もバディ・ガイがよく使う奏法です。

 

そういった部分はバディ・ガイに似ていますが、暴走系のバディ・ガイと比べると、かなりしっかりと1音1音を綺麗に弾くのがこのフェントン・ロビンソンです。

 

そのため演奏にそこまで勢いが感じられないので、地味なギタリストに感じられるかもしれません…。

 

しかしここまで繊細なタッチでブルース・ギターを弾くギタリストはそうはいないので、オシャレなブルース・ギターをお探しの方にはぜひ聴いて欲しいブルースマンです。

 

ちなみに本作『Somebody Loan Me A Dime』に収録されている曲”Texas Flood”は、スティーヴィー・レイ・ヴォーンのカバーで有名な曲です。

 

オリジナルは、カンザスシティ生まれのブルースマン、ラリー・ディヴィスの曲で、1958年にリリースされた曲です。

 

これまたフェントン・ロビンソン以外の2人は、迫力のある演奏を残しているのですが、その2人と比べるとお上品なフェントン・ロビンソンはどうしても地味に聞こえてしまいますね…。

 

05.Louis Myers(ルイス・マイヤーズ)

5人目は、兄のデイヴ・マイヤーズとフレッド・ビロウの3人で組んだジ・エイシズでの活動で有名なルイス・マイヤーズです。

 

ロバート・ロックウッド・ジュニアを始め数多くのブルースマンのバックを務めたジ・エイシズは、ブルース界最高峰のリズム隊と呼んでも過言ではありません。

 

もちろんリズム・ギターが上手いだけでなく、リードを弾かせても上手いのがこのルイス・マイヤーズです。

 

ロバート・ロックウッド・ジュニアの名作『Steady Rollin’ Man』では、ルイスがリードを弾くことが多かったぐらいです。

 

先ほどご紹介していたエディ・テイラーを加えた4人編成でも1977年頃にライヴを行っており、YouTube等で検索するとその時の貴重な動画が出てきたりしますので、ご興味ある方は調べてみて下さい。

 

そんなルイス・マイヤーズのギターを堪能するのに最適なアルバムは、ジ・エイシズのライヴ音源をコンパイルした『The Aces & Their Guests(邦題:『黄金のシカゴ・ライヴ1975』)』です。

 

やはりルイスのギターを味わうのに最適なのは、ジ・エイシズのライヴ盤ですね。

 

兄のデイヴ・マイヤーズがベースを弾きながら歌うバックで、極上のバッキングとツボを得たソロを弾いているのがルイス・マイヤーズです。

 

ブルース・ギターのお手本とも言えるしっかりとした演奏は、ブルース・ギター好きなら必聴です!

 

06.Matt “Guitar” Murphy(マット・“ギター”・マーフィー)

6人目は、ブルースに詳しくなくっても映画『ブルース・ブラザース』で無意識のうちに見て知っている人も多いかと思われる名ギタリストのマット・“ギター”・マーフィーです。

 

サイドマンとしての仕事だとブルース・ピアニストのメンフィス・スリムのギタリストとしても有名です。

 

しかしマーフィーのサイドマンとしての仕事で最も素晴らしいのは、ブルース・ハーモニカ奏者のジェームス・コットンのバンドに参加した『100% Cotton』です。

 

ファンキー・ブルースを代表する名盤と称される本作においてもマーフィーのギターは冴え渡っています!

 

そういったサイドマンとしての仕事も素晴らしいのですが、ソロでの活動でも素晴らしい演奏を残しています。

 

まずは1963年にヨーロッパで行われた『アメリカン・フォーク・ブルース・フェスティバル』にて演奏した”Matt’s Guitar Boogie”です。

 

この時の演奏は映像かもされており、『American Folk Blues Festival 1962-1966 Vol.2』で観ることが出来ます。

 

他にはリーダー作も1990年代に入ってから制作しており、4作品残しています。

 

今回はそのリーダー作の中で、1990年に制作された1作目の『Way Down South』をおすすめします。

 

インスト曲が多めのアルバムですが、マーフィーの卓越したギター演奏のみならず、意外と渋いボーカルも聴くことが出来る名作です。

 

失礼ながらこういった職人気質なギタリストは、歌がヘタだったりするのですが…マーフィーは歌も渋くって安心して聴くことが出来るアルバムです。

 

とは言ったものの、本作のおすすめ曲は”Buck’s Boogie”や”Matt’s Guitar Boogie, No. 2″といったインスト曲なのですがね。

 

やはりこの人はギターが最高です♪

 

僕自身は今回ご紹介する10名の中では、マット・“ギター”・マーフィーが一番好きです。

 

本当に、本当に上手いギタリストなので、全ブルース・ギター・ファンは必ず聴いておかないといけない必修科目にしたい気分です。

 

エディ・テイラーと同じくマット・“ギター”・マーフィーにもサイドマンとしての仕事をまとめたコンピレーション・アルバム『Murphy in Session』があります。

 

こちらもおすすめです。

 

07.Pee Wee Crayton(ピー・ウィー・クレイトン)

正統派のマット・“ギター”・マーフィーの次には勢いあるギタリストのご紹介です。

 

ピー・ウィー・クレイトンは、本名「コニー・カーティス・クレイトン」といい1914年に生まれた古い世代のブルースマンです。

 

演奏スタイルはT-ボーン・ウォーカーの系譜なのですが、切れ味の鋭さではピー・ウィーの方が上です。

 

そのT-ボーンの愛弟子でB.B.キング登場以前のモダン・ブルース・ギターの素地を作り上げたブルースマンでもあります。

 

今回ご紹介する中では、最も勢いのある演奏をするギタリストですが、バディ・ガイのようなブチ切れで暴走するのではなく、わりとしっかりと力強くピッキングするタイプです。

 

おすすめアルバムは、1971年にリリースされた『Things I Used to Do』です。

 

これまた後にバディ・ガイやスティーヴィー・レイ・ヴォーンもカバーしたギター・スリムの名曲”Things I Used to Do”をタイトル・トラックとして収録した作品なのですが、彼らを超えるようなド派手なトレモロ奏法を聴くことが出来ます。

 

ピー・ウィーもまた歌もそこそこいけるブルースマンなのですが、それでもやはり本作のベスト・トラックはインスト曲の”Blues After Hours”になります。

 

派手さでは今回ご紹介する10名の中でピー・ウィー・クレイトンが一番です!

 

勢いのあるブルース・ギターを聴きたい方におすすめします。

 

08.Robert Lockwood Jr.(ロバート・ロックウッド・ジュニア)

8人目は、僕が好きなブルースマンなので度々このブログに登場するロバート・ロックウッド・ジュニアです。

 

先日もロックウッドについてのブログ記事を書いていたので、ぜひそちらも参考にして頂きたいです。

 

↓↓↓↓こちらのブログ記事もぜひ読んでみて下さい↓↓↓↓
【匠の職人ブルース・ギター】ロバート・ロックウッド・ジュニアのおすすめアルバムをまとめてご紹介!

さて、やはりロックウッドのおすすめアルバムといえば、1972年にリリースされた1作目のリーダー作『Steady Rollin’ Man』です。

 

このアルバムのバックを固めるのは、先ほどご紹介していたルイス・マイヤーズが所属するジ・エイシズの面々です。

 

本作においてはロックウッドは、リズム・ギターを弾いていることが多いのですが、しっかりとリズムをキープするその職人技こそ彼の真骨頂と言えます。

 

ブルース・ギターのバッキングのお手本と言えるそのリズム・ギターは、ギターを練習する全ての初心者が最初に学ぶべき項目かもしれません。

 

最近ブルース・ギターを弾き始めた初心者さんは、まずはこのロバート・ロックウッド・ジュニアを聴いて、「シャッフルのグルーヴとはどういったものなのか?」を学ぶことをおすすめします。

 

09.Snooks Eaglin(スヌークス・イーグリン)

9人目にご紹介するのは、こちらもゲイトマウスと並んで異端なギタリスト、スヌークス・イーグリンです。

 

ニューオーリンズ出身のギタリストで、ブルースだけにとらわれず、ジャズやカントリーにラテンのリズムまで取り込んだミクスチャーな感覚を持ったギタリストです。

 

驚いたころに、ニューオーリンズ・ファンクを代表するバンドのワイルド・マグノリアスのアルバムに参加していたこともあります。

 

1974年に1stアルバム『The Wild Magnolias 』に参加して、ファンキーなワウギターを弾きまくっています!

 

 

ていうか、僕はワイルド・マグノリアスのアルバムの方で先にスヌークス・イーグリンを知ったほどです。

 

これだけワウギターが上手いのに、まさかブルースマンだったとは…後で知って驚きました。

 

他にはニューオーリンズを代表するピアニストのプロフェッサー・ロングヘアのアルバムでもファンキーなギターを弾いています。

 

おすすめアルバムは、『Mardi Gras in Baton Rouge』です。

 

本作にはザ・ミーターズの名ドラマーのジガブーも参加しています。

 

とにかくファンキーで楽しいアルバムです♪

 

スヌークスは、リーダー作もいくつか制作しており、その中でも2002年にリリースした最終作『The Way It Is』がおすすめです。

 

ブルースの枠に収まらないようなラテン調の曲も収録されていたり…と、スヌークスの魅力をこの1枚であますことなく堪能できます。

 

余談なのですが、およそ17年ほど前に僕が参加していたブルース・バンドで、僕以外にもう1人ギタリストがいました。

 

そのギタリストがある日の練習後に「1ヶ月ほどバンド練習に参加できなくなりました。」と言い出しました。

 

理由を聞いてみると、「ちょっと師匠の手伝いでニューオーリンズに行くことになったんです。」とのことでした。

 

ちょうどその当時に日本の某有名ブルース・ギタリストが久しぶりに2人集まって制作したアルバムがリリースされたんですが…

 

僕と同じバンドだったもう1人のギタリストがそのアルバムの制作にあたって、某有名ブルース・ギタリストさん達のローディーとして参加することとなりニューオーリンズへ付いて行ったんです。

 

そしてニューオーリンズに着くと、ある日立ち寄ったボーリング場で普通に演奏していたスヌークス・イーグリンを生で観たのだとか…。

 

そのお土産話をバンド・メンバーに話してくれたのですが、僕以外のメンバーは「誰それ?…ポカーン」でした。

 

僕はその話を聞いて「スゲー!録画とかしてないの?」と興奮していたんですがね…。

 

まぁギター弾きじゃないとなかなか興味はないか…。

 

当時はまだスマホもなかったので、当然動画は録っておらず、画質の悪いガラケーの写真を見せてもらいました。

 

遠くから撮ったボヤけた写真でしたが、確かにそこには椅子に座ってギターを弾き語るスヌークス・イーグリンが映っていました。

 

何はともあれ、ブルース・ギターを弾く人なら「こんな上手い人がいたんだ!」と知って欲しいのがこのスヌークス・イーグリンです。

 

10.Wayne Bennett(ウェイン・ベネット)

最後にご紹介するのは、先に登場していたマット・“ギター”・マーフィーと並んで正統派に上手いギタリストのウェイン・ベネットです。

 

ウェイン・ベネットは、1931年にオクラホマ州に生まれたブルース・ギタリストで、ブルース・シンガーのボビー・”ブルー”・ブランドのバンドでギターを弾いていたことで有名です。

 

他にもエディ・テイラーと同じくジミー・リードのアルバムに参加していたこともあります。

 

またサックス奏者のベン・ブランチがマーティン・ルーサー・キング牧師に捧げたアルバム『The Last Request』にも目立たないながら参加していたりします。

 

 

驚くことにブルージーなジャズ・オルガン奏者のジミー・マグリフのアルバム『Groove Grease』にも参加しています。

 

そんなウェイン・ベネットなのですが、残念ながらリーダー作は残しておらず、ソロでは1967年に”Casanova, Your Playing Days are Over”という曲を録音したのみになります。(もしかしたら今後発掘音源とか出てこないかな?)

 

この曲の出来が素晴らしいだけに、リーダー作を残して欲しかったですね。

 

その代わりに数多くのスタジオ・セッションに参加しており、おすすめしたいのはやはりボビー・”ブルー”・ブランドとの仕事です。

 

ボビー・”ブルー”・ブランドのアルバムは、ギターが主役ではないので目立ったソロは弾いていませんが1961年のアルバム『Two Steps from the Blues』でツボを得た渋いプレイを聴かせてくれています。

 

ただし本作収録の”I Don’t Want No Woman”のみクラレンス・ハラマンがギターを弾いています。

 

またT-ボーン・ウォーカーの代表曲で有名な”Stormy Monday Blues”を、いわゆる「ストマン進行」と呼ばれるアレンジを最初に施したのがボビー・”ブルー”・ブランドでした。

 

そのボビー・”ブルー”・ブランドのバージョンであの「ダッダッダッダーダ♪ダッダッダッダーダ♪ダッ!」でお馴染みのイントロを最初に弾いたのがこのウェイン・ベネットです。

 

後にオールマン・ブラザーズ・バンドがライヴ盤『At Fillmore East』で有名にした「ストマン進行」ですが、オリジナルはボビー・”ブルー”・ブランドのバージョンでウェイン・ベネットがギターを弾いたものでした。

 

今ではブルース系のセッションでここ日本でも毎晩のようにどこかで演奏されている”Stormy Monday Blues”ですが、あの「ストマン進行」のギターはウェイン・ベネットが弾いたものが最初になります。

 

いかがでしょか?

 

これを知ったらウェイン・ベネットを聴いてみたくなったギタリストの方は多いのではないでしょうか?

 

ぜひボビー・”ブルー”・ブランドのCD2枚組ベスト・アルバム『Anthology』で聴いてみて下さい。

 

ウェイン・ベネットのリーダー作が残されていないのが残念ですが、マット・“ギター”・マーフィーと並んでおすすめしたい正統派のブルース・ギタリストです。

 

ウェイン・ベネットにもサイドマンとしての仕事をまとめたコンピレーション・アルバム『In Session 1950-1961』があります。

 

こちらもおすすめです。

 

 

以上、【ギタリストなら絶対に聴いておきたい!職人技を持ったおすすめのモダン・ブルース・ギタリスト10選】でした。

 

よくあるブルース・ギタリストをおすすめした特集を見てみると、大体がB.B.キングやアルバート・キングにフレディ・キングが登場したり、バディ・ガイやオーティス・ラッシュが登場する定番の特集がどうしても多いかと思います。

 

なんならジョニー・ウィンターやスティーヴィー・レイ・ヴォーンやロリー・ギャラガーといったホワイト・ブルースマンが混じっている特集もあったりします。

 

中にはエリック・クラプトンやデュアン・オールマンにゲイリー・ムーアやピーター・グリーンといったブルース・ロック系まで混じっていたりして…。

 

今回はせっかく僕のブログでご紹介するということで「他とは違ったブルース・ギタリストの特集」にしたいと思いました。

 

もしかしたらこれまでブルースに馴染みのなかった方にしたらマニアックなブルース・ギタリストが多かったのかもしれません⁉

 

それに派手なブルース・ギターを探している方には、あまりにも地味なギタリストが多かったのかもしれません⁉

 

しかしここに登場する10名は、本当は「ブルース好きなら必ず知っておきたいギタリスト」ばかりなんです。

 

彼ら以上にマニアックなギタリストは、まだまだたくさんいます!

 

そういったギタリストに関しては、いつか別の特集でご紹介したいと考えています。

 

今回は「職人技を持ったギタリスト」ということで、「しっかりとギターを弾く正統派」と「かなり特殊な演奏をするギタリスト」という点で10名を選びました。

 

これからブルースを聴いてみたいと考えている初心者さんはもちろん、もっと色んなブルースを聴いてみたいと考えている方もぜひ今回のブログ記事を参考にこの10名の演奏を聴いてみて下さい。

 

 

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