
2024/10/06
ホイットニー・ヒューストンのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
【第44回】おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介シリーズ
アメリカを代表する最高峰の歌姫ホイットニー・ヒューストンのおすすめアルバムをご紹介!
【おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介シリーズ】の第44回です。
今回はアメリカを代表する最高峰の女性シンガー、ホイットニー・ヒューストンのおすすめアルバムを5枚選んでご紹介します。
その前にまずはホイットニーについて簡単に彼女の経歴をご紹介します。
ホイットニー・ヒューストンについて
ホイットニー・ヒューストンは、アメリカを代表する伝説的な女性歌手であり、ポップ音楽史において最も成功を収めたアーティストの一人です。
彼女は1953年にニュージャージー州で生まれ、ゴスペル音楽に親しみながら成長しました。
母親はゴスペル歌手のシシー・ヒューストン、いとこにはシンガーのディオンヌ・ワーウィックがいるなど、音楽一家に育った彼女は、早くから音楽の才能を開花させました。
1985年にデビューアルバム『Whitney Houston』をリリースし、収録曲”Saving All My Love for You”や”How Will I Know”が大ヒットします。
彼女のソウルフルで力強い歌声は一瞬で人々を魅了し、その後も数々のヒット曲を生み出しました。
中でも1992年に主演した映画『ボディガード』の主題歌”I Will Always Love You”は、彼女の代表作として世界中で愛され続けています。
この楽曲は、ホイットニーの圧倒的な歌唱力を象徴する一曲であり、世界中のチャートを席巻しました。
ホイットニーは、グラミー賞をはじめとする数々の音楽賞を受賞し、累計アルバム売上は2億枚を超えるとされています。
彼女の音楽はジャンルを超えて幅広いリスナーに支持され、R&B、ポップ、ソウルなどさまざまな音楽スタイルを巧みに融合させました。
また、彼女の存在は女性アーティストの地位を高め、後に続く多くのアーティストに多大な影響を与えました。
しかし、輝かしいキャリアの裏で、彼女はプライベートでの困難にも直面しました。
薬物依存やメンタルヘルスの問題と格闘し、その影響は音楽活動にも影を落としました。
2012年、48歳という若さでこの世を去ります。
彼女を失った喪失は多くのファンに衝撃を与えました。
しかしホイットニー・ヒューストンは、今でもその音楽と共に生き続け、彼女の力強い歌声は永遠に私たちの心に響き続けます。
彼女の偉大な功績と影響力は、後世の音楽シーンにおいても語り継がれていくでしょう。
以上がホイットニーについてでした。
それではここからは僕が選ぶホイットニー・ヒューストンのおすすめアルバムを5作品選んで、ランキング形式でご紹介します。
今回も選出に当たりベスト盤やコンピレーション・アルバムはランキングから除外していますが、話の流れでご紹介することはあります。
ホイットニーの場合は、彼女の最大のヒット曲となったドリー・パートン作”I Will Always Love You”のカヴァーを含む映画『ボディガード』やベイビーフェイスが手掛けた映画『ため息つかせて(Waiting To Exhale)』のサントラ盤の出来が素晴らしいことでも有名ですが、今回はこういった映画用のサウンド・トラックもランキングから除外しています。
また2003年にリリースされたクリスマス・アルバムの『One Wish: The Holiday Album』も除外しました。
そうなるとオリジナルのスタジオ・アルバムは全部で6作品となります。
その6作品の中から僕が好きな5作品を順番にご紹介する形となります。
それでは第5位からです。
ホイットニー・ヒューストンのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
第5位:Whitney Houston – 『I Look to You』
いきなりラスト・アルバムのご紹介となりますが…第5位は2009年にリリースされた最後のアルバム『I Look to You』です。
若い頃からその持って生まれた歌唱力によって大成功を収めたホイットニーでしたが、それ故に様々なトラブルに見舞われてこの時期には2002年以降はしばらく音楽業界からも遠ざかっていました。
しかし薬物依存と縁を切るためにリハビリ施設に入り、一時的ではあるもののクリーンになったホイットニーは2002年以来7年振りとなる復帰作『I Look to You』をリリースします。
R・ケリーのペンによるバラード曲”I Look to You”をリード・シングルに見事に復帰したホイットニー最後の輝きがここに収録されています。
確かにかつての輝きを失い、あの圧倒的だった歌声にも陰りが見えますが…しかし傷ついた翼を広げたホイットニーはそれでも飛ぶことを止めませんでした。
先の1stシングル”I Look to You”と共に、ダイアン・ウォーレン作の”I Didn’t Know My Own Strength”もまた素晴らしい曲です。
どちらもホイットニーの挫折した人生からの再生を題材としたような曲ですが、どんなに傷ついても逃げずに立ち向かう彼女の強さをも表現しています。
ダイアン・ウォーレンと言えば、エアロスミスの”I Don’t Want To Miss A Thing”やチープ・トリックの”The Flame”にフェイス・ヒルの”There You’ll Be”といった大ヒットした曲を書いたヒットメイカーでもありますが、少し大味なバラード曲が多い印象です。
しかしここでのホイットニーは、自身の人生と歌詞を照らし合わせたかのように切々と歌っており、大げさで陳腐な表現に陥っていないのが素晴らしいです。
このスタジオ録音も素晴らしいのですが、この曲は映像作品でも名演を観ることが出来ます。
それは2009年にオプラ・ウィンフリーが司会を務めるTVショウに出演した際の映像です。
舞台に登場したホイットニーはやせ細り、かつての輝きを失っていました。
80年代全盛期の頃のような圧倒的な歌声はもはや失っています。
それでもサビ部分の歌詞「自分の強さを知らずに堕ちていったけれど、朽ち果てたわけじゃないわ。すべての苦しみを乗り越えたわ。こんなことで挫ける私じゃない!」を歌うホイットニーの姿を観て感動しない者はいないでしょう。
この映像は2014年にリリースされたホイットニーのライブ音源を集めたコンピレーション・アルバム『Whitney Houston Live: Her Greatest Performances』に収録されています。
通常盤はCDのみですがデラックス・エディションにはオマケのライブ映像集が収録されたDVDが付属しています。
気になる方はぜひそちらをチェックしてみて下さい。
この時の映像は2022年に公開された伝記映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』でも最後のハイライトとして感動的に取り上げられていましたね。
本作は、この2曲のバラード曲が特に素晴らしい作品ですが、他にもアリシア・キーズが提供したダンス・トラック”Million Dollar Bill”やレオン・ラッセルの代表曲”A Song for You”をダンス・アレンジしたアッパーな曲も収録されています。
まだまだホイットニーのこの後の作品も聴きたかったところですが…2012年の突然の訃報によって「その後のホイットニー」は永遠に聴くことが出来なくなってしまいました…。
しかし最後に”I Didn’t Know My Own Strength”という感動的な曲を残してくれたことに感謝したいです。
Whitney Houston, Forever.
…いやいや、ブログ記事はまだ続きます。
第4位:Whitney Houston – 『My Love Is Your Love』
この選出には賛否両論あるのかも知れませんが…90年代R&B好きの僕は本作『My Love Is Your Love』が凄く好きです。
オリジナル・アルバムとしてはニュー・ジャック・スウィングを大胆に取り込んだ1990年の『I’m Your Baby Tonight』以来8年振りとなる作品ですが、その間に音楽シーンはガラッと変ってしまいました。
ニュー・ジャック・スウィングのアッパーな曲調はもはや時代遅れで、ディアンジェロやエリカ・バドゥの台頭と共にクールなネオ・ソウルが流行り、アリーヤやTLCの大ヒットでニュー・クラシック・ソウルやィンバランド系のチキチキ・サウンドがシーンの中心となりました。
ホイットニーのアルバムもそういった90年代R&Bを吸収してこれまでになかったクールなヒップホップ・ソウルへと生まれ変わりました。
既にこの時点でホイットニーの歌声もかつてのような圧倒的な歌唱力に陰りが見え始めていた頃でしたが、それが逆にこういったクールなサウンドに合っているのは皮肉なことです。
クールな楽曲が並んだ本作ですが、僕は特に1曲目の”It’s Not Right but It’s Okay”が好きです。
「自立した強い女性」を打ち出したMVのかっこよさもさることながら、こういったクールな曲も問題なく歌い熟すホイットニーの才能に恐れ入ります。
以前スパイス・ガールズをご紹介した時にも書いていた事があるのですが、この曲とスパイス・ガールズの”Holler”の曲調がコーラスの入れ方までそっくりなんです。
それはどちらの曲にもフレッド・ジャーキンスとショーン・ダニエルズという同じソングライターが曲作りに参加していまたからなんです。
スパイス・ガールズの”Holler”は2000年にリリースされた3枚目のアルバム『Forever』に収録されていたのですが、このアルバムの制作に辺りヴィクトリアが当時R&Bシーンの前線に立っていたソングライターを集結させて作った作品でした。
そういった経緯もあり、”It’s Not Right but It’s Okay”と”Holler”は似たような曲だったんです。
ちなみにこの”It’s Not Right but It’s Okay”をイギリスのエレクトロポップ・バンドのチャーチズ(Chvrches)がカヴァーしたのは驚きました。
まさかローレン・メイベリーちゃんがホイットニーを好きだったとは…!
またかつてのホイットニーを思い出したかのようなバラード曲”Until You Come Back”も感動的な曲です。
クールなビートの曲ばかり続いた後でこういったオーソドックスなバラードがあると違和感ありなのですが…しかしここでかつてのホイットニーの輝きを取り戻したかのようなバラードが聴けるのは嬉しいサプライズです。
ちなみに2001年にリリースされたバラード・アルバム『Love, Whitney』の1曲目にこの”Until You Come Back”が収録されていたのは「良いチョイスだね!」と当時思いました。
ホイットニーの感動的なバラード曲を1枚のCDに集めた名コンピ盤です。
第3位:Whitney Houston – 『Just Whitney』
第3位は2002年にリリースされたアルバム『Just Whitney』です。
このアルバムに関しては以前『ネオ・ソウルやヒップホップ・ソウル好きにおすすめしたい2000年代の女性R&Bシンガーのアルバムをまとめてご紹介!』というブログ記事でもご紹介していました。
そのブログ記事のリンクを下記に貼っておきますのでそちらも読んでいただければ…と思います。
ネオ・ソウルやヒップホップ・ソウル好きにおすすめしたい2000年代の女性R&Bシンガーのアルバムをまとめてご紹介!
以前のブログ記事でも書いていたのですが、本作のベスト・トラックは、2曲目に収録されているベイビーフェイス作の “Tell Me No”です。
もちろんそれ以外にも夫のボビー・ブラウンがプロデュースを担当したアップ・テンポなR&B”Whatchulookinat”や、そのボビー・ブラウンとデュエットした“My Love”といった話題作も収録されています。
全体的に前作『My Love Is Your Love』のアップデート版といった感じで、ホイットニー流のコンテンポラリーR&B作品としてのクオリティーはかなり高いです。
第2位:Whitney Houston – 『Whitney Houston』
第2位は1985年にリリースされた記念すべきデビュー作『Whitney Houston』です。
日本盤はジャケットも違っていて、『そよ風の贈りもの』という邦題が付けられてリリースされました。
マイケル・ジャクソンのお兄さんジャーメイン・ジャクソンとの艶めかしいデュエット曲”Nobody Loves Me Like You Do” や”Take Good Care of My Heart”に、若きホイットニーが情熱を込めて歌う不倫ソング”Saving All My Love for You”といった「大人の男女」のドロドロが見え隠れする曲もありますが…
元気いっぱいに若さ弾ける”How Will I Know”の初々しさは、ポップすぎるMVと共に今も新鮮さを失っていません。
もともとはジャネット・ジャクソンのために書かれた曲でしたが、今となってはホイットニー以外には考えられない程彼女にあった曲です。
業界人クライブ・デイヴィスに見出されて鳴り物入りでデビューしたホイットニーでしたが、一流のソングライターから集められた楽曲はどれもホイットニーのイメージにピッタリでした。
特にジョージ・ベンソンが歌ったリンダ・クリード作の”Greatest Love of All”は、本作でホイットニーが歌ったバージョンが最も素晴らしいアレンジです。
「黒人歌手なのに白人に迎合したようなポップスばかり歌いやがって!」とホイットニーの初期の2作品は同胞達から批判を受けたという話があります。
その反動で悩み抜いた結果3rdアルバムの『I’m Your Baby Tonight』は、当時流行りだった「ニュー・ジャック・スウィング」の要素を大胆に取り入れることでブラック・ミュージックへと近づきました。
今回のこのランキングでは僕は『I’m Your Baby Tonight』を選ばなかったのですが、その1つに「ニュー・ジャック・スウィングがあまり好きではない」というシンプルな理由があります。
白人でも黒人でもないアジア人の僕がそういった問題に口出しするのはあまりにもお門違いではありますが…僕としては「黒人がポップスを歌ってもいいじゃん!」と思います。
もちろん白人がR&Bを歌っても良いですし、ビースティー・ボーイズやエミネムのようにヒップホップでラップをしてもかっこいいです。
人種問題はここで取り上げるにはあまりにも難しい問題ではありますが…僕はホイットニーの歌うポップスが大好きです。
だから今回のランキングでは「ホイットニーのポップ・アルバム」が上位となりました。
それではもう答えが出ていますが…第1位はこのアルンバムです!
第1位:Whitney Houston – 『Whitney』
1987年にリリースされた2ndアルバム『Whitney』です。
ポップなホイットニーがまさしく「弾けた」名盤です。
邦題は『ホイットニーII〜すてきなSomebody』でした。
その邦題に”Somebody”が付けられているように1stシングルに選ばれた”I Wanna Dance with Somebody (Who Loves Me)”が本当に素晴らしいです。
この曲名は2022年に公開されたナオミ・アッキー主演の映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』の原題としても使われていました。
それぐらい人気の曲ですが、僕もホイットニーのポップ・ソングではこの曲が一番好きです♪
この頃のホイットニーは見た目にも明るくって健康的でしたね。
もちろんポップ・チューン以外にもお得意のバラードでも名曲を残しています。
中でもアルバムからの2枚目のシングルに選ばれた”Didn’t We Almost Have It All”と4枚目のシングルに選ばれた”Where Do Broken Hearts Go”の2曲は、どちらもホイットニーを代表するバラード曲です。
どちらの曲もメロディーラインが美しいだけでなく、全盛期のホイットニーが圧倒的歌唱力で歌い上げた名曲です。
特に僕は”Didn’t We Almost Have It All”が大好きで、この曲のサビを聴くと目頭が熱くなります。
ポップスとバラード…ホイットニーの真骨頂はこの2つのスタイルにあったのではないか?と思います。
確かに始まりこそゴスペルがルーツではありますが、再度繰り返しますが「黒人歌手がポップスを歌って何が悪い?」です。
僕はホイットニーが圧倒的歌唱力で歌ったポップス曲が大好きです。
以上、【ホイットニー・ヒューストンのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!】でした。
僕が初めてホイットニーを知ったのは、子供時代に金曜ロードショーで映画『ボディガード』を観た時でした。
ケビン・コスナーが出ている映画が好きだった僕は、あまりロマンス映画が好きではないもののこの映画を観てみることにしました。
最初は「スタイル抜群の綺麗な女の人だな~」ぐらいにしか思っていなかったのですが、この映画を観た多くの人と同じく僕も子供ながらに”I Will Always Love You”を聴いて感動しました。
物語こそ当時の僕は子供過ぎたので意味がわかっていなかったのですが、ホイットニーの歌声は「特別」だということはすぐにわかりました。
それから何年かはこのことを忘れていたのですが、高校生になって自分でも音楽を聴くようになった時に『My Love Is Your Love』がリリースされました。
僕がリアルタイムでホイットニーを聴いたのはこの『My Love Is Your Love』からでした。
またこの時期に僕は先にマライア・キャリーにハマっていたのですが、ホイットニーとデュエットした”When You Believe”を聴いて更にホイットニーのことが気になっていました。
ここでまた昔観た映画『ボディガード』のことを思い出してビデオ屋でレンタルして再度観てみました。
残念ながら僕にはロマンス映画は向いていなかったのですが、やはりホイットニーの歌声には圧倒されました!
今度はサントラ盤を借りてみたら…”I Will Always Love You”だけでなく”I Have Nothing”や”Run To You”といった素晴らしいバラード曲も収録されており、すっかりホイットニーにハマってしまいました。
それ以来ずっとホイットニー・ヒューストンのファンです。
もちろん2022年の映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』も映画館に観に行きました。
ホイットニー・ヒューストンの半生を描いた伝記映画『I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』を観に行きました。
今回こうして自分のブログでホイットニー・ヒューストンについてようやく書くことが出来ました。
今回このブログ記事を読んで、初めてホイットニー・ヒューストンを知ったという方も、これからホイットニー・ヒューストンを聴いてみたかったという人も、ぜひこのランキングを参考に各アルバムを聴いてみて下さい。
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