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カテゴリー:Music

2018/12/26

ザ・ニュー・マスターサウンズが歌った!?7作目『Breaks From The Border』を聴こう♪

ザ・ニュー・マスターサウンズの作品を1枚ずつご紹介するシリーズ

初のボーカル曲を歌った7枚目のスタジオアルバム『Breaks From The Border』

ザ・ニュー・マスターサウンズ(以下:ニューマスター)のアルバムを1枚ずつ順にご紹介しているブログ記事シリーズです。

 

今回は2011年の7作目『Breaks From The Border』です。

 

以前ご紹介していた結成10周年を記念してリリースされた6枚目のスタジオアルバム『Ten Years On』の次の作品になります。

 

ザ・ニュー・マスターサウンズ結成10周年記念盤『Ten Years On』を聴こう♪

今回の作品は、バンドにとって初めてのボーカル曲が収録された記念すべきアルバムでもあります。

 

それでは、さっそくご紹介していきたいと思います。

 

 

The New Mastersounds – 『Breaks From The Border』

01.Take What You Need
02.Run The Gauntlet
03.On The Border
04.Free Man
05.Freckles
06.Passport
07.Walk In These Shoes
08.Josus
09.Can You Get It?
10.Turn It Up
11.Up In The Air
– Japanese Bonus Tracks –
12.Freckles (Featuring Freckles)
13.Hip Hop (Featuring Skerik)

 

Personnel:
Eddie Roberts – Guitar & Vocals
Simon Allen – Drums & Vocals
Pete Shand – Bass & Vocals
Joe Tatton – Organ & Fender Rhodes Piano & Vocals

 

Special Guest:
Freckles (aka Rhianna Kenny) – Vocals on Track 12
Skerik – All Saxes on Track 13

 

Recorded in July 2010 at Sonic Ranch, Tornillo, Texas.

 

Released : 2011.

 

 

アルバムについて

この作品がリリースされた当時、ジャケットのデザインを見てアントン・コービンのようだとすぐに思いました。

 

まるでU2の『Achtung Baby』やボン・ジョヴィの『Crush』のようなジャケットだと思いました。

 

ちなみのにその2作品のデザインを手がけたのがアントン・コービンです。

 

この作品がリリースされる前から、本作がバンドにとっての初のボーカル曲を収録したアルバムになることは、ネットの情報で知っていました。

 

当時の僕は、ミーターズが1972年の4作目『Cabbage Alley』から歌モノの全く別のバンドになってしまったように、ニューマスターもそうなるのか?と危惧していました。

 

 

もはやインスト曲は一切しなくなるのか?……と不安な気持ちで一杯でした。

 

というのも、バンドの方向性に迷って元のバンドの良さを捨てて別のバンドになったりした場合、メンバー感の音楽性の衝突や古くからのファンが離れていって、解散の危機が大きくなる場合がよくあることだと思います。

 

しかし実際に作品を聴いてみると……ボーカル曲と言っても、誰か一人のメンバーがガッツリと歌ったものではなく、全員でコーラスをしている感じの曲ばかりでした。

 

あくまでも「歌声」を楽器のひとつとして扱っているような楽曲ばかりです。

 

それにアルバムのライナーノーツをドラムのサイモンが書いているのですが、そこでアメリカでツアーをすることでインプロ重視のスピリットを捕まえるのに成功した!と手応えを感じたと書いていました。

 

アメリカには、グレイトフル・デッドを始祖とする、長いアドリヴ演奏が特徴的なジャム・シーンが存在しています。

 

彼らジャム・バンドのファンは、長い長~い楽器のインプロヴィゼイションを期待しています。

 

なので、たとえ歌モノのバンドであったとしても、グレイトフル・デッドやフィッシュ(Phish)のように長尺ソロを演奏しなくてはいけません。

 

ニューマスターは、ソウライヴやギャラクティクス等と同じように(その2バンドよりも多少遅れて……)、新世代のジャム・バンドとしてアメリカのオーディエンスに気に入られていったのがこの時期でした。

 

だから、この作品のボーカル曲をライヴで演奏する際も、ギターソロやオルガンソロを中心に演奏しています。

 

それどころか、2014年辺りから現在に至るニューマスターのライヴでは、これまで以上にインプロヴィゼイション・ソロが長くなるようになりました。

 

人によっては、こういった長いソロ演奏を好きじゃないって人もいるかも知れませんが……僕としては楽器はアドリヴ弾きまくってなんぼ!と思っていますので、今のニューマスターの方が好きです。

 

この作品が発売される前と、その後のライヴで歌モノ中心の演奏をするようになるのかな?といった心配事はすぐになくなりました。

 

相変わらず日本公演を観にいても、僕の期待するようにギターやオルガンを弾きまくってくれています!(笑)

 

それにこれ以降のアルバムでもちょくちょくバンドのメンバーが歌う曲が収録されてはいますが、この作品が最多のボーカル曲が収録されているってだけで、以降の作品では数が減っています。

 

今年発売された最新作でも結局歌モノの曲はゲスト・ボーカルが参加していましたからね。

 

ニューマスターの歌モノ曲は、それぐらいの扱いで十分です。

 

あくまで初期のミーターズ風のインストの曲を、まるでジャズファンク期のグラント・グリーンのようにバリバリギターソロを弾きまくる!バンドでいてもらいたいところです。

 

ちなみにこのジャム・シーンを全米で広げていったのが、グレイトフル・デッドというバンドなのですが……彼らのインプロヴィゼイションが長くなっていった一因には、実はジョン・コルトレーンの影響があるようです。

 

僕はニューマスターやグレイトフル・デッドを聴く前に、先に10代の頃にジョン・コルトレーンを聴いてジャズに目覚めていました。

 

なので、僕がニューマスターやグレイトフル・デッドのような、ライヴでジャム演奏を繰り広げるバンドを好きになるのは必然だったんだな~と今になると思います。

 

 

 

さて、この作品は2010年7月のアメリカ・ツアーの後、故郷のイギリスに帰らずそのままそアメリカに残ってアルバム作りが開始されました。

 

テキサス州にあるメキシコとの国境沿いの街トルニーヨで録音されたようです。

 

郊外にあるペカン農園の真ん中にある住宅兼スタジオで、1週間バンドが寝泊まりしながらこのアルバムを制作していったようです。

 

だからアルバム・タイトルが”Breaks From The Border”=「国境からの逃避」なのでしょう。

 

後にギターのエディー・ロバーツが、「毎回アルバム・タイトルを考えるのがレコーディングで一番苦労することだよ。」と冗談を言ってましたね。(笑)

 

それでは、2曲の日本盤ボーナス・トラックも含む全13曲の収録曲を見ていきましょう。

 

 

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アルバムの内容

1曲目”Take What You Need”からさっそくボーカル曲が始まります。

 

といっても、メンバー全員がコーラスを歌うような曲です。

 

エディーがワウギターで弾きまくるソロパートもちゃんとあります。

 

当時この曲を初めて聴いたときは、なんだかホッとしました。(笑)

 

ガッツリ誰かメンバーがボーカリストとして歌ってるんじゃないんだな~と。

 

しかもこの曲は、これ以降現在に至るまでライヴの定番曲になるのですが、あのエディーの弾くワウギターのイントロが始まった瞬間に「きた!あの曲!」って感じでテンション上がります。

 

今となってはライヴで毎回聴きたくなるニューマスターの楽曲の中でも特に好きな曲のひとつです♪

 

この曲のみ、歌詞をキーボードのジョー・タットンが書いています。

 

他のボーカル曲はニューマスターの親友リアーナ・ケニーという女性ボーカリストと一緒に作詞したようです。

 

そして2曲目の”Run The Gauntlet”で、通常のジャズファンク風のインスト曲に戻ります。

 

最近はあまりライヴでやらなくなった曲なのですが、長いアドリヴ演奏が聴けるライヴ映えする曲です!

 

特にギターソロは、このスタジオ・バージョンでもかなり長く弾いています。

 

3曲目”On The Border”もメンバー全員で歌うボーカル曲です。

 

キャッチーな歌メロにミーターズ風のバックの演奏が楽しい楽曲です♪

 

“Take What You Need”ほどではないですが、ライヴでもちょくちょく演奏されています。

 

ちなみにこの曲は、2016年にTurkuaz(ターコイズ:トルコ石の意味)というバンドがカヴァーしています。

 

ダウンロード販売のみですが、シングルもリリースされています。

 

 

僕はシングルはもちろん買いました!(笑)

 

この時期はニューマスターのアメリカツアーにこのバンドが同行して”On The Border”を一緒に演奏していました。

 

次の4曲目”Free Man”もボーカル曲です。

 

この曲はエディーがリードを取って歌ってはいるのですが、すぐに他のメンバーのコーラスが入ってきます。

 

ちょっとニューマスターっぽくない曲だったせいか?ほとんどライヴで演奏されなかった曲です。

 

5曲目”Freckles”は、蒸し暑い夏の夜を思い起こさせるような気だるい雰囲気のインスト曲です。

 

個人的にはギターソロを長めに弾いてくれる曲なので、結構好きな曲です。

 

最近でもちょくちょくライヴで演奏されている曲です。

 

6曲目”Passport”は、渋かった先ほどの曲と一転してやけに明るいボーカル曲です。

 

こういう楽曲を聴いていると、さすがビートルズの国出身だな~と感じます。(笑)

 

ライヴではほぼやることのない曲ですが、悪くないです。

 

7曲目”Walk In These Shoes”は、まるでダンプスタファンクやパパ・グロウズ・ファンクがやりそうな、近年のニューオーリンズ・ファンク風の歌モノ曲です。

 

そういったバンドも好きなので僕はこの曲も好物です♪

 

ギターソロも珍しく歪んだ音でロック風に弾いています。

 

しかしライヴで演奏することは、ほぼありません……。

 

8曲目”Josus”は、お得意のミーターズ風のインスト・ナンバーです!

 

ギターソロはなく、ピアノのソロのみです。

 

9曲目”Can You Get It?”と10曲目”Turn It Up”に、本編最後の11曲目”Up In The Air”も楽しいノリのボーカル曲です。

 

しかし……どちらも正直イマイチ感が否めません。

 

以降のアルバムでボーカル曲の数が減っていったのも頷けますね。(笑)

 

決して歌の上手いメンバーはいないので、アルバム中に歌モノ曲は1、2曲あれば十分です。(笑)

 

もっとインスト曲で、ソロを弾きまくって下さい!

 

そして日本盤のボーナス・トラックとして12曲目に”Freckles”のボーカル・バージョンが収録されています。

 

しかもゲスト・ボーカルとして本作のほとんどの楽曲で歌詞を共作したリアーナ・ケニーという女性ボーカリストが歌っています。

 

ニューマスターのメンバーは、正直歌がかなりヘタなのですが(笑)……リアーナ・ケニーは普通に上手いシンガーです!

 

やはりニューマスターがバックで演奏に徹してもらって、ちゃんとしてシンガーにリード・ボーカルを歌ってもらう方が楽曲のクォリティーも上がります!

 

ニューマスターの面々は、シンガーではなくプレイヤーですね。

 

“Freckles”自体が良い曲なので、このボーカル・バージョンもなかなかの出来です

 

もうひとつのボーナス・トラックの13曲目”Hip Hop”は、前作『Ten Years On』からのアウト・テイクのようです。

 

前作にゲスト参加していたジャムバンド・シーンで活躍するサックス奏者のスケーリックが参加しています。

 

“Hip Hop”という曲名ですが、別にラップもスクラッチ・ノイズもブレイク・ビーツも登場しません。

 

いかにもスケーリックらしい怪しいジャズファンク曲です。

 

地味な曲調ですが、悪くない曲です。

 

この曲はスケーリックとニューマスターの共作で、他の収録曲はリアーナ・ケニーと共作した歌詞以外全てニューマスターがバンドで作曲したオリジナル曲になります。

 

前作同様、この時期のニューマスターはカヴァー曲を取り上げず、オリジナル曲で構成されたアルバム作りをしていました。

 

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#1 #2 #3 #5 #7 #8

 

 

以上、【ザ・ニュー・マスターサウンズが歌った!?7作目『Breaks From The Border』】のご紹介でした。

 

アルバムが発売する前の事前情報では、個人的にかなり心配になったのですが……今となってはこの作品も好きなアルバムです。

 

特に1曲目の”Take What You Need”は、昨年の来日公演でも変わらず演奏してくれたニューマスターを代表する名曲のひとつとなりました。

 

僕も毎回ライヴを観に行って”Take What You Need”をやってくれるのを楽しみにしています。

 

ただこの辺りのアルバムから、ライヴで演奏されない収録曲がだんだんと増えていきます……。

 

まぁ長いことバンドをやっていて、アルバムの数や曲数が増えていくと何かを削らないといけないので仕方のないことですけどね。

 

本作収録曲で今でもライヴ演奏されている曲は、”Take What You Need”と”Run The Gauntlet”ぐらいです。

 

今年に入ってからは、”Freckles”や”On The Border”もやらなくなってきました……。

 

少し残念にも思うのですが、それでも冒頭の”Take What You Need”と”Run The Gauntlet”の2曲はライヴでも楽しめる曲なので、本作も変わらずニューマスターのおすすめのアルバムです♪

 

それでは、今後も引き続きニューマスターのアルバムを1枚ずつ順にご紹介していくこのブログ記事シリーズを続けていきますので、ぜひまた読みに来て下さい。

 

 

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