カテゴリー:Music

2020/01/11

ミシェル・ペトルチアーニとジム・ホールとウェイン・ショーターの『Power Of Three』を聴こう♪

ミシェル・ペトルチアーニとジム・ホールとウェイン・ショーター……絶妙なトリオ演奏を聴こう♪

ミシェル・ペトルチアーニは、1962年にフランスのオランジュ市に生まれたジャズ・ピアニストです。

 

先天性疾患による障害を患ったペトルチアーニは、身長が1mにも満たない程度で、自分一人で長距離を歩くことも困難でした。

 

しかしそんなハンディキャップを背負いながらも、ビル・エヴァンスから大きな影響を受けたリリシズム溢れるピアノ演奏は、才能に満ち溢れたものでした。

 

そんなペトルチアーニが、1986年スイス・モントルー・ジャズフェスティバルに出演した際に収録された作品が存在しています。

 

それは、デュオ名人でもあるジャズ・ギタリストのジム・ホールと共演したものでした。

 

ジム・ホールといえば、ペトルチアーニが大きな影響を受けたビル・エヴァンスとも共演しており、『Undercurrent』と『Intermodulation』という2つのデュオ名盤を残しています。

 

この2作品のように、ペトルチアーニはリズム隊をあえて排除した形で1986年のスイス・モントルー・ジャズフェスティバルに出演しているのですが……

 

名サックス奏者のウェイン・ショーターも加わるという変則トリオの形でも数曲演奏しています。

 

マイルス・デイヴィスの黄金のクィンテット及びロスト・クィンテットやウェザーリポートでの活躍が有名な人気サックス奏者のウェイン・ショーターの参加を希望したのはペトルチアーニ自身でした。

 

その作品が1987年にリリースされた『Power Of Three』です。

 

 

Michel Petrucciani Feat. Jim Hall & Wayne Shorter – 『Power Of Three』

01.Limbo
02.Careful
03.Morning Blues
04.Waltz New
05.Beautiful Love
06.In A Sentimental Mood
07.Bimini

 

Personnel:
Michel Petrucciani – Piano
Jim Hall – Guitar
Wayne Shorter – Saxophone

 

アルバムの内容

ブルーノート・レコードにおけるペトルチアーニの2作目となった本作『Power Of Three』は、ジム・ホールとウェイン・ショーターの2人が参加して出演した1986年スイス・モントルー・ジャズフェスティバルのライヴ演奏が収録されています。

 

アルバムは、ペトルチアーニ自らの希望で参加する事が決まったウェイン・ショーターの曲”Limbo”から始まります。

 

この曲は、マイルス・デイヴィスの1967年の名作『Sorcerer』にウェイン・ショーターが提供した曲でもあります。

 

もちろん本作には、、ロン・カーターやトニー・ウィリアムスは参加していません。

 

ベースとドラムのリズム隊をあえて省いた変則トリオは、ペトルチアーニのコンピングをバックにジム・ホールとウェイン・ショーターのユニゾンによるテーマ演奏で始まります。

 

まずソロを吹くのは作曲者のウェイン・ショーターからになります。

 

コルトレーンを彷彿させるようなフレーズを詰め込んだ演奏を、ペトルチアーニとジム・ホールがバックで支えます。

 

ピアノとギターという2つのコード楽器がリズム隊の代わりを務めています。

 

こういった時のジム・ホールは、ギターのボリュームを極限まで抑えて、まるでアコースティック・ギターのようなサウンドでストロークしてバッキングを弾くのが定番です。

 

従来のジャズ・ギタリストとは全く違った発想でバッキングを弾いているのが特徴的です。

 

ショーターのソロが終わると、ジム・ホール→ペトルチアーニの順番でソロ回しが続きます。

 

ペトルチアーニのソロは、ビル・エヴァンスからの影響を感じさ出つつも、全くのモノマネで終わっていないところが彼の個性のように感じます。

 

後テーマが終わると、会場からの拍手喝さいが聞こえてきます。

 

間髪入れずにジム・ホールが「ジャララン♪」とコードを弾くと、ホール作の摩訶不思議な楽曲”Careful”が始まります。

 

この曲は、ジム・ホールがそのキャリアにおいて幾度となく演奏してきたお気に入りの曲のようです。

 

ショーターが抜け、ジム・ホールとペトルチアーニの2人のみでデュオ演奏が繰り広げられています。

 

まさにビル・エヴァンスとの共演を思わせるようなデュオ演奏ではありますが、ペトルチアーニのピアノ・ソロは彼独自のリリシズムを表現しています。

 

ソロ終わりの拍手喝さいが全てを表していますね。

 

ペトルチアーニの小さな身体から発せられる無限の宇宙のような壮大なピアノ・ソロは、会場中のオーディエンスの心を完全に掴んでいます。

 

続く3曲目”Morning Blues”は、ペトルチアーニのオリジナル曲で、ウェイン・ショーターに捧げられています。

 

ここでショーター自身も再登場して、ソプラノ・サックスを披露しています。

 

曲目に”Blues”とついていますが、これはブルースというジャンルや形式を意味するのではなく、言葉そのままの「憂鬱」というイメージを表現してのことでしょう。

 

曲調はブルースではなく美しいバラード曲です。

 

ペトルチアーニの意思を読み取ったショーターとジム・ホールが素晴らしいソロ演奏を披露しています。

 

4曲目”Waltz New”もジム・ホールが書いた曲です。

 

ここから次の”Beautiful Love”や”In A Sentimental Mood”までは再びウェイン・ショーター抜きのデュオで演奏しています。

 

最後の7曲目”Bimini”でウェイン・ショーターが再登場します。。

 

この曲もジム・ホールが書いた曲で、その後何度も演奏されている楽曲です。

 

ソニー・ロリンズを思わせるカリプソ調の曲で締めくくられているのがなんとも興味深い選曲ですね。

 

ロリンズではありませんが、この曲でのショーターのサックス・ソロはとても素晴らしいものです。

 

また、本作の全ての楽曲において、リズムキープを司っているのがジム・ホールの役目だったんだなって改めて気づかされます。

 

アコースティック調のトーンでストロークを弾くジム・ホールのギターが聴くものを一気に南米のフェスティバルの真っただ中に連れて行ってくれるかのようです。

 

こうして変則的なトリオのライヴは大団円を迎えます。

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#1 #3 #5 #7

以上、【ミシェル・ペトルチアーニとジム・ホールとウェイン・ショーターの『Power Of Three』を聴こう♪】でした。

 

ミシェル・ペトルチアーニやジム・ホールにウェイン・ショーターのそれぞれのファンの方はもちろん、ビル・エヴァンスのファンの方にもおすすめしたいような作品です♪

 

またリズム隊が参加していない変則的なジャズ作品をお探しの方にもおすすめです。

 

たまにはダイナミックなドラムや動き回るベースが参加していない静謐な雰囲気のアルバムを聴いてみてはいかがでしょうか?

 

ちなみに本作は、音源だけでなく映像作品としてもリリースされています。

 

ぜひ動くミシェル・ペトルチアーニとジム・ホールの息の合った絶妙な演奏を一度は観てください♪

 

 

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