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カテゴリー:Music

2018/12/29

多彩な曲調が詰まった2005年のソウライヴの6作目『Break Out』を聴こう♪

ソウライヴの作品を1つずつ取り上げてご紹介しているブログ記事シリーズ

多彩な曲調が詰まった2005年のソウライヴの6作目『Break Out』をご紹介します。

僕の一番好きな2大バンド、ザ・ニュー・マスターサウンズとソウライヴなのですが、どちらのバンドも1枚ずつ公式盤の作品をご紹介していってるブログ記事シリーズを、かれこれこのサイトをブログ化してから1年以上続けています。

 

1年以上経ってやっとどちらのバンドも、半分ご紹介できたかな!?……ぐらいなのですが、まだまだご紹介しきれていない作品がたくさんありますね……。

 

さて、大体ザ・ニュー・マスターサウンズのアルバムをご紹介した次のブログ記事がソウライヴになるというパターン化してきていますが、今回もそのパターンでソウライヴの作品ご紹介になります。

 

前回ザ・ニュー・マスターサウンズが初のボーカル作品を収録した2011年の作品『Breaks From The Border』だったのに対して、今回はソウライヴがこれまで以上に幅広い音楽性の楽曲を収録した2005年のソウライヴの6作目(ライヴ盤1作含め)『Break Out』をご紹介したいと思います。

 

それではさっそくご紹介していきたいと思います。

 

 

Soulive – 『Break Out』

01.Interlude I
02.Reverb
03.Got Soul (featuring Ivan Neville)
04.Cachaca
05.Back Again (featuring Chaka Khan)
06.Break Out
07.She’s Hooked (featuring Reggie Watts)
08.Crosstown Traffic (featuring Robert Randolph)
09.Take It Easy (featuring Ivan Neville)
10.Vapor
11.What Can You Do (featuring Reggie Watts)
12.Interlude II (featuring Robert Randolph)
13.Freedom (featuring Corey Glover)
14.Glad Ta Know Ya (featuring Cochemea Gastelum)
15.Interlude III

 

Personnel:
Eric Krasno – Electric Guitar, Acoustic Guitar
Neal Evans – Organ, Keyboards, Clavinet, Piano, Keyboards
Alan Evans – Drums

Jordan Battiste – Backing Vocals on Tracks 08)
Ryan Zoidis – Tenor Saxophone, Alto Saxophone
Robin Eubanks – Trombone
Lasim Richards – Trombone on Tracks 05
Rashawn Ross – Trumpet

 

Recorded : New York, NY
Released : September 13, 2005.

アルバムについて

これまでのソウライヴの作品とは、ジャケットのデザインまで雰囲気が変わった作品になります。

 

車の前で3人のメンバーが立っている写真だけ見ると、まるでヒップホップのアルバムかと勘違いしてしまいそうですね……。

 

裏ジャケの車の構図なんかはまるでリオン・ウェアの『Moon Ride』のようでもあります。

 

 

 

ジャケットだけ見ると、モス・デフやウォーレン・辺りが出てきてラップでも歌いだしそうなのですが……アルバムの中身はヒップホップではありません。

 

しかもこれまでの作品のような、オルガン系ジャズファンクが中心の作品でもありません。

 

ソウライヴと言えば、日本でもヒットした2001年の『Doin’ Something』やジャケットデザインがオシャレだった2002年の『Next』なんかで聴ける音楽性を想像する方が多いかと思われますが、この作品は更に進化した多彩な曲調が多く収録されています。

 

もともと1999年のデビュー時から、ライヴでは70年代ファンク・ロック・バンドのウォーの”The World’s A Ghetto”やジミ・ヘンドリックスがバンド・オブ・ジプシーズ時代に演奏していたロック曲”Who Knows”なんかを取り上げていました。

 

これまでのオルガン系ジャズファンク・バンドであれば、まず取り上げることのない選曲です。

 

そういったロック系からの選曲もこのバンドが、これまでにない新世代の感覚を持っていたバンドだと感じさせてくれていました。

 

そして2001年辺りから、ギタリストのエリック・クラズノーが敬愛するブルースマンのスティーヴィー・レイ・ヴォーンの曲まで取り上げるようになります。

 

それはレイ・ヴォーンが奥さんに捧げて書いた名バラード曲の”Lenny”です。

 

エリック・クラズノーは、僕も尊敬する日本人ギタリストのトモ藤田さんに師事しています。

 

トモ藤田さんもスティーヴィー・レイ・ヴォーンが大好きな方なので、エリック・クラズノーもそういったとこから影響を受けているのかな⁉

 

この”Lenny”は後に2003年の初の公式ライヴ盤である名盤『LIVE!』の8曲目に収録されることとなります。

 

さて、その時のライヴ盤発売時のエリック・クラズノーのインタビューを抜粋しますと……「僕にとって新作はジミ・ヘンドリックス、スティーヴィー・レイ・ヴォーンなどのロックの影響が大きい。エフェクターやワウを多用している。ソウライヴは過去に戻ったわけではなく、先に進んでいるんだ。同じことはやっていないよ。」と答えています。

 

そういった発言から、この作品以降ロック調の曲が多くなっていきます。

 

そしてこれが良い方向に作用していると僕は考えています。

 

僕自身は、オルガン系ジャズファンクが大好きなのですが、しかしロックも大好きです!

 

確かにいつまでも同じようなジャズファンク曲ばかりやっていると「また同じ曲調かぁ~。」と聴いてくれているファンの中でも飽きてくる人が出てくると思います。

 

それにソウライヴみたいに演奏力が高くってどんなジャンルの音楽でも高レベルで演奏できる3人のメンバーがいるんだったら、もっと色んな音楽性の楽曲を取り上げないと技量がもったいないとも感じてしまいます。

 

ロックの要素を混ぜ合わせることで、更に音楽性の幅も広がり同じような曲調ばかりが続くアルバムにはなっていないと思います。

 

もちろんエリック・クラズノーのギターも、色んなエフェクターを使用することでカラフルな音作りに成功しています。

 

更に本作では、アコースティックギターまで弾いていたりします。

 

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Ryo
しかし上手い人は何をやっても上手いんですね!(笑)

 

この作品を料理のように言い表してみますと……「オルガン系ジャズファンクにロックのダイナミクスを加えて、隠し味にヒップホップのビートを一振り」……これでソウライヴの新作が完成!といったところでしょうか。

 

それでは1曲ずつご紹介していきたいと思います。

 

 

 

アルバムの内容

1曲目の”Interlude I”は、その曲名通りに「《音楽の》間奏曲」です。

 

エリック・クラズノーのロック調のワウギターのイントロで始まって50秒ほどで終わる短い曲なのですが、これがとても渋くってかっこいいんです!

 

センスが良いイントロの次に次ぐ続くのが2曲目”Reverb”です。

 

この曲は、前作『Next』に収録されていても違和感がないような、いつものソウライヴ風ジャズファンク曲です。

 

ホーン隊がバックを盛り上げる中、クセになりそうなかっこいいロック調のギターイントロが繰り返し鳴り響きます。

 

43秒を過ぎた頃に、ギターが曲のテーマを弾き始めます。

 

これがセンス抜群!のメロディーラインなです♪

 

テーマが終了するとニール・エヴァンスによるファンキーなクラヴィネット・ソロが始まります。

 

続いてエリック・クラズノーのギターソロが始まります。

 

デビューしたての頃はジャズっぽかったメロディーラインが、だいぶロック風(というかフュージョンっぽい⁉)に変わっていますが相変わらずものすごく上手いです!

 

この”Reverb”は、その後日本公演を収録した公式ライヴ盤にも収録されることになります。

 

そして今現在に至るまでライヴの定番曲になっています。

 

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Ryo
かっこいい曲なので当然ですね♪

 

3曲目”Got Soul”には、ネヴィル・ブラザーズの三男のアーロン・ネヴィル の息子アイヴァン・ネヴィルがボーカルで参加しています。

 

強面の顔なのに天使の歌声を持つ父親アーロンと違って、強面の顔からマジでイカつい歌声を発生するアイヴァンです。(笑)

 

父親のアーロンは歌唱力の高いR&Bシンガーなのでずが、息子のアイヴァンはお世辞にも歌の上手いシンガーではありません。

 

しかしなぜかファンクの曲を歌わせると「独特の味」があるんです。

 

まるでパーラメント/ファンクデリックのジョージ・クリントンのようです。

 

歌が下手なのに、彼らが参加すると楽曲全体がファンキーになってしまう!という才能の持ち主です。

 

さて、もともとバック・バンドとしても定評のあるソウライヴの連中がバックを固める”Got Soul”をアイヴァンが歌うと……やっぱり不思議とかっこいい曲に聴こえてきます!

 

歌唱力って関係ないんですね……と思ってしまいます。(笑)

 

まぁジョン・レノンやニール・ヤングにルー・リードなんかと同じですね。

 

歌唱力はなくっても、曲の雰囲気に合った歌い方が出来たらそれで「音楽」としては成り立っているので、何も問題はありません。

 

この”Got Soul”も、この作品の中でも1、2を争うようなかっこいい曲に仕上がっています!

ちなみにアイヴァンはダンプスタファンクという新世代のニューオーリンズ・ファンク・バンドでも活躍中ですのでこちらも要チェックです!

 

近年のニューオーリンズ・ファンクバンドでおすすめなのはダンプスタファンク!

 

4曲目”Cachaca”は、なんとエリック・クラズノーのアコースティックギターが聴けるラテン風味の楽曲です!

 

“cachaca”とは、「カシャーサ」というブラジル原産のサトウキビが原料の蒸留酒のことです。

 

そんな曲名通りに南米風のリズムにサンタナ風のギターのフレーズが印象的な曲です。

 

すごく良い曲なのですが、ほとんどライヴでは演奏されていません。

 

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Ryo
個人的にはこの曲をライヴで聴きたいのですがね……。

 

こんな良い曲もソウライヴにとっては、過去の単なる気分転換の曲扱いなのでしょうか……もったいない!

 

そして5曲目”Back Again”は、曲のイントロから”Ohhhhhh~♪”とやたらソウルフルな女性歌手の歌声が聞こえてきます。

 

なんとこれ!チャカ・カーンなんです!

 

まさかの大御所がゲスト参加しています!

 

先ほどのアイヴァン・ネヴィルと違って、こちらは「本物の」(笑)ソウルシンガーなので。、歌も超一流です!

 

チャカにピッタリなファンク系R&B曲なのですが、この曲はニール・エヴァンスがチャカと共作したみたいです。

 

ソウルの女王と共演するなんて、本当に凄いことですね!

 

曲の終盤でチャカが驚異的な喉を使ってシャウトする部分が聴き所です!

 

そしてタイトルトラックの6曲目”Break Out”は、やたらオシャレな(今で言うとこの)シティソウル風のインスト曲です。

 

そりゃアルバムタイトルに選ぶよね!って感じのアルバム収録曲中で一番オシャレな曲です。

 

これ、2018年の今現在に新曲といってリリースしても遜色なさそうなぐらい時の試練に打ち勝った楽曲だと思います。

 

なのに……なぜかこの曲も一切ライヴではしてくれません。

 

ぜひライヴで長めのインプロヴィゼーションも併せてジャムって欲しい曲調なんですがね……もったいない!

 

7曲目”She’s Hooked”は、度々この時期のソウライヴのライヴにゲスト参加していたレジー・ワッツという人物が参加して歌っています。

 

この人、本業はヒューマン・ビートボックスが得意なコメディアンなんですね。

 

アメリカ人のいつも凄いなって感じるとこは、コメディアンとかの人でも普通に歌やダンスが日本のプロ級に上手かったりすることです。

 

いちいち副業やお遊びのレベルが高いと思います……羨ましい能力ですね。

 

といったわけで、レジー・ワッツという人物はこの普通に歌が上手いんです!

 

しかし曲名はなんとも……ね。(笑)

 

“hooked”には、「夢中になって」の意味ですが、スラングで「麻薬中毒のになった」という意味もあります。

 

おそらく、そのことをダブルミーニングで歌っていると思います。

 

ちなみにこの曲もニール・エヴァンスとレジー・ワッツが共作しています。

 

ニールが曲を作って、その上にレジーが作詞したという感じでしょうね。

 

そして8曲目にエリック・クラズノーの選曲だとしか思えないジミ・ヘンドリックスの名曲”Crosstown Traffic”が登場します!

 

僕もそうなんですが、ギター弾きが大好きな曲ですね♪(笑)

 

ロック系のギターにハマったら一度はこの曲のリフを弾いてみたくなります!(笑)

 

イントロからエリックのワウギターが炸裂します!

 

ジミヘンの原曲よりも更にファンキーにアレンジされています!

 

ジミヘンの歌の部分はゲスト参加しているペダル・スティール奏者のロバート・ランドルフが弾いています。

 

ちなみにこの曲はライヴでもたまに演奏されていて、その際はエリック・クラズノーが全て歌メロをギターで弾いています。

 

次の9曲目”Take It Easy”は、アイヴァン・ネヴィルが再登場です。

 

ファンキーなホーン隊がイントロを盛り上げ、合図と共にアイヴァンのもっちゃり声の歌が始まります。(笑)

 

歌がヘタなのに不思議とかっこいいのはこの曲も同じく……です!(笑)

 

もはやここまで来たら、ファンクの歌い方はこっちの方が正しいんじゃないかな……と!?

 

いやいや、そんなこと言ったらジェームス・ブラウンにめちゃくちゃ怒られそうですね。(笑)

 

10曲目”Vapor”は、僕の大好きなソウライヴの曲のひとつです。

 

なぜならイントロからエリック・クラズノーのオシャレなギターのメロディーで始まるからです!

 

少しB.B.キングからの影響も垣間見えるメジャー・ペンタトニック中心のフレーズがオシャレです♪

 

イントロが終わると小刻みにビートを刻むオルガンと、ファンキーなホーン隊がバックを盛り上げてくれています。

 

その上をメロディアスなエリックのギターが自由に動き回ります。

 

このスタジオ盤ではトランペットのソロも収録されています。

 

この曲はライヴでも定番曲で、今でもよく演奏される曲です。

 

特にゲストに管楽器隊が参加しているライヴでは、”Tuesday Night’s Squad”と並んでよく演奏される曲です。

 

11曲目”What Can You Do”は、レジー・ワッツが再登場する歌モノ曲です。

 

こちらの方は、ロック系のバラード曲です。

 

良い曲なのですが……ただこれだとソウライヴぽさがないのが、ちょっと気になるところです。

 

この曲調ならソウライヴ以外の腕の立つスタジオ・ミュージシャンがバックを演奏しても変わらないんじゃないだろうか?……とソウライヴの個性を生かし切れていないと感じさせます。

 

12曲目の”Interlude II”は、1曲目と同じく短いインスト曲です。

 

こちらの方はエリックのワウギターをバックに、かなり歪ませた音でロバート・ランドルフがペダル・スティールをハード・ロック風に弾いています。

 

29秒程度で終わります。

 

13曲目”Freedom”は、ジミヘンの同名曲とは別の曲です。

 

ドラムのアラン・エヴァンスが書いたファンク・ロック系の歌モノ曲です。

 

コリー・グローヴァーという黒人シンガーが歌っています。

 

でもどことなくジミヘン系の曲調のようでもありますね……。

 

14曲目”Glad Ta Know Ya”は、コチェメア・ガステラムがアルトサックスでゲスト参加したファンク系インスト曲です。

 

ところどころで聞こえてくる歌声はアラン・エヴァンスによるものです。

 

エリックの弾くギターリフが70年代ロック風だったりもします。

 

これまでのジャズが中心だったスタイルではなくなってきています。

 

そして最後の15曲目”Interlude III”も短いインスト・ナンバーです。

 

ディアンジェロやアンジー・ストーンにエリカ・バドゥとかが登場してきそうな、ネオソウル風のしっとりしたインスト曲です。

 

1分程度で終わる短い曲です。

 

 

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Ryo
おすすめ曲は、#2 #3 #4 #5 #6 #8 #10

以上、【多彩な曲調が詰まった2005年のソウライヴの6作目『Break Out』】のご紹介でした。

 

ちなみに今回僕がご紹介したのは、海外で発売されたバージョンになります。

 

実はこの『Break Out』は、日本盤だけ曲順や収録曲が違っています。

 

これに関しては、僕はなぜ替えたのか?よくわからないのですが……僕としては海外で発売されているオリジナルの選曲の方が良いと思います。

 

まぁこれに関しては好みの問題もあると思いますので、輸入盤にするか?日本盤にするか?は、お好きな方を選んでみて下さい。

 

僕のこのブログ記事に関しては、オリジナルの海外バージョンでのご紹介となりました。

 

下記がオリジナルのバージョンです。

 

そして下記が日本盤になります。

 

 

 

どちらのバージョンでもライヴで定番曲の”Reverb”と”Vapor”は収録されていますので、ぜひご自身に合ったお好みの方を聴いてみて下さい♪

 

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