
2023/05/17
歌も上手くルックスもイケメンだ!スーパー・ギタリスト リッチー・コッツェンのソロ・アルバムをまとめてご紹介!
リッチー・コッツェンのおすすめのソロ・アルバムをまとめてご紹介!
MR.ビッグやザ・ワイナリー・ドッグスでの活躍でも知られるスーパー・ギタリスト
今回は僕の好きなスーパー・ギタリスト、リッチー・コッツェンのソロ・アルバムをまとめてご紹介します。
ハード・ロック・バンドのポイズンやMr.ビッグへの加入でも知られるリッチー・コッツェンですが、僕はリッチーのソロ・アルバムが好きで、一応オリジナルのスタジオ・アルバムは全て聴いております。
なので、今回は僕がおすすめするリッチー・コッツェンのソロ・アルバムをご紹介したブログ記事になります。
あくまでも「リッチー・コッツェンのソロ・アルバム」ということで、ポイズンやMr.ビッグにザ・ワイナリー・ドッグス、それとリッチーが一番最初に所属していたバンド、アーサー・ミュージアム(Arthurs Museum)については対象外とさせて頂きます。
リッチー・コッツェンが主役のソロ・アルバム、もしくはリッチーが他のミュージシャンと対等に共演したアルバムをご紹介します。
アルバムのご紹介はリリースされた年代順です。
Richie Kotzen – 『Richie Kotzen』
リッチー・コッツェンの初のソロ・アルバムは、1989年にリリースされた全編ギター・インストのアルバムでした。
その前年の1988年にアーサー・ミュージアムというバンドのギタリストとして自主制作のアルバム『Gallery Closed』のリリースに参加していたのですが、もともとソロ志向の強かったリッチーはすぐにソロ・アーティストとして独立します。
『Gallery Closed』がきっかけで「シュラプネル・レコーズ (Shrapnel Records) 」の契約を得たリッチーが制作したのがこの『Richie Kotzen』です。
シュラプネル・レコーズは、ヘヴィ・メタルを中心に扱うインディーズレーベルなだけあって、本作はメタル系のインスト・アルバムになります。
それこそジョー・サトリアーニやスティーヴ・ヴァイにトニー・マカパインの作品のようなシュレッド・ギタリストの作品に近い作風です。
もちろん彼らに負けず劣らずリッチー・コッツェンのギターの腕前は確かなものです。
しかし今となってはこの1stアルバムこそが一番異色のアルバムにすら感じます。
リッチーの音楽性は、ハード・ロックやヘヴィ・メタルだけでなくR&Bやファンクからも大きな影響を受けたものです。
それらの要素はまだこの時点では現れていません。
コーラス・エフェクターを使ったイントロが一瞬フュージョン系のジャズっぽい”Unsafe at Any Speed”でも、曲が始まると高速のメタルに変わります。
リッチーもジョー・サトリアーニのように「ピューーーン!」とアームを使ってトリッキーにギター弾いています。
悪くはないアルバムではありますが、「リッチー・コッツェンらしさ」を感じられない作品です。
しかしシュレッド・ギターがお好きな方にはおすすめのアルバムです。
Richie Kotzen – 『Fever Dream』
リッチー・コッツェンは、テクニカルなギタリストというだけでなく、ボーカルも素晴らしいミュージシャンです。
そもそもはデヴィッド・ボウイやプリンスに憧れていたこともあって、ソロ・アーティストとして「歌うこと」にも意欲的だったようです。
そういったこともあって、1990年にリリースされたこの2ndアルバム『Fever Dream』ではさっそく歌っています。
やはりリッチー・コッツェンは、「超絶テクでギター弾きながら歌ってこそ本領発揮!」だと言えます。
アルバムを出す毎に徐々に慣れていき歌が上手くなっていくギタリストではなく、もうすでに歌が上手い!です。
もちろん本作でもギターの腕前も超絶テクニックを1曲目の”She”からさっそく惜しみなく披露しています。
まだR&Bやファンクの要素は強くはありませんが、しかしキャッチーなハード・ロック・ソングが多い本作は、リッチー・コッツェンのキャリアに於いて名作の1つだと言えます。
アルバム・ジャケットでエンドース契約を結んでいたアイバニーズ(Ibanez)のカスタム・メイドのギター”RG”を持つ若かりし頃のリッチー・コッツェンがイケメンですね!
ちなみにリッチーのモデルの”RG”は、古典ホラー映画から拝借したペイントが施されています。
後のソロ・アルバムのジャケットのデザインにも見え隠れするのですが、リッチー・コッツェンはホラー映画の大ファンなのです。
リッチー・コッツェンが本格的に歌った2ndアルバム『Fever Dream』は、良質なハード・ロックを聴くことが出来るおすすめのアルバムです♪
Richie Kotzen – 『Electric Joy』
歌物アルバムだった前作に引き続きリリースされた1991年の3rdアルバム『Electric Joy』は、全編ギター・インストのアルバムでした。
リッチー曰く、本当はこの3作目でもボーカルを入れたかったのだとか…。
その考えは採用されなかったようですが、しかし本作は同じギター・インストだった1stアルバムとな違っています。
リッチー・コッツェンの特徴の1つでもあるファンキーな要素が現れたアルバムです。
1曲目の”B Funk”は、その曲名通りにファンキーなファスト・ナンバーです。
2曲目のタイトル・トラック””Electric Toy””は、まるでギターで歌を歌っているかのようなメロディアスなテーマ・パートがとてもキャッチーです。
3曲目”Shufina”では、スティーヴィー・レイ・ヴォーンばりにブルージーに…
5曲目”Slow Blues”では、ロベン・フォードばりにスローなブルースで…
同じギター・インストものといえど、1stの頃よりも更に進化しています!
リッチー・コッツェンのインスト・アルバムでは僕はこの作品が一番好きです♪
本人が歌の上手いシンガーだからこそ出来るギターの歌わせ方が最高です!
相変わらずジャケット写真もイケメンですね!
Richie Kotzen – 『Mother Head’s Family Reunion』
本作リリース前にハード・ロック・バンドのポイズンにギタリストとして一時的に参加しています。
今回はそれについては詳しくは触れませんが、ポイズンを抜けた後にリリースされたのが1994年のこのアルバム『Mother Head’s Family Reunion』でした。
ポイズンで名を上げられたこともあってか、本作はエアロスミスやガンズ・アンド・ローゼズといった大物ハード・ロック・バンドが所属していた大手ゲフィン・レコード(Geffen Records)に移籍してリリースしています。
リッチー・コッツェンのソロ・アルバムは、残念ながら一度廃盤になってしまうと、そのまま再発されない作品が多くあります。
しかし大手ゲフィン・レコードがその版権を握っているからてのもあるのでしょうが、本作『Mother Head’s Family Reunion』はアルバムの内容もレベルが高いため度々再発されています。
リッチーの過去のアルバムの中では、一番手に入れやすい作品かも知れないです。
そして2ndアルバムの『Fever Dream』以来4年振りに歌っています。
しかも更にボーカルが上手くなっちゃっています!
1曲目”Socialite”と2曲目”Mother Heads Family Reunion”は、ライヴでも演奏されることが多い名曲です。
特にタイトル・トラックにもなっている”Mother Heads Family Reunion”のギター・リフはリッチーならではのファンキーでかっこいい仕上がりです。
また、リッチー・コッツェンは、ソウルフルなバラード曲を作る達人なのですが、その初期の作品”Soul to Soul”や”Woman and a Man”が収録されている点も見逃せません。
こういったR&Bから影響を受けたバラード曲を作らせると天下一品です!
この後もリッチーのソウルフルなバラード曲は多数出てきますので、その度にご紹介します。
『Mother Head’s Family Reunion』は、リッチー・コッツェンのキャリアの中でも最も出来が良く、ハズレ曲一切なしの名盤です!
まずは本作からリッチー・コッツェンのソロ・アルバムを聴き始めると良いかも知れません。
Richie Kotzen & Greg Howe – 『Tilt』
こちらはリッチー・コッツェンが憧れていた先輩格の凄腕ギタリストのグレッグ・ハウと共演したアルバムの第一弾『Tilt』です。
1995年にリリースされました。
“tilt”(チルト)とは「討論」や「攻撃」の意味があり、テクニカルなギタリスト2人がギターで討論をしたような攻撃的な作品です。
収録曲の9曲全てが次元の高いギター・インストばかりで、フュージョンに近い曲調になります。
そのため今の時代聴いても古く感じられないようなかっこいい曲が揃っています。
アルバム・ジャケットの文字入れは素人ぽいのとジャケ写真も何とも古い感じがするのですが…ジャケットのデザインのダサさにダマされてはいけません!
デザイン的には低レベルですが、中身の音楽は高レベルです!
Richie Kotzen – 『Inner Galactic Fusion Experience』
アルバムのタイトルが「インナー・ギャラクティック・フュージョン・エクスペリエンス」と、何となくアルバムのコンセプトが伝わってきそうな名称ですが、その通りの内容です。
『Inner Galactic Fusion Experience』も1995年にリリースされたアルバムで、グレッグ・ハウとの共演がきっかけで制作された基本はギター・インストによるソロ・アルバムです。
終盤の “Tramp”と “Last Words”の2曲は歌ありです。
特に”Last Words”の方は、アール・クルーさながらにアコギを弾きながら歌う美しいバラード曲です。
他の曲は『Tilt』と同じようなハード・フュージョンな作風です。
ギターの音こそディストーションでかなり激し目に歪ませてはいますが、実はジョージ・ベンソンにも憧れていたリッチー・コッツェンだけあって、ギター・ソロを弾きながらベンソン風にスキャットを披露しています。
近年はこういったテクニカルなインスト・アルバムを作らなくなったのが残念ではありますが、こういった路線の作品をまた思い出して作ってもらえたらな~とギター好きの僕は思っています。
初期のインスト作品よりも更に楽曲の質やギターのテクニックが上がった本作は、リッチー・コッツェンの真のギター・プレイを聴くのに最も適したアルバムです。
Richie Kotzen – 『Wave of Emotion』
僕が初めてリッチー・コッツェンを聴いたのはこのアルバムでした。
1996年にリリースされた『Wave of Emotion』は、それまでのリッチーの作品になかったようなボーカルが主体のファンキーな名作です。
少し個人的な話をしますと…僕が音楽に目覚めたのは1995年でした。
U2を聴いて音楽に目覚めて、その後ちょうど新作が出ていたマライア・キャリーやプリンスを聴きました。
そして1996年にリリースされたMr.ビッグの『Hey Man』でハード・ロックにハマりました。
当時はHR/HM専門誌の『BURRN!』を毎月購読していたのですが、その誌面に本作『Wave of Emotion』のことが掲載されていました。
「歌も上手いスーパー・ギタリスト」というリッチーの特徴に興味を持ちました。
しかもルックスもイケメンでかっこよく、「自分もこんな風にかっこよくなりたいな~!」と憧れるような見た目でした。
しかも「プリンスから影響を受けたアルバム」みたいに書いてありました。
ちょうど僕はプリンスの『Gold Experience』を聴いて、ポップでファンキーな音楽にハマっていた所でした。
そしてこの『Wave of Emotion』を購入したのですが…このアルバムを聴いてすぐにリッチー・コッツェンにハマりました!
歌の上手さも魅力でしたが、何よりもテクニカルなギター・ソロを聴いて「何だこれは!凄い!Mr.ビッグのポール・ギルバート並みに上手いな~!」と子供ながらに驚きました。
まさかその後、ポール・ギルバートの後釜でMr.ビッグに加入するなんて思いもしませんでしたが…。(笑)
さて、本作『Wave of Emotion』は、リッチー自身が初めてミキシングやエンジニアリングを行ったアルバムで、「自分の思い描く作品を作った!」感じがします。
プリンスだけでなくスティーヴィー・ワンダーやスライ&ザ・ファミリー・ストーンからの影響も垣間見えます。
そこにテクニカルなギター・ソロが挟まり、唯一無二の世界観を構築しています。
良い曲がたくさん収録されていますが、僕のお気に入り曲をいくつかピックアップします。
まずは日本盤の1曲目に選ばれた「アルバムの始まりを感じさせる」”World Affair”です。
実は本作は米国盤と日本盤で曲順や収録曲が違っていたりするのですが、僕は日本盤で聴いたのでこちらの方に思い入れがあります。
この時期のリッチー・コッツェンは日本での売り出しを試行錯誤していたのか⁉
本作は日本の市場向けに曲順や収録曲を変更して日本盤がリリースされています。
でもちゃんと日本の編集者さんが「1曲目にあった曲」を配置するように工夫していると感じられます。
輸入盤では”World Affair”は9曲目に収録されており、その代わりに日本盤の2曲目だったタイトル・トラックの”Wave of Emotion”が1曲目に配置されています。
ちなみにこの曲”World Affair”の歌詞に”Babies makin’ babies”という箇所が出てくるのですが、これはスライ&ザ・ファミリー・ストーンの曲”Babies Makin’ Babies”からの引用です。
“Wave of Emotion”も勢いのあるファンク曲でおすすめです。
他にも、ファルセットのサビとワウギターのリフがかっこいい”Breakdown”や気だるいラウンジ風の曲調なオシャレな”Stoned”に、その後のリッチーのアルバムでよく出てくるキャッチーなサビを持った爽やかな曲の”Sovereign”等、良い曲が目白押しです。
実は僕は輸入盤でも本作を持っているのですが、残念ながら日本盤には未収録の良い曲もあります。
1つは、”No Reason”という曲でまるでプリンスが作ったかのようなR&B調のバラード曲です。
もう1つは、ストラトキャスターのフロント・ピックアップの音であろうイントロのリフがかっこいい”Times Gonna Tell”です。
この後のアルバムでも、ジミヘンやスティーヴィー・レイ・ヴォーン風のストラトキャスターのフロント・ピックアップを使ったあの独特のトーンが印象的なリフがかっこいい曲は登場します。
リッチーのソロ・アルバムではこれが最初の登場だと思います。
なぜか日本盤にはこの2曲が収録されていないのですが、代わりに”Fool”と”Strobe”が収録されています。
特にファンキーなギター・カッティングで始まり、レゲェ風の曲調に代わる”Strobe”は、テクニカルなギター・ソロもフィーチャーしたかなりかっこいい曲です!
この時のレコーディング・セッションで録音された楽曲を全て収録したデラックス・エディションをリリースして欲しいところですが…今のところそういったものがないので、今回は下記に日本盤と輸入盤のリンクを掲載しておきます。
僕のこのレビュー記事を読んで気に入った方を聴いてみて下さい♪
Richie Kotzen & Greg Howe – 『Project』
1997年にリリースされたグレッグ・ハウとの2作目『Project』です。
美しいコーラス・エフェクターの音色から始まるアルバムですが、内容は前作の『Tilt』同様にギター・インストによるハード・フュージョンです。
おすすめ曲は、高度なアルペジオのリフが美しい”Present-Moment”や、曲名通りにグルーヴ感が強い”Groove Epidemic”、ジェフ・ベックのカバー曲”Led Boots”、ハードな”Crush”等です。
これ以降この2人の共演作のリリースはありませんが、『Tilt』も『Project』も共に次元の高いギター・インストの名作でした。
あれから四半世紀以上が経ちましたが、また久しぶりに第三弾の共演作をリリースしてくれないかな~と思います。
Richie Kotzen – 『Something to Say』
『Wave of Emotion』のようなボーカルを主体にしたアルバムのリリースが本作から本格化していきます。
とはいっても単なる『Wave of Emotion』の焼き増しではなく、確実にこの『Something to Say』からリッチー・コッツェンの作曲能力がアップしています。
本作は1997年にリリースされました。
個人的には初めて購入したリッチー・コッツェンのアルバム『Wave of Emotion』に特別な思い入れがありますが…アルバムの内容、曲の質や音質、リッチーのボーカルのレベル・アップ、そしてよりエキサイティングになったギター・ソロ等々、本作『Something to Say』の方が全てに於いてレベル・アップしています。
特に2曲目に収録された”What Makes a Man”は、高音もイケるボーカル、キャッチーなサビにテクニカルなだけでなくメロディアスなギター・ソロといったその後のリッチー・コッツェンのソロ・アルバムでよく出てくるパターンの曲調がここで完成しています。
ファンクやR&Bの要素を含んではいるけれども、コテコテにそれらを詰め込もうとした『Wave of Emotion』よりも自然体で、ロックに昇華したアルバムです。
70年代アメリカン・ロック風のバラード曲”The Bitter End”や、フェンダー・ローズのイントロがどこか懐かしい”Faded”、そして一番のおすすめ曲”Rust”といった良い曲ばかり収録されています。
この後もリッチー・コッツェンは素晴らしいアルバムを立て続けにリリースしていくので、どうしても本作『Something to Say』の影は薄くなってしまうのですが…実は名作です!
なんなら本作からリッチー・コッツェンを聴き始めても良いんじゃないだろうか?とおすすめ出来る良作です。
キャッチーな歌ものアメリカン・ロックがお好きな方におすすめのアルバムです♪
Richie Kotzen – 『What Is…』
前作『Something to Say』のリリースから1年ちょっとですぐにリリースされたリッチー・コッツェンを代表する1998年の名盤『What Is…』です。
リッチー・コッツェンの作品にしては珍しく(失礼!笑)アルバム・ジャケットも渋くってかっこいいです!
本作はリッチー本人もお気に入りの作品だと言っています。
特にタイトル・トラックの1曲目”What Is”は名曲で、リッチーもいまだにライヴでプレイするのがお気に入りだそうです。
続く2曲目”Too Deep”は、前作『Something to Say』でも登場していた”What Makes a Man”のようなリッチーの高音ボーカルのサビを活かしたキャッチーな楽曲です。
実は僕はリッチーの全キャリアの中でもこの曲が特に好きです。
晴れた休日のドライヴで聴くとピッタリな爽やかな楽曲ですね♪
バックで流れるオルガンのロングトーンを活かしたバッキングがソウルフルなバラード曲”You Got a Fire”や、ついつい一緒にサビ部分を口ずさみたくなる”You Don’t Owe Me”に、ローリング・ストーンズの曲とは無関係のリッチーのオリジナル・バラード曲”Angie”等、他の曲も質が高いです。
終盤の”Strength”や”Lose Again”では、アコースティック・ギターも弾いており、リッチーがアコギの名手であることも知ることが出来ます。
特にリッチーがアコギ1本で弾き語った”Lose Again”はおすすめです♪
そしてアルバム最後に収録されているジミヘン風のギター・リフがかっこいいハードなロック曲”I’m Losin’ You”は、ライヴでも度々演奏されている曲です。
ちなみに4曲目に収録されている渋い曲”Locked Out”は、もともとビリー・シーンとパット・トーピーとリッチーのトリオで新バンドを結成しようと画策していた時に出来た曲です。
上手くいっていれば、後のワイナリー・ドッグスのようなスーパー・トリオでアルバムを制作していたのかもしれませんが、様々な要因があって上手くいかず、結局リッチーがMr.ビッグに加入することでこのトリオの話はなくなってしまいました。
そういった訳もあって、その時に出来た曲”Locked Out”が本作にソロ曲として収録されました。
リッチー・コッツェンのソロ・キャリアを代表する名盤『What Is…』は、絶対に聴いておきたいアルバムです。
Richie Kotzen – 『Break It All Down』
1999年にポール・ギルバートの代わりでMr.ビッグに加入してアルバム『Get Over It』を正式メンバーとして制作しているのですが、この時期のリッチーの創作意欲は凄まじいです!
Mr.ビッグの活動やソロ・アルバムだけでなく、一風変わった企画盤にゲスト参加など、とても活動的です。
しかしそのどれもが手抜きではなく、高クオリティなのがリッチー・コッツェンの凄いところです!
本作『Break It All Down』は、『Get Over It』と同じく1999年にリリースされた『What Is…』に続く歌ものソロ・アルバムです。
名盤『What Is…』と比べると地味な楽曲が多く感じられますが…僕はリアルタイムでこのアルバムの発売を楽しみにしていて聴いたという思い入れもあってか、かなり好きなアルバムです♪
1曲目”Break It All Down”や2曲目”Killin’ Time”は、オートワウを使ったギターが一周回って逆に新しく聞こえる曲です。
この時代のオートワウと言えば、スティーヴィー・サラスが有名ですが、リッチーもサラスのアルバムにゲスト参加していましたからね。
その影響なのか?このアルバムではリッチーがオートワウを使っています。
その後、オートワウのブームが去り、一時は「ダサいエフェクター」にまでなっていた気がするのですが…近年はトム・ミッシュを初めとするネオ・ソウル・ギタリストがこぞってオートワウを使い出したので一気に「オシャレなエフェクター」へと変わりました。
そのお陰もあってか、このアルバムも今聴くとオシャレに聞こえます。
おそらく僕が本作を好きなのも、オートワウを使っているからってのもあります。
ちなみにギターだけでなくベースやドラムもほとんどの曲でリッチー自身が弾いています。
プリンスに憧れていただけあって、リッチーもマルチ・プレイヤーです。
ちなみに8曲目”I Don’t Belong”は、ジミヘン風のストラトキャスターのフロント・ピックアップのトーンが再び登場する楽曲です。
僕も含め、あのトーンがお好きだってギタリストの人は多くいるかと思いますが、この曲もあのトーンを聴くことが出来るおすすめ曲です。
本作も隠れた名作の1つなのですが、1999年のリッチー・コッツェンは、これだけでは終わりません…!
Richie Kotzen – 『Bi-Polar Blues』
カバー曲が多いとは言え、アレンジはしないといけないのでレコーディングは大変だとは思うのですが…1999年のリッチー・コッツェンは、ブルース・アルバムもリリースしていました。
当時の『BURRN!』には、『Break It All Down』と併せて本作『Bi-Polar Blues』が紹介されており、まだ学生だった僕は「2作品も一気に買えるお金がないよ~!」と焦りました。(笑)
カバー曲は、伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソンの “They’re Red Hot”と”From Four Till Late”の2曲、そしてソングライターのジョンD.ラウダーミルクが書いた曲 “Tobacco Road”と、B.B.キングのお得意曲”The Thrill Is Gone”です。
“They’re Red Hot”は、レッド・ホット・チリ・ペッパーズが1991年に『Blood Sugar Sex Magik』で取り上げていましたね。
“Tobacco Road”は、デイヴィッド・リー・ロスが1986年に『Eat ‘Em and Smile』で取り上げていましたね。
どちらも先にカバーしていたミュージシャンがいますが、ハード・ロック系のミュージシャンが好んでカバーする曲でもあります。
“The Thrill Is Gone”は、そもそもロイ・ホーキンスがオリジナルなのでB.B.キングのバージョンもカバー・バージョンになるのですが…リッチーはB.B.風に演奏しています。
こういったリッチーにしては珍しいカバー曲の出来も良いのですが…やはりそれ以外のオリジナル曲の方がもっと良いものばかりです。
軽快にシャッフルする”Gone Tommorrow Blues”、ファンキーなブルース曲”Tied to You”、リッチー風スロー・ブルース”A Step Away”、美メロなバラード曲”No Kinda Hero”、そしてブルースのインスト曲にしてはテクニカルすぎる”Richie’s Boogie”等、ブルースを書かせてもリッチーは良い曲を作ります。
『Break It All Down』と本作『Bi-Polar Blues』の2作品だけでも驚きの仕事量なのに、更にもう1つゲスト参加したアルバムがあります!
まずはリッチー・コッツェン流ブルース・アルバム『Bi-Polar Blues』を聴いてみて下さい♪
Vertú – 『Vertú』
1999年のリッチー・コッツェンは、驚異的な仕事量を熟しています!
ジャズ・ピアニストのチック・コリアが70年代に組んでいたスーパー・フュージョン・グループのリターン・トゥ・フォーエバーに所属していた経歴のあるベーシストのスタンリー・クラークとドラマーのレニー・ホワイトが新たに組んだヴェルテュに参加しています。
ちなみに”vertú”とは、フランス語で「美徳」を意味します。
英語で言うところの”virtue(ヴァーチュー)“ですね。
初めてこのヴェルテュの存在を知った時は、「まさかこの面子にリッチー・コッツェンが!?」とは思ったのですが、よくよく考えてみたらグレッグ・ハウとの共演作や『The Inner Galactic Fusion Experience』でハード・フュージョンをやっていたのでリッチーにしてみたらお得意のジャンルの1つなんですよね。
この3人以外にも本作には、カレン・ブリッグスという女性ヴァイオリニストが参加しているのですが、彼女のヴァイオリンも超絶テクニックです!
ヴァイオリンが入ったフュージョン・グループと言えば、フュージョン系ギタリストのジョン・マクラフリンが70年代に始めたマハヴィシュヌ・オーケストラを思い出します。
マハヴィシュヌでは、ヴァイオリニストのジェリー・グッドマンが良い味を出していたのですが、本作ではその役目をカレン・ブリッグスが担当しています。
彼女の存在感が大きいアルバムです。
ちなみに6曲目”Topasio, Pt. 2″では、スタンリー・クラークがヴァイオリンに負けじとウッドベースで過激なソロを披露しています!
もちろんリッチーもいつになくジャジーなギター・ソロを弾きまくっています!
もう4人が4人ともスーパー・プレイ過ぎて、どこを中心にして聴けばいいのか?迷ってしまいます。
本当に高次元の超絶演奏ばかりが収録された驚きのアルバムです!
ちなみに8曲目”Start It Again”はリッチーが歌っており、超絶テクの難曲ばかり収録された本作の中で、一番キャッチーで聴きやすい楽曲です。
もしかしたら本作のことを知らなかったというリッチー・コッツェン・ファンの方もいらっしゃるかもしれませんが、このブログ記事のご紹介で知ってくれたのだとしたらぜひこの機会に聴いてみて下さい。
ちなみにこのバンドで活動している時にサンフランシスコに訪れたリッチーは、エリック・マーティンのライヴを観に行きました。
それがきっかけでMr.ビッグに加入することになったのだとか。
Richie Kotzen – 『Slow』
2001年にリリースされた『Slow』は、リッチー・コッツェンにとって21世紀初のソロ・アルバムとなります。
1999年は驚異的な活動力だったリッチーも、20世紀最後の年であった2000年にはアルバムを1作もリリースしていませんでした。
そして2001年になり、それまで録音機材として使っていたテープ・マシンでのアナログな作業から、”Pro Tools”を使ったデジタルでの作業にリッチーの音楽制作も変わっていきました。
ちょうどエアロスミスが同じ2001年にリリースした『Just Push Play』で”Pro Tools”を使っていたのと同じで、この時代はデジタルでの音楽制作に移っていった時代でした。
そのためなのか本作は、それまでのリッチーの作品になかったようなインダストリアル・ロック風(産業ロック)のデジタル・ノイズが登場する楽曲がいくつかあります。
それとこの時期のリッチーは、人気バンドのMr.ビッグにも所属していたので、楽曲も誰の耳にも馴染みやすいようなポップなアメリカン・ロック風に変わっています。
1曲目”Ohio”は、デジタルなギターの歪みが新たな時代の幕開けを感じさせる短いインスト・ナンバーです。
続く2曲目”Scared of You”や3曲目”Gold Digger”は、この時代に流行ったデジタル・ノイズ交じりのポップなロック・ナンバーです。
しかし4曲目”The Answer”で、急に超絶テクを見せつけるかのようなインスト曲が始まります。
リッチーのエレキギター1本のソロ演奏なのですが、アルバムの流れを考えると少し浮いています。
次の5曲目”Slow”が、先の”Scared of You”や”Gold Digger”のようなインダストリアル・ロック風ですからね。
そして6曲目”Don’t Wanna Lie”は、リッチーの全作品中でも5本の指に入るほどポップな楽曲です。
珍しくMVも作られました。
なんだかグー・グー・ドールズやライフハウスみたいな爽やかなアメリカン・ロック風の楽曲で、ギターソロもメロディーラインをなぞるような控えめのフレージングです。
悪くはない曲ですが、リッチー・コッツェンらしくもない曲です。
その後2曲の歌ものを挟み、”Sapphire”というしっとりとしたアコギのインスト曲も収録されています。
その次の”Come Back (Swear to God)”と”Rely on Me”は、デジタルなビートを使ったこれまたらしくない楽曲です。
しかしアルバム終盤の”Lets Say Goodbye”は、リッチーお得意のグッとくるような感動的なバラード曲です。
こういった曲はらしさが溢れています。
そして最後にジョン・コルトレーンの難曲”Giant Steps”風のジャズ曲”Conflicted”が収録されています。
リッチーのギターインストによる難解なジャズ・ナンバーですが、実はリッチーはジョン・コルトレーンの『Giant Steps』を人生で影響を受けたアルバムの1つとして挙げていたほどです。
だからこういった楽曲もリリッチー・コッツェンというミュージシャンの一部だとも言えます。
しかし総合して聴いてみると、本作は色んな要素があちこちに散りばめられていて散漫な印象も受けます。
悪くないアルバムですが、中途半端に感じるのも事実です。
あらゆる才能があるからといって全てを詰めこんだら、逆にまとまりがなくなってしまう…贅沢な悩みですね。
ちなみに本作でもギター以外の全ての楽器をリッチー自身が演奏しています。
Richie Kotzen – 『Change』
2001年にMr.ビッグの『Actual Size』がリリースされて、そこに参加していたリッチー・コッツェンは、日本での知名度も人気も急上昇しました。
その熱が冷めやらない2003年に本作『Change』がリリースされました。
何と言っても話題になったのが、リッチーが『Actual Size』に提供したヒット曲”Shine”が収録されていることでしょう。
本作収録のバージョンは、リッチーのアコギ弾き語りのゆったりとしたアレンジでした。
Mr.ビッグではギターソロを弾いていたブリッジ部分は変更されていて、本バージョンでは歌詞付きで歌っています。
この構成を元に、後年ワイナリー・ドッグスではエレキギターに持ち替えて演奏されていました。
そもそもリッチーも歌が上手いシンガーなので、エリック・マーティンとはまた違った魅力があります。
この曲も話題となりましたが、キャッチーなアメリカン・ロック曲 “Get a Life”と、1990年代初頭に日本で流行したネオアコ風の爽やかな曲”Change”の2曲も日本でCM起用されてプッシュされた楽曲です。
他にも”Dont Ask”や”Deeper (Into You)”に “Good for Me”といった曲は、これまで以上にポップな楽曲でした。
その中で唯一今日のリッチーのライヴでも演奏されている曲は、6曲目のバラード曲”High”だけです。
どうやら他の楽曲はポップすぎたんでしょうね。
まぁ日本での売り出しのチャンスだったので、歌メロを中心にしてポップ化したのも仕方ないのかな!?
全体を通してポップすぎる作品ではありますが、今もライヴで演奏されるだけあって”High”は出来の良い楽曲です。
ちなみに本作の最後にも前作『Slow』みたいなジョン・コルトレーンの”Giant Steps”風のジャジーなインスト曲”Unity (Jazz Bee Bop Instrumental) “が収録されています。
さすがにこういったギターは上手いですね!
相変わらずの超絶テクです!
決して悪いアルバムではありませんので、ポップなロックがお好きな方にはおすすめのアルバムです。
Richie Kotzen – 『Acoustic Cuts』
元はと言えば、日本のコンサート・プロモーター向けに制作したアコギ弾き語りで5曲歌ったプロモCDを制作したのがきっかけのようです。
それをライヴの会場限定で販売していましたが、一般向けにリリースする際に新たに数曲録音して追加したのがこの『Acoustic Cuts』です。
日本盤にはボーナス・トラックでポイズン時代の”Stand”が収録されていましたが、それ以外の曲は既発アルバムの曲になります。
リッチーがアコギ1本で弾き語ったアルバムですが、さすがにボーカルもギターの腕も一級品なだけあってアルバムの出来はクオリティが高いです!
特にリッチーがお気に入りの”What Is”や”High”といった曲のアコギ弾き語りバージョンが聴けるのは嬉しいです。
またスタジオ・バージョンではアレンジがポップすぎた”Don’t Wanna Lie”も、アコギ弾き語りだとちょうど良いポップさです。
個人的には初期のリッチーの隠れた名曲”Rust”のアコギ・バージョンが収録されているのが、嬉しい点です♪
この曲は先にご紹介していた1997年にリリースされた『Something to Say』に収録されていた曲です。
これ以降、リッチーのアコギ弾き語りアルバムはリリースされていないのですが、また最近の楽曲をアコギ弾き語りした続編アルバムをリリースして欲しいところです。
企画盤ですが、必聴です!
Richie Kotzen – 『Get Up』
『Slow』と『Change』とポップなアルバムが続いたため、この当時の僕は「もはやリッチーはロック魂を捨ててしまったのか…」と残念に感じていたのでしたが…それは思い違いでした。
2004年にリリースされた本作『Get Up』は、1曲目”Losin’ My Mind”からリッチー・コッツェンらしいハードなロックで始まります。
その調子でファンキーなロック “Fantasy”が続き、今でもライヴで演奏される名バラード曲”Remember”と続きます。
この冒頭3曲の流れは完璧です!
その後も、ハードな”Get Up”やジミヘン風のリフがかっこいい”So Cold”といった名曲が続きます。
“So Cold”は、ストラトキャスターのフロント・ピックアップのあの音が登場する名曲です!
アルバムの最後は、”Let’s Say Goodbye”と同じようなリッチー流グッと来るバラード曲”Special”で締めくくられています。
当時このアルバムをリアルタイムで聴いた僕は「ロックやってるリッチー・コッツェンが戻ってきた!」と嬉しかったのを思い出します。
そういった思い入れも含んではいますが、本作は「リッチー・コッツェンらしさ」が溢れた名作です。
地味なアルバム・ジャケットとは正反対で、中身はハードなロックが詰まった名作です!
Richie Kotzen – 『Best of Richie Kotzen』
2004年にリリースされたリッチーのソロ・キャリアをまとめた初のベスト盤です。
目玉は1曲目に収録された”Socialite 2004″です。
1994年の名盤『Mother Head’s Family Reunion』の1曲目に収録されていた”Socialite”の新録バージョンです。
新録バージョンは、渋いギターソロが追加収録されています。
その他の収録曲はそれまでにリリースされていたアルバムからのベスト・トラックが収録されています。
僕個人としては”Rust”がちゃんと収録されていて良かったな~と思いました。
Forty Deuce – 『Nothing to Lose』
2005年にフォーティー・デュース名義でリリースされたヘヴィ・ロックなアルバム『Nothing to Lose』です。
きっかけはL.A.で活動していたボム・チャイルドというパンク・ロック・バンドのプロデュースをリッチーが担当したのが始まりです。
本作5曲目に収録されている”Complicated”は、もともとはボム・チャイルド用に書いた曲でしたが、メンバーに「リッチーに歌って欲しい」と頼まれて、そのまま録音することとなりました。
本作はボム・チャイルドのメンバーをバックにリッチー・コッツェンが歌うバンドです。
そのためなのか?リッチーの全作品中で最もヘヴィな仕上がりです。
悪くはないアルバムですが、んん~リッチーらしさも薄いかな?といった作品です。
Richie Kotzen – 『Ai Senshi Z×R (Music from the animation series Gundam)』
邦題は『哀 戦士・Ζ×R』と付けられていた2006年リリースの企画盤です。
日本のレコード会社からのリクエストでガンダム・シリーズの楽曲をリッチー・コッツェンが英語詞に変えて新しいバージョンで作り直したアルバムだそうです。
「だそうです。」と書きましたのは、残念ながら僕はガンダムに詳しくないためほとんどの曲がわかりません…。
2曲目の”Take Flight Gundam”の「燃え上が~れ!燃え上が~れ!」の部分のメロディはわかったのですが、それ以外の曲がわからないため今ひとつ熱い気持ちになれないです。
さすがにこのアルバムはガンダムを知っていないといまいちピンとこないのでは?と思います。
ビリー・シーンが参加しているため演奏面では申し分ない出来なのですが、僕自身はリッチーのアルバムの中で一番聴くことがない作品です。
ただ僕がガンダムを知らないため、そういった思い入れがないのかもしれませんが、リッチー・コッツェンとガンダムのどちらもお好きだって方には最高のアルバムだと思います。
ガンダムがお好きな方には間違いなくおすすめのアルバムです。
Richie Kotzen – 『Into the Black』
2006年にリリースされた本作『Into the Black』は、リッチー・コッツェンのソロ・アルバムの中で最も暗い作品です。
そのため日本盤のリリースは見送られ、今のところ未発売のままです。
もちろん輸入盤では購入できます。
アルバムのジャケットも残念な仕上がりなのですが、リッチーは本作収録の1曲目”You Can’t Save Me”を気に入ってるようで、ライヴでは頻繁に演奏しています。
僕が観に行ったワイナリー・ドッグスの初来日公演でも演奏していました。
曲調はとっても暗いんですが…確かに悪くない曲です。
グランジ風とでも言ったら良いのでしょうか!?
しかし本作は最後のバラード曲”My Angel”以外は、ほぼほぼ暗い楽曲が多いです。
個人的には先ほどご紹介していたガンダムのアルバムと同じぐらい聴くことが少ないアルバムです。
ただライヴで”You Can’t Save Me”を演奏することが多いので、リッチー・コッツェン好きなら外せないアルバムなのは事実です。
Richie Kotzen – 『Go Faster』
2作品程、あまり聴くことがないアルバムが続きましたが、2007年にリリースされた本作『Go Faster』は、リッチー・コッツェン好きなら先にご紹介していた『What Is…』と並んで絶対に聴いておきたい名盤です!
ちなみに本作の輸入盤のタイトルは『Go Faster』なのですが、日本盤では1994年の名作『Mother Head’s Family Reunion』の続編みたいな形で『Return Of The Mother Head’s Family Reunion(リターン・オブ・ザ・マザー・ヘッズ・ファミリー・リユニオン)』という別タイトルでリリースされています。
アルバムのジャケットも日本盤は下記のようなデザインです。
収録曲も微妙に違っていて、日本盤にはボーナス・トラックで”Satellite”が追加収録されています。
どちらのバージョンにも1曲目の”Go Faster”と3曲目の”Fooled Again”といった重要曲は同じ順番で収録されています。
この2曲はライヴでも毎回のように演奏されているリッチーのソロ・キャリアを代表する名曲です。
ちなみに2012年に”Two Tone Sessions”というスタジオ・セッションのライヴ映像を掲載しているYouTubeチャンネルで”Fooled Again”の演奏動画を観ることが出来ます。
かっこいいのでぜひ一度観てみて下さい♪
また本作にはリッチーらしいアコギを使ったバラード曲”Chase It”や、ストラトキャスターのフロント・ピックアップのあの音がかっこいい”Dust”といったジミヘン風のファンク・ロックも収録されています。
Z.Z.トップ風のブギ曲”Can You Feel It”もこれまでのリッチーにはなかった面白い曲です。
個人的には『What Is…』と『Get Up』と並んでよく聴く好きなアルバムです。
かっこいいロックばかりが収録された名盤なので、ぜひ聴いてみて下さい♪
Richie Kotzen – 『Live in São Paulo』
リッチー・コッツェン初のライヴ盤『Live in São Paulo』は、2008年にリリースされました。
リッチーを代表する”Socialite”や”Mother Head’s Family Reunion”にジミヘン風ファンク・ロックの”So Cold”、そしてバラードの名曲”High”や”Remember”に渋い曲”Fooled Again”を含むベストな内容です。
ヤードバーズのカバー”Shapes Of Things” やポイズン時代の名曲 “Stand”も演奏しています。
ちなみに日本盤は、アルバム・タイトルが『Bootlegged In Brazil』に、そしてジャケットのデザインも変更されてリリースされていました。
ブートレグではないのですが、タイトルに『Bootlegged』と記載されているのはまるでエアロスミスの『Live! Bootleg』みたいですね。
収録曲も違っており、日本盤には名曲”Go Faster”や”Losin’ My Mind”といったかっこいい楽曲が追加収録されているのでこちらの方がお得です。
しかもライヴ映像を収録したDVDも付いてきます。
赤いシャツ姿で挑発を振り乱しストラトキャスターを弾きまくるロック界の貴公子リッチー・コッツェンここにあり!といったかっこいいライヴ映像なので必見です!
Wilson Hawk – 『The Road』
ウィルソン・ホーク名義でリリースされたアルバムですが、リッチー・コッツェンが主役の作品です。
2009年にリリースされた本作『The Road』は、ポイズンの『Native Tongue』やMr.ビッグの『Actual Size』、そしてリッチー・コッツェンの『Mother Head’s Family Reunion』でプロデューサーとして起用されていたリッチー・ズィトーと制作したR&B路線の作品です。
おそらくリッチー・コッツェンのそれまでのソロ・アルバムとはかなり音楽性が違っているので、名義を変えたのでしょう。
お墓のようなどこか不気味なアルバム・ジャケットではありますが…内容はかなり良いです!
1曲目の”How Does It Feel”では珍しくワウペダルを「チャカポコ♪」使ったバッキングを弾いています。
もともとスティーヴィー・ワンダーやプリンスが好きなだけあってこういったR&B調の曲との相性も良く、質の高いアルバムに仕上がっています。
ただ「リッチー・コッツェンらいし」かと言われれば…らしくはないです。
あくまでもリッチーのソウルフルなボーカルが聴きたいという方向けです。
Richie Kotzen – 『Peace Sign』
ウィルソン・ホークの『The Road』がリリースされたのと同じ2009年にリリースされた正真正銘のリッチー・コッツェンのソロ・アルバム『Peace Sign』です。
『The Road』は、リッチーの違った音楽性を聴くことが出来る企画盤のような感じでしたが、こちらは「リッチー・コッツェンらいし」ロックなアルバムです。
1曲目”My Messiah”でさっそくらしいハード・ロック曲が登場します。
ウィルソン・ホークではなかったテクニカルなギターソロ、も登場します!
2曲目”Long Way from Home”は、ファンキーなカッティングで始まるロック・ソングです。
3曲目”Paying Dues”もイントロのワウギターのフレーズがかっこいいロックです。
リッチーらしいグッと来るバラード曲”Catch Up To Me”も良い曲です。
ちなみに日本盤のみジャクソン5の” I Want You Back”のカヴァーがボーナス・トラックで収録されていました。
まぁこれはオマケって感じなので…なくってもいいかな!?
そもそも本作はそんなオマケがなくっても「リッチー・コッツェンらいし」素晴らしいアルバムです。
アルバム・ジャケットはなんだかメタル・バンドみたいですが、リッチーらしいハードなロックが収録された名作です!
Richie Kotzen – 『24 Hours』
1998年の名盤『What Is…』と同じくリッチー本人もお気に入りのアルバム『24 Hours』は、2011年にリリースされました。
2010年代に入ると、リッチーも年を取ったってのもありますが、マイク・ポートノイとビリー・シーンと組んだワイナリー・ドッグスでの活動もあってか、ソロ・アルバムのリリースは少なくなってしまいました。
しかしその分、アルバムのクオリティは上がっているのも確かです。
本作『24 Hours』は、『What Is…』や『Get Up』と並んで僕もよく聴くお気に入りのアルバムです。
1曲目のタイトル・トラック”24 Hours”では、イントロからリッチーお得意のテクニカルなギターリフで始まります。
かっこいい曲なのでギター弾きならコピーしてみたいけれど、難しすぎて上手く行かない…そんな難曲です。(笑)
2曲目”Help Me”は、ファンキーなギターリフがクセになる名曲です。
この曲も”Two Tone Sessions”のYouTubeチャンネルでかっこいい演奏動画を観ることが出来ます。
この時期からリッチーはピックを使わず指弾きでギターを弾くようになっています。
ピックを使っていないのに、従来の通りに速弾き出来るのは驚異的ですね!
ちなみにこの後もレコーディングの際は、曲によってはピックを使っていることもあります。
他にもファンキーな”Get It On”や”Bad Situation”や、アルバム終盤の”I Don’t Know Why”と”Tell Me That It’s Easy”、そして”Twist of Fate”と続く3連続のバラード曲も良い出来です。
本作も「リッチー・コッツェンらいし」作品です。
Richie Kotzen – 『The Essential』
2014年にリリースされた新曲入りのベスト盤です。
CD2枚+DVD1枚のベスト盤で、過去の名曲だけでなく新曲やデモ音源にアコースティック・バージョンなど盛りだくさんな内容です。
DVDにはMVが収録されています。
新曲の”War Paint”と”Walk With Me”はMVも制作されていました。
ただ現在は新品での入手は難しく、中古でもなかなかのお値段がしますので…最初の1枚としてはおすすめできないアルバムです。
よっぽどリッチー・コッツェンに思い入れのある方じゃないと、なかなか購入する決心は付かないかも知れません。
しかしどうしてもリッチー・コッツェンの作品は集めたい!という方には、収録曲の内容も良いのでマスト・アイテムです!
Richie Kotzen – 『Cannibals』
ここに来てようやく、実は僕が一番好きなリッチー・コッツェンのソロ・アルバムの登場です!
この『Cannibals』は2015年にリリースされた名作です。
1曲目”Cannibals”は、リッチー本人が自分で弾くのが好きだと語っていたファンキーなロック・ソングです。
いつもよりは控えめながらもテクニカルなギターソロも登場します。
そして2曲目”In an Instant”は、プリンスっぽい曲調で僕の好きな曲です。
この曲はオシャレなMVも制作されていました。
ちょうどリッチー・コッツェンの公式YouTubeチャンネルからアップされていましたので、このブログにも掲載しておきます。
これまでになかったようなアダルト・コンテンポラリーな曲調やMVが素晴らしいですね♪
ちなみにワイナリー・ドッグスの初来日公演でもエレピを弾いていたのですが、リッチーは幼少期にギターよりも先にピアノから楽器を始めています。
その後もリッチーが好きだと公言していたイーグルスのドン・ヘンリー風の AORっぽい”The Enemy”や、コンガやワウギターがファンキーな “Shake It Off”、フュージョン・ファンクな”Come On Free”といた質の高い楽曲が並びます。
荒く歪んだギターのイントロがかっこいい”Stand Tall”には、バック・ボーカルでビリー・シーンが参加しています。
ビリー・シーンはベースだけでなくコーラスも上手いですよね!
ワイナリー・ドッグスの初来日公演を観に行ったとき、ビリーの低音コーラスが楽曲にとってあまりにも重要な役割を果たしていたのを真名で感じることが出来ました。
ビリーのコーラスがあるとないとでは、楽曲の質そのものが全然違ってくるんだろうな~と。
ちなみにこの”Stand Tall”でリッチーが目指したサウンドは、ジャズ・フュージョン系ピアニストのジョージ・デュークのようなジャムっぽい曲調だそうです。
特に1977年のアルバム『Reach for It』のタイトル曲”Reach For It”のようなP-ファンクっぽいサウンドを目指したようです。
ちなみにリッチーは”Reach For It”でバイロン・ミラーが弾いていたベースソロが大好きだそうです。
9曲目の”You”は、リッチーの娘のオーガスト・イヴ・コッツェンがピアノで弾いていたのをそのまま曲にしています。
この曲のピアノはそのオーガストが弾いています。
『Get Up』や『 Go Faster』に『Peace Sign』なんかと比べるとロック度は低めですが、大人になったリッチー・コッツェンの作品『Cannibals』も名作です!
ちなみにこの時期に大々的に日本ツアーをやっていたのですが、その様子を映像作品にした『020215BLITZ-RK』というDVDもリリースされています。
当時の新曲だけでなく”Go Faster”、”Remember”、”Fooled Again”といった過去の名曲もやっています。
スタジオ・アルバムよりもギターを弾きまくっています!
Richie Kotzen – 『Salting Earth』
なんとなく『Peace Sign』に似た色調のアルバム・デザインですが、本作『Salting Earth』は、2017年にリリースされたソロ・アルバムです。
ワイナリー・ドッグスの2ndアルバムのワールド・ツアーも終わってからリッチーはしばしば仕事を休んでいたようのですが、またすぐにワイナリー・ドッグスの活動に戻ろうと思った矢先に、マイクとビリーが別のバンド、サンズ・オブ・アポロを始めてしまい、急遽ソロ・アルバムの制作を始めたといったエピソードがあります。
しかしまぁ2023年に無事にワイナリー・ドッグスは3rdアルバムをリリースしたので、そこは良かったかな…と思います。
前作『Cannibals』よりも更にソウルフルな楽曲が増えたアルバムです。
1曲目の”End Of Earth”こそハードなロックですが、イントロのピアノのフレーズが美しい”My Rock”や”This Is Life”に”Meds”、そしてエレピの音色が優しい”Cannon Ball”なんかはウィルソン・ホークの時に戻ったかのようなR&B調の楽曲です。
2曲目の”Thunder”はハードな曲なのですが、歌メロがどこかで聴いたことがあるような…。
『Go Faster』収録の “You Know That”に似てます。
ちょっとまとまりのないアルバムですが、内容は悪くはないです。
Richie Kotzen – 『The Damned』
ここでリッチーがビデオ・シングルとしてリリースした3曲をご紹介します。
これらの楽曲は今のところアルバムには未収録なのですが、どれもMVが凝っていてかっこいい楽曲なので、ぜひ動画をご覧になって下さい。
リッチーの公式YouTubeチャンネルからこちらに掲載しております。
まずは2018年にリリースされたブルージーな曲”The Damned”です。
青いストラトを使ったワウギターのソロがかっこいいですね♪
Richie Kotzen – 『Riot』
お次は2018年にリリースされたハードなロック”Riot”です。
リッチー・コッツェンらしい楽曲です。
Richie Kotzen – 『Venom』
そして最後は2019年にリリースされた”Venom”です。
こちらでは目立つ赤のストラトを使っていますね。
メンバーがどんどんと悪女にダマされていくのに、リッチーだけは逆に悪女を罠に嵌めるMVがなんとも面白いです。
Richie Kotzen – 『50 for 50』
2020年に50歳になったリッチー・コッツェンが、CD3枚組で50曲入りという大作アルバム『50 for 50』をリリースしました!
1996年にプリンスが『Emancipation』というCD3枚組の大作をリリースしていたのですが、プリンス好きのリッチーもそれを真似たみたいですね。
しかし本作には完全な新曲以外にも、過去のデモ音源から形にした楽曲も収録されています。
一応CD3枚とも全て1曲目に激しい目のロック曲で始まり、バラードで終わる構成にはしているようです。
久しぶりにテクニカルなギターソロをフィーチャーした楽曲も収録されており、ディスク-2の”Circus Song”なんかはグレッグ・ハウとの共演作の頃に戻ったかのようなギター・インスト曲です。
本作には2000年代初期に途中まで作っていた楽曲のアイデアを形にしたものも多く収録されているようで、こういったどこか懐かしい曲調もあります。
またリッチーがベースソロを弾いた曲や、実はお得意なアコースティック・ギターを弾いたバラード曲、そしてワウギターが登場するファンク・ロック曲など、これまでのリッチー・コッツェンのソロ・キャリアを総括するようなアルバムです。
しかし50曲も収録されているのに、目立った駄作がないのがリッチーの驚くべきソングライティングの力ですね!
全部聴くのは大変ですが、アルバムとしての出来も良い名作です!
さすがにこのボリュームの大作を作ったのでリッチー本人は「当分ソロ・アルバムの制作はいいかな…」と語っており、その後はアイアン・メイデンのエイドリアン・スミスと双頭リーダー作をリリースしたり、ワイナリー・ドッグスに戻ったりしています。
以上、【歌も上手くルックスもイケメンだ!スーパー・ギタリスト リッチー・コッツェンのソロ・アルバムをアルバムをまとめてご紹介!】でした。
今回初めてリッチー・コッツェンのことを知ったという方や、前からリッチー・コッツェンのソロ・アルバムには興味を持っていたけれどもどのアルバムから聴き始めたらいいのだろう?と迷っていたという方は、まずは『What Is…』や『Get Up』に『Go Faster』辺りを最初の1枚におすすめします。
ブログ記事内にも書きましたが、僕は1996年の『Wave of Emotion』から聴き始めたリッチー・コッツェンのそこそこ古参ファンの1人です。
Web上ではなかなかリッチー・コッツェンのアルバムについてまとめた記事は少ないかと思いますので、ぜひこのブログ記事を参考にして頂けたら幸いです。
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