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カテゴリー:Music

2023/05/20

90年代グランジ/オルタナ・ロック・ムーヴメントの寵児パールジャムのアルバムをまとめてご紹介!

90年代グランジ/オルタナ・ロック・ムーヴメントの寵児パールジャムのアルバムをまとめてご紹介したブログ記事のタイトル画像です。

90年代グランジ/オルタナ・ロック・ムーヴメントの寵児パールジャムのおすすめアルバムをまとめてご紹介!

ニルヴァーナのライバル・バンドとしても活躍した実力派ロック・バンド

今回は、今現在も活動を続けている90年代にデビューしたロック・バンド、パールジャムについてご紹介します。

 

パールジャムとは?

1990年にデビューしたパールジャムは、当時のメディアにニルヴァーナのライバル・バンドのような扱いを受けていました。

 

ニルヴァーナのカート・コバーンは、パールジャムの音楽性を否定したり…とメディアのイメージ戦略通りに流されていたこともありましたが、パールジャムのボーカリストであるエディ・ヴェダーはむしろカートの才能を尊重していたような発言をしています。

 

1994年にカートが亡くなった時も、喜んだり無視したりといった子供っぽい対応ではなく、「同じ時代に生きた好敵手」を失ったことに対する悲しみを口にしていました。

 

政治的な発言や過激な行動なども多く、エディを「気難しい人間」のようにキャラ付けしているメディアはいくつかありましたが、根は心優しい人物なんだと思います。

 

そんなエディ・ヴェダーがボーカルを務めるパールジャムは、元はグリーンリヴァーのメンバーだったベーシストのジェフ・アメンとギタリストのストーン・ゴッサードが組んだバンドでした。

 

この2人が在籍していたグリーンリヴァーは、カート・コバーンも尊敬する先輩バンドのマッドハニーのボーカリストのマーク・アームとギタリストのスティーヴ・ターナーもメンバーに名を連ねる伝説のバンドでした。

 

1984年にワシントン州シアトルで結成されたグリーンリヴァーは、「グランジの祖」とも呼ばれた重要なバンドです。
代表曲の”Swallow My Pride”は必聴です!

 

そのジェフとストーンにエディを加えて、リード・ギタリストのマイク・マクレディ、そしてドラムのデイヴ・クルーセンを加えた5名がパールジャムのオリジナル・メンバーでした。

 

しかしドラムに関してはなかなかメンバーが安定せず、1stアルバム『Ten』をリリースしてすぐにデイヴ・クルーセンが抜け、その穴をデイヴ・アブラジーズが埋めました。

 

そのデイヴ・アブラジーズも3rdアルバム『Vitalogy』の制作途中で脱け、次に元 レッド・ホット・チリ・ペッパーズのオリジナル・メンバーだったジャック・アイアンズにドラムが代わりました。

 

残念ながらジャック・アイアンズは、持病の悪化と共にパールジャムを抜けるのですが、その後元サウンドガーデンのマット・キャメロンが加入しています。

 

その後は安定して5人組で現在まで活動を続けています。

 

まぁこれだけドラマーは代わってはいますが、パールジャムの一番の魅力はやはりエディ・ヴェダーの「歌声」だと言えますので、そこまで大きな問題でもないかもしれません!?

 

あの独特の「歌声」に得手不得手はあるかもしれませんが、でもエディ・ヴェダーなしのパールジャムなんて考えられませんからね。

 

個人的には「弾きまくりのギター」が好きなので、パールジャムのアルバムが出る度にマイク・マクレディのギターソロを楽しみにしています。

 

ストーン・ゴッサードは基本的にギターリフやコード弾きをするリズム・ギタリストです。

 

それに対してマイク・マクレディは、ワウペダルや各種モジュレーション系のエフェクター等を曲調によって使い分けてギターソロをバリバリと弾きまくるリード・ギタリストです。

 

そのスタイルは、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジやジミ・ヘンドリックス、そしてエアロスミスのジョー・ペリー等から大きな影響を受けた正統派のハード・ロック・ギタリストです。

 

エディやジェフが書く一風変わった曲調からグランジ/オルタナティヴ・ロックにカテゴライズされるパールジャムではありますが、マイクのギターソロは完全にハード・ロック・マナーに沿ったフレージングですからね。

 

そこが僕がパールジャムを好きな理由でもあります。

 

なんだかんだでギター好きなので、どうしてもギターを中心に聴いてしまいがちです…。

 

ちなみにパールジャムのメインのソングライティングは、エディ・ヴェダーなのですが、他のメンバーもソングライティングできるのもこのバンドの強みです。

 

途中加入のマット・キャメロンもちょくちょく良い曲を提供しています。

 

特にベーシストのジェフ・アメンが書く曲は、パールジャムにとって重要な楽曲だったりします。

 

ある意味、エディの次のサブ・リーダーと言えます。

 

それでは今回はパールジャムのアルバムをご紹介します。

 

アルバムのご紹介はリリースされた年代順です。

 

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パールジャムのおすすめアルバム

Pearl Jam – 『Ten』

1991年9月24日にリリースされたニルヴァーナの『Nevermind』よりも1ヶ月先駆けて同年8月27日にリリースされたパールジャムのデビュー作『Ten』です。

 

デビュー・アルバムですが、既にパールジャムの代表曲となる重要な曲が4つか収録されています。

 

まず1つ目はレッド・ツェッペリンやエアロスミスから大きな影響を受けたようなギターリフが印象的なロック曲”Even Flow”です。

 

ギタリストのストーン・ゴッサードが作曲をして、そこにエディ・ヴェダーが歌詞を乗せています。

 

アルバムからの2枚目のシングルに選ばれた曲で、今でもパールジャムのライヴで演奏されている名曲です。

 

レッド・ツェッペリンの”Whole Lotta Love”やエアロスミスの”Walk This Way”のようなバンドを代表する楽曲です。

 

このスタジオ録音バージョンではマイクがワウを使ってギターソロを弾きまくっています。

 

ライヴでは通常よりも長めにギターソロを弾くことが多い曲です。

 

2つ目はパールジャムのデビュー曲でもある”Alive”です。

 

もともとはストーン・ゴッサードが作っていたインスト曲の”Dollar Short”という曲が始まりでした。

 

そこにエディ・ヴェダーが歌詞を乗せてこの”Alive”が誕生しました。

 

この曲もパールジャムのライヴでは重要な曲でよく演奏されています。

 

デビュー曲がバンドの代表曲になるというのは、まるでエアロスミスの”Dream On”と同じですね。

 

3つ目はアルバムからの3枚目のシングルに選ばれた”Jeremy”です。

 

この曲は少年犯罪を扱ったようなMVが鮮烈でした。

 

ギターリフが曲のメインだった”Even Flow”や”Alive”は、ギタリストのストーンが書いた曲でしたが、ベースのイントロが印象的なこの曲はジェフ・アメンが書いています。

 

そこにエディ・ヴェダーの意味深な歌詞が乗っかり名曲が出来上がりました。

 

この曲の歌詞には2つの異なったストーリーが題材となっています。

 

1つは、1991年1月8日に米国テキサス州リチャードソンで起こった15歳の少年ジェレミー・ウェイド・デルが授業中に拳銃自殺した事件のことです。

 

少年はクラスメイトから「とても物静かでいつも悲しそう」というイメージを持たれていました。

 

サビ部分の歌詞”Jeremy was spoken in class today.”とは、「ジェレミーは今日クラスで発言をした。」という訳になるのですが、これは寡黙だったジェレミーが黒板に「先生、これが僕がやりたかったことです。」と書いてから拳銃を自身の口に向けて発砲した事実を元にしています。

 

もう1つのストーリーは、エディ・ヴェダー自身が中学生の頃にいじめられていた生徒が学校で銃を発砲したことです。

 

どちらも10代の子供が学校に銃を持ってきて発砲するという米国が抱える闇を描いています。

 

この曲がリリースされてから約8年後にコロンバイン高校銃乱射事件という悲劇が起こってしまうのですが、エディ・ヴェダーは自身の体験もありこの頃から楽曲による問題提起をしていたのですね。

 

しかし残念ながらこういった銃がらみの事件は、今現在でも米国で度々起きています…。

 

今の時代にもこの”Jeremy”という曲の歌詞が持つパワーは失われてはいないのですが、理想を言えば「昔はそんなことがあったんだな~。」と言えるような平和な世の中が訪れて欲しいものですね。

 

深い歌詞だけでなくジェフが作った曲構成も素晴らしい名曲中の名曲です!

 

そして4つ目が “Black”です。

 

こちらもストーンが作った”E Ballad”という曲にエディが歌詞を乗せたパターンです。

 

この曲はシングル・カットされてはいないのですが、ライヴでもよく演奏されているエモーショナルな名曲です。

 

この曲の歌詞は「失恋」を題材としており、最愛の恋人を別の男に奪われた悲しみを「黒く塗りつぶされた思い出」と表現しています。

 

当初、エピック・レコードはこの曲をシングル・カットするようにバンドに求めましたが、パールジャムはそれを拒否しました。

 

それはこの曲の歌詞があまりにも個人的なものであるとして、その感情的な重みがミュージック・ビデオを作ることで破壊されるのではないかという懸念があったからでした。

 

エディはこう説明します。

 

「こういった壊れやすい繊細な曲は、ビジネスによって潰されてしまうものさ。 俺はそういったことに加わりたくないし、この バンドも参加したくないと思う。」

 

本当の意味でのロックな精神とは、こういった思想や流されない態度なのかもしれませんね。

 

しかしまぁ本作はビジネス的には大成功して売れに売れたのですが…。

 

でもこうやって世界的に大ヒットしてくれたおかげで、地球の裏側にいる僕ら日本人の耳にもこの曲や”Jeremy”といった名曲が届いたのは良いことですね。

 

ちなみに”Black”でマイクが弾いているアルペジオのリード・ギター部分は、彼が当時ハマっていたスティーヴィー・レイ・ヴォーン風に意識して弾いたと語っています。

 

以上の4曲は、今もパールジャムのライヴで演奏されることが多い代表曲です。

 

ちなみに4枚目のシングルには “Oceans”が選ばれています。

 

この曲でマイクが弾いているギタープレイは、まるでその後音楽シーンに登場するジェフ・バックリィみたいです。

 

もしかしてジェフ・バックリィは、この曲から影響を受けたのかも⁉

 

シングルとしてはアルバム1曲目のハードな曲”Once”の方があっていそうなのに、こちらはシングル化されていません。

 

他に”Why Go”も当時のグランジ・ブームにあったハードな曲調ですが、こちらもシングル化はされていません。

 

ちなみに11曲目の”Release”の後に”Master/Slave”という曲が隠しトラックとして収録されています。

 

どの曲もデビュー作とは思えない程にクオリティが高いので、当時大ヒットしたのも頷ける名盤です。

 

特に今回僕がパールジャムの代表曲としてあげた”Even Flow”、”Alive” “Jeremy”、 “Black”の4曲は、もはや90年代という時代を代表する名曲でもあります。

 

もしこのブログ記事を読んで初めてパールジャムを知ったという方や、パールジャムの名前は知っていたけれどもどのアルバムから聴き始めたらいいのかな?と迷っている方がいましたら、まずはこの『Ten』から聴き始めて下さい。

 

そして先に挙げた4曲を聴いてみて下さい。

 

ちなみに2011年に本作リリースの20周年を記念したデラックス・エディションも発売されました。

日本では名曲”Alive”のライヴ・バージョンと”Even Flow”の再録バージョン、そして日本では未発表だったシングルB面曲の”Wash”と”Dirty Frank”の4曲が収録された『Alive』という企画盤もリリースされていたことがあります。

僕はこのシングル盤に収録されている”Alive”のライヴ・バージョンがとても好きです♪

 

マイクがスタジオ録音よりもハードにギターソロを弾いているのが良いですね!

 

“Even Flow”の再録バージョンもアルバム収録バージョンよりもエディのボーカルに自信がついており、よりパワフルに仕上がっています!

 

↓↓↓↓どこかで買った『Alive』のステッカー↓↓↓↓

Pearl Jamの"Alive"のステッカー

 

Pearl Jam – 『Vs.』

僕が一番好きなパールジャムのアルバムが1993年にリリースされたこの2ndアルバム『Vs.』です。

 

ジェフの地を這うようなベースラインがかっこいい1曲目”Go”からして前作以上の勢いがあります!

 

この曲はアルバムからの最初のシングルとしてカットされました。

 

マイクのワウギターのソロも冴え渡っています!

 

「1stアルバムだけの一発屋で終わらないぞ!」といった真剣さがひしひしと伝わってくるような楽曲です。

 

この曲の作曲者は珍しく新加入のドラマー、デイヴ・アブラジーズ1人によるものでした。

 

2曲目”Animal”は、アルバムからの3枚目のシングルに選ばれた曲です。

 

シングル盤のB面には”Jeremy”の ライヴ・バージョンが収録されていました。

 

デフ・レパードの同名曲はポップな曲でしたが、こちらのパールジャムの”Animal”は、獲物を捕らえる獣のようにギラギラとしたロックです!

 

ライヴでもよく演奏される勢いのある楽曲です。

 

ちなみにマイクはこの曲のソロを弾く際にギブソンのES-335を使ったそうです。

 

3曲目”Daughter”は、アルバムからの2枚目のシングルに選ばれた曲です。

 

パールジャムのバラード曲では僕はこの”Daughter”が一番好きです♪

 

マイクのギターソロがとても素晴らしいのですが、このソロを思いつくのには苦労したようで、腰を下ろしてしっかりと考えたようです。

 

この曲がリリースされてから20年近く経った頃に、エディ・ヴェダーが娘さんと一緒にこの曲を歌っていたのは感動的でした。

 

4曲目 “Glorified G”は、マイク・マクレディもストーンとエディのソングライティングに加わって書かれた曲です。

 

マイクがグレッチのギター、カントリー・ジェントルマンでジャムってる時に思いついた曲だそうです。

 

ちなみにジェフはこの曲でアップライト・ベースを弾いています。

 

ギターのイントロのメロディが印象的な5曲目”Dissident”は、アルバムからの4枚目のシングルとしてカットされたサビ部分がキャッチーなロック・ソングです。

この曲もライヴでよく演奏される定番曲の1つです。

 

“dissident”(ディシデント)とは、「反体制」の意味です。

 

なんともパールジャムらしいですね。

 

他にも、後にグレイテスト・ヒッツのタイトルにもなった”Rearviewmirror”や、パンキッシュな”Blood”に”Leash”や、まるで前年にリリースされていたR.E.M.の名盤『Automatic For The People』に収録されていそうなアコースティックなバラード曲”Elderly Woman Behind the Counter in a Small Town”等、本作も良い曲満載です。

 

1stアルバムを聴いたらすぐにこちらの『Vs.』も聴いてみて下さい♪

 

Pearl Jam – 『Vitalogy』

「生命学」と名付けられたパールジャムの3作目『Vitalogy』は、1994年11月22日にリリースされました。

 

カート・コバーンが亡くなった1994年4月5日から7ヵ月が経っていました。

 

最大のライバルを失くしたエディは悲しみにくれましたが、前に進む決心を本作のリリースと共に意思表示しました。

 

4曲目の”Tremor Christ”と共に両A面扱いでアルバムからの1stシングルに選ばれた2曲目の”Spin the Black Circle”は、パールジャム流のパンク・ロックでした!

 

もともとはストーン・ゴッサードがゆっくりなテンポで書いていた曲でしたが、エディの提案でファスト・ナンバーへと変化しました。

 

マイク・マクレディは、元ニューヨーク・ドールズのギタリストだったジョニー・サンダースの演奏を意識してリード・ギターを弾いたそうです。

 

リリース当時は話題となった曲でしたが、2ndシングルの”Not for You”や3rdシングルの”Immortality”は少し地味な印象の楽曲です…。

 

前2作品と比べると、パワーダウンした感は否めません。

 

シングル・カットされていない “Corduroy”や”Better Man” の方が今でもライヴでよく演奏されている楽曲です。

 

最後に収録されている”Hey Foxymophandlemama, That’s Me”のみデイヴ・アブラジーズでなく元レッド・ホット・チリ・ペッパーズのオリジナル・ドラマーだったジャック・アイアンズがドラムを叩いています。

 

ジャックはその後、1998年までパールジャムのメンバーとしてドラムを叩くことになります。

 

ちなみに本作からCD盤もレコードのジャケットのようにペーパースリーヴ型の豪華な使用に代わりました。

 

もともとパールジャムのメンバーは、レコード盤のフォーマットの方が好きでしたが、当時はすでにCDリリースが当たり前の時代だったの仕方なくCDでもアルバムを販売していました。

 

しかしこの3rdアルバム『Vitalogy』からは従来のプラケースでの販売を止めて、これ以降はずっと紙ジャケでのリリースが継続されています。

この後の1995年にパールジャムは、憧れだったミュージシャンの1人ニール・ヤングのアルバム『Mirror Ball』にバックバンドで参加しています。

そしてパールジャム名義で”I Got Id”と”Long Road”の2曲が収録された『Merkin Ball』をリリースしました。

 

Pearl Jam – 『No Code』

1996年にリリースされた4作目のアルバム『No Code』です。

 

本作からは3枚のシングルがリリースされました。

 

1stシングルに選ばれたのは3曲目の”Who You Are”です。

ストーン・ゴッサードと新加入のドラマーのジャック・アイアンズが作曲をして、そこにエディが独特な歌詞を乗せています。

 

この曲ではエディ自らエレクトリック・シタールを演奏しています。

 

アルバムからの1stシングルがバラード曲というのは、”Alive”以来久しぶりですね。

 

2ndシングルに選ばれたのは2曲目の”Hail, Hail”でした。

 

この曲と9曲目の短い曲”Lukin”は、前作の”Spin the Black Circle”に近い激しいロック・ソングです。

 

マイクの弾くスライドギターがエアロスミスのジョー・ペリーを彷彿させます。

 

本作は”Who You Are”を始め少し大人しい楽曲が多いためか、当時のファンからは、「『No Code』にはロックな曲が収録されていない!」と反感を受けましたが、ストーン・ゴッサードは、「”Hail, Hail”や”Lukin”を聴いてくれ!」と反論しています。

 

ただ…やはり『Ten』や『Vs.』と比べると物足りないアルバムなのは事実です。

 

3rdシングルにはこれまた地味な曲”Off He Goes”が選ばれました。

 

エディ・ベダーが単独で書いたアコースティックな楽曲ですが、『Vs.』に収録されていた名曲”Elderly Woman Behind the Counter in a Small Town”と比べると…そこまで印象には残りません。

 

“Who You Are”はとても良い曲なのですが、それ以外が少しいまいちに感じてしまう影の薄いアルバムです。

 

Pearl Jam – 『Yield』

前作『No Code』は、僕個人としては印象の薄いアルバムでしたが、こちらの『Yield』はよく聴きました。

 

というのは、1998年にリリースされた本作『Yield』は、僕がリアルタイムで初めて聴いたパールジャムのアルバムだったからです。

 

このアルバムからパールジャムを知り、後追いで『Ten』や『Vs.』を聴きました。

 

そのため本作の印象が今でも強く残っています。

 

まだ子供だった当時の僕はハード・ロックやパンク・ロックにハマっていたので、本作の1曲目”Brain of J.”も激しさにもハマりました!

 

この曲はリード・ギタリストのマイク・マクレディが作曲した曲で、ギターソロも弾きまくっています!

 

歌詞はもちろんエディ・ベダーが書いています。

 

他にも”Faithfull”や、アルバムからの1stシングルにもなった”Given to Fly”もマイクの作曲です。

 

“Given to Fly”は何度も何度も聴いた曲です。

まるでレッド・ツェッペリンの”The Song Remains the Same “やエアロスミスの”Livin’ On The Edge”のような壮大な曲調が堪りません♪

 

パールジャムの曲で一番好きです♪

 

マイク曰く、この曲のギターリフは、レッド・ツェッペリンの1971年のアルバム『Led Zeppelin IV(正式名称はUntitled)』に収録されていた”Going to California”からインスピレーションを得て作ったそうです。

 

ちなみにこの曲のライヴ映像ですごく良いものがありますので、そちらも併せてご紹介します。

 

それは2000年にリリースされたライヴDVD『Touring Band 2000』に収録されていたライヴ映像です。

7曲目に”Given to Fly”が収録されています。

 

この”Given to Fly”は、2000年10月11日に米国ミズーリ州セントルイス郡メリーランド・ハイツにあるハリウッド・カジノ・アンフィシアターにて行われた時のライヴ映像です。

 

その時に、キンバリー・レイ・シェーファー(通称:キム)という女性がステージに上げられています。

 

キムはステージの脇に移動して、バンドの演奏が始まるとエディが歌うこの曲の歌詞を手話で伝えながら踊り始めます。

 

歌が終わり、バンドの演奏のみのアウトロに移った終盤にエディがキムの側までおもむろに歩いて行きます。

 

そして彼女の手を握って…一緒に踊りだします。

 

この曲は、「自分という存在の意義を貫き、そして人々に愛を与える存在」について書かれた物語です。

 

エディは、キムに「飛ぶ力を与え」、そしてキムは会場のオーディエンスに「愛を与えた」のでした。

 

残念ながらキムは2015年にこの世を去りましたが、あの感動的なシーンは僕の脳裏に焼き付いて忘れることは出来ません。

 

パールジャムの歴史の中でも最も感動するシーンの1つです。

 

気になる方はぜひDVDを観てみて下さい。

 

さて、本作からはもう1曲、重要な曲がシングル・カットされています。

 

5曲目の”Wishlist”で、この曲はエディが1人で書いたバラード曲です。

「もし僕が〇〇だったら」、「もし△△になることが出来たら」と願い事をリストにして歌詞を並べているのですが、混とんとした現代社会への皮肉が混じった興味深い表現が用いられています。

 

「もし僕が中性子爆弾になれたとしたら、一度だけ爆発してやるのに…」と過激に歌い始めますが、これは「その恐ろしさと愚かさをみんなにわからせてやるために」ということを逆説的に言い換えています。

 

こういった歌詞の裏側に潜んでいる思想を読み取らずに、過激な部分だけに目を付けてエディ・ベダーの才能を見抜くことが出来ず批判する人たちは、なんとも浅はかだと僕は思います。

 

この曲の歌詞を読んで、名曲”Given to Fly”を聴いて僕はすっかりパールジャムの虜となりました。

 

ちなみに6曲目にジェフが書いた “Pilate”という曲があるのですが、当時の僕はこの曲で初めてキリストを磔刑に処した総督ピラトの存在を知りました。

 

まさかロック・バンドからこういった内容を学ぶことになるとは…何事も勉強ですね。

 

他にもライヴでよく演奏されるロックな曲”Do the Evolution”や、キャッチーなサビ部分が実は名曲な”In Hiding”等も聴き所です。

 

本作リリース後の1998年にパールジャムは初の公式ライヴ盤『Live on Two Legs』もリリースしています。

 

後に2000年から違法なブートレッグ対策としてバンド公認の完全無編集のブートレッグ・シリーズが大量にリリースされることとななるのですが、今回のこのブログ記事ではあまりにも種類が多すぎるので対象外とさせていただきます。

 

↓↓↓↓『Yield』のCDに封入されていたステッカー↓↓↓↓

Pearl Jamの『Yield』のステッカー

Pearl Jam – 『Binaural』

前作『Yield』でパールジャムにハマった僕は、次回作がリリースされるのを楽しみにしていました。

 

子供の頃の1年はとても長く感じるものでした。

 

1999年になってようやく、ファン・クラブ用のクリスマス・シングルとして限定販売されていた『Last Kiss』が一般でもシングル盤としてリリースされました。

しかしこの曲はパールジャムのオリジナル曲ではありませんでした。

 

オリジナルは、ウェイン・コクランが1961年にリリースした曲です。

 

その後、1964年にJ.フランク・ウィルソン&ザ・キャバリアーズがカバーしています。

更にその後、カナダのポップ・グループのウェンズデーも1973年にこの曲を取り上げています。

その3つのバージョンを参考にしてパールジャムが新たにシングルとしてリリースしました。

 

カバー曲とはいえ、自分の不注意から交通事故を起こして同乗していた彼女を失くすという悲しい歌詞はエディの歌声にもピッタリでした。

 

悲劇的な「最後のキス」がこんなポップな曲調に乗せらえるとはね…。

 

ちなみにこのシングル盤のB面にはアーサー・アレキサンダーの曲”Soldier of Love”のカバーも収録されていました。

この曲はビートルズもカバーしており『Live at the BBC』に収録されています。

『Last Kiss』に収録されたオールディーズのカバー2曲もパールジャムの演奏に合っていたので悪くはなかったのですが、しかし『Yield』に続くスタジオ・アルバムのリリースはまだかまだか?と当時の僕はソワソワしていました。

 

そして2000年になり、ようやく6作目のアルバム『Binaural』がリリースされることとなりました。

 

“binaural”とは、本作の制作に用いられた「バイノーラル録音」のことで、あたかもその場に居合わせたかのような臨場感を再現できる録音方法です。

 

ヘッドホンをして聴くと特にその効果を強く感じられます。

 

当時の僕はこのアルバム・タイトルで初めて「バイノーラル」という言葉を知りました。

 

ちなみに英語の”bi”には、2つの意味があり、2輪の自転車を意味する”bicycle”や2か国語を話す”bilingual(バイリンガル)“等も同じことです。

 

本作からドラムが元サウンドガーデンのマット・キャメロンに交代しています。

 

本作のリリースより2週間ほど先行してリリースされたシングル第一弾の”Nothing as It Seems”は、まさかの渋すぎるスローな曲でした。

ジェフ・アメンとが書いたダークな楽曲ですが、マイク・マクレディがブルージーなギターソロを弾きまくる曲でもあります。

 

初めてこの曲を聴いた時は、驚きました!

 

まさかのスローな曲を先行シングルにするとは…。

 

もしかしたらアルバムもスローな楽曲ばかりなのだろうか⁉と心配になったのでしたが、1曲目 “Breakerfall”や2曲目”Gods’ Dice”はパールジャムらしいロックな曲で安心しました。

 

4曲目の”Light Years”は、アルバムからの2枚目のシングルに選ばれています。

こちらはちょっぴり緩めのロックでした。

 

当時の僕はなんとなくこのアルバムから、90年代のパールジャムの5作品とは違ってきたように感じました。

 

悪くはないのですが、”Jeremy”や”Black”や”Daughter”に”Given To Fly”のような強烈で印象に残る楽曲も少なくなったな…と。

 

Pearl Jam – 『Riot Act』

2002年にリリースされた7作目のアルバム『Riot Act』です。

 

先行でリリースされた1stシングル”I Am Mine”を初めて聴いた時、「パールジャムは変わってしまったな…」と感じました。

なんていうか、初期の頃のような強烈なサビ部分がない曲だな…と。

 

2ndシングルに選ばれた”Save You”は、4作目の『No Code』に収録されていた”Hail, Hail”のようなロック・ソングです。

この曲はギターリフがかっこ良かったのですぐ好きになれました。

 

しかし3rdシングルの”Love Boat Captain”は、どうも印象に残らない楽曲です…。

 

この曲よりも、歌メロがキャッチーな1曲目”Can’t Keep”や、マイクのギターソロがかっこいいロック・ソングの”Ghost”、もしくはドラムのマット・キャメロンが書いたのになぜかギターリフがかっこいい曲”You Are”とかをシングルにした方がよかったんじゃないかな?と思いました。

 

14曲目の “Arc”は、エディの声を中心に「アーー」と声を出す1分弱のトラックなのですが、そのタイトルからしてニール・ヤングの1991年のノイズ実験作『Arc』を彷彿させますね。

全15曲とパールジャム史上最も収録曲数が多いアルバムですが、『Riot Act』は少し大人し目のアルバムです。

↓↓↓↓『Riot Act』のCDに封入されていたステッカー↓↓↓↓

Pearl Jamの『Riot Act』のステッカー

Pearl Jam – 『Lost Dogs』

『Riot Act』の次のスタジオ作品がリリースされるまでに4年の期間が空くのですが、その間に2つの企画盤がリリースされています。

 

まずは2003年にリリースされたレア・トラック集の『Lost Dogs』です。

 

ライヴの定番だけれどもオリジナル・アルバム未収録だった”Yellow Ledbetter”が収録されているのが目玉です。

 

他にもシングルB面曲の”Footsteps”や”Wash” に”Black, Red, Yellow”に、レアなアウトテイク”Brother”等も収録されています。

 

1999年にリリースされていたカバー曲”Last Kiss”も収録されているのですが、残念ながら”Soldier of Love”は未収録です。

 

そこはシングル盤を購入するしかないのですね…。

 

Pearl Jam – 『Rearviewmirror (Greatest Hits 1991–2003)』

2004年にリリースされた初のベスト・アルバム『Rearviewmirror (Greatest Hits 1991–2003)』です。

 

“Jeremy”や”Go”に”Daughter” や”Given to Fly” といったシングル化された代表曲だけでなく、ライヴで定番の”Corduroy”やベスト盤のタイトルにもなった”Rearviewmirror” 等のベストな選曲です。

 

そこに”Once”や”Alive”に”Black “といった1stアルバムの曲の新録バージョンや、”Even Flow”のシングル・バージョンに映画『Singles』に提供されていた “State of Love and Trust”と”Breath” 、『Merkin Ball』に収録されていたニール・ヤングとの共演作”I Got Id”等の目玉曲も収録されています。

 

ちなみに『Lost Dogs』に収録されていた”Yellow Ledbetter”と”Last Kiss” も結局はこちらに収録されていました。

 

それなら『Lost Dogs』には”Last Kiss” ではなくって”Soldier of Love”を収録していた方が良かったんじゃないのかな…と思います。

 

Pearl Jam – 『Pearl Jam』

2作の企画盤のリリースが続き、2006年になってついに8作目のアルバム『Pearl Jam』がリリースされました。

 

8作目にしてついにセルフ・タイトルのアルバムです!

 

そのアルバム・タイトルからも伝わってくるかのように「パールジャムらしいアルバム」を作ろうとした意思が感じられます。

 

実際に先行シングルとしてリリースされた”World Wide Suicide”は、「パールジャムらしい」ロックでした。

 

先行シングルがロックしていたのは1994年の『Vitalogy』以来でしょうか…長らくバラードや渋めの曲が先行シングルでしたからね…。

 

2ndシングルもアルバム1曲目に収録されていたロック・ソングの”Life Wasted”を素直に選んでいました。

それまでのパールジャムだったら、ここで意表を突いて渋めの曲を…とならなかったのはちょっぴりホッとしました。

 

3曲目の”Comatose”は、”Spin the Black Circle”みたいなパンク・ロックです。

 

他にも”Marker in the Sand”や”Big Wave”といった曲でマイクのギターがロックしていてかっこいいパールジャムが帰ってきた!と感じたものです。

 

2000年代になってからの全2作品が大人しめだったので、本作『Pearl Jam』はそのタイトル通りに「パールジャムらしさ」が戻ってきた名作です。

 

Pearl Jam – 『Backspacer』

2009年にリリースされた9作目のアルバム『Backspacer』です。

 

9枚のイラストが分割されたジャケット・デザインが『No Code』みたいですが、激しいロックが多く収録されたアルバムです。

 

先行シングルの”The Fixer”は、いつになくキャッチーなサビを持ったロック・ソングです。

アルバム1曲目の”Gonna See My Friend”もマイクの「ダダダ!ダダダ!」と3連で弾くフレーズがロックンロールしています!

 

2ndシングルには、パンキッシュな”Got Some”と対極にあるアコースティックなバラード曲”Just Breathe”の両A面でリリースされていました。

そして3rdシングルに選ばれた”Amongst the Waves”は、マイクのギターソロが思いっきりエアロスミスのジョー・ペリー風な楽曲です。

 

他にもエディの早口ボーカル”Johnny Guitar”やパンキッシュな”Supersonic”等、ロックな曲の出来が良いアルバムです。

 

Pearl Jam – 『Lightning Bolt』

2013年にリリースされた10作目のアルバム『Lightning Bolt』です。

 

冒頭の1~3曲目は『Vs.』の頃に戻ったかのような原点回帰のロック曲です!

 

先行シングルとしてリリースされた2曲目の”Mind Your Manners”は、これまた”Spin the Black Circle”みたいなパンク・ロックです。

 

マイク・マクレディが書いた曲なので、ギターソロもかっこいいフレージングです!

 

2ndシングルに選ばれた4曲目の”Sirens”は、久しぶりにグッと来るような名バラード曲でした。

 

この曲もマイク作なのですが、MVが渋くってかっこいいのでぜひ観て欲しいです。

アコギを弾いていたマイクがギターソロ時にテレキャスに持ち替えて、そこからはエディがアコギを弾きながら歌う…このチームワークが最高です!

 

デビューから20年以上が経ち、大人になったパールジャムの渋さが表現された名曲ですね♪

 

5曲目のタイトル・トラック”Lightning Bolt”も3rdシングルとしてカットされました。

 

それ以外にも、これまでにはなかった実験的な曲調の”Pendulum”や、これまたマイクがエアロスミスのジョー・ペリー風にギターソロを弾く”Let the Records Play”等もかっこいい曲です。

 

 

Pearl Jam – 『Gigaton』

2020年にリリースされた11作目のアルバム『Gigaton』です。

 

ついにパールジャムも30周年を迎えました。

 

しかし1曲目の”Who Ever Said”からいつも通りのパールジャムだったので一安心です。

 

本作からは、先行シングルの”Dance of the Clairvoyants”と”Superblood Wolfmoon”に”Quick Escape”、そしてバラード曲の”Retrograde”の4曲がシングル・カットされています。

 

他にもアルバム・ジャケットの風景のイメージに合った壮大な楽曲”Seven O’ Clock”や、マイクのワウギターのソロがかっこよすぎる”Take the Long Way”等、まだまだ衰えを感じさせない良い曲が収録されています。

 

ここ数作品は、良作が続いているパールジャムです。

 

 

以上、【90年代グランジ/オルタナ・ロック・ムーヴメントの寵児パールジャムのアルバムをまとめてご紹介!】でした。

 

単なるニルヴァーナのライバル・バンドではなく、そして90年代のグランジ・ブームの時だけ活躍した使い捨てのバンドでもない、もはやレッド・ツェッペリンやエアロスミスのようなレジェンドと肩を張れるロック・バンドへと成長したパールジャムは、まだまだこれからの活動も期待できるバンドです。

 

これからも息の長いバンドとして活躍してもらいたいです。

 

そう思い今回こういったブログ記事を書きました。

 

90年代のグランジやオルタナ・ロックがお好きな方や、過去にパールジャムを聴いていたけれどもここ数年は聴いていなかったと言う方にまた思い出して聴いて欲しいと思います。

 

そして今回このブログ記事を読んで初めてパールジャムを知ったという方や、パールジャムという名前だけは知っていたけれどもどのアルバムから聴き始めたらいいのか迷っているといった方への入門編としての道しるべとなれたら幸いです。

 

ぜひいつでも繰り返し読めるようにブックマークをしていただけたら嬉しいです。

 

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