
2024/11/13
アンスラックスのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
【第60回】おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介シリーズ
スラッシュ・メタル四天王(Big 4)の一角アンスラックス(Anthrax)のおすすめアルバムをご紹介!
【おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介シリーズ】の第60回です。
今回は、スラッシュ・メタル四天王(Big 4)の一角アンスラックス(Anthrax)のおすすめアルバムを5枚選んでご紹介します。
アンスラックスについて
アンスラックスは、1981年にアメリカ・ニューヨークで結成されたスラッシュ・メタル・バンドであり、スラッシュ・メタル四天王の一角を担う伝説的な存在です。
同じく四天王と称されるメタリカ、スレイヤー、メガデスと並び、スラッシュ・メタルの隆盛に貢献したバンドとして知られています。
アンスラックスの音楽は、スピードとアグレッションに満ちた特徴的なサウンドで、特にリズムのタイトさとパワフルなリフに定評があり、スラッシュ・メタルの枠を越えた独自のスタイルを築き上げました。
アンスラックスの初期メンバーには、ギタリストのスコット・イアンとベーシストのダン・リルカーが含まれていました。
その後、幾度かのメンバーチェンジを経て、現在のメンバーにはスコット・イアンをはじめ、ボーカルのジョーイ・ベラドナ、ベースのフランク・ベロ、ドラマーのチャーリー・ベナンテ、ギタリストのジョナサン・ドナイスが揃い、現代まで活動を続けています。
バンドは1984年にデビューアルバム『Fistful of Metal』をリリースし、メタルシーンに鮮烈な印象を残しました。
その後も『Spreading the Disease』や『Among the Living』などのアルバムで名を広め、アグレッシブなサウンドと社会的メッセージを融合させた楽曲で多くのファンを魅了しました。
アンスラックスは、1987年にリリースしたアルバム『Among the Living』でブレイクし、代表曲となる”Indians”や”Caught in a Mosh”を収録。
このアルバムで彼らはスラッシュ・メタルシーンの中で確固たる地位を築きました。
特に”Indians”のリフやスコット・イアンのギターリフは多くのギタリストに影響を与え、後のメタルバンドに多大な影響を及ぼしました。
また、アンスラックスはスラッシュ・メタルとヒップホップの要素を融合させた先駆者としても知られ、1991年にはパブリック・エナミーとのコラボレーション曲”Bring the Noise”を発表し、新たなジャンルの可能性を切り開きました。
この革新的な試みはメタルとヒップホップ双方のファンに支持され、クロスオーバー音楽の礎を築いたと言われています。
その後もアンスラックスは『Persistence of Time』や『Sound of White Noise』といったアルバムで高い評価を受け、長年にわたるキャリアの中で多くのスタイルの変遷を見せつつ、常に新しい挑戦を続けてきました。
彼らの音楽には、社会問題や政治的なテーマが多く取り上げられており、アグレッシブなサウンドに社会的メッセージを乗せる手法でメタル・シーンに一石を投じ続けています。
アンスラックスは、現在も世界各地でツアーを行い、ファンと共に進化を続けるバンドです。
彼らのライブ・パフォーマンスは圧倒的なエネルギーで、観客を熱狂の渦に巻き込むことで知られ、スラッシュ・メタルの生きる伝説としての地位を確立しています。
それでは今回はアンスラックスのオリジナル・アルバムから僕が好きな作品を5枚選んでランキング形式でご紹介します。
ベスト盤やコンピレーション・アルバムにライブ盤は除外しています。
まずは第5位からどうぞ。
アンスラックスのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
第5位:Anthrax – 『Stomp 442』
第5位は、1995年にリリースされた7作目のアルバム『Stomp 442』です。
そもそも本作をベスト5に選ぶのは…「こいつアンスラックスのことわかってねーな!」とゴリゴリのスラッシュ・メタル・ファンから言われちゃいそうなのですが…まぁ聞いて下さい。
これ、僕がリアルタイムで初めて購入したアンスラックスのアルバムなんです。
というわけで、思いで補正選出で第5位となりました。
本作は、バンドの新たな方向性を指し示すかのような意欲作です。
前作『Sound of White Noise』よりボーカルが
ジョーイ・ベラドナからジョン・ブッシュに代わりました。
本作は、そのジョン・ブッシュがボーカルを務めた2作目のアルバムです。
このアルバムは、従来のスラッシュ・メタル要素に加え、グルーヴ感あふれるヘヴィ・サウンドが特徴的です。
リフの強烈さや骨太なサウンドがアルバム全体に広がっており、スラッシュ・メタルの枠にとどまらない新たな魅力を打ち出しています。
ちょうどこの時期はパンテラが流行っていた時期なので、メタリカやメガデスをはじめ、ほとんどのスラッシュ・メタル・バンドがグルーヴを重視するようなヘヴィなアルバムをリリースしていました。
当時まだ子供だった僕は、1曲目の “Random Acts of Senseless Violence”のイントロの無機質な金属音のような弦をミュートしたブラッシング音に痺れました!
また、アルバムからの1stシングルに選ばれた”Fueled”は、力強いリズムとキャッチーなメロディが融合したエネルギッシュなナンバーです。
2ndシングルの”Nothing”もジョン・ブッシュのパワフルなボーカルとゴリゴリと攻撃的なギターリフが絡むグルーヴ・メタル風の曲です。
『Stomp 442』は、僕がリアルタイムで初めて購入したアンスラックスのアルバムだったので、当時はこのグルーヴ・メタル風のサウンドこそがアンスラックスなのだと勘違いしていました。
その後、初期のアルバムを聴いたり、ジョーイ・ベラドナ復帰後のアルバムを聴いたら、「あれ?もしかして僕が今まで聞いていたアンスラックスは特殊な時期だった!?」と気付きました。
しかし個人的には初めて聴いたアンスラックスの『Stomp 442』は、今でも好きなままです。
「アンスラックス=ジョーイ・ベラドナ」だとは思いますが、しかし僕はジョン・ブッシュ時代のグルーヴ・メタル作品も好きで良く聴きます。
むしろこの時期のアンスラックスの方が今になって聴いてみるとモダンな楽曲が多い気がします。
それこそパブリック・エナミーと共演した1991年の”Bring the Noise”の辺りからミクスチャー・ロックっぽい音に変化していますからね。
ミクスチャー・ロック好きならジョン・ブッシュ時代のアンスラックスがおすすめです!
ちなみに”Bring the Noise”は、コンピレーション・アルバムの『Attack of the Killer B’s』に収録されています。
このコンピレーション・アルバムもアンスラックスの音楽性の広さを聴くことが出来るので、ミクスチャー・ロック好きにはおすすめです!
1990年代のアンスラックスを語る上で外せない『Stomp 442』は、彼らの新たな挑戦が詰まった作品として、グルーヴ・メタルやミクスチャー・ロック好きならぜひ聴いていて欲しいアルバムです。
第4位:Anthrax – 『Worship Music』
第4位は、、2011年にリリースされた待望の復活作『Worship Music』です。
本作は、1990年の5作目『Persistence of Time』以来、実に21年振りにジョーイ・ベラドナがボーカルに復帰した記念すべき作品です。
このアルバムでは、アンスラックスらしいスラッシュ・メタル・サウンドとともに、キャッチーなメロディや力強いリフが融合し、新旧ファンに幅広く支持されました。
アルバムからの1stシングルに選ばれた曲”Fight ‘Em ‘Til You Can’t”は、パワフルでエネルギッシュなスラッシュ・メタル・ナンバーで、80年代全盛期のアンスラックスが帰ってきたかのような勢いがあります。。
また、3rdシングル”In the End”は、緻密な構成とダークな雰囲気が特徴的で、ファンからも特に高評価を受けている楽曲です。
他にも2ndシングル”The Devil You Know”や4thシングル”I’m Alive”など、バリエーション豊かな楽曲が収録されており、最後まで飽きさせません。
『Worship Music』は、スラッシュ・メタル四天王であるアンスラックスの実力が遺憾なく発揮された復活作であり、スラッシュ・メタル・シーンでの存在感を再び確固たるものにしたアルバムです。
第3位:Anthrax – 『Persistence of Time』
第3位は、1990年にリリースされた5作目のアルバム『Persistence of Time』です。
バンドの成熟が感じられる作品で、初期ジョーイ・ベラドナ時代の集大成のようなアルバムです。
このアルバムでは、アンスラックスらしいスラッシュ・メタルの勢いに加え、深みのあるリリックや複雑なリフ構成が際立ちます。
また社会的メッセージを込めた楽曲が多く、アルバム全体に強いテーマ性が感じられます。
特に、ジョーイ・ベラドナの力強いボーカルが光る”Keep It in the Family”や、テンポ感がクセになる”Got the Time”(ジョー・ジャクソンのカバー)などが収録されています。
また、”In My World”や”Belly of the Beast”といったシングル曲もファンからの人気が高く、アンスラックスの多面的な魅力が詰まった楽曲ばかりです。
『Persistence of Time』は、アンスラックスがスラッシュ・メタルの枠を超え、音楽性やメッセージ性をさらに高めた作品でした。
しかしこの後、ジョーイ・ベラドナが脱退してしまい、長らくジョン・ブッシュのオルタナティヴ路線が続くこととなります。
第2位:Anthrax – 『Spreading the Disease』
第2位は、1985年にリリースされたアルバム『Spreading the Disease』です。
邦題はなんと『狂気のスラッシュ感染』でした!
そもそもバンド名の”Anthrax”は「炭疽菌」の意味なので、アルバム・タイトルだけでなく、バンド名にまで寄せた上手い題名ですね。
本作はアンスラックスの代表作の一つで、スラッシュ・メタルシーンで強い印象を残しています。
この作品からジョーイ・ベラドナがボーカルとして加入し、アンスラックスの個性がより鮮明に表現されています。(初代ボーカルはニール・タービン)
スラッシュ・メタル特有のスピードとパワーが詰まったこのアルバムは、今でも多くのファンに愛されています。
本作に収録されているシングル・カットもされたアンスラックスの代表曲”Madhouse”は、リリース当時からライブの定番曲で、ベラドナの独特のボーカルとスコット・イアンのギターリフが魅力的です。
また、アルバム冒頭の”A.I.R.”や、ザクザクと刃物で切り刻むかのような硬質なギターリフがかっこいい”Medusa”も人気が高く、それぞれ異なる音楽的アプローチがアルバム全体を通してバラエティ豊かな聴き応えを生み出しています。
今回第2位に選んだこの『Spreading the Disease』は、アンスラックスがスラッシュ・メタル四天王としての地位を確立するきっかけとなった重要な作品です。
本作はスラッシュ・メタル初心者からコアなファンまで楽しめる一枚です。
リリースから39年経った今でも新鮮なサウンドを感じさせるこのアルバムを、ヘヴィ・メタルがお好きな人はぜひ一度チェックしてみてください。
第1位:Anthrax – 『Among the Living』
第1位は、1987年にリリースされた3作目のアルバム『Among the Living』です。
本作は、アンスラックスのキャリアを象徴するスラッシュ・メタルの名盤として広く知られています。
このアルバムに収録されている数々の名曲が今なおファンに愛されています。
アグレッシブなサウンドと鋭いリリックが融合したこの作品は、スラッシュ・メタルの真髄が詰まった一枚です。
アルバムからの2ndシングルに選ばれた名曲”Indians”は、ジョーイ・ベラドナの力強いボーカルとスコット・イアンの印象的なリフが特徴です。
ヘヴィなサウンドの中に、先住民への敬意と社会問題へのメッセージが込められています。
また、”Caught in a Mosh”は、ヘヴィなリフと激しいテンポが聴き手を圧倒し、ライブでは観客を熱狂させる定番のナンバーです。
さらに、”I Am the Law”では、アメコミ・キャラクターであるジャッジ・ドレッドをテーマにした歌詞がファンからの支持を集め、スラッシュ・メタルの枠を越えたユニークな視点を感じさせます。
『Among the Living』には、ヘヴィ・メタル・ファンが求めるエネルギッシュな要素とユーモアが巧みに組み合わさっています。
今回のランキングでは第1位に選びましたが、アンスラックス最初の1枚に相応しいスラッシュ・メタルの名盤です!
僕は『Stomp 442』から聴いちゃいましたが…。
以上、【アンスラックスのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!】でした。
2010年にジョーイ・ベラドナが2度目の復帰を果たして以降は、初期の頃よりも活動ペースは落ちたものの、アンスラックスは順調に活動を続けています。
2016年にはベラドナ復帰2作目となるアルバム『For All Kings』もリリースしています。
しかし今のところこのアルバムが最新作で、かれこれ8年以上新作がリリースされていません。
今年もツアーを行っているようですが、もしかしたら来年辺りには新作が聴けるかも知れませんね。
その日までこちらのランキングを参考に、ぜひアンスラックスの各アルバムを聴いてみて下さい。
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