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カテゴリー:Music

2019/07/31

ジャズギタリストのデイブ・ストライカーが色んなジャンルの楽曲をカヴァーした8トラックシリーズ2作品を聴こう♪

ジャズギタリストのデイブ・ストライカーが色んなジャンルの楽曲をジャジーにアレンジ♪

ポップスやR&B等人気の楽曲をヴィブラフォン入りのジャズ編成で演奏した意欲作!

ジャズギタリストのデイブ・ストライカーは、サックス奏者のスタンリー・タレンタインやオルガン奏者のジャック・マクダフにジャズ・ボーカリストのケビン・マホガニー等のサイドマンとして活躍したミュージシャンです。

 

サイドマンの仕事だけでなく、1990年に初のリーダー作を制作して以来、これまでに30枚近くのアルバムをリリースしています。

 

今回はその中から近年の面白い企画盤をご紹介したいと思います。

 

それはポップスやR&Bなんかのヒット曲をジャズ・アレンジで取り上げたカヴァー・アルバムの『8トラックシリーズ』です。

 

このシリーズは、2014年に第一弾がリリースされてからコンスタンスに続いているシリーズのようです。

 

2016年に第二弾がリリースされて、その後音沙汰なしだったのですが……今年の2019年に第三弾がリリースされるようです。

 

そこで今回は、これまでの2作品をこのブログでご紹介したいと思いました。

 

ちなみにアルバム・タイトルの『Eight Track』というのは、8トラック・カートリッジテープのことだと思われます。

 

俗に言う「8トラ(ハチトラ)」ですね。

 

デイブ・ストライカーが青春時代に8トラックの音楽テープで聴いてた楽曲といったとこでしょうか?

 

それでは2作品ともご紹介したいと思います。

 

 

Dave Stryker – 『Eight Track』

01.I’ll Be Around
02.Pusherman / Superfly
03.Wichita Lineman
04.Aquarius
05.Never My Love
06.Superwomen
07.Never Can Say Goodbye
08.Make It With You
09.Money
10.Thats The Way Of The World

 

Personnel:
Dave Stryker – Guitar
Stefon Harris – Vibraphone
Jared Gold – Organ
McClenty Hunter – Drums

 

Recorded : December 16-21, 2013
Released : 2014

 

アルバムの内容

2014年にリリースされた8トラックシリーズの第一弾アルバムは、現代的なヴィブラフォン奏者のステフォン・ハリスをメンバーに迎えて制作されています。

 

ステフォン・ハリスは、トランペット奏者のクリスチャン・スコットやサックス奏者のディビッド・サンチェスと組んで『Ninety Miles Project』というキューバン・ジャズ・アルバムを2011年に制作していたこともある新時代のヴィブラフォン奏者です。

 

 

そんなステフォン・ハリスにオルガン奏者とドラムを加えたカルテット編成で全楽曲を演奏しています。

 

基本は60年代後半から70年代のポップス・ソングをジャズ・アレンジで演奏する形です。

 

もちろん本作のリーダーであるデイブ・ストライカーがギターで歌メロを奏でるインスト・アルバムになります。

 

ソロ回しは、ギターだけでなくヴィブラフォンとオルガンも交代で弾いています。

 

1曲目”I’ll Be Around”は、ボーカル・グループのスピナーズが1973年に歌った曲です。

 

ウィリアム・ベルと数多くのフィリー・ソウルをプロデュースしたフィル・ハートが書いた名曲です。

 

本作ではオリジナルよりも少し速いテンポで演奏されています。

 

歌メロ部分だけでなく、ソロ部分でもギターとヴィブラフォンが上手く絡み合った素晴らしいアレンジです。

 

2曲目”Pusherman / Superfly”は、カーティス・メイフィールドの名盤『Superfly』収録の2曲を上手い具合に合体させています。

 

オリジナルのようにワウペダルは使わずに、あくまでもギターはジャジーなクリーントーンで弾いています。

 

そのため全く雰囲気の違うアレンジに仕上がっています。

 

イナタさよりもオシャレさが前面に出たアレンジです。

 

3曲目”Wichita Lineman”は、ミーターズやファット・バック・バンドのカヴァーでも知られるジミー・ウェブ作のバラード曲です。

 

グレン・キャンベルが1968年に歌い、その後トム・ジョーンズが1969年に歌った人気の楽曲です。

 

数多くのカヴァーが存在する名曲なのですが、デイブ・ストライカーはオクターブ奏法も用いてあの印象的なメロディーラインを上手く弾ききっています。

 

そもそもが説明不要なぐらいの名曲なのですが、本作のバージョンでは歌メロ後のオルガン・ソロがまるで70年代のジミー・マクグリフやリューベン・ウィルソンを彷彿させるオルガン系ジャズファンクな仕上がりです。

 

こういったアレンジはモロに僕好みだったりもします♪(笑)

 

4曲目”Aquarius”は、作曲家のガルト・マクダーモットの書いた楽曲で、1967年のロック・ミュージカル『ヘアー』で使われた曲です。

 

邦題は『輝く星座』というタイトルが付けられています。

 

1969年にコーラス・グループのフィフス・ディメンションが歌ったりもしています。

 

ちょうど同年の1969年にオルガン奏者のチャールズ・アーランドが『Black Talk!』で取り上げていたこともあります。

 

本作では速めのテンポでフュージョンぽく演奏されています。

 

特にギター・ソロは、かなり弾きまくっています!

 

5曲目”Never My Love”は、アドリシ・ブラザーズの1972年の楽曲です。

 

先の2曲と比べると知名度的にも演奏内容も少し劣る気がします⁉

 

6曲目”Superwomen”は、もちろんスティーヴィー・ワンダーのあの有名曲です。

 

キャリン・ホワイトのバラード曲の方ではないですよ。

 

スティーヴィーの1972年のアルバム『Music of the Mind』に収録されていた”Superwoman (Where Were You?) “の方です。

 

美しい歌メロを弾き終わると、ステフォン・ハリスのヴィブラフォン・ソロもついつい歌いながら弾いています。

 

まるでキース・ジャレットやジミー・ギャリソンのようですね。(笑)

 

7曲目”Never Can Say Goodbye”は、言うまでもなくジャクソン5の名曲です。

 

この曲はギタリストならお馴染みの楽曲ですよね♪

 

グラント・グリーンにオドネル・リーヴィーに、ジャクソン5のオリジナルでも演奏していたデイヴィッド・T.・ウォーカーに……

 

更にはオルガン奏者のリューベン・ウィルソンやジョニー・”ハモンド”・スミスにトランペッターのジョニー・コールズ等……ジャズファンク系にも大人気の楽曲です。

 

本作ではこの曲とヴィブラフォンの相性が良いことが証明されています。

 

8曲目”Make It With You”は、ソフト・ロック・バンドのブレッドの1970年のヒット曲です。

 

デヴィッド・ゲイツの優しい歌声を、ギターに置き換えて指弾きのダブルストップ交じりで弾いています。

 

9曲目”Money”は、バレット・ストロングの”Money (That’s What I Want)”ではなく、ロジャー・ウォーターズの書いたピンク・フロイドの方の”Money”です。

 

さすがにオリジナルの壮大さには遠く及びませんが……ジャズ・アレンジでなんとか演奏しています。

 

そして最後はアース、ウィンド&ファイアーの名バラード曲”That’s The Way Of The World”で締めくくられています。

 

この曲のインスト・バージョンだと、フュージョン・グループのスタッフがモントルー・ジャズ・フェスティヴァルで1976年に演奏していたのが思いつきますね。

 

本作ではゆったりとジャズ・アレンジで演奏しています。

 

まるで70年代のオルガン系ジャズファンクの作品のような選曲に演奏が聴ける8トラックシリーズの第一弾でした。

 

 

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Ryo
おすすめ曲は、#2 #3 #4 #6 #7

Dave Stryker – 『Eight Track II』

01.Harvest For The World
02.What’s Going On
03.Trouble Man
04.Midnight Cowboy
05.When Doves Cry
06.Send One Your Love
07.I Can’t Get Next To You
08.Time Of The Season
09.Signed, Sealed, Delivered, I’m Yours
10.One Hundred Ways
11.Sunshine Of Your Love

 

Personnel:
Dave Stryker – Guitar
Stefon Harris – Vibraphone
Jared Gold – Organ
McClenty Hunter – Drums

 

Released : 2016

 

アルバムの内容

2016年にリリースされたシリーズ2作目です。

 

編成は変わらずヴィブラフォンを含むカルテットで全ての曲を演奏しています。

 

1曲目”Harvest For The World”は、アイズレー・ブラザーズの1976年の楽曲です。

 

デイブ・ストライカーは割と正統派のジャズ・ギタリストなのですが、こういった僕好みのブラック・ミュージックが好きなんですね。

 

気が合いそうです。(笑)

 

2曲目”What’s Going On”は、言うまでもなくマーヴィン・ゲイの歴史的名曲です。

 

ヴィブラフォンが入っているためか、とても幻想的な演奏です。

 

続く3曲目”Trouble Man”もマーヴィン・ゲイの楽曲です。

 

1972年のブラックスプロイテーション映画『野獣戦争』のサントラ用に制作された楽曲です。

 

4曲目”Midnight Cowboy”も映画のサントラ曲です。

 

1969年の映画『真夜中のカーボーイ』用に作曲家のパーシー・フェイスが書いた壮大な楽曲です。

 

本作ではまるで晩年のウェス・モンゴメリーのようにオクターブ奏法交じりでオシャレにテーマメロディーをギターで弾いています。

 

そしてなんといっても本作の一番の聴き所は、5曲目の”When Doves Cry”です!

 

ある意味驚きの選曲なのですが……もちろんプリンスの1984年の初の全米No.1ソング『ビートに抱かれて』のことです。

 

あのベースレスの楽曲を、ジャジーにアレンジして演奏しています!

 

さすがに本作ではオルガンがベースラインを弾いてはいますが……。(笑)

 

ちなみにこの曲はYouTubeで観ることが出来ますので、ぜひそちらの方も観てみて下さい。

 

驚きのカヴァー曲の次は6曲目”Send One Your Love”です。

 

スティーヴィー・ワンダーの1979年の子供向けドキュメンタリー作品『シークレット・ライフ(愛の国)』のサントラから隠れた名曲をカヴァーしています。

 

原曲の優しさを保ちつつ美しいヴィブラフォンの音色と共に上手くカヴァーしています。

 

7曲目”I Can’t Get Next To You”は、テンプテーションズのファンク期の楽曲です。

 

原曲のような16ビートのギターカッティングやファズギターはありませんが、本作でもノリの良い演奏でカヴァーしています。

 

しかしファンクというよりも、あくまでジャズのアレンジで演奏しています。

 

8曲目”Time Of The Season”は、これまた驚きのゾンビーズの1968年の楽曲です。

 

うだるような暑い夏の日を思い起こさせるような原曲とは違って、オシャレなジャズ・アレンジが施されています。

 

9曲目”Signed, Sealed, Delivered, I’m Yours”は、お馴染みスティーヴィー・ワンダーの『涙をとどけて』です。

 

どうしてもコーネル・デュプリーの得意曲だというイメージがありますよね⁉(笑)

 

しかし本作ではやはり落ち着いたジャズ・アレンジで演奏されています。

 

「こんな落ち着いた曲だったっけ?」といった感じですね。(笑)

 

10曲目”One Hundred Ways”は、クィンシー・ジョーンズの1981年の『愛のコリーダ』からです。

 

ほぼ原曲のイメージを壊さないようなゆったりとした演奏です。

 

そして最後の11曲目”Sunshine Of Your Love”は、お馴染みクリームの楽曲です。

 

クリームと言えば、ロック界最強のトリオ・バンドですよね。

 

エリック・クラプトンにジャック・ブルースにジンジャー・ベイカーという凄腕達が、まるで「俺がこのバンドの主役なんだ!」と喧嘩をするように激しいインプロヴィゼーションを繰り広げる名バンドでした!

 

そんなクリームの最も有名な楽曲”Sunshine Of Your Love”を、やけに軽やかなジャズ・アレンジで、全く別の曲のようにカヴァーしています。

 

「こんな曲だったっけ?」と言った感じです。(笑)

 

メデスキ、スコフィールド、マーティン&ウッドが2014年の『Juice』でカヴァーしていたアレンジの方がまだわかりやすいです。(笑)

 

でも逆に言うと、デイブ・ストライカーのアレンジ力が発揮されたと言えるのかもしれませんね。

 

マーヴィン・ゲイやスティーヴィー・ワンダーにアイズレー・ブラザーズのような「いかにも!」な選曲があったかと思えば、まさかのプリンスやゾンビーズのカヴァーがあったりと第二弾も面白い選曲に素晴らしいアレンジが聴ける作品に仕上がっています。

 

 

 

Ryo@Dixiefunk Lab.の白アイコン
Ryo
おすすめ曲は、#1 #3 #5 #6 #8 #11

 

 

以上、【ジャズギタリストのデイブ・ストライカーが色んなジャンルの楽曲をカヴァーした8トラックシリーズ2作品を聴こう♪】のご紹介でした。

 

どちらも60年代後半から70年代のポップス曲を、ギターインストのジャズ・アレンジでカヴァーしたアルバムになります。

 

ほとんどが有名曲で構成されているので、この時代の洋楽好きの方でしたらお好きな楽曲がいくつか見当たると思います。

 

好きな楽曲を目当てでも良いですし、どんなアレンジが施されているのか気になるという方もぜひ聴いてみて下さい♪

 

 

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